仮面ライダーレスキュー   作:ボルメテウスさん

2 / 114
レスキュー発進前

俺には、一つの目標があった。

 

『叔父さん』

 

『どうしたんだい?』

 

『俺は、ヒーローになれるのかな』

 

その目標は、今も覚えている。

 

『・・・ヒーローか、それは私には分からない』

 

幼い頃、両親が死んだ俺には、一人の親戚に引き取られた。

 

その人は、今は、もういない。

 

『私自身、ヒーローというのは、言葉では分かっている。だが、その本当の意味を理解していない』

 

『そうなんだ』

 

『けれど』

 

そう、叔父さんとの約束を今も覚えている。

 

『君の持つ、その力は、きっと多くの人々を救える。力の使い方を間違えなければ。そのあり方がヒーローであるのを、私は信じている』

 

叔父さんは、そう、俺の胸に手を置いて言った。

 

それが、俺と叔父さんの最期の会話であった。

 

あれから、15年。

 

叔父さんが死んだ後、遺産は俺が受け継ぐ事になった。

 

だが、俺自身、叔父さんの遺産に関して、詳しい事は聞いていない。

 

「叔父さん、今日も、俺はヒーローを目指して、頑張ります」

 

未だに、幼い頃の夢を忘れずに、俺は墓に眠る叔父さんに手を合わせながら言う。

 

その日、叔父さんが亡くなってから、長い年月が経っていた。

 

叔父さんと過ごした時間は、それ程、多くなかった。

 

だけど、ここまで、俺がヒーローとして、目指すきっかけは間違いなく叔父さんのおかげだ。

 

「それにしても、まさか、なんで今になって」

 

その言葉と共に、俺は取り出したのは、手紙。

 

それは、既に亡くなっているはずの叔父さんからの手紙であった。

 

そこに書かれているのは。

 

『君が、もしも、まだヒーローを目指しているのならば、この場所に』

 

それだけが書かれていた。

 

疑問ではあった。

 

その手紙が送られた意図は分からなかった。

 

俺は、その手紙に指定された場所へと向かっていた。

 

「ここが、そうなのか?」

 

指定された場所へと辿り着く。

 

だが、その場所は、既に燃やされた家。

 

もう何も残されていない場所において、なぜ。

 

疑問に思いながらも、俺はその家の中に入る。

 

家の中は、ほとんど何も残っていない。

 

叔父さんが死んだ後も、放置されており、この場所には、誰もいない。

 

それを証明するように。

 

ゆっくりと、俺はその場所に踏み込んだ時だった。

 

ガシャリ

 

「えっ」

 

聞こえた音。

 

それは、何かが開く音。

 

気になり、見つめると、その近くには、何かの扉があった。

 

金属であり、まるで突然生えてきたような扉。

 

疑問ではあった。

 

俺はゆっくりと、その扉に手を伸ばす。

 

ドアノブに触れると共に、そのまま開く。

 

すると、そこは何もない空洞。

 

そのまま、空洞の中に入る。

 

中は真っ黒で、未だに何もない。

 

だが、俺が入ると共に、ドアが閉まる。

 

「なんだっ、閉じ込められたのっ」

 

そう、俺が思わず叫んでしまう。

 

だけど、ドアが閉まると共に、感じたのは、下に落ちる感覚。

 

ジェットコースターのような、浮遊感を味わいながら落ちていくと、地面に当たる衝撃を受ける。

 

「いてて……うわぁっ」

 

そして、そのまま転んでしまい、慌てて立ち上がると同時に目の前にあるのは、巨大な機械の数々。

 

「なんだよこれ」

 

目の前に広がる、巨大な機械を見渡す。

 

それらは、あまりにも現実離れをしていた。

 

まるで、テレビの中に出てくるような。

 

ヒーローの基地を思わせるような設備が幾つもあった。

 

「これは、いったい……」

 

俺は呆然としながら呟く。

 

何故なら、こんな場所は知らないからだ。

 

そもそも、ここはどこなのか? どうして、こんな場所にいるのかも分からない。

 

ただ分かる事は一つだけある。

 

ここにいるという事だ。

 

俺は辺りを見渡しながら、改めて思う。

 

これが夢ではない事を。

 

この空間にいる事が異常だと理解する。

 

そんな疑問を。

 

まるで答えるように、それは現れた。

 

『この場所が、開かれたという事は、君が今でもヒーローを目指していたという事だね』

 

「えっ、叔父さん」

 

聞こえて来たのは、叔父さんの声。

 

死んだはずの叔父さんに、俺は目を見開く。

 

『そして、この音声が再生されたという事は、私は既にこの世にいないのだろう。だからこそ、このメッセージを君に伝える』

 

一瞬、生き返ったのか。

 

だけど、メッセージは、叔父さんが死んだ事を肯定するような言葉であった。

 

『ここには、君が語ったヒーロー。それを実現する為に、私が造り上げたシステム。様々な災害を人々から守る為の対超災害用のシステムが眠っている』

 

「対超災害用?」

 

俺の言葉に、叔父さんは語り続ける。

 

『そう。私には、人々を救いたい。その思いがあった。だが、私だけでは救えない事もあると分かったのだ。だから、私は考えた。人々が安心して暮らせる世界を造ろうと。その為にも、人々の心を守る為の力が必要だと思ったのだ』

 

叔父さんの真剣な声を聞く。

 

『そして、その最中、君と出会った。死に瀕した君を救うという大義名分で、君の心臓に埋め込んだコア・ドライビア』

 

「・・・」

 

そう、俺の心臓は、機械。

 

叔父さんによって、埋め込まれた機械の心臓ではあるが、それが一体何なのか。

 

それは知らなかった。

 

『コア・ドライビアから発生するエネルギーで、君は生きている。そして、ここにあるシステムは、君だけが発生する人間の心臓と共に出る波長にリンクするように、私が造り上げたシステムだ。つまりは、君にしか使う事が出来ないシステムだ』

 

「・・・」

 

その言葉に対して、俺は黙って、聞いた。

 

『この力を、君がどのように使うのか。成長した君が悪用しないか。だが、このシステムの封印が解かれたという事は、君の感情は、変わらず誰かを助ける熱いハートを持っているという事だと分かる。ならば、それをどうするかは君次第だ』

 

「・・・」

 

『もしも、この力を使って何かをするとしても、私の願いは変わらない。人々の笑顔を守りたいという気持ちだけだ。だから、どうか自分のしたいようにして欲しい』

 

叔父の言葉を、聞く。

 

『最後に、君とは、確かに血の繋がりはない。それでも、君の事を誇りに思うよ、我が息子、そして』

 

その言葉を最後にメッセージは終わる。

 

「・・・叔父さん」

 

それを聞きながら、俺は涙を浮かべる。

 

そう考えていると、聞こえて来たのは、警報。

 

『災害発生。住宅街に火災が発生!』

 

それが、俺は。

 

「行くしかない」

 

その言葉と共に、俺の腰には見た事のない機械があった。

それと共に。

 

『RESCUE!TYPE-FIRE』

 

その音声。

それと共に、俺の姿は変わる。

 

「これは、一体」

 

その疑問に思っていると。

 

『人々を救え、戦士レスキュー』

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。