新門の事情を聴いた。
新門が抱える過去の苦しみや、その決意の深さを知り、森羅達の心には複雑な感情が渦巻いた。彼の行動には彼なりの理由があった。それでも、共に戦うことが許されない現実が、彼らの胸に重くのしかかった。
「新門さんと一緒に戦うのは、難しいのかな」
新門が共闘を断る理由を理解することができた。しかし、その理解は心を軽くするものではなく、むしろ重荷となって彼らの足取りを重くさせた。新門の過去に起因する強い決意は、彼にとって浅草の守護者としての使命をさらに厳しくしていた。それが共闘を拒む理由であったことを知り、森羅達は一層の複雑さを感じる。
「けれど、それではロイミュードによる被害が減らない訳ではない」
新門一人では限界がある。彼らとしてもその被害を減らしたいという思いは変わらない。それどころか、新門の負担を少しでも軽減する方法を考える必要性を感じていた。しかし、新門自身がそれを許さない状況の中で、どうすれば彼の思いに応えることができるのか、森羅達には答えが見つからない。
「何よりも、先程の相模屋の願いを否定する訳にはいかない」
相模屋の切実な願いが耳に残っていた。新門を助けてほしいというその言葉には、深い信頼と切迫感が込められていた。その願いは、森羅達の胸に強く響き渡り、その重責は彼らの行動をさらに複雑なものにしていた。彼らは、新門自身の意図と、相模屋の願いとの間で揺れ動いていた。
そう、森羅達が考えていた時。
「これは」
森羅が突然、背筋を凍らせるような感覚を覚えた。その感覚はこれまで幾度も経験した、どんよりの予兆だった。その瞬間、森羅達全員が息を呑んだ。その冷たい感覚は、再び現れた脅威の証拠だった。
「まさか、ロイミュードがここに」
その言葉と共に、森羅達の胸に緊張が走った。これまで何度も戦ってきたロイミュードの存在を再び感じ取ったことで、彼らは即座に行動に移った。迷いを捨て、彼らはすぐさまロイミュードが出現したと思われる場所へと駆け出した。
そこでは既にロイミュードが暴れていた。
そこにいるロイミュード。
彼は、浅草の店を破壊しようとしていた。
その瞬間、森羅の視界に映った光景は衝撃的だった。
ロイミュードの武器が店の壁を突き破り、瓦礫が散乱する様子が目の前に広がっていた。
人々の悲鳴が耳をつんざき、恐怖と混乱が空気を重くしていた。
森羅はその場面を目にした瞬間、胸に痛みが走るような感覚を覚えた。
「ここで戦えば、新門さんと戦う事になるかもしれない」
その言葉が頭をよぎり、一瞬彼の足は止まった。
新門の意志を尊重すべきか、それとも目の前の脅威を排除するべきか、迷いが彼の心を揺さぶった。
しかし、その迷いはすぐに消え去った。
「けれど」
森羅は深呼吸をし、目を閉じて心の中で強く決意を固めた。
「ここで迷って、助けられないよりマシだ!」
その言葉と共に、彼は迷いを振り払い、即座に変身を開始した。
身に纏う装甲が光り輝き、彼の全身が変身する。
「ロイミュードから人々を守る為に!」
力強い声が響き渡り、森羅は決意に満ちた表情で前へ進んだ。
彼の目には強い意志と使命感が宿り、目の前の脅威に向かって駆け出した。