「全く、まだ未調整のレスキューギアを使うとは」
そう言いながら、ベルトさんは森羅達に呆れたように言う。
「すまない、けれど、あのロイミュードが起こす災害を止めるには、あれしかないと考えていたから」
「確かにブレンの能力を考えれば、それが最適だろう。幸い、本調子ではなくても十分のようだったからね」
「本調子じゃないのか?あれで?」
ベルトさんの言葉に対して、アーサーは首を傾げた。
現場で戦った際のアーサーの正直な感想だった。レスキューギアの性能が未調整でもあれだけの強さだった事に驚きを隠せなかった。
「yes!レスキューギアはむしろこれからが本調子なんだよ」
そう、森羅達に話しかけたのは、一人の老人。高齢ながらかなりテンションが高いアメリカンな男性。
「この人は?」
「私の恩師のハーレー・ヘンドリクソンだ。彼がデットヒートの再調整の為に来てくれたんだ」
ハーレー・ヘンドリクソンの名前を聞いた瞬間、全員が注目した。彼は科学者として世界的に有名であり、特にエネルギー変換技術や強化装甲開発ではその名を知らぬ者はいないほどだった。
「それで、さっき言っていた本調子じゃないって、どういう事なんだ?」
その言葉が気になり、思わず質問する。
「レスキューギアは、デットヒートのデータを元に各武装をより強化する予定だ。けれど、君達が使った際には、そのパワーは従来と変わらないシステムとなっている」
「・・・えっ、それってつまりは?」
「新たな武器を手に入れただけが、現在のレスキューギアだ。本来は、あれの比にならない力を持っている」
「それって、本当なのか」
その言葉に環も驚きを隠せなかった。彼女もまたレスキューギアの驚異的な能力に感心していたが、それでも未完成という事実には驚愕した。
「ここまでの力を発揮出来たのは、他でもない。君達自身の経験による物。そして、本来のレスキュージャケットの力は、きっとそれ以上の力を出すだろ」
「勿論!私もそれを楽しみにしていたからね」
そして、ハーレーは同意しながら頷く。
「クリムから頼まれた時から、私も興味があったからね。調整は任せてくれ!」
ハーレーの自信満々な表情と声色は、全員を安心させた。彼の技術力と情熱があれば、きっとレスキューギアはさらに進化するだろうという期待感が広がった。
「っありがとうございます!」
森羅も感謝の言葉を述べる。その言葉には心からの感謝が込められていた。
レスキューギアが未完成な状態でも彼らを助けてくれたことに感謝しつつ、更なる進化に期待していた。