ジャッジ・ロイミュードの事件は無事に解決した。
それは、事件を見ていた森羅もまた、それを見守っていたからだ。
ジャッジ・ロイミュードのコピー元であった橘真伍さんは、殺人罪でみずから自首した。
彼自身が殺人を犯した訳ではない。
けれども、ジャッジ・ロイミュードにそれを託し、そして人を殺した。
「・・・正義ってのは、難しいですね、隊長」
「そうだな」
事件が終わった後、森羅達は秋樽隊長と共に馴染みのラーメン屋に来ていた。消防隊全員での外食は珍しくはあったが、今回の事件に付き合ったお礼だと言われた為、断る事は出来なかった。
「あの人は、とても立派な刑事だった。だけど、その正義感が行き過ぎて、間違ってしまったのかもしれないな」
「私達は、あくまでも人命救助が最優先ですから」
「あぁ、そうだ、俺達の力はあくまでも人々を助ける為だ」
秋樽隊長の言葉は重く響いた。
森羅はラーメンをすすりながら、自分たちの存在意義について改めて考えていた。
「・・・お前達も」
そう、秋樽隊長は森羅達に目を向ける。
「間違った力を使うなよ」
笑みを浮かべながら言う。
森羅達が仮面ライダーである事を知らない秋樽隊長。
それでも、その言葉には深い意味が込められていた。
「えぇ、私たちは人命救助のために存在するんですから」
「そうですね、俺たちの力は人を助けるためにある。正義って難しいけど、それを忘れちゃいけないですよね」
藤川は微笑みながら頷く。彼自身もまた、自分の力の使い方について深く考えているようだった。
「でも、こうやって全員で食事できるのも悪くないな」
神田がラーメンを平らげながら言った。
「いつもは一人で食べるか、誰かと仕事中に食事するかだからな。こんな風にみんなで食事するのは久しぶりだ」
「そうだね」
森羅も同意する。
「みんなで集まる機会ってあまりないから」
「それも一つの絆ですよね」
「このチームの結束感を感じられるのは大事なことだと思う」
「まあ、こんな時に火事が起きたらヤバいがな」
秋樽隊長が冗談交じりに言う。
「でも、こうやって時間を作れること自体が貴重なんだ」
「そうですね」
森羅が微笑む。
「お互いを支え合える関係は大切だ」
ラーメン屋での食事は和やかな雰囲気で進んでいった。皆が笑顔を見せながら。
それと共に森羅もまた食べ始める。
「・・・まだまだ、沢山学ばないとな」
自分がまだ、ヒーローとして成長途中である事。
それを今回のジャッジ・ロイミュードの事件を通して、正義の事についてを考える確かなきっかけになったから。