第8特殊消防隊。
それは近年、多発するどんよりによって引き起こされる災害に対抗する為に創設された特殊部隊である。
本来の消防隊に比べて、様々な状況に対抗する為のスペシャリストを収集した精鋭部隊である。
「それにしても、本当にこんな現場があるとはな」
そんな言葉を呟きながら、第8特殊消防隊の隊長である秋樽桜備は、その不思議な現場を見ながら正直な感想を呟く。
「現場において、人的被害はありませんが、二次被害の可能性がある為に我々を呼び出したようですね」
「けど、こういう仕事って、本当に消防隊の仕事なんでしょうか」
それらの現場を見ながら、中隊長である武久火縄は、今回、呼び出された1件の要請内容を再確認する。
それと共に、この仕事が、実際に消防隊が必要なのか、疑問の声を出したのは、小隊長である茉希尾瀬は呟いた。
「確かに人的被害はないが、ビルの崩落による被害がどれ程が分からない。緊急時には我々の力も必要になるだろ」
そう言っている時だった。
「おぉ、もしかして秋樽さんか!」「んっ、その声は追田さんか!」
そんな話をしていた時、秋樽に声をかけてきたのは現場の刑事の一人、追田現八郎だった。
「まさか、こんな現場であんたと会えるとは思わなかったぜ」
「まぁ、消防隊と警察が連携するのは多いけど、こういう場では珍しいからな」
そう久し振りに再会出来た事もあり、和気藹々とした雰囲気で話した。
だが、それも一瞬だ。
「それで、事件性は」
「さっぱりだ、ビルの崩落に関しても手掛かりはほとんどなしだ。お前達の所で危険性は」
「ビル内での崩落による二次被害もそうだが、ビルの中にあるガスなどによる爆発が起きる可能性もある。だから、正直に言えば、現場の維持じゃなくて、解体をすぐにでも行いたい所なんだが」
「確かにな、正直に言えば、すぐにでもって」
そう、彼らが会話をしていると、追田は、とある方向を見る。
そこには、二人の人間が睨み合っていた。
「あいつらは?」
「あぁ、俺の所の新人で、森羅日下部とアーサー・ボイルだ。他にももう一人いるんだけど、今日は非番だ」
「仲は悪いのか?」
「かなり悪いな、犬猿の仲だけど、面白い奴らだぜ」
「へぇ」
そうしている間にも森羅とアーサーは睨み合っている。
「てめぇ、さっさと離れていろ」「お前が別の所を行けば良いだろ、俺はこっちを行くんだから」
そう、互いにまるで譲る気のない姿は、子供の喧嘩に近かった。
すると。
「あれ、森羅じゃないか!」
「んっ、あぁ、泊さん!」
すると、森羅は、ふと現場で再会した進ノ介に挨拶した。
「なんだ、知り合いか?」
「ちょっとしたな、というよりも、泊さんがいるという事は」
「まだ、確定じゃないけどな、とりあえず調べている」
「調べているとは?」
「ロイミュードだ、知っているだろ」
「・・・トイ?ミュード?玩具か?」
「・・・」「こいつ馬鹿なんで、気にしないでください」
アーサーの言葉に対して、森羅は頭を抑えながら答える。
そうしていると、次の瞬間、爆発が起きる。
「っ!アーサー!進路を確保を!」「お前は、救助者がいないか確認しろ!」
それと共にアーサーはすぐに走り出す。
先程までの喧嘩をしていたとは思えないような動作に泊は驚きはあるが。
「泊さんもっ」
「あぁ!」
それと共に、避難しようとした次の瞬間。
感じた感覚。
それは、どんより、つまりは。
「「重加速っ」」