森羅と進ノ介。
二人は、既に覚悟を決めていた。
眼前にいるチェイサーに、人殺しの罪をこれ以上犯させない為に。
「っ!」
最初に、前に出たのは森羅。
森羅は、その脚から溢れ出る水の勢いと共にチェイサーへと向かって放った。
放たれた水の蹴りに対して、チェイサーは瞬時に構えていた。
「それは既に見た」
それと共にチェイサーはブレイクガンナーに電撃を纏いながら、そのまま放った。
放たれた電撃は、水を通じて真っ直ぐと森羅へと襲い掛かろうとした。
「危なっ!」
だが、森羅は瞬時に水を止め、その攻撃を届かせなかった。
それと共に氷となった水は、その場でチェイサーの目の前で砕け散った。
それが一瞬だけ、チェイサーの目を覆った。
そして、その一瞬は。
「はぁ!」「ぐっ」
ドライブの新たな姿であるタイプフォーミュラーの姿を消させるには十分だった。
これまでのドライブ、否。
ロイミュードを含めても、その速さを超える者は現状は存在しない。
その速さと共に放たれた拳が当たった事に気づくのは、痛みを感じた後だった。
「なっ!」
その隙を、森羅は逃さなかった。
森羅は、瞬時にチェイサーの懐に入ると共に、その場で回転しながら、回し蹴りを放った。
水の勢いによって放たれた蹴りはチェイサーの腹部に当たり、確かなダメージを与えた。
「がはぁ!!なぜっ」
「あんたは確かに強くなったかもしれない」
メディックの改造によって、チェイサーは確かに強化されていた。
だが、それ以上に。
「あんたは、死神としての誇りを失った。それがあんたを決定的に弱くさせたんだ」
「俺が、誇りを失っただとっ」
進ノ介からの一言に対して、チェイサーは迷う。
それと共に、進ノ介の足下には新たな武器が来ていた。
「だから、あんたをここで倒す!森羅!」
「あぁ!」『ヒッサーツ!フルスロットル!』
それと共に、森羅は既にチェイサーの懐に飛び込む。
同時に両脚の水を、まるで大砲のように放った。
それと共にチェイサーは、そのまま天高く飛ばされる。
「ぐっ!」『トリプルチューン!』
鳴り響く音声と共に、チェイサーが巨大な弓矢へと変わって、進ノ介に向かって放とうとした。
対して、進ノ介は、その新たな武器であるトレーラー砲を構えていた。
『フルスロットル!ヒッサーツ!フルフルフォーミュラ砲!』
進ノ介は、その手に持つトレーラー砲の銃口から巨大な青いエネルギーが放たれた。
「っ」
互いのエネルギーがぶつかり合う。
その衝撃は、空中で爆発が起きる。
そして。
「ガァァァァ!」
チェイサーは、その叫びと共に爆散した。
それを見つめながら、進ノ介と森羅はぐっと手を強く握り締める。
強力の敵を倒した達成感ではなく、空しさだけ。