剛の戦う理由を知り、一同はどう行動すれば良いのか困惑をしていた。
「・・・剛が戦った訳は分かった。けれど、なんか引っかかるんだよな」
「引っかかるとは?」
「いや、剛が戦う訳は理解しているんだけど、それ以外で、なんだか、この事件に関して」
「事件?」
「あぁ、そう言えば、話していなかったな」
それと共に、進ノ介は、ここまでの経緯を話し始めた。
犯罪者以外の人間でも融合進化態として適合できるかどうかを確かめることを目的とし、とある新興住宅地の住人を対象として無作為にネオバイラルコアをばら撒き、人体実験を行っていた。
「新興住宅地での実験だと?」
アーサーが眉をひそめる。
「一体どれくらいの規模なんだ?」
進ノ介は苦い表情で天井を見上げた。腕の痛みに顔をしかめながらも、できるだけ詳細に状況を説明する。
「最新の情報によると、少なくとも三十世帯以上がターゲットにされているらしい。しかも、被害にあった家族の中には子どもも含まれている」
「酷いことをするんだな」
アーサーが憤怒の声で言った。
「人間を実験台にするなんて、許されることではない、けど、これからどうすれば」
森羅は言葉を詰まらせた。
そのとき、チェイスが初めて口を開いた。
「ネオバイラルコア……奴らは単なる人体実験をしているわけではない。より高度な融合進化態の完成を目指している」
「つまり、もっと強力なロイミュードを作ろうとしているわけですね?」
「だが、それには適性を持つ人間が必要だ。一般市民の中に適合者がいるとは限らない」
「だから無差別に撒いているのか……」
「あぁ、そのはずだが、どうしたんだ」
しかし、アーサーは首を傾げた。
「だったら、なんであいつは計画通りって言ったんだ?」
「えっ」
アーサーは、その耳で聞いた言葉に疑問を呟いた。
それは、戦いの最中に聞いたロイミュードのとある言葉。
『計画通り』
「・・・それは、本当なのか」
進ノ介は、その言葉に対して、思わず聞いてしまう。
「あぁ、さっきの話が本当だったら、むしろ計画は失敗しているはずだ。なのに、計画通りっていうのは、可笑しいと思うが」
「私も同意見だ。ならば、あの時の状況こそがロイミュードの狙いだと考えて良いだろう」
「だとしたら」
進ノ介は、同時にロイミュードの狙いがあの戦いの中にあった事。
そして、あの時の異常は。
「剛っまさか、ロイミュードの狙いは剛だったのか!」
暴走して、チェイスと戦っていた剛。
「だとしたら、ヤバくないか?」
「あぁ、かなりマズイ」