自分の力不足を痛感しながらも、森羅はこれから先、どのように活動するべきか悩んでいた。
あの場での救助を行えたが、それでも手が足りなかった。
「・・・俺だけでは、ヒーローになれないのか」
実際に、森羅にはもう1人の仮面ライダーという心強い味方はいた。
だが、彼は、主にロイミュードと戦う為に現場に来ている。
目の前に助けるべき市民がいれば、確かにそれを優先してくれるが、仮面ライダーという力を無闇に使う様子はない。
それは正しい事である。
同時に、今のままではどんよりに対抗するのは難しいかもしれない。
その思いを抱く中だった。
「おい、悪魔」
「あぁ、なんだ、アーサーかよ」
そう悩んでいる時に話しかけてきたのは、アーサーだった。
あの現場が終わった後も合流したが、その後はいつものようにウザい絡みを行わなかった。
それもあって、少し不審ではあったが、特に気にしていなかった。
だからこそ。
「なんでお前が仮面ライダーに変身出来たんだ?」
「なっ、見ていたのか!?」
「あぁ」
そう、アーサーははっきりと答えていた。
「なっ何を馬鹿な事を言っているんだ、お前は」
「いや、さっきオレンジ色の仮面ライダーに変身していて、それを解除しただろ。ついでに懐にある物を使って、デカい消防車も呼んでいただろ」
思わず森羅は口を大きく開けてしまった。
「いつっ見たんだ!」
「進路確保を行っていたら、そのまま迷ってしまった。出てきた所で、お前が変身を解除をしているのを目撃した」
「このバカが!」
まさか、そんな理由で判明するとは、森羅も思わず頭を抱えてしまった。
だが、アーサーはそのまま詰め寄る。
「それにしてもなんでお前が仮面ライダーに変身出来たんだ?」
「・・・まぁ、ここまでバレたら仕方ないか」
それと共に森羅は諦めると共に、アーサーに、レスキューに関する事を伝える。
アーサーは、終始、首を傾げたが。
「それで、お前は一人では出来ないと言っていたのか?」
「まぁ、そうだけど」
「その仮面ライダーというのには俺には変身出来ないのか」
「いや、出来ねぇよ、叔父さんの話じゃ、俺しか出来ないって」
そこから先、自分の心臓が機械である事を、森羅は話す事は出来なかった。
だが、アーサーは。
「ふむ、仮面ライダーには変身は出来ないのか」
「あぁ、けど、この力は危険だ、だから」
「だったら、仮面ライダーじゃない方の力を使えないのか」
「えっ、何を言っているんだ」
それには森羅は思わず声を出してしまう。
「お前の言うジャケット、あれは生身の人間には纏えないのか」
「いや、纏えないのかって言われても、無理だろ」
「なんでだ?」
「なんでって、あれはレスキューのサポート用で」
「けれど、それを着るのを試した事ないだろ」
「いや、無理あるだろ」
森羅は思わず呟きながら、その場を去る。
「とにかく、この事は誰にも言うなよ」
そう、森羅はそれだけ言い、アーサーから離れる。
だが、アーサーは、まるで諦める気配はなかった。