大理石の床が彼らの足音を吸い込み、無機質な空間が広がっている。
エントランスホールに響く足音が、不意に止まった。
「真影壮一!何故、徹君の父親を誘拐した?」
進ノ介の声が静寂を切り裂いた。彼の目は怒りに燃えている。
「君は確か……特状課の泊巡査。一体、何の話かな?」
真影の口元が歪んだ。その笑みは冷たく、まるで氷のように進ノ介の肌を刺した。
「とぼけるな!」
進ノ介の拳が震えた。シフトカーたちが彼の手の中で光を放つ。
(ここで躊躇えば、全てが終わる)
彼は決意を固め、シフトカーたちを投げつけた。
「!」
空気が裂ける音と共に、シフトカーたちが真影の体に直撃する。衝撃がエントランスホール全体を震わせた。
「ふふ……」
真影の笑みが広がる。
同時に、真影の身体はまるで立体映像のように消え、その代わりに現れたのは、蜘蛛を思わせる素体のロイミュード。
そして、胸元にあるナンバーは001。進ノ介はその数字を忘れるはずがなかった。
「ついに正体を現したな、001!」
進ノ介の声に怒りが滲む。
「思い切った事をする男だ」
真影の呟きが不気味に響く。
その瞬間、真影の両脇に控えていた2人の人影が動き出した。彼らの姿が歪み、ロイミュードとしての本性を現す。
「御付きだと?」
ロイミュード028と092。彼らの出現に進ノ介の表情が強張る。
「ここでっ」
「ふっ」
真影の両手が掲げられた瞬間、空気が凍りつく。
エントランスホールの中央にいた数人の人間たちに向けられ、無数の氷の針が放たれた。
「危ない!」
進ノ介が警告するも遅く、針は彼らの体を貫く。
しかし―
「……何?」
貫かれたはずの人間たちは何事もなかったかのように歩き始めた。まるで先程までの出来事が幻であったかのように。
進ノ介は眉をひそめた。
(記憶を消した?いや……もっと根本的なものを……)
だが彼自身に変化はない。進ノ介の記憶は消えていなかった。
「くそっ……」
真影が再び攻撃態勢に入るのを見て、進ノ介は即座に構えた。
(ここで負けるわけには……)
「おっとっと」
突然聞こえた声に進ノ介は振り返る。
「よくやったじゃねぇか、警察の仮面ライダー」
新門の声が響く。彼は悠然とホールの入口に立っていた。
「お前のような奴がいれば少しは安心して俺も戦える」
その言葉と共に、新門は一歩踏み出した。彼の目には浅草の守護者としての強い意志が宿っている。
「新門さん」
進ノ介は驚きつつも安堵の表情を浮かべた。
「ほぅ、浅草にいる。ならば」
「変身」
だが、その前に、真影の放つ氷の針を喰らう直前に、新門は既にレスキューへと変身していた。
レスキューを身に纏う事で、氷の針を防ぐ事に成功する。
そして。
「てめぇにはきっちり落とし前、つけさせてもらうぞ!」