飲んだらインフルの症状もだいぶ軽くなりました。
かがくの チカラって すげー!
白熱した悟空とベジータの決勝戦から数日後。
クリリン、ヤムチャ、天津飯、餃子の4人は神殿へと集まっていた。
「神様、オレ達も鍛えてください」
一歩前に天津飯が躍り出て頭を下げる。
「オレも! お願いします! 強くしてください!」
遅れてクリリンが頼み込み、ヤムチャ、餃子が続く。
地球の神はそれを神妙な面持ちで見て
「頼みは分かった。しかし、何故そうまでして力を求めるのだ? 世界は平和になったのだぞ」
「孫の奴はいつの間にかオレ達よりずっと強くなってしまった。3年前はほとんど互角だったのに…。オレはそれに少しでも追いつきたい」
「オレも天津飯と同じだ。あんな試合を見せられてジッとなんてしてられねえ」
天津飯、ヤムチャが思い思いの言葉を口にし、餃子、クリリンがそれを肯定する。
神様は彼らの目を見る。本物だ。一点の曇りもなく、強くなることをひたすらに願っている。
「……よかろう。悟空と同じ修行を付けてやろうではないか」
神様の言葉に一同は喜びの声を上げる。
少し待っているように言い、神様は神殿の中へと入っていくと、そこにはミスターポポの姿があった。
「神様、本当にあの4人に修行する?」
「そのつもりだ。あの4人は既にカリンの塔の試練も突破しておる。資格としても十分だ」
それに、と神は言葉を区切り
「正直なところを言えば、あの決勝戦の試合を見て心を折られることはないかと危惧しておったのだ。武道家の道を諦めてしまわないかと…。だが、あの4人はそうはならなかった。むしろ、触発されて更なる高みを目指しておる。孫悟空は良い仲間と出会ったものだ」
孫悟空の仲間たちは悟空の力に惹かれて集まっているのではない。心に惹かれて集まっているのだ。
一種のカリスマ性とでも呼ぶべきか。
孫悟空には周りの人間を巻き込んでいく性質がある。
およそ7年前、ベジータが初めて地球に来たときはこれで地球も終わりかと半ば絶望したものだ。
地球に呼ばれた時点でベジータは私の何倍も強かった。魔封波を使ったとしても果たして封印できるかどうか…。それほどの実力差があった。
だが、実際には地球は平和そのものだ。
ベジータは地球人を滅ぼすことなく地球で生活している。
それを実現できたのはあのブルマという奇想天外な娘の影響も大きいことは否定できないが、悟空の与えた影響も決して少なくはない。
実際、あの決勝戦以来ベジータの纏う雰囲気が少し穏やかになったように思う。
余裕ができたというべきか。ずっと纏っていたピリピリした雰囲気が多少和らいだように思うのだ。
「孫悟空は不思議なやつ。ミスターポポもそう思う」
「ピッコロも悪事を止めて力を付けることに励んでおるようだしな。孫悟空の影響を受けたのか、ベジータの力に恐れをなしたのかは分からぬが…」
大魔王の頃とは何かが違うのかもしれない、と神様は話を締め括ったのだった。
◆
そんな平和な日々がしばらく続いたある日
「えぇ! 巨大隕石が地球に接近中ですって!?」
カプセルコーポレーションにブルマが絶叫が響いた。
というのも、太陽系の外側から超巨大な隕石のようなものが直進してきており、このままいけば地球に激突するというのだ。
ブルマの父であるブリーフ博士は冷静な様子で
「こりゃあお昼過ぎには地球に達するなぁ」
「地球にぶつかるってこと!?」
「そんなのミサイルでぶっ壊しちゃえばいいじゃん!」
「それがなぁ……あの星には生命反応があるんだよ」
「えぇ…!」
報道では隕石と表現されていたがブリーフは星と表現する。
おそらくどこか遠くで衛星軌道を外れた惑星が偶然こちらに向かってきているのだろうと考えていたのだ。
だとすればいきなりミサイルで破壊するのは忍びないというもの。
星を破壊せずになんとかならないかとないかという方向に話がシフトしていこうとするが…
「別に構わんだろう。ミサイルでもなんでも打てばいい。それとも、このオレがぶっ壊してやろうか?」
ベジータは破壊一択だろうと言う。
話の流れを汲まずに自分の主張を押し通そうとするベジータにブルマは苦言を呈するが
「だったら、地球がぶっ壊れるのを指を咥えて見ているか? 惑星など簡単に壊すことができるんだ。自分の命以外のことを気にしている場合ではないだろう」
ベジータは何年もの間、惑星ベジータは巨大隕石の衝突で滅んだと思っていた。
今となってはフリーザが破壊したものだと知っているが、それを知る前は疑ってすらいなかったのだ。
巨大隕石が衝突すれば惑星は滅びる。
それは、宇宙をさすらい様々な星の終わりを見てきたベジータにとって至極当たり前のことであった。
テレビでも地球に激突した際のシミュレーション映像が流れている。
惑星と惑星が衝突──次の瞬間には両方とも大きくひび割れ、無惨に砕け散っている。
「……分かったわよ」
珍しく、本当に珍しくブルマが折れる形でベジータ案が採用されることになった。
これを受けたブリーフ博士は国王軍へと連絡。カプセルコーポレーション屈指のミサイルで対象を破壊することを告げた。
カプセルコーポレーションが担当するならと国王軍側もこれを快諾。準備ができ次第ミサイルを発射し対象を破壊することになったのだが──
「──なんで壊せないのよぉ!!」
またもやブルマの絶叫が響いた。
発射したミサイルは計三発、いずれも軌道に問題はなく迫りくる巨大惑星へを爆撃したのだが、破壊するどころか傷一つ付けることさえできず、軌道を変えることもできなかった。
「おかしいでしょ! 一昔前の核爆弾の100倍は威力があるのに!」
「ハッハッハ! どうやら少々腕が落ちたようだな、ブルマ」
「腕が落ちた……ですって? ベジータ、あなたあんまりヒトのこと言えないんじゃない?」
「なに…?」
「あなた最近戦闘力の伸びが悪いそうじゃない?」
「な、何故それを…!?」
「孫くんのお兄さんが持ってきたっていうこの本物のスカウター。ちょっと故障はしてたけど、私にかかればちょちょいのちょいで直るのよ。それで、ついでにベジータの戦闘力を測ってもショートしないようにグレードアップしておいたの! ほんと、わたしってば天才よね!」
捲し立てるようにベジータを煽るブルマ。
しかし、やられたままのベジータではない。
「……ほぅ? その割には、オレを打ち負かす兵器とやらをいつまでたっても作れないようだが、そっちの研究はどうなっているんだ?」
「そ、それは…」
痛いところを突かれ言葉に詰まるブルマ。
ベジータは勝ち誇ったように腕を組んでブルマを見下ろしている(背は同じくらい)
「ふん、くだらんお喋りはここまでだ。オレは今から
言いたいことだけ言って部屋を出ていくベジータ。
ブルマは年甲斐もなく悔しさに全身を震わせ
「うわーん! ベジータに勝ち逃げされたぁ!!」
三度目の絶叫を上げたのだった。
◆
「どうやら生命反応があるというのは本当のことらしいな」
迫りくる巨大隕石を見たベジータはそう言葉を零した。
ベジータはなんとなくではあるが気の感知ができるようになっていたのだ。
天下一武道会での決勝戦、ベジータは何度か悟空の背後から攻撃を仕掛けた。完全な死角からの攻撃、普通に考えれば防ぎようのない攻撃となるはずなのだが、そのすべてが綺麗に防御されたのだ。しかも、一切目で見ることなく。
気配で感知したにしては正確過ぎる。
そう思いよく観察してみると、ベジータが攻撃のために動き出すよりも早く悟空は防御に動いていた。
……なるほど、なにか不思議な特技を使ってやがるな。
ベジータはそう確信し、悟空の『早さ』に対抗するために『速さ』を上昇させた。
すると、ある一定のスピードを超えたところで、悟空はベジータの攻撃に対処することができなくなった。おそらく、ヤツの感知能力をベジータの速さが上回ったのだろう。
カカロットの野郎は目で見ずとも相手の動きが分かる不思議な技術を持っている。
おそらく相手の居場所なども分かるのだろう。砂煙などで視界が封じられてもヤツの動きに迷いはなかった。スカウター並みに正確に位置を把握できると考えていい。
それがもともと備わっていたかと言えば答えはNoだ。
以前はヤツは目で見て戦っていた。後天的に身につけた技術──おそらく、この3年間で修行をして習得した特技だと考えていい。
カカロットにできるということはオレにもできるということ。
見様見真似で実践したところ、なんとなくではあるが相手の位置や強さを感じ取ったり、戦闘力をコントロールすることができるようになった。まだまだ実践不足ではあるが……。
「数はざっと500ほどか? この地球に流れ着いたことを後悔するがいい」
ベジータは気を開放する。
ギャリック砲の構えを取り、勢いよく吹き出す気の奔流はベジータの掌へと集められていく。
「この星を壊させるわけにはいかん! 宇宙のチリとなれえぇえええ!!」
ベジータのギャリック砲は迫りくる惑星を貫通!
惑星は穴が開いた部分からガラガラと音を立てて崩壊していき、いくつもの残骸が地球の周りを舞う。
気弾を放ち大きな残骸のいくつかを消し飛ばしていると、ベジータは残骸の一つに生命反応が残っているのに気づく。
しばらく待っていると、その残骸は隕石として地球に落下。
ベジータは落下地点へと近づいていき
「……ほぅ、驚いた。まさか生き残りがいるとは」
ボロボロで今にも死にそうな生存者を見つけた。
惑星の崩壊を受けて生きているとは、相当な実力者として見ていいだろう。
「お、お前か…!? わしの惑星クルーザーを破壊しおったのは!?」
「クルーザーだと…?」
予想外な言葉にベジータが言葉を反芻する。
「そ、そうだ! 環境が整っていると噂の地球をわしのクルーザーとして改造してやるのだ!」
「くだらんことを抜かしやがって。惑星を宇宙船代わりにするだと? キサマの悪趣味なお遊びに付き合ってられるか」
「なにを!」
生き残りの宇宙人が攻撃を仕掛けてくるが、ベジータはそれをいとも簡単に受け止めてしまう。
「……そうか。今思い出したぞ。貴様スラッグだな? 惑星に改造を施す面倒なヤツがいるとフリーザから聞いたことがある」
「そういうキサマはサイヤ人か…? な、何故こんな辺境の惑星に…」
「それを貴様に教えてやる義理はない」
ベジータは顔色一つ変えずにスラッグを近くの岩場へと突き飛ばすと、その顔の前へと掌を突き出しニヤリと笑みを浮かべる。
「どうやら宇宙を支配することを目論んでいるらしいが、そうはさせん。このオレの目標は貴様ではなくフリーザなんだ。それが分かったら、さっさと地獄にでも落ちやがれ」
エネルギーを掌へと収束させていくベジータ。
スラッグは引きつった表情を浮かべ
「ち、ちくしょう! 全盛期のチカラさえあれば貴様なんぞ…!!」
それは、負け惜しみなのだろう。
たらればの話で、実際には起こらなかったifの話。
しかし、ベジータはその言葉に興味を持ってしまった。
サイヤ人であるがゆえに。
「全盛期のチカラがあればオレに勝てるとでもいうつもりか?」
「勝てる! その程度のチカラであれば間違いなく勝てるぞ! あの若くチカラに溢れた肉体を取り戻しさえすればな…!」
「……ほぅ?」
もちろん、スラッグとてそれが実現すると思って話しているわけではない。
全盛期のチカラさえあれば倒せていたと泣き言を言っているだけである。
要約するなれば「オレ、今の本気じゃなかったから! ちょ、調子に乗るんじゃねえ!」といったところだろうか。
負け惜しみもいいところではあるし、全盛期のチカラを取り戻すなんてそもそも夢物語である。
だが、そんな夢物語を現実にする道具がある。
「スラッグ、その言葉本当だろうな?」
2つ目のパートが一番サクサク執筆できた。
やっぱりべじぶるこそ至高。
ちなみにタイトルはミスじゃありません。
アンケートに関してはさらに詳しい内容を作者の妄想を活動報告の方に書いてるので参考にしたい人はぜひ。
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=321616&uid=321357
トランクスの年齢は?
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原作通り
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悟飯と同い年くらい