ブルマ「ステキな恋人が欲しい!」   作:フェレーデ

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04:不老不死の夢③

 ドラゴンレーダーを修理してもらうために西の都のカプセルコーポレーションへと戻ったベジータ。

 しかし、ベジータが帰ったときブルマは留守であった。

 まだ天下一武道会の会場から戻っていなかったのだ。

 無理もない、まだベジータが大猿になった悟空を倒してから1時間も経っていないのだ。

 ブルマ達は今頃パパイヤ島からの帰りの飛行機の中であり、西の都へと帰ってくるまでにはまだまだ時間があった。

 

「ちっ、くそったれめ…」

 

 悪態をつきつつも重力室へと入りベジータはトレーニングを始める。

 待つということを覚えただけでもベジータは成長しているのだ。地球に着てすぐの頃ならば飛行機に直接乗り込んでいた可能性すらある。

 

 そうして待つこと数時間。

 帰ってきたブルマに早速ドラゴンレーダーを見てもらうと……

 

「うーん、どこも壊れてないみたいね」

「何だと…?」

「あんたの言う通り途中まで映ってたんなら、どこかの巨大生物がボールごと丸呑みしたんじゃないの? このレーダーってドラゴンボールが発する特殊な電波を感知してるから、飲み込まれたら感知できないのよ」

 

 そう言われてしまってはベジータも何もできない。

 ブルマの言う通り巨大生物が飲み込んでしまったのなら、外に排出されるのを待つしかないだろう。

 如何にベジータが強いとは言っても、地球中のどこかあるかも分からないボールを探し出すことはできないのだ。

 ドラゴンレーダーが使えないのではブルマもお手上げとのことで、待つしかないということになってしまった。

 

 そして、数日後…

 

「なぁ、ドラゴンボール使わないんだったらオラに四星球譲ってくれよ」

「ふざけるな。ドラゴンボールはオレが集めるんだ。貴様などに譲るわけがなかろう」

「お願いだ。オラのじっちゃんの形見なんだ」

「知るかそんなこと」

 

 カプセルコーポレーションを訪れた悟空はベジータに四星球を譲ってくれと言ってきた。

 ドラゴンボールを奪うつもりかと問い詰めると、どうやら育ての親の形見とのことだ。よりによって何故それなんだ…。

 サイヤ人ならサイヤ人らしく勝負に勝って奪って見せろと突き返すと、100回ほど組み手をしたところで無理を悟ったらしく、勝負をせがんでくることは無くなった。

 

 それから悟空がベジータのもとを訪れることはなかった。

 次の日も、また次の日も……。

 

(諦めたか…?)

 

 だとしたら、とんだ腑抜けだ。

 そう思い日々を過ごしていると、1週間ほど経過したころに悟空はまたベジータのもとに訪れた。

 

「へっへーん! カリン塔に登って修行してきたんだ! 今度はベジータにも負けねえぞ!」

 

 そう言ってかかってきた悟空はほんの少しだけ強くなっていた。

 もちろんベジータにとっては誤差もいいところではあるが、ベジータが実感できるほどには悟空は短期間で強くなっていたのだ。

 しばらく姿を見せんかったのはマジメに修行をしていたからということか。

 

「……最後のドラゴンボールを見つけたら四星球は譲ってやる」

「へっ?」

「ドラゴンボールは願いを叶えたらバラバラに飛び散ってしまうのだろう? だったら、飛び散る前に四星球だけをキャッチすればいい」

「そうか! なら、残ってる1個のボールだけを探せばいいんだな!」

「それはそうだが、レーダーにはもう半月も反応がない。どうやって探すつもりだ?」

「……オラ、こういう時どうにかしてくれそうな人知ってるぞ」

「なに…?」

 

「ちょっくら亀仙人のじっちゃんに聞いてくる!」

 

 そう言って、悟空は筋斗雲に乗り空を駆けるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

「なぬっ! 今度は探したいものがあるじゃと!?」

「ああ。ドラゴンボールなんだけど、1個だけレーダーに映らなくてさ」

「そうか……じゃが、お主カリン塔に登ったのではないのか?」

「登ったぞ。じっちゃんに勧められてからすぐに登った。カリン様にも会ってちゃんと水も飲めた」

「な、なんと…」

 

 悟空の言葉に亀仙人は驚愕を隠せない。

 まさかこの短い期間でカリン様の試練を突破してしまうとは…。

 悟空はすごいと思っておったが、まさかこれほどとは予想できなかった。ワシでさえ3年もかかったというのに……まったく、とんでもない奴じゃ。

 

「で、じっちゃんあるのか? ドラゴンボールを探す方法」

「あるぞ。探し物があるときは占いババに頼めばよい」

「占いババ…?」

「そうじゃ。驚くべきことに占いの的中率は100%、どんな探し物でも絶対見つかると有名じゃ」

「絶対か!? そりゃすげえなあ」

 

 どんな探し物でも見つけられる。

 その言葉を聞いて悟空は歓喜の表情を浮かべ

 

「よーし! これでベジータから四星球を譲ってもらえるぞ!」

「なぬっ、ベジータじゃと…?」

「ん? じっちゃん知ってるのか?」

「そりゃあのう。この前の天下一武道会でこっぴどくやられて……いや、相手を寄せ付けない強さを持っておったからのう」

「そっか、じっちゃんも試合見てたもんな」

「そ、そうじゃ。ほっほっほ」

 

 亀仙人は悟空を誤魔化せたことに安堵の息を零す。

 何を隠そうジャッキー・チュンの正体は亀仙人なのだ。

 もともとは修行の最中に大岩をも動かして見せた悟空とクリリンを見てこのままでは優勝しかねないと思い参加したが、実際には世界の広さを見せつけるどころか逆に見せつけられてしまった。

 対峙したからこそ分かる、あれは異次元の強さだった。

 かつてのピッコロ大魔王より強いかもしれない。それほどの圧があった。

 

「そんじゃあ、オラそのうれないババって奴のところに行ってくるぞ」

「占いババじゃ。名前を間違えるでない。……して、悟空、そこにはベジータも連れていくのか?」

「ん? そのつもりだけど?」

「そうか。……ちょっと待っとれい、ワシも着いていく」

「じっちゃんもか?」

 

 亀仙人は悟空に同行すると言いクリリンに留守を頼む。

 しかし、クリリンも同行したいと言ったため、留守をウミガメとランチに任せ、飛行船で飛び立っていくのだった。

 

 

 

 

 

 

「ちっ、ぞろぞろとついてきやがって」

 

 結局、同行することになったのは悟空、亀仙人、クリリン、ブルマ、ヤムチャ、プーアルの6人となった。

 カプセルコーポレーションを訪れた亀仙人というじいさんから話を聞いて、ブルマが何それ面白そうと言って同行することになったのだ。ヤムチャはそのおまけである。

 ドラゴンボールの場所を聞くだけだというのにどうしてこうもついてきたがるのか。

 ベジータは理解できなかった。

 

(しかし……ドラゴンボールといい百発百中の占いといい地球は何でもありだな。フリーザが知ったら血相を変えるようなものばかり揃っていやがる)

 

 それでもベジータが短絡的な行動を起こさないのは、地球人と仲良くしておいた方が賢明だと思っているからこそ。

 気位の高い彼は頭では分かっていても感情のままに動くこともあるが、地球人と馴れ合う程度ならフリーザにへこへこするより何倍もマシだ。

 鬱陶しいと思うことはあっても、それ以上にこの拠点を失うことのデメリットの方が大きかった。

 

(ふん、まあいい。永遠の命さえ手に入れればこのオレにもう怖いものはない。奴の天下もこのオレが終わりにしてやるぜ!)

 

 ベジータが奮起する中、目的地へと到着するのだった。

 砂漠の中にポツンとあるオアシス。

 その水上に、人工的に作られた出島のような島に宮殿が建てられていた。

 宮殿にはお化けのような案内人がおり、中へと入ると水晶の上に乗った不思議な魔法使いのような奴がいた。

 こいつが占いババという奴だろう。

 そう思い占ってくれと要求すると、その対価として1千万ゼニーか戦いかを要求してきた。

 もちろんサイヤ人ならば戦い一択だ。

 1千万ゼニーをポンッと支払おうとするブルマを制し、ベジータは戦うことを伝えるのだった。

 

「試合は5人の選手で行うぞい。そっちの出場者を決めるんじゃ」

「そんなものは必要ない。このオレがすべて倒してしまえば済む話だ」

「そりゃねえよ、ベジータ! オラだって試合したいぞ!」

「そうよベジータ。あんた強いんだから少しくらい譲ってあげなさい」

「……だったらオレは最後だ。それでいいだろう」

 

 戦う順番はクリリン、ヤムチャ、悟空、ベジータの順番となった。

 4対5となるがそれでもいいかいと確認を取る占いババに別にそれで構わんと返すベジータ。

 クリリンも「僕だけですべて倒しちゃうかも」なんて自信満々なセリフを言っていた。

 

 ……が、試合は情けないものだった。

 第1試合のドラキュラマンという奴に吸血されて失血し、場外に落とされ敗北。あまりに低レベルな試合に「もたもたしやがって…」とベジータは不機嫌さを隠せずにいた。

 

「ねぇ、ベジータ」

 

 そんなベジータに構うことなく話しかけられるのはブルマだけだ。

 みんなと離れてひとり腕を組んでポツンと立っているベジータにブルマは話しかける。

 

「あんたドラゴンボールで何をお願いするの?」

「そんなことを教える必要はないだろう」

「なによ! レーダー貸してあげたでしょ! そのくらい教えてくれてもいいでしょ」

「……ちっ、不老不死だ」

「不老不死? なんで?」

「オレにはどうしても殺したい野郎がいる。どうしても気に入らない野郎がな」

 

 このままフリーザを放っておくのは気が治まらん。

 奴にはこのオレを顎で使った報いを受けてもらわねばならない。

 これまでは奴の力にねじ伏せられてやむを得ず言いなりになっていたが、永遠の命さえ手に入れれば話は別だ。

 フリーザに勝つチャンスも必ずやってくる。

 

「ふーん、だったら、その気に入らないやつを消してくれってドラゴンボールに頼めばいいんじゃない?」

「そんなことはせん。あの野郎は絶対にこの手で殺してやる」

「け、結構恨んでるのね。まあ、好きにすればいいと思うけど……」

「……なんだ?」

「もしかして、あんた不老不死の願いをすぐに叶えるつもり?」

「何か問題があるのか? ハッキリ言って見せろ」

「じゃあ、ハッキリ言うわよ。あんた、このまま願いを叶えたら一生チビのまんまよ」

「…………は?」

 

 あまりに予想外なことを言われ素っ頓狂な声を上げるベジータ。

 ブルマは続ける。

 

「だって、不老不死よ。願いを叶えた時点で老いることは無くなるから、成長が止まるっていうこと」

「……」

「体格だって一生そのままになるわ。あんた、結構背が低いの気にしてたでしょ。これから伸びるんだって何度も自分に言い聞かせてたし」

「……」

「あとは、あんたの倒したいっていう奴はかなり強いんでしょ? だったら、不老不死になっても強くなれるのか確認しとかないといけないわ。だって、身体の成長止まってるし…」

 

 次々繰り出される言葉にベジータは何も言い返すことはできなかった。




夢は叶えるもの
そして敗れるものである
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