ブルマ「ステキな恋人が欲しい!」   作:フェレーデ

6 / 24
作者「おっ! お気に入りめっちゃ増えてシークバー赤色になっとるやん! これもしかしてランキングに乗ってるんじゃ……」

ルーキーランキング4位

作者「ふぁっ!? よーし! 目指せワイがナンバーワンや! お前がナンバーワンだなんて言わへんで! うおおおおおおお!」

皆様のおかげで1話書けました。
感想、お気に入り、評価をしてくださった方々ありがとうございます!


06:真実②

 ベジータが孫悟空の両親を呼びつけた理由。

 そんなのはただの気まぐれだった。

 偶然ヤツの出生について疑問に感じているときに、偶然あの世から死者を連れてくることができるばあさんに出会った。

 ただそれだけのこと。

 

 だが、そんな気まぐれな発言に周囲は一瞬しんと静まり返り、やがてブルマの「良いわねそれ!」という言葉を皮切りにワッと盛り上がったのだった。

 

「ご、悟空の両親か。気になるなぁ」

「何でクリリンが気になるんだ?」

「そりゃお前なぁ……逆に悟空は気にならないのかよ。両親だぞ、両親」

「オラまったく覚えてないしなぁ」

「そ、そっか…」

 

 悟空の両親はどんな奴かと盛り上がる中、最も気にしていないのは悟空というなんとも不思議な状況が出来上がっていた。

 両親の記憶は悟空にはない。 

 生後間もなく地球へ飛ばされた影響か、それとも頭を強く打ってしまったからか、あるいはその両方か。

 ともかく、悟空は両親と言われてもピンとこないくらいに何も覚えていないのだ。

 それに加えて、山奥で育ちヒトと関わらずに少年期を過ごしたがために、人と関わりを持たずとも生きていける精神性を身につけてしまった。

 友達も親友も両親も師匠もライバルもただの知り合いも、すべて仲間で一括りにしてしまうくらいには人との関わりに頓着していない。

 

「悟空、お前は両親に会った方がいい」

「じいちゃん…」

「わし以外の人間と関わらぬまま死んでしもうたからのう。ヒトとの関わり方というのをほとんど教えられておらん。両親に会いたいと思うのは、人として普通のことなんじゃぞ?」

「……そっか。じいちゃんが言うならそうするよ」

 

 悟空が意思を固めたところで完全に悟空の両親を呼ぶ流れになる。

 だが、そこに占いババが待ったをかける。

 

「ちょっと待てい! あの世から連れてくるには相手の了承が必要じゃ。まだ決まったわけでは──」

「何よ! まさか孫くんの両親が断るとでも言うの!」

「いや……じゃが、もしもということも──」

「そこはわしが事前に悟空の母親と面会して話を通しておきます。なぁに、悟空の育ての親として生みの親に会いたいとでも言えば、面会許可くらい通りますよ。ほっほっほ」

「し、しかしのう……閻魔様から許可も取らないといけないから──」

「ごちゃごちゃ抜かしやがって! まさか貴様のくだらん趣味には人を呼べるが、他のことには人を呼べないとか言うんじゃあるまいな!」

「ひ、ひぃぃ! そ、そんなことはないわい!」

 

 ベジータの怒気に当てられもはや気絶寸前の占いババ。

 少し、というかかなり可哀想ではあるが、残念ながらこの場に彼女を擁護する者はいない。

 何としてでも話を取り付けると約束し、今すぐは連れてくることはできないからと一度解散することになった。

 

 

 

 

 

 占いババから連絡が入ったのは約1週間後のことだった。

 何とか許可を取ったから宮殿に来て欲しいと言われ、占いババの宮殿を訪れたのだった。

 これから連れてくるからちょっと待っとれいと言われ待つこと数分、占いババに連れられひとりの女性が姿を現した。

 

 ネコのようなツリ目。

 特徴的なハネのあるセミロングの黒髪。

 腰から下がスカートの形になったストラップタイプの旧式戦闘ジャケットを着用し、腰からはサイヤ人の証であるシッポが垂れている。

 

「カカロット!」

 

 それが悟空の本来の名前なのだろう。

 喜色に満ちた声でそう叫ぶと、一目散に悟空の方へと駆け出し抱きしめたのだった。

 悟空も最初の方こそ抵抗していたものの、すぐに落ち着いたのかじっと動かなくなり女性の行動に身をゆだねていた。

 母と息子の再会にその場にいるみんながほっこりとした気持ちになる中、ひとり腕を組んでその様子を眺めていたベジータは

 

「おい、女! お前に聞きたいことがあるんだが──」

 

 ベチンッ。

 空気を読まず話しかけたところをブルマに引っ叩かれたのだった。

 

「あ・ん・た・ねぇ! タイミングってものがあるでしょうタイミングってものが! なに親子の再会ぶち壊してるのよ!」

「知るかそんなもの! オレが呼び出したんだからオレが好きにしても構わんだろう! 余計な口出しをするな!」

 

 ブルマとベジータが言い合うのを、いつベジータの怒りが爆発するかと何人かがひやひやして見守る中、悟空の母親は思わずといった様子で笑い出し

 

「ふふっ、ごめんよ。ベジータ王子がまさかそんな性格だと思わなくって。聞いてた話とはずいぶん違うんだねぇ」

 

 まるで花が咲いたような満面の笑みを浮かべ笑うのだった。

 その様子を見て、この親にしてこの子ありだとベジータは思った。

 たとえ頭を打たずともあの孫悟空というガキは穏やかな性格になっていたのではないだろうか?

 それくらいのサイヤ人らしくない穏やかさがこの女にはあった。

 

「丸くなったねベジータ王子」

「そんなのではない」

「またまたぁ。ラディッツはもっとツンツンしてるって言ってたけど」

「ラディッツ…? そうか! 貴様もしかしてラディッツの母親のギネか!」

「そうだよ。というか今さら気付いたのかい?」

「髪型が似ているとは思っていた」

「そこだけ!? もっと他にあるでしょ!」

 

 昔の話をする2人に一同は付いていけない。

 悟空はといえば「らでぃっつって何だ? 食い物か?」と能天気にボケをかましていて、ベジータに失笑されギネにニコリと微笑まれた。

 

「コイツは見ての通りだ。幼少期に頭を打ったために、何もかも忘れてこんな有様になっていやがる」

「カカロットの育ての親っていう人から話は聞いたよ。崖から落っことしたことを何度も謝ってくれた。生きていてくれて良かったけど、そうかい……本当に、何もかも忘れているんだね」

 

 少し寂しそうな様子で言葉を零すギネ。

 その表情を見てベジータは本当にサイヤ人らしくないやつだと思う。

 サイヤ人は子が親を殺すのも珍しくない。むしろ、親を殺した子供は称えられるくらいだ。自分よりも体の大きい大人を倒したのだから。

 ベジータだっていつかは親を殺そうと思っていた。

 必死にトレーニングを積みようやく戦闘力が父親を超えるかといったところで、惑星ベジータが崩壊したのだ。

 そのときは思わず「王に成り損なったか!」と愚痴をこぼしたものだ。

 

「そういえば、父親はどうした? オレは両親を呼んで来いと言ったはずだが…」

 

 じろりと占いババを見る。

 だが、ベジータと目が合うなり怯えた様子を見せる占いババに、これでは話にならんなと思っていると

 

「あー、バーダックはその、行方不明なんだ」

「行方不明だと…?」

 

 その答えは意外にもギネから返ってきた。

 

「地獄中どこを探しても見当たらなくてさ。もう何年も探してるんだけど、一向に見つかる気配がないんだ。まさか天国に行ったとも思えないし…」

「死んでいないという可能性はないのか?」

「あり得ないよ。だってこの目で見たんだ、バーダックが()()()()()()()()()()()()命を散らしていくのを」

「……フリーザだと?」

 

 ベジータは思わず怪訝な表情を浮かべる。

 何故、いまヤツの名前が出てくるんだ。不意に出てきたムカつく野郎の名前にベジータは苛立ちを隠せなくなる。

 

「何故そこでヤツの名前が出てくるんだ?」

「なぜって……そりゃ、惑星ベジータを滅ぼされたときに私もバーダックも死んじゃったから」

「なに? 滅ぼされただと…? 惑星ベジータは巨大隕石の衝突で消滅したのではないのか?」

「何だいそれは? そんなの奴らがウソをついてるだけだよ! 本当は、フリーザが惑星ごと破壊したんだ! 私たちサイヤ人を滅ぼすために!」

 

 ここで、前提がひっくり返る。

 今まで惑星ベジータは正体不明の巨大隕石によって消滅したと思っていた。

 だが、違った。それは奴らがオレ達サイヤ人を手駒として利用するための都合のいい方便だった。

 フリーザが惑星ベジータを滅ぼした。

 その言葉は不思議とストンと胸の内に収まった。

 

「バーダックは一早くフリーザの企みに気付いて、カカロットを飛ばし子として逃がそうって言ってきたんだ。私はまだ言葉も教えてないカカロットを飛ばすのには反対したんだけど、猶予がないかもしれないからって押し切って…。だから、もしも杞憂だったら後で迎えに行こうって、そう約束してたんだけど……」

「ちっ、最悪の予想は当たっていたというワケか」

 

 ギネの話を聞いてベジータの疑問はすべて晴れていた。

 だが、心はちっとも晴れやかではない。かつてないほどの憤りに身体がどうにかなりそうだった。

 

 自分でも驚くくらいに怒りが沸いてくる。

 マグマのようにどろどろとした感情が心のうちから噴き出してきて、それが一向に冷えて固まる気配がない。

 このベジータ様ともあろうものが仲間の死を悔やんでいるのか?

 ……いや、違う。

 そんなものではない。

 オレは、仲間が殺されたから怒っているのではなく、アイツらの手の上で踊らされていたと知って怒っているのだ。

 サイヤ人の王子としてのプライドを傷つけられたのがどうしようもなく悔しくて……そして、それを知ってなお奴らに勝てない自分の無力さに沸いた怒りが治まらないのだ

 

「……あとは好きにしろ」

 

 何かを無性に壊したくてたまらない。

 コイツらといたらうっかり殺してしまいそうだ。

 ベジータは人里離れた場所へと移動するために空を駆けるのだった。

 

 

 

 

 

 

 ベジータが立ち去った占いババの宮殿にて。

 しばらくはシンと静まり返っていたが、これまた空気の読まない悟空の腹がグ~~っと音を立て「オラ腹が減ったぞ…」と力なくへたりこんだことで空気が弛緩した。

 ブルマは頭を抱えて「サイヤ人って空気が読めないのかしら?」と言葉を零し、クリリンやヤムチャたちはあまりにスケールの大きい話に少し引きつった顔で笑みを浮かべていた。

 

「悪かったね。私たちの問題に巻き込んじゃって」

 

 申し訳なさそうな顔をしながらギネが謝罪をする。

 

「さっきのは私たちサイヤ人の問題なんだ。あなたたち地球人が気にするようなことじゃないよ。大丈夫、地球が攻め込まれる可能性はかなり低いはずだから」

 

 ギネが大丈夫だと言葉にするがさっきの話を聞かされて安心できるわけがない。

 惑星ごと一族を絶滅させるって何だそれは……そんなことできるやつが宇宙にはいるっていうのか。

 だとしたらなんてデタラメな奴なんだ。

 ちっとも安心なんてできやしない。

 

「オラ腹減ったぞ~」

「分かったわよ。ほ~ら、あんたたちもいつまでもそんな辛気臭い顔してないで、これからレストランでも貸し切ってパーッと飛びっきりの贅沢をしましょう!」

 

 ブルマは明るい調子で言って見せる。

 カプセルを放り投げ飛行船を出すと、しっしっといった仕草をしてさっさと乗りなさいと示してくる。

 

「えっと……ギネさんだっけ? あなたも来る?」

「え! 着いていってもいいのかい?」

「もちろんよ! あんたもサイヤ人なら見かけによらずたくさん食べるんでしょ。料理はたくさんあるから一緒に食べましょうよ」

「それじゃあ、ご一緒させてもらうよ」

 

 このあと、ブルマ達はめちゃめちゃ美味しいご飯を食べた。

 貸切られたレストランは過去最高の売上高を達成したそうな。

 




【戦闘力一覧】
悟空:150(13歳)
クリリン:80(14歳)
亀仙人:120(320歳)
ヤムチャ:20(17歳)
ベジータ:10万⇒12万(18歳)
ギネ:1300


【ギネを呼べるのか】
 占いババはこの世とあの世を行き来できるということは作中で明言されているが、あの世から誰でも連れてくることができるかについては明言されていない。
 ただ、地獄の鬼が占いババのことを知っているため、理論上は天国、地獄にいる者ならば誰でも現世に連れていくことが可能である。
 厄介なのは、ナメック星が北の界王の担当区域ではないという記述があったりフリーザが「()()()地獄」とい言ったりしていることで、死んだ場所によって魂の向かうあの世が異なるかのような表現がされていること。
 しかし、それにしてはナメック星で死んだはずのギニュー特戦隊が界王星に到着していたり普通に地獄にいたりと矛盾が生じてしまう(すべてアニオリではあるが)。
 そのため、このSSでは第7宇宙で死んだ者は全員閻魔大王のもとに魂が向かうとして考えることにする(思考の放棄)。

【バーダックについて】
 彼は何処に行ってしまったのか。
 惑星プラントで死んで既に転生しているかもしれないし、仮面をかぶって操られているかもしれないし、タイムパトローラーになっているかもしれない。
 いずれにしてもこの親にして悟空ありといったところ。
 妻を置いて戦闘に明け暮れるのは変わらない。


今度こそ投稿しばらくお休みです
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。