大王転生   作:イヴァ

31 / 56
開催、大王と天下一武道会!

 

 遂に天下一武道会の日がやってきた。

 俺や仲間達はブルマの運転する大きな飛行機に乗り、全員で会場のある島に向かうところである。

 久々に全員が顔を合わせるということもあり、飛行機の中は和気藹々とした雰囲気に包まれていた。なんというか同窓会のノリである。と言っても俺の場合は定期的に皆の顔を見ている気もするが。

 

「げっ、コルド、お前も出場するのかよ!? 参ったなぁ…、こりゃあ賞金を手に入れるのがますます難しくなったぞ…」

「ククク、お手柔らかに頼むぞ、クリリン」

「ハハハハハ、こいつは厳しい戦いになるな、クリリン!」

「笑い事じゃないっすよぉ…。それよりもヤムチャさんはでないんすか?」

「勘弁してくれよ。もう恥をかくのは御免だぜ」

 

 ヤムチャ、お前はそれでいいのか…まぁ本人がいいなら別にいいか。

 俺達が談笑している逆側の席で悟空がブルマ達に詰められていた。

 

「ちょっと、孫君。あんたも偶には顔くらい見せに来なさいよ」

「んだ、ブルマさんの言う通りだべ。悟空さも修行ばかりじゃなくてもう少し社交性を学んで欲しいもんだよ」

「なんだよ、今こうやって会ってるんだから別にいいじゃねぇか」

 

 こういう時でもないと会おうとしないから言われてるんだぞ悟空。いい機会だから2人からもう少しきつく言い聞かせて欲しい。

 なんなら悟空は会場に向かうのも各自現地集合でいいのではないかと言っていたくらいだ。きっと時間ギリギリまで修行して後から瞬間移動で合流するつもりだったのだろう。

 流石に風情が無さすぎるので俺が捕まえて連行してきたのだ。

 悟空達の会話にクリリンが割って入る。

 

「無駄っすよ2人とも、昔からこいつはこういう奴ですよ」

「へへ、やっぱクリリンは話が分かるや。それにしてもオメェいつの間に髪生やしたんだ?」

「…冗談だよな、悟空?」

 

 俺の記憶では随分と前からクリリンは髪を伸ばしていた気もするがそんなに長い期間会ってなかったのか?

 ハテナマークを頭に浮かべる悟空を一同が信じられないものを見るような目で見ていると彼は笑って今の発言を否定した。

 

「ハハッ、冗談だって。18号と結婚した時からだろ? 流石に覚えてっさ」

「もう…心臓に悪いですよお父さん」

 

 どうやら悟空なりのジョークだったらしい。悟空なら本当に忘れてるであろう嫌な信頼があるだけにまんまと一杯食わされてしまった。

 そんなこんなで仲間達と楽しく会話していると会場のある島が見えてきた。すると悟飯がある提案をする。

 

「そうだ、武道会では超サイヤ人は禁止にしませんか?」

「何故だ?」

「セルゲームの時にテレビに映ってたでしょ? あの時の連中ってバレたらきっといろいろ鬱陶しいわよ」

 

 悟飯の提案をブルマが補足する。これは2人の言う通りだろう、実際に原作でも同じ提案をしていたし間違いなくその方がいいだろう。そもそも超サイヤ人レベルの戦いを武道会場ですれば大惨事だ。

 ここで少し考えてみる。超サイヤ人を禁止するとすれば一番優位なのは誰だろうか。

 やはりピッコロか、18号もそれなりに強いとはいえ戦士として修行を続けていたわけでない。悟飯はともかく7年間鍛え続けてきた悟空とベジータが通常状態でどれほど強いのかが肝になるだろう。

 

「まぁいいだろう。誰も超サイヤ人にならなければ条件は同じ、俺の優位には変わり…」

 

 なにやらベジータがこちらを見てくる。というよりも気が付いたら皆が俺のことを見ていた。何だこの状況?

 突然のことに内心ビビっていると皆が俺を見る理由にすぐに気が付いた。

 

「(…あ、一番優位なの俺か)」

 

 よく考えれば俺の変身は超サイヤ人とは別物だ。超サイヤ人が禁止されている中、俺だけが変身できるとしたら俺が圧倒的有利、勝負にならないだろう。

 慌てて俺も皆に伝えておく。

 

「勿論ワシも変身はしないぞ。このままの姿で戦うと誓おうではないか」

 

 まぁ当然のことだ。戦闘力的にもそうだし観衆の前で変身なんかしたら流石に注目され過ぎる。ただでさえ目立つ見た目をしているのだ。そんなのは御免だ。

 

「ほっ、あんなの反則みたいなもんだからな。俺もその方が助かる…ってその姿でも俺からすれば反則みたいに強いんだけどな…」

 

 実際にクリリンの言うことは尤もである。正直この普段の姿でも少々分は悪いが超サイヤ人の悟空やベジータとまともに殴り合える自信はある。だがこれ以下の形態はおそらく俺にはないだろうし仕方ないか。…もしかしたらフリーザの第一形態に俺もなれるのだろうか?

 

「なぁ、テレビに映ったってんならオラたちはともかくコルドはまずいんじゃねぇか?」

「そういえばそうじゃな。儂もテレビで中継を見ていたがお主の姿がしっかりと映っておったぞ」

 

 悟空と亀仙人に指摘されてあの時の事を思い返す。

 そういえば悟空とセルの戦いに巻き込まれないようにサタン達のロケ隊をこの姿のまま無理やり押し留めていた気がする。きっとあの時だろう。俺の顔を見た人達がたまにこそこそ話していたのはそのせいかもしれない。

 だとするとこのまま出場するのはまずいか?今更かもしれないが天下一武道会の会場ともなれば注目度も段違いだ。

 どうしたもんかと頭を悩ましていると悟飯が不敵に笑いだした。

 

「フッフッフッ、こんなこともあろうかと…コルドさん、これをどうぞ!」

「ま、まさかこれは…!」

「はい! あの時話していた変装用の仮面です!」

「ほ、本当に用意してきたのか…」

 

 でも助かったかもしれん、実際に素顔で出てたらちょっとした騒ぎになっていた可能性がある。感謝しながら悟飯が差し出された物を受け取って、その気持ちは一瞬で吹き飛んだ。

 

「…これは仮面ではなく覆面ではないか?」

「えーっと、よく考えたら仮面だとルール違反になってしまうかなと思いまして…」

 

 どう表現すべきだろうか、覆面レスラーが着けているような布製のマスクと言えば分かりやすいかもしれない。ご丁寧に角を出すための穴もある。悟飯の手作りだろうか。

 悟飯の好意を無碍にもできないので仕方なく渡された覆面を被ってみる。

 

「似合ってますよ、コルドさん、いや、今から貴方はマスク・ド・コルドです!」

「…感謝するぞ、グレートサイヤマン」

 

 何が悲しくてこんな格好をしなくてはならないのか。悟飯以外の皆が明らかに笑いを堪えているのをみて空しい気持ちになる。

 すると18号が鏡を投げ渡してくれたので改めて自分の顔を確認してみる。

 うん、どこからどうみても覆面レスラーである。奇しくも覆面の派手なデザインが俺の体や角に微妙にマッチしていて違和感がないのが逆に腹ただしい。

 

「さっ皆、会場に着いたわよ。早く行きましょ!」

 

 いつの間にか会場に到着したらしい。果たして本当にこの姿で人前にでる必要があるのだろうか。これなら多少注目されても素顔の方がいい気もする。

 そんな俺の葛藤も空しく、続々と一同は飛行機を降りていく。

 

「くくっ、ほら、とっとと鏡を返しな、マスク・ド・コルド」

「ぷぷ、何してんだよ、行こうぜ、マスク・ド・コルド!」

 

 18号に鏡を取り上げられ、ヤムチャが俺の背中を叩いて一足先に降りていく。

 

「ふっ、なかなかお似合いだぞ」

 

 最後にベジータが俺を鼻で笑いながら飛行機から出ていった。ぽつんと一人残される俺。

 なんというか…楽しそうだね、あんたら。

 

 

 

 

 

 結局悟飯から渡されたマスクを被ったまま仲間たちと共に会場を進んでいき、既に現地に着いていたピッコロと合流した。

 

「コルド、なんだその覆面は…?」

「気にするな、ただの身バレ防止だ」

 

 案の定ピッコロにも突っ込まれたがそれ以外は特筆すべきことはない。強いて挙げるならミスターサタンを中心に観衆が盛り上がっていたことだろうか。

 サタンについてだがやはりこの世界でもセルを倒したのは彼ということになっているらしい。この7年間で度々テレビで取り上げられているのを見た。ちなみに一応俺達は手柄を横取りされたわけだが特に誰も気にした様子はない。俺としても注目を浴びたいわけではないのでむしろ好都合だ。

 

「グレートサイヤマンさんに…マスク・ド・コルドさん、…変わったお名前ですね」

 

 この際なので悟飯の考えた名で登録しておくことにした。皆も受付を済ませ、観戦組、そして少年の部に参加する悟天とトランクスと別れて予選会場に向かうことに。

 

「あ、そこの方。この大会で武器の持ち込みは禁止されてますよ」

「…む、そういえばそうだったな」

 

 ついいつもの癖で剣を背負ってきてしまっていた。試合に持っていくことはできないので誰かに預かっておいてもらわなければならない。誰に任せようかと考えているとヤムチャが名乗り上げてくれた。

 

「試合が終わるまで俺が預かっとくぜ」

「それは助かる。感謝するぞ、ヤムチャよ」

「いいってことよ。へへっ、これでも昔は俺も剣を使ってたことがあるんだ。取り扱いには自信が…」

「さっ、観客席に行きましょ。皆も頑張ってね!」

「っておい! 聞けよ!?」

 

 さっさと観客席に向かうブルマ達を慌てて追いかけていくヤムチャ、剣は彼に任せておけば安心だろう。

 そして俺達は予選であるパンチングマシンも難なく通過、…いくら参加者が多いとはいえ武道大会の予選をパンチングマシンで済ませてしまうのはどうなのだろうか?単純な力では分からない技術とかもある気はするが…まぁいいか。

 

 

 予選を済ませた俺達はそのまま少年の部を見物することに、まぁここも割愛でいいだろう。悟天とトランクスが勝ち進むのを雑談しながら眺めていただけだ。

 そして待ちに待った決勝戦、悟天とトランクスの戦いなのだが…

 

「かめはめ波!」

「っと! 危ない危ない、やるな悟天!」

 

 悟天の放ったかめはめ波は会場を破壊しないように軌道を変えて空へ消えていった。確か悟天は技の名前を間違えていたり、会場を破壊してしまった気もするがそんなアクシデントは特に起こらなかった。

 

「いいぞー悟天ー!」

「ちぃっ、トランクス! カカロットの息子なんかに負けたら承知せんぞ!」

 

 ちらりと悟天を応援する悟空の方を見る、おそらく彼のおかげだろう。最近はチチに隠れて悟空が悟天にこっそりと修行をつけている光景を時折見かける。そのおかげか気のコントロールなどの悟天の実力が俺の知る歴史のものよりも高いのかもしれない。現にトランクスも片手の使用を禁止するような遊びをすることもなく真剣に戦っている。

 

「「だだだだだだだ!!」」

「う、うそ…、なんて戦いなの…」

 

 白熱する2人の戦いにビーデルが唖然としている。常人離れした戦いを観客も固唾を飲んで見守っているがとうとう決着の時が訪れた。

 

「今だっ!」

「わわっ!?」

『じ、場外! トランクス選手の勝ち! 少年の部の優勝です!!』

 

 リング際の攻防で悟天が僅かにバランスを崩した隙にトランクスが一気に畳みかけ、悟天は惜しくも場外へ。この世界でもトランクスが勝利することとなった。悟天も強かったが、やはりこの時期の1歳差というハンデは大きいのだろう。

 

「負けちゃったぁ…、やっぱりトランクス君は強いなぁ~」

「へへっ、悟天もなかなかやるじゃないか。ちょっと焦ったぜ」

 

 お互いを讃えあう2人、勝負の内容も相まって会場は観客の拍手と歓声が響き、熱狂に包まれる。

 

「はっはっはっ! 残念だったなカカロット、やはり俺の息子の方が血統がよかったらしい」

 

 ついでにベジータの機嫌も最高潮だ、悟空の肩を叩き上機嫌に笑っている。長年の付き合いだがこんなベジータは滅多に見ない。普段からこの様子なら…それはそれで気持ち悪いか。

 決勝戦が終わり皆はさっさと予選の結果を確認しに行ってしまった。悟飯とビーデルは残ってサタンとトランクスの戦いを観戦していくらしい。せっかくなので俺も少し離れたところでそれを見物することにした。

 行われたサタンと優勝した少年が戦う余興は原作通りサタンがわざと負けたふりをすることで上手く乗り切っていた。大した根性である。

 見るものも見たので俺も控室に移動することにする。

 

 

 

 

「おーい、コルド、何してんだよ! もうくじ引き始まっちまってるぞ!」

「す、すまん、ちょっと迷ってな…」

 

 会場が思いのほか広かったのでかなり迷ってしまった。こんなことなら変な気を使わずに悟飯とビーデルに引っ付いて行動するべきだった。

 なんとかくじ引きには間に合ったがいろいろとイベントを見逃してしまった気がする。

 

「マスク・ド・コルド選手ー、くじを引いてくださいー」

「うむ…、4番だ」

「えー、では第2試合ですね」

「第2試合だと…?」

 

 いったい誰が相手だろうか、トーナメント表を確認しようとしたら背後から声をかけられた。

 

「どうやら貴方が私の相手みたいですね」

 

 振り返ればそこには特徴的なモヒカンをした小柄な男が立っていた、というか浮いていた。

 

「私の名前はシン、どうかお手柔らかにお願いします。マスク・ド・コルドさん」

 

 ええー…、俺、界王神様と戦うのか…。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。