俺は元気玉によってもたらされた破壊の痕を見下ろしていた。凄まじい威力に反して界王神界にそこまでの被害はなかった。それほど威力が集束していたのか、あるいは元気玉は物理的な破壊力をあまり有していないのか、そんなことを考えながら俺は地面に降り立った。
「ようやく、終わったのか」
ポツリと呟く。あまり実感が湧かないが、長く苦しい戦いがようやく終わったのだ。…といってもあの天下一武道会から1日と少し経ったくらいだ。時間にするとあまり長くはないのだが、なんだかとても長い間戦い続けていた気がする。
元気玉の吸収によってもたらされた俺の変化は既に解けており、既に普段の状態に戻っている。おそらく先程のブウに対する一撃で俺の内に秘められた元気玉のエネルギーを使い果たしたのだろう。
「お、おい、何がどうなったんだ? あいつは何処に行ったんだ!?」
いつの間にか近づいてきていたサタンが恐る恐る俺に話しかけてきた。まだ状況を把握できていない彼にも俺達の勝利を伝えることにする。
「案ずるな。ブウも、ヒルデガーンも、地球を襲っていた脅威は全て倒された。…我々の勝利だ」
「ほ、本当か!? やった…、やったぞぉー!」
腕を上げて喜ぶサタン、全身で喜びを表現する彼の姿にようやく俺にも勝利の実感が湧いてきた。
「ミスターサタン、お前の口から地球人達に勝利を伝えてやれ。まだ声が通じるはずだ」
「よし、任せろ! ゴホンッ…、地球の諸君! 諸君の協力もあって地球を襲っていた脅威は全て倒された! もう恐れる必要はどこにもない、君達の平和は今ここに取り戻された…、このミスターサタンの手によって!」
サタンの言葉が人々に伝わり、民衆による猛烈なサタンコールが巻き起こる。ちゃっかり美味しい所を全て掻っ攫っているあたりは流石はミスターサタンといったところか。彼の協力のおかげで元気玉が完成したのも事実なので口は挟まないでおく。
俺も悟空達も別に名声が欲しいというわけでもないのでサタンの好きにさせておこう。適材適所というやつだ。
…それはそれとしてサタンコールが喧しいので界王様には早く通信を遮断してもらいたい。
「よっ、コルド」
鳴り響くサタンコールに辟易としていると悟空が俺に話しかけてきた。ボロボロの姿は痛々しいものだったが彼の表情はどこか晴れやかなものだった。
「ふっ、孫悟空、随分と酷い有様じゃないか。体は大丈夫なのか?」
「なわけねぇだろ…。流石に今回は死ぬかと思った、生きてるのが不思議なくらいだ」
「ククク、まったくだ」
ブウの攻撃をあれだけ受けてよく耐えてくれたものだ。悟空が元気玉を作り上げてくれなければ俺達は負けていた。彼の根性に感謝しなければならない。
「それにしてもよ、元気玉を取り込むなんてよく思いついたな」
「あー……」
元々は映画で悟空が使った手段を参考にしたわけだが、この世界ではそうではない。意図せず俺が発案したみたいになってしまった。よく考えれば俺は元気玉を実際に見るのも初めてなわけで、ちょっと不自然だっただろうか。
「元気玉については以前話していただろう? ブウの圧倒的なパワーに対抗するにはあれしか手がないと思ってな。咄嗟に思いついた手段だったわけだが…まぁ細かいことはいいではないか」
「いやいや、細かくねぇよ。あんなでっけぇ元気玉を取り込もうなんて普通考えられねぇって。オラじゃ絶対できなかったと思う」
「(ええ…そんなに?)」
確かに途中でポルンガに回復してもらわなければ間違いなく命を落としていた。俺の知識で悟空もやっていたから可能だと考えたわけだが、今思い返せば少し考えが足りなかったかもしれない。下手すれば俺の体が耐えきれずに何もかもがお終いという可能性も十分にあった。あれしか方法が思いつかなかったとはいえ、我ながら随分と危険な真似をしたものだ。
冷静になって考えると怖くなってきたので話を変えることにする。
「そ、それにしてもヒルデガーンを取り込んだブウの強さは凄まじいものだったな。あれほどの敵を相手に我ながらよく勝てたものだ」
「…そうだな、ブウの奴、すっごく強かった。勿体ないよな」
「勿体ない?」
言葉の意図が分からず俺は悟空に聞き返す。悟空は元気玉でできた穴を見下ろしながら俺の質問に答えた。
「ああ。あいつが悪い奴だったから倒すしかなかったけどよ、そうじゃなかったらまた戦えたわけだろ? そう考えるとやっぱ勿体ないなって、オラ思うんだ」
「お前…、そんな体になったというのにまだ戦い足りないのか」
呆れたことに悟空はもう次の戦いのことを考えてるらしい。正直俺はもう御免だ。あんな化け物と再戦なんて死んでもやりたくない。
「へへっ、まぁな。…ブウだけじゃねぇ。オラが地獄で戦ったジャネンバって奴も、ヒルデガーンってあの巨人もよ、もう戦えないって考えると惜しいと思うだろ?」
「悪いがワシは同意できん。奴らがあの世で大人しくしてくれることを心の底から願うとしよう」
「なんだよ、つれねぇな。くっそー、一人であいつらに勝てるくらい強くなりてぇなー」
どうやら悟空は一人の力で勝つことができなかったのが不満らしい。確かにジャネンバは悟空とベジータが合体、ブウとヒルデガーンは皆の力を集めた元気玉、振り返ると1人の力で勝てた戦いはなかった。個々人の力で比べると特にヒルデガーンとジャネンバの力が抜きんでていただろうか。
そう考えると悟空の気持ちも分からなくもない。腕に自信があれば一対一で戦って勝ちたい思いは自ずと湧いてでるものだ。その気持ちは俺にもほんの少し分かる。
「…だが、確かに負けてばかりというのも少し悔しいな」
「だろ! 何かいい方法があればいいんだけどな…」
腕を組んで頭を悩ませる悟空。よっぽど奴らにリベンジしたいみたいだ。流石に奴らをドラゴンボールで生き返らせるなんてことはできない。なので悟空のリクエストに応えるにはこれしか方法がないだろう。
「そんなに戦いたければ閻魔大王にでも頼むがいい。奴らをいい奴に生まれ変わらせてくれ、とでもな。それなら誰も文句は言うまい」
「それだ! へへっ、そんなこと思いつくなんて…、やっぱりオメェもまだまだ戦い足りねぇんだろ!」
「勘弁してくれ…」
俺の提案に目を輝かせる悟空。彼の頭の中ではもう既に生まれ変わった奴らとの戦いが想像されているのだろう。もし本当にこの願いが聞き入れられたとしてもそれは当分先の話だ。実際にウーブが生まれ、一人前の戦士になるのも10年以上先のこと。随分と気の長い話である。
「よっし! それまでにもっと腕を上げとかなきゃな…。いや、まずは閻魔のおっちゃんの所に行かないとか。楽しくなってきた!」
だというのに悟空はすっかりその気である。ようやく戦いが終わったばかりだというのに忙しないことだ。
「(…まぁ悪い奴じゃないのなら戦うのもいいかもしれないな)」
今回みたいに命や地球を賭けて戦うのは御免だが、そういった危険のない範囲で戦う分には悪くない。遠い未来、生まれ変わった強敵達に雪辱戦を挑むのも面白そうだ。
いつの間にか俺も次の戦いのことを考えてしまっている。これは成長したと捉えるべきか、はたまた悟空に毒されたと考えるべきか、判断に迷うところである。
程なくして界王神様が瞬間移動で迎えに来てくれた。タピオンも目を覚まし、ようやく一息つけそうである。俺と悟空は界王神様の回復を受けている最中だ。
「ジャネンバは倒され、あの世とこの世の境界は元通り。そしてブウにヒルデガーン、蘇った2体の魔人も倒した。まったくお前さん達ときたら…大したもんじゃわい」
しみじみと呟く老界王神。何気にこうやって面と向かい合って話すのは初めてだ。
「よしてくだされ。この勝利は我々全員で掴み取ったもの。誰一人として欠けていれば成し得なかった奇跡です」
「おまけに謙虚ときたもんだ。お前さん、なかなか見どころがあるのう。…顔はちと怖いが」
褒めてくれるのは嬉しいが一言余計だ。
「それにしても…、正直な話、まだ実感が湧かない。本当にあのヒルデガーンを倒してしまったなんて…」
目を覚ましたタピオンはヒルデガーンが倒されたと聞いて困惑している様子だった。無理もないだろう。彼にとってヒルデガーンは千年間続いた因縁の相手だ。それが気絶している間に倒されたとなれば混乱するのも仕方ない。
「信じられないかもしれないがこれは嘘偽りない真実だ。ヒルデガーンは倒れ、お前は解放された。タピオンよ、お前はもう自由なのだ」
「…君達には多大な迷惑をかけた。それどころかヒルデガーンを倒す責務さえも君に押し付けてしまった。合わせる顔がないとはまさにこのことだ」
「何を水臭いことを言っておる。お前があの時ブウからワシを庇ってくれなければこの結果にはならなかった。胸を張れ、タピオン。お前がいたから我々は勝てたのだ」
「コルド、君という奴は…。本当に、ありがとう…!」
あまり感謝されるのもこそばゆくて居心地が悪い。なんとか流れが変わらないものかと考えていると悟空が話題を変えてくれた。
「でもよ、コルドがブウに吸収された方が楽に勝てたんじゃねぇか? 少なくともベジットで勝ててたと思うぜ?」
「た、確かにブウと呼ばれるあの魔人がヒルデガーンを取り込んでしまったのは私が吸収されたせいだ。やはり私は余計なことをしてしまったのではないだろうか…?」
話題を変えるのはいいが変え方を考えて欲しい。せっかくタピオンが顔を上げてくれたというのにまた俯いてしまったではないか。
「何を言っておる孫悟空。タピオンのあの行動がなければ我々は確実に敗北していた。それは間違いない事実だ」
「何でそう言い切れるんだよ?」
仮に俺が魔人ブウに吸収されてたとする。奴の吸収がどういった仕様か分からないがもし吸収した相手の記憶や知識を読み取ることができたとしよう。そうなれば原作知識を持った魔人ブウの誕生だ。そんなものが生まれれば本当に勝ち目がない。なにせこちらの手札は全てお見通しなのだ。少なくとも俺ならポタラ合体は絶対に阻止するし元気玉なんて作らせる前に最優先で悟空を狙う。
と、ここまで説明しておいてなんだが実際にブウが吸収相手の記憶を完全に読み取れるかの確証はない。だから俺が吸収されていたら絶対に負けていたと言い切れるわけではない。
「それは…このワシがヒルデガーンよりも強力な戦士だからに決まっているだろう」
しかしこれらの事情を彼らに説明するわけにはいかない。なので適当に虚勢を張るしか方法は無いわけで。
「な、なんだよそれ? オラとベジータが地球に戻った時、おめぇ、ヒルデガーンにやられてボロボロだったじゃねぇか」
「ふん、何を言うかと思えば…、あそこからワシの逆転が始まるところだったのだ。ブウの横やりさえなければ勝てていたに決まっておろう」
「本当かぁ…? そういう風には見えなかったけどな…」
「ワシを誰だと思っている。コルド大王だぞ? 大王の力を見くびるでない」
なんだか小学生の言い訳みたいになってしまった。せっかく宇宙を救ったというのになんとも恰好がつかないものである。
すると俺と悟空の言い合いに界王神様が割って入ってきた。
「…コルドさん、私は感動しました」
「界王神様?」
「貴方は友人であるタピオンさんに気負わせないように敢えて強がっているのですね。本当はヒルデガーンに敵わないというのに、自分の株を下げてまで彼を庇おうとしている…!」
「…は?」
界王神様が何を言っているのか分からずについ間抜けな言葉を漏らしてしまった。なにやら盛大に勘違いされている気がする。確かに傍から見ればそういう風に捉えられても仕方ない…のか?
実際は俺の知識のことがあるのでそうではないわけだが、界王神様からすればそれを知る由はないのだ。
「あの時、私は光り輝く貴方の姿に希望を見ました…! 瞬く間にヒルデガーンとブウを倒し、タピオンさんまで救ってみせた貴方はまさしく全宇宙の救世主、この世界を救った英雄です!」
一人熱く語る界王神様に皆が置いてけぼりをくらっている。それでも界王神様の語りは止まらない。
「そして宇宙を救ってみせたというのに、それを一切笠に着ない慎ましさ! 剰え自分を蔑ろにしてまで友人を庇い立てする自己犠牲の精神! その器量、貴方は大王たる立場に相応しい人間だ!」
べた褒めである。
界王神様は滅茶苦茶に勘違いしている。俺はそんな立派な人間じゃない。おそらく彼にとって因縁の相手であった魔人ブウが俺の手で倒されたので盲目的になっているのだろう。それにしても買いかぶりすぎだ。
「私は貴方のことを誤解していました。あの時の貴方への態度、今この場をもって謝罪させてください。貴方は尊敬に値する人間だ…!」
あの時、というのは天下一武道会の会場から飛び立ち、界王神様が俺の正体を知った時のことだろう。確かに界王神様からはかなり警戒されていた。だが俺の、コルドのことを知っているのならば当然の反応だろう。実際にこの肉体の持ち主であるコルド大王の過去を遡れば少なからず悪事に手を染めているはずなので正しい対応で間違いはないのだ。だが中身が違うことを説明するわけにもいかないので適当に誤魔化しておく。
「何も謝ることはないでしょう。あの時、バビディの能力を考えれば貴方は慎重に協力者を選定する必要がありました。界王神様の警戒は当然のことではありませんか。むしろあの時私を信用してくださったことを感謝しますぞ」
「おお…! 謝罪を受け入れるどころか、そのような言葉までいただけるとは。この宇宙の神として、改めてお礼を申し上げます。コルドさん、この宇宙を救っていただき、本当にありがとうございました!」
ますます勘違いが加速してしまった気がするがもうどうしようもない気がする。これは何を言っても無駄なやつだ。まぁ悪人だと誤解されるならともかく、いい方向で勘違いされるなら損はないだろう。…ないよね?
「ほれ、くっちゃべってないで早く回復してやらんか。いつまで時間をかけるつもりじゃ」
「は、はい! すみませんでした!」
諦めて界王神様になすがままに持ち上げられていると老界王神様が空気を変えてくれた。やはり同じ界王神でもこちらの方が落ち着きがある。
せっかく戦いが終わったというのになんとも気苦労の絶えない回復タイムだ。
俺と悟空の回復も終わり、後は地球に帰るだけだ。
「うっし! 体力も戻ったし…地球に帰るか!」
体を伸ばしながら立ち上がる悟空。満身創痍だった彼の体もすっかり元通りだ。俺としても異論はない。神殿の仲間達に事の次第を早く報告しなければならない。
そこで気がついたのだが先程からサタンが何かを必死に探している。いったい何をしているのだろうか。
「あっ! み、見つけた…、見つけたぞ!」
何かを見つけたサタンは瓦礫の山を必死に動かしはじめた。何をしているのかと彼の様子を窺っていると瓦礫の中から見覚えのあるピンク色の体が姿を現した。
「なっ! あれは…魔人ブウ!?」
その正体は魔人ブウだ。太っちょの、サタンと仲が良かった善のブウである。そういえばさっき分離していたのをすっかり忘れていた。サタンは気絶していたブウを必死に掘り返していたみたいだ。
「頼む! ブウを治してやってくれ、あんたらならできるんだろ!?」
サタンが俺達に向かって頭を下げて懇願してきた。彼がブウを見つけた時点で何となく分かったがやはりこうなったか。サタンのお願いに異を唱えたのは界王神様だ。
「いけません! 今のうちにここで始末しておくべきです! こいつはあまりにも危険すぎる!」
「そ、そんな…、お、お願いします! こいつはそんなに悪い奴じゃないんだ! 頼む、この通り…!」
界王神様が言っていることは尤もだ。今回の被害を考えれば魔人ブウの恐ろしさは嫌というほど理解している。実際に俺もこいつとは戦った、それにベジータが殺された間接的な原因でもある。ブウに止めを刺す理由はいくらでもある。しかし俺にそのつもりはなかった。この後誰が何を言うかが想像できたからだ。
「…界王神様、ブウを治してやってくれねぇか?」
「なっ、正気ですか!?」
「(ま、そうなるよな)」
想像通り、悟空がブウを治すように界王神様に呼びかけた。
「いいじゃねぇか。このブウとサタンがいなかったらあのブウがオラ達を追いかけてここに来た時点で全滅してたんだぜ? 元気玉作るのにも協力してくれたし…2人ともよくやってくれたさ」
「それはそうですが…」
悟空の言い分も一理ある。この2人がいなければ俺達は元気玉を作る事すらできずにやられていた。稼いだ時間は僅かなものであったがその時間があったからこそ俺達は勝利することができた。
だが俺にはお見通しだ。悟空がそれだけを理由にブウを助けようとしているわけではないことを。
「尤もらしいことを言いおって…。孫悟空、お前はこのブウともう一度戦いたいのだろう?」
「あちゃあ、バレたか」
「当たり前だ。何年の付き合いだと思っておる」
やはり俺の睨んだ通りだ。それらしい理屈を用意したようだが、このブウとも再び戦いたいというのが悟空の真の狙いらしい。相変わらず戦いのこととなると頭の回る男だ。
「そ、それだけの理由で…」
「界王神様、ワシからもお願いします。ブウを治してやってくれませんか」
「そんな…コルドさんまで!?」
悟空の狙いはともかく、今言ったことが嘘ではないだろう。戦いに関してはともかく、俺も同じ考えだ。
しかしブウが地球で暴れたことは事実。復活してすぐにサタンと出会い、大人しくなったとはいえ少なからずの被害はでているだろう。だから流石に再び暴れるようなことがあれば話は別だ。
「ミスターサタン、お前が責任をもって面倒を見るのだぞ? もしブウが再び暴れるようならその時はワシが飛んで駆けつける。その意味が分かるな?」
「は、はい! 勿論です! ブウには私の方から厳しく言いつけておきます!」
仮にこのブウが暴れだしても止めることのできる戦士はいくらでもいる。悟空にベジータ、悟飯にゴテンクス、俺だってその一人だ。少々甘い采配かもしれないが、少なくともその甘さに俺も過去救われた。ここは俺も悟空を見習うことにする。
「…分かりました。コルドさん、貴方がそういうのなら私も貴方の判断を信じましょう。きっと、この選択には何か意味があるのですね」
界王神様、俺のことを信用するのはいいが買いかぶるのはやめてもらいたい。別にそこまで深く考えているわけではないのだ。精々、あーなんだかんだ言って原作と同じ感じで落ち着いたなー、くらいのノリである。
その後、ブウは界王神様の手によって回復、すぐに意識を取り戻した。
「……サタン?」
「おお…ブウさん! 皆さん、ありがとうございます! 本当に…本当にありがとう…!」
ブウはこれからサタンと共に暮らすことになる。つまり俺の知る歴史通りの結末というわけだ。当初はブウを復活すらさせまいと考えていた時期もあったが、こうやって綺麗な終わり方を迎えることができた。頑張った甲斐があるというものだ。
「よし、じゃあ今度こそ帰るか!」
「うむ、我々の地球にな」
これでようやく地球に帰れるわけだ。界王神様に体は治してもらったが、精神的にはもうくたくたである。早く帰ってゆっくり眠りたいものだ。そんなことを考えながら俺達は界王神界を後にした。