ドキッ!!憑依の先は銃社会!!   作:ひなちゃ

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アリウススクワットも中々ゲームのような性格に出来ない……。
もうサオリにはネタ要員になってもらうしか……うごごっ。


3

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「という訳で、貴方に護衛をつけたいと思います」

 

 

おはようの挨拶も無く、寝ていた俺を叩き起してきたこのクソ野郎こと黒服は、目が合うなりそう発言した。

眠りから覚めた俺の頭はまだ覚醒仕切っておらず、ぼんやりとその発言を聞いてから数秒かけて理解し、ついで数秒かけて返事までの時間を有した。

 

昨日の話の続きではあると思うのだが、言ってから昨日の今日。なんか話しが早すぎな気もするが。

どれだけこの男は行動力が凄まじいのか。俺に価値があるからとかじゃないよね?等価交換みたいな考え方する奴だし、ありそうっちゃありそうなんだが。

 

 

「……で?その護衛っていうのは?」

 

「私が所属する組織の同士から拝借してきました。実力は折り紙付きですよ」

 

「腕っ節がいいのはわかるけど、そこまで必要なのか?」

 

「今回の件に関して、相手側は()()()()()()()()()認識のようで。まあ、私やハルトさんにはあまり関係ない事でしょう」

 

「……ふーん。まあ外でれるならなんでもいいや。で、その肝心の護衛は何処に?」

 

「お呼びしましょう。少々お待ちください」

 

 

 

 

 

「お呼びしました。こちらの()()が護衛を担当されるメンバーとなります」

 

「━━━━━アリウス分校アリウススクワットリーダーの、錠前サオリだ」

 

「わお破廉恥」

 

 

入室してきた4人組。全員女の子。中学生ぐらいか?なんか幼さを感じるんだが。

と言うか、自己紹介してきた錠前さん?すんごい格好してるんですが。臍だしだと!?そんなセクシータレント御用達のメインウェポン(自社調査)おっぴろげでやってくるなんて……。しかもボッキュッボン……っ?!髪もインナーカラー入れて俺の性癖歪みそうなんだが!?

他の三人はまともそう……?いや錠前さんよりかはまともな服着てる。リーダーなら統一感先陣切って大事にしなよォ。

 

 

「どうですか?よろしいですか?」

 

「その聞き方お風呂屋さんとかで聞きそうだやめろ如何わしい場所になるだろが!!」

 

「思春期男子はやはり頭の中はピンク一色ですね。貴方にも性欲がおありで何よりです」

 

「……おま、俺のピュアな欲を使って実験とかするつもりか?」

 

「まあ血液摂取はダメでも、体液摂取なら可能でしょう?唾液だろうと精液だろうと構わないのでしょう?」

 

「してやりました感出すな。そんなぐらいの抜け道で喜ぶんじゃねぇよ大の大人がよ!!」

 

「喜んでいるのは実験が出来るからですよ。別に貴方の体の一部を採取して喜ぶような狂人ではありません。これは研究者としての喜びなのです」

 

 

勘違いすんなと言わんばかりの気迫だ。俺もそんな勘違いしたくねぇよ。なんで男にそんな採取されなきゃいけないんだよ。こっちだってやられるなら可愛い女の子にしてもらいてぇわ!!

 

 

「……で、錠前サオリ、さん?でいいんだな?」

 

「……あぁ、錠前サオリだ。今回の護衛任務を命じられた」

 

「分校とは言え学校なんでしょ?授業とかどうするわけ?」

 

「……授業、とは何だ?」

 

「え」

 

「?」

 

 

え?これ俺が不思議がられるパターンなの?俺間違ってる?俺おかしいの?

 

 

「ハルトさん。あまり、その事に関しては触れないようお願いします。こちらも無闇に懐をまさぐられたくは無いのでね」

 

「……いやそれ答え言ってるようなもんだよね。触れなくても何となく察したぞ俺……」

 

 

学校とは。いやこの世界の学校だから授業なんて無いという事なのか?だって生徒が自治区統治してるんだろ?トップが生徒会組織みたいのなら分かるけど、警察、救急隊、消防隊といった治安組織や医療従事者も生徒達で賄っているとなると、授業出来るかどうか微妙なところか。

 

え、じゃあ強要とか……結構心配だぞ。統治する前に自分の頭の中しっかり統治した方がいいんじゃないか??

 

 

「……ま、まあこの世界のヤバめな闇を見たということで」

 

「ハルトさん。アリウス分校に授業が無いだけで他の学園ではありますよ」

 

「いや知ってたし。馬鹿にすんなし」

 

「本当でしょうか?ハルトさんのそういうところはあまり信用がないと、私何となく理解出来てきましたよ」

 

「お前に理解なんてされたくねぇよ!!せめて錠前さんとか可愛い女の子に理解して欲しいわ!!」

 

「クックック、理解者を増やすのは大切ですよ?布教活動も大切ですが、やはり共感し少しでもいいなと思っていただけなければ人は集まりませんからね」

 

「……それお前の非人道的な実験も容認されるはずみたいな魂胆から来る発言か?」

 

「私は別段非人道的とは思ってはいませんがね。いやはや、この線引きは研究者と一般人の観点の違いなのでしょうね。道具を大切に扱う職人と道具を疎かにする素人のように」

 

 

こいつ自分の研究が認められなくて寂しがってんのか?寂しがり屋なのかこの見た目で。いや見た目はあんましそういうことには役に立たないか。ギャップみたいなこともあるわけだし。

 

 

「それで、どうです?この4名に護衛していただくというのは?」

 

「……うーん。いいっちゃいいんだけどさぁ……」

 

 

なんというか、この4人なんでこんなにボロボロなんだろうなって思うわけですよ。服とか身体砂埃とか煤埃で汚れてるし、多少だけど傷も目立つ。顔色もなんか悪そうだし皮膚の上からでも分かるぐらいに骨の形がくっきりと見えてる。栄養失調、明らかな疲労困憊。そんな子達に護衛してもらうとは、申し訳なさいっぱいなんですが。

 

 

「……聞くがよ、黒服。この4人の姿を見て何を思う?」

 

「?なんですが突然。なにかの挑戦でしょうか?」

 

「真面目に、真面目に答えてくれ」

 

「………ふむ。では、率直に言わせていただくと、()()()()としか」

 

「………なーるほど。つまり、お前も結局は()()なんだな。……わるーい大人」

 

「?理解出来ません。私は大人ですよ?」

 

「言わなくても知ってるよ。………はぁ、まあしゃーないか。錠前サオリさん。いや、サオリって呼ばせてもらうぞ。俺も好きに呼んでくれ」

 

「……なんだ」

 

 

なんか、警戒されてんな。そんな実害無いと思うんだけど。俺も何出来るかとか全然知らんのに。

 

 

「黒服に何言われたか知らんけど、俺には確かにこの世界を生き抜くための力がいる。だからちょっとだけ手助けして欲しい。改めて俺から言わせてくれ。是非とも俺を護ってくれ」

 

「……もとよりそのつもりだ。たしか……ハルト、と言ったか」

 

「おう。美少女に名前呼ばれるたァ気分がいいな。どんぐらいの期間になるか分からんけど、当面の間宜しくな」

 

「……あぁ。宜しく頼む」

 

 

俺が挨拶として握手をしようと右手をサオリの前に出す。サオリもそれを恐る恐ると言った感じで右手で握った。

 

取り敢えず、この世界を生き抜くための術は得た、といえことで一件落着だな。

 

 

 

 

………しかし、こう言ってはなんだが……サオリ、ちょっと臭うな………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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黒服と別れ、初めて外に出た俺の感想は、なんじゃこりゃ、であった。

 

近代的と言うか、前の世界よりも遥かに技術が高い気がする建造物を見上げる。

いやだって、これ何メートル?スカイツリーとか超えてない?そんな建物がビルのように立ってるんだぜ?耐震どうなってんねん。ツリーよりもすごいんか?キヴォトスの技術を遺憾無く発揮した最強のビルなのか?それが数多に?規格外かよ……。

 

そして目線を下げ、今度は平行線で見つめる。なんというか、Theヤンキーの溜まり場みたいな場所だなここ。ヤンキーストリートとでも名前なってんじゃねぇのか?

 

 

「ここはブラックマーケット。学園から干渉されない非合法の闇市場だ」

 

 

サオリの説明を受け、なんじゃそりゃ、と首を傾げる。戦後の闇市ではないか。人類は違う世界でもやる事は同じという事か?いや多分違うと思うけど。

 

 

「ここに来たのは、拠点を探す為、なんだろ?」

 

「そう。俺ってば今無一文で宿無しっ子だからさ。手ごろにみつけようと思ったけど、まさかこうも値段が高いとは……」

 

 

キヴォトスの物件相場はよく分からないが、現代価格と照らし合わせ考えるとぼったくってんなと思う。なんだよ都心部でも1Kでそんな価格してないぞ……。どこにそんな需要があるんだよここら一帯は。

 

 

「あの男から資金は得ていないのか?」

 

「まぁね。……契約前の条件につけておくべきだったか」

 

 

この体の持ち主の財布はあった。恐らく学生証らしきものもあった。しかしそれを使うわけにはいかない。借金返済ようとしているこの子が必死になって貯めたであろうお金なのだ。別人である俺がおいそれと使っていいものじゃないだろう。

 

 

「……疑問に思ったのだが」

 

「……なんだ?」

 

「拠点を探すと言ったが、お前には帰る場所があるのだろう?その制服、()()()()()()()()のものだったはずだ」

 

「………ふーんっ」

 

 

説明するのがめんどくさいな。だから早くこの()()も変えたいと思っていたんだが。

 

 

「……まぁ、訳ありってことだ。()()()と同じだな」

 

 

何となく、サオリ達の格好などを見てそう考えてしまったから。俺は無意識にそう発言した。

 

 

「……っ、………お前が、いや。……ならば深くは聞かん」

 

 

だから、その時のサオリの辛そうな表情を見て、自分のやらかしを知ってしまった。何かを堪えたサオリは、強引に話を終える。

その後の、なんて声をかければいいのか。俺には分からなかった。

 

 

「……まぁ、資金集めからでも始めようかな。なんか仕事でもあればいいけど」

 

 

俺もそれに触れないよう、後ろを向いて4人に表情が見えないよう振る舞う。

 

話を戻すが、一先ずは腰を落ち着けられるところを探す事に専念しなければならない。最悪野宿も考えたが、現代っ子である俺にはふかふかのベッドでしか熟睡出来ないよう身体が作りかえられてしまっているので、とても死活問題なのだ。

 

 

「ブラックマーケットならば日雇いの仕事もあるだろう。私達も利用した事がある。案内しよう」

 

「マジ?助かるわ。サンキュー」

 

 

先の表情は薄ら影を残すだけで収まったようだ。ついてこいと示すサオリの後ろをついて行く。

 

が、少し目に入った光景に視線が固定された。

 

 

「……どうした?」

 

「……いや、あれ」

 

 

視線の先。物陰に屯する3人の灰色のセーラー服姿の少女達。それだけなら別に気になる要素は無いのだが、その3人の間に挟まれた影。3人が長身故に分かりにくいが、人影を中心に3人が円を作っている。

 

 

「……ああ。ブラックマーケットでは珍しくは無い。ここはそう言う無法の街だ。弱き者は強き者に狩られる。気にするだけ無駄だ」

 

 

サオリはなんとなく察したのだろう。気にすること無く、サオリは歩みを進める。他の3人もサオリの後を追う形で歩いていく。

まぁ向こうで言う恐喝とかと同じだろう。ヤンキーが陰キャをいたぶるみたいな感じの。流石にこの身体で問題を起こすのは不味いので、俺もサオリ達の後を追おうとする。

 

しかし、か細い声が耳に届いた。それだけで、俺は無意識に其方に歩みを()()()しまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「━━━━━リーダー」

 

「……どうしたミサキ」

 

「……アレ」

 

 

サオリに声をかけた少女は、後ろに指を指す。その先には、護衛対象であるハルトが先程注目していた3人組の不良生徒達に声をかけていた。

 

 

「……何をしているんだあいつはっ」

 

 

サオリは直ぐに来た道を戻り、現場に向かう。

 

その場では既に一触即発といった雰囲気に包まれていた。

キヴォトスは銃社会。つまりその不良生徒達も銃を携帯している。対してハルトも銃を所持をしてはいるが、不良生徒達と比べると扱いにはまだ慣れていないはずなのだ。

外に出る前に試し撃ちした際、全く的はずれな結果になったついさっきの記憶を忘れるはずがない。しかしハルトはそれでも不良生徒達に喧嘩腰の姿を示している。

サオリのイメージはどうしようもない馬鹿であるというレッテルがハルトに貼り付けられた。

 

 

「……おい、何をしている」

 

「お、サオリ。すまんね。っぱ見て見ぬ振り出来んかった」

 

 

申し訳ないと頭を下げるハルトだが、反省の色はあまり見受けられない。そして何より、サオリはハルトの目が何故か気に入らなかった。

 

 

「あぁ?なんだ?お仲間か?」

 

「お仲間増えた所でテメェらが有利になると思ってんのか馬鹿ども」

 

「全員血祭りにあげてやんよ」

 

 

不良生徒達はやる気満々のようだ。面倒事を増やしてくれたものだと、サオリは内心溜息を吐いた。

しかし、そんなサオリの心情とは裏腹に、ハルトは何故かクスッとした微笑を浮かべている。

 

 

「……お前、自分が今どういう状況か分かっているのか?」

 

「それでも、身体が動いちゃった。しゃーないってことで、手伝ってくれない?」

 

「手を出しておいて、その後は丸投げか。その程度ならば、最初から関わって欲しくはなかった」

 

「何も全部やってくれなんて言ってないぜ?手伝ってくれって言ったんだ」

 

「何を━━━━━」

 

 

微かに聞こえた、逃がすなよ、という言葉。サオリが言い切る前に、ハルトは行動を起こしていた。

 

一番近い不良生徒の目の前に移動したハルトは、未だ体勢を整えている最中であった、軽めに構えられていたショットガンをいとも簡単に自身に引き寄せると、僅かに不安定になった不良生徒の体勢を利用してアスファルトの上に沈めた。

 

 

「はえ?」

 

 

続いて左の方。ショットガンの銃口辺りを握り込むと、顎下目掛けて柄の方を振り上げる。鈍い音と共に少し体が浮き上がった不良。

 

 

「ギュえッ」

 

 

そして呆気にとられていた最後の不良生徒。反撃をしようと銃を構えようとするが、振り上げたショットガンをそのまま振り下ろし、構えかけていた銃と衝突させる。暴発は無かったが、衝撃とそこから来る手の痺れや痛みから不良生徒は銃を手放す。まるで流れ作業の如く、その不良生徒もアスファルトの上に沈めたのだった。

 

 

「え」

 

 

呆気にとられたのは、何も不良生徒だけでは無かった。ハルトを連れていこうとしたサオリ達アリウススクワットのメンバーや、不良生徒に絡まれていた女子生徒もその一瞬の出来事に目を見開いていた。

 

 

「……やっぱすげぇなこの身体。()()()()してる。イメージ通りの動きで来て逆に怖いわやっばッ」

 

 

当の本人はあっけらかんと。自分がこれをした事に驚きつつも、まるで()()()のように少しはしゃいでいた。

 

 

「あ、サオリ。紐とか無い?頑丈なヤツ。取り敢えず拘束しようぜ」

 

「……っ、は、いや、ま、まてっ。待ってくれっ。な、何だ今の……っ?何をしたんだお前はっ」

 

「え。なにしたって……、無力化した?って感じ」

 

「……争い事を起こした事無いんじゃなかったのか?」

 

「銃握った事ないって言った筈なんだがね。流石に喧嘩はあるわ」

 

「……いや、これはどう考えても……」

 

 

間違いなく喧嘩では無い。一方的な暴力だ。銃を握った事が無いだけで、相手を無力化出来るだけの技術は、暴の技をハルトは持っていた。

護衛など、必要無いほどの実力。所々可笑しな、不可解な事はあるが、この男は何か違った。

 

 

「あ、大丈夫だった?ごめんねいきなりこんな事しちゃって。大丈夫?怪我とか無い?俺ってば女の子には優しくしたいけどこういう輩は心から叩き直したいって思ってるからさ、後でしっかり教育しとくから。ここはどうか俺の顔立てて許してくれない?また後日謝らせるからさ。所で君可愛いね。お名前とか伺ってもいいかな?俺ってば可愛い女の子に目が無いからさ。クリクリしたお目目とかとってもキュートで心臓バクバクしちゃうよ」

 

「取り敢えずそこまでにしてくれ。相手も困っているだろう」

 

「……あ、あはは」

 

 

何処からか持ってきた縄で不良生徒達を縛り上げ、(恐らく不安がっているであろう)少女に声をかける不審者となったハルトをサオリは首根っこを掴んで引き剥がす。

 

 

「……その制服は、()()()()()、か……」

 

「あ、はい。助けてくださってありがとうございますっ。私、()()()()()()()()()()()()()()()()と申します」

 

「……ヒフミちゃん。漢字は()()()と書いて()()()と読むのかな?御両親が将棋好きかな。特に詰将棋」

 

「?えっと、カタカナでヒフミです」

 

「……あ〜、この世界名前はカタカナだったな。勘違いしてた。将棋は好きじゃないのか」

 

「将棋?はよくわからないですけど、私、これは好きですよ!!」

 

 

ヒフミが背負っていた鞄から取り出したのは、()()()()()()ぬいぐるみだった。鶏?ギャグ漫画から飛び出してきたマスコット?ずんぐりむっくりのアホズラをしたトリモドキを抱えたヒフミは、ニッコニコの笑顔でハルト達に向けてくる。

 

 

「……えっと?ヒフミちゃん。これは?」

 

「えっ?知らないんですか?ペロロ様ですよ!!」

 

「ペロロ様?これが?」

 

「はい。ペロロ様はこれしかないと思いますけど?」

 

「……ペ、ペロロ様」

 

 

ぶっちゃけこのキヴォトスの感性を疑ってしまう。こんなブサ……、変な生き物が流行っている事に、ハルトは驚きを隠せなかった。

人には色々と感性があり、十人十色様々あると腹を括っていたが。何でも受け付けられると思っていたハルトの許容範囲をオーバーする輩が現れた。これには敗北宣言である。

 

 

「……サオリ?このペロロ様?と言うのはキヴォトスでは流行っているのか?」

 

「私に聞くな。私にはそういう世間的な事は疎いんだ」

 

 

つまりそこまで知名度は有る訳では無いということ。マイナー中のマイナーと言うやつか。ハルトはそう結論づけた。

 

 

「……そんなヒフミちゃんはここで何を?」

 

「えっと。購入出来なかったペロロ様のグッズを買いに。どうやらこの前とある喫茶店とコラボしてた時にシークレットグッズがあったみたいで。そのシークレットグッズがブラックマーケットに100万クレジットであるって噂を耳にしまして。それを買いに来ました!」

 

「……へ、へー。そうなのか。すごいね」

 

 

100万クレジット。ハルトは紙幣の単位が分かっていないが、現代通貨と同じと考えても100万円という大金をホイホイ出せるものなのかと驚愕していた。しかも相手は中学生。何処にそんな資金源があるのだろうか。実家がお金持ちなのだろうか。

 

 

「でも無かったんです。だから帰ろうとしてた時に絡まれちゃって。お小遣いの100万クレジットが盗まれちゃう所でした」

 

 

危なかったと息を吐くヒフミだが、グッズが買えなかった事にショックを受けているらしい。まあこれ程のオタク気質である彼女が推し活出来なかったとなれば、心の傷は深いだろう。

 

 

「……と、トリニティってお金持ち?」

 

「……まぁ、このキヴォトスでも上位に入る裕福な学園ではある」

 

「一般人お断りの上級国民専用学園じゃん……っ」

 

 

高飛車な生徒とかファーストフード知らない女子生徒ばっかなんだろうなと

妄想するハルト。ヒフミはそんな馬鹿な思考を繰り返しているハルトに首を傾げつつ、自身の端末に通知が来た事を知ると画面を覗き込んだ。

 

 

「あっ。しまったもうこんな時間。ごめんなさい、私もう行かないと」

 

「ああ。色々と知れて良かった。ありがとう、ヒフミちゃん」

 

「いえいえ。私も助けて頂きましたから。お力になれたかは分かりませんが、良かったです」

 

「じゃあ気を付けてね」

 

「はい。あ、最後に皆さんのお名前お伺いしても?また何処かで()()()()()かもしれませんし」

 

「出来ればここでは会いたくないけどね。俺はハルト。苗字は分からん」

 

「はい。ハルトさん。……えっと、其方の方々もお願いしても?」

 

「……私達は見ていただけだ。そんな事する必要も、される必要もない」

 

「はーいじゃあ俺が勝手に紹介させていただきまーす「おいっ、勝手に━━」うるせぇ美少女共は大人しく美少女とつるんでチュピチュピチャパチャパしとけ」

 

 

サオリを強引に押し黙らせると、ハルトは勝手にサオリ達を紹介していく。覚えやすいよう服装の特徴等も付け加えながら。

 

 

「はい、()()()()()()()()()の皆さんもありがとうございます。また何処かでお会いしましょう!!」

 

 

一言二言会話したヒフミは、とてとてと可愛らしい効果音がなりそうな走りでブラックマーケットの外に出ていく。

そんな後ろ姿を見ながら、ハルトは感慨深いと言わんばかりに顔を顰めていた。

 

 

「………なぁ、サオリ」

 

「……なんだ」

 

「俺あの子からお礼とか、貰ってないからさ。このままお家に転がり込んでも良かったんじゃないか?」

 

「おまえは何を言っているんだ?」

 

 

サオリはハルトのクズ感溢れるセリフに頭を抱えつつ、未だ気絶から目覚めない3人の不良生徒に視線を向ける。

 

サオリが見つめる視線。それはどういうものなのか。気付いていないハルトは兎も角、他のアリウススクワットのメンバーには何となく理解出来ていた。

あの力が自分達に向けられた時、果たしてサオリ達は━━━━━。

 

 

 

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