魔法少女世界で怪人をやる話   作:筑紫満天星

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第四話【マッスルに真っ直ぐに!アルマジロー!】


第一話 邂逅

夜の空を翔ぶ。

柔らかな羽根は風を切る音もなく、摩天楼の隙間を縫ってしばし、耳をそばだて街の喧騒を聴き分ける。

 

見つけた。

3人の魔法少女が1体の怪人と戦っている。

 

赤色の獅子、青色の鯱、黄色の鷹。

それぞれの領域で頂点に君臨する獣の精霊を宿した正義の味方。

 

相対するはドドメ色のアルマジロ怪人。

自慢の甲殻とそれを支える隆々たる筋肉を少女たちに見せつけている、変態だ。

 

その背後では、画一的な覆面の下っ端戦闘員の群れが札束の入ったボストンバックを幾つも運搬している。ビルの外壁ごとブチ抜かれた大金庫の大穴が、かの怪人の破壊力を物語る。銀行強盗とはまた古風だが、どうやらかなりの「当たり」らしい。

 

やがてポージングに満足したのか、

怪人が高笑いと共に少女たちに突進する。

 

迎え撃つ獅子の少女は徒手空拳。

体格に勝る怪人と正面から衝突し、がっぷり組み合い、一歩も引かず拮抗する。自信みなぎる不敵な逆ハ眉に、怯えや怯みは見られない。

 

真後ろに立つ鯱の少女は弓を番える。

動きの止まった怪人に、眼、鼻、甲殻の隙間を容赦なく撃ち抜いていく。メガネの奥、獲物を見据える冷たい瞳からは感情が読み取れない。

 

弾き出すように鷹の少女は飛翔する。

背中の翼で力強く羽搏くと、瞬きの間に下っ端たちを蹂躙してみせた。積み上げた戦闘員の山を背に、誇らしげな笑窪とvサインをふたりへ送る。

 

勝敗は決した。

降伏勧告を拒絶した怪人を、獅子の少女が雄叫びと共に櫓に吊り上げ、頭を下に、重さを加え、脳天から大地へと叩きつけた。

 

轟音。

 

そして静謐。

 

アルマジロは白目を剥いて動かなくなった。

自慢の甲殻はコンクリートの舗装と相打ち砕け、ピクピクと痙攣する指先だけが僅かに生存を伝えている。そう、魔法少女は決して敵を殺さない。流石は正義の味方だ。

 

少女たちは勝利のハイタッチを交わしている。突き上げた拳で喜びを表す獅子の少女と、無表情のまま手を重ねる鯱の少女、そしてハイテンションに跳ね回る鷹の少女。

 

三者三様の微笑ましい姿を眼下にしつつ、羽搏きをやめて翼腕を畳み急降下の姿勢をとる。音も無く自由落下し、ぐんぐんと地面が近づく。少女たちは気付かない。激突の直前に翼腕を広げて急制動をかけ、でも勢いを完全には殺さず、そして猛禽の脚爪を獲物の胸に深々と突き立てた。

 

アルマジロの胸骨を砕く音が辺りに響く。

血が噴き出すのに構わず、更に深く脚爪を差し込み、未だ脈打つ心臓を鷲掴みにする。命を掴み取られる激痛にアルマジロは覚醒し、断末魔の叫びを上げる。異変に気付いた魔法少女たちが切磋に飛び退き、こちらを見据え身構える。

 

「初めまして、魔法少女。ボクは白森ツバサ。

 見ての通り、フクロウ女とでも呼んでくれ。

 お仕事は『悪の敵』だ」

 

白い羽毛を真っ赤に染めながら、引き抜いたばかりの心臓を丸呑みにし、怪人(ボク)は努めてにこやかに語りかけた。




ツバサの人外度はハーピィレディ(遊戯王)くらいです(羽毛マシマシ)

読んで頂きありがとうございます。
まだ魔法少女たちの名前も決めてない見切り発車ですが、思い付いたら続きを書きます。感想貰えたら嬉しいです。タグ付けわかんないから指摘してくれると助かります。好きな魔法少女モノはシンフォギアです。

ではまた。
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