ソロプレイヤー、ナザリックに挑む   作:No_46

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初日

 とりあえずメモに書きだした内容は

 

 ・装備? を盗める敵モブがいてそいつがWI盗めるという情報があった←誰か盗まれた? 狩場要監視

 ・オーバーロードの主人公は骨、異形種? でギルドを固めていた←異形種orアンデッド前提? 

 ・重要NPCにロンギヌスというWIをぶっぱした馬鹿がいる←できれば奪いたいがいつどこでどんな奴がやるのか不明

 ・七色鉱を大量に集めてWI(お願い系)を獲得した←最速で見つければいくつか確保可能? 

 ・転移理由、不明←一応WI所持で転移するかも? 

 ・ワールドチャンピオンは武術大会? で優勝してつける職ついでに装備ももらえる←ナザリックNPCソロ攻略可、持っておいて損はないので全力で獲りに行こう。

 

 そうしてある程度覚えていることを書きだした私は、ダウンロードが完了したユグドラシルのアイコンをタップする。

 プレイするうちに思い出すこともあるだろう、変わっていることもあるかもしれない。

 とりあえずこれで良しとメモを保存する。

 

 ウキウキで起動画面を眺めれば、まだプレイはできないがキャラメイクは可能だ。

 

(フフフ…この9年間フルダイブ式MMOを月一で遊びまくった私に死角はない…

 名前は無難にナヅキで、種族…

 やはりここは定番の人間種! は、ダメなんだった…

 異形…できればアンデッドになったほうが友好的に過ごせるだろうし…

 でも転移するなら食事したい…できれば異形種のデメリットをできるだけ軽減して…

 ん?)

 

 転移後の世界を考えていた私はやはり人間的欲求は捨てたくない。

 アンデッドで探している私の目にとどまったのは

 

 種族 異形種(アンデッド):ゾンビ《動死体》

 説明 肉の体を持つアンデッド、筋力、耐久力、持久力が少し高いが動きは遅い。

 

 これなら…現地の人間にも仲間を作れるだろうし、いいのではないか? 

 デメリットも動きが遅いだけ、何より耐久力と持久力が高いのが良い。

 

 私はゾンビを選択し、キャラメイク画面へと移る。

 

(うわっ…めっちゃリアル

 一応髪はあるタイプで…まぁ体型はランダムな形で良いか)

 

 キャラメイクで翌日まで時間をつぶし、自分の体とあわせて完了を押す。

 

 時間は0時ジャストだ。

 

(さて、未知の世界とは言えレベル上げて殴れば大体のやつは死ぬ! はず! 

 なのでレベリングだぁ!)

 

 私がゲーム開始ボタンを押すと、いつものように視界が切り替わり、目の前にユグドラシルのロゴが浮かび上がった。

 

(そういうのはスキップで)

 

 私はロゴを叩くように何度も腕を前にたたきつける。

 

 最初の表示がスキップされていき、目の前には

 

(うわ、すっごいきれいな街と、これは説明か)

 

 今までのゲームと違う比較的奇麗な街にどんどんプレイヤーらしき姿が現れていく光景、それに重なるようにコンソールの使い方を説明するウィンドウが浮かび上がった。

 

 右上には現在時刻、中心上にはニヴルヘイムというおそらく現在の場所の名前、左上に名前レベル体力とMPバー、種族とカルマ値、左下にログ、右下にミニマップがある。

 

 UIはシンプルだなぁと考えながらもとりあえず私はコンソール説明を読み流し、クローズボタンを押して駆け出した。

 

(とりあえず読み流したけど一般的な操作方法しか情報がねぇ! 

 さっさとレベル上げだぁ! って…あれ?)

 

 いや、正確には駆けだそうとした。

 

 だが私のアバターはのろのろとしか動かない。

 

(ハァっ!? いきなりバグか!? 

 いや、そういえばゾンビ特性で動きが遅いって…こんなにか!?)

 

 私は遅い体を早くしようと努力を続けたが、結局町の外、モンスターが見える場所に辿り着いた時に無駄だと悟った。

 

(これ普通に種族選択ミスったか…? 

 いや、でもめんどくさいしこのままでいいか…)

 

 

 上部の文字がニヴルヘイム>山嶺の死の麓と切り替わるのを確認し、ミニマップには敵モブの反応。

 

(やっぱり一番早く来たからほかに人は全然いないな。

 とりあえずあのスケルトンで良いか)

 

 私は剣を持って近づいてきたスケルトンの頭に思いっ切り腕を叩き込む。

 

 ゴンッ! 

 

 軽い抵抗感と共にスケルトンのHPバーが3分の1程度減った。

 

 とりあえずモブスケルトンの動きは機敏なので(ゾンビが遅すぎるともいう)、攻撃範囲ギリギリを出たり入ったりして攻撃を誘いスケルトンが攻撃を外した隙に後ろに回り込んで殴る。

 

 2回頭部を殴れば、スケルトンは体を崩し私はレベルが上がった。

 

 目の前に出てくるレベルアップのウィンドウには

 

 *

 LEVEL UP! 1→2

 *

 

 とだけ書かれている。

 

(え、これだけ!?)

 

 まさかの情報量に驚愕するも黙々とスケルトンを殴り続ける。

 

(はたから見ればスケルトンの前を前後に動いて、踊ってるみたいでマヌケだなこれ…)

 

 大体1時間ぐらい経ち、スケルトンの頭を一撃で粉砕し始めた頃、私はついに進化できるレベルに到達した。

 

(ようやく、このノロノロボディともおさらばだぜ!)

 

 意気揚々とウィンドウを確認すれば

 

 *

 LEVEL UP! 9→10

 

 進化可能です、進化しますか? 

 →ハイゾンビ

 →スケルトン

 →下位吸血鬼

 →ウォーキングデッド

 *

 

(え…ちょっと待って、ゾンビの進化先、初期選択に5割出てきてるんですけど!?)

 

 そう、初期の種族選択画面で出てきていたスケルトンと下位吸血鬼が存在していた。

 つまり

 

(ゾンビは糞雑魚種族…ってこと!?)

 

 内心でそんな茶番をしながらも、私は冷静に考える。

 

 スケルトン、いいじゃないか今まで何度も倒してきたとはいえ、肉がついてるゾンビより機敏だ。

 下位吸血鬼、これも良い、ゾンビみたいに腐っていない肉体は今の糞ボディと違い機敏に動けるようになるだろう。

 だが

 

(取りたくねぇ~今取るぐらいだったら初期選択まで戻って取ってくるわ)

 

 1時間の時間を無駄にはしたくない、なので消去法的にハイゾンビかウォーキングデッドだ。

 

(ハイゾンビ…ハイってついてるんだから今よりも機敏に動けるよな…? 

 いや、ウォーキングデッドはウォーキングがついてるんだぞ!? 今のすり足低速移動よりもまともに歩けるはず! 

 ってわけでウォーキングデッドで!)

 

 *

 進化完了! 

 ゾンビ《動死体》→ウォーキングデッド に 進化しました! 

 

 レベルが追加されました。 10LV→11LV

 *

 

 ウォーキングデッドをタップし、進化の確認ボタンをokした私は、明確に体が軽くなる。

 

(ッしゃおら! やっぱりウォーキングデッドがナンバーワン!)

 

 軽くなった体で意気揚々とスキップしながら私は再度スケルトン狩りに精を出す。

 

(進化もしたし、もうちょっと奥行っても大丈夫やろ!)

 

 もっと多くのスケルトンを狩るために足を進めながら。

 

 

 数分後

(ドウシテ……ドウシテ……)

 

 街の中心部に強制的に戻らされた私は古のorzをしながら自らの行動を悔やんでいた。

 

 最初の内は良かった、スケルトンと同レベル、いやそれ以上の素早さで動けるウォーキングデッドの体でスケルトンを叩き壊していると、集まっているスケルトンとその中にいる装備をまとったスケルトン、恐らくスケルトンウォーリアーを発見し、その中へ突っ込んだ。

 最初は良かった、問題なくスケルトンの頭を粉砕し続け、残りがスケルトンウォーリアーになった時

 

(なんであのタイミングで動きが止まるんだよぉ!)

 

 唐突に身体が重くなり、そのままスケルトンウォーリアーに抵抗できずボコボコにされて速攻死亡、街へ送られたのだった。

 

(あのスケルトンウォーリアーも最初の場所のやつより倍ぐらい速かった…多分遠くなるほど強くなるんだろう。

 次からはちょうどいい感じの場所を見つけてこの町を中心に円状に回って狩りをした方が良さそうだ…

 慢心ダメ絶対、私は学んだ!)

 

 途中で体が重くなった要因は、スキル欄を確認すれば分かった。

 

 *

 ウォーキングデッドLv1固有パッシブスキル:死体酷使

 短時間、スキル使用者の物理能力値と素早さを極めて上昇させる。

 上昇させる素早さはプレイヤーの動きに合わせられる。

 使用するには選択ではなく、限界を超えた動きをすれば自動でその動きに合わせて素早さが決定され使用される。

 持久力がなくなると自動的に解除され動けなくなる。

 *

 

 このスキル説明に私は震えた。

 

(つまりこのスキル発動させないためにプレイヤー自身も滅茶苦茶ゆっくり動かないとだめなの!? 

 ゴミじゃん! しかも途中で中断できそうにないし! 終わりです! 終わり! 閉廷!)

 

 まさかの新クラス初手でクソスキル、普通に動けるようになって喜んでいた私の純情を返してほしいが、愚痴っていても始まらないのは私が一番よくわかっている。

 

(とりあえず、どれぐらい動けなくなるのか検証するか…)

 

 検証の結果、意外にも数秒で動き出せた、だが

 

(無理やり抑えられてる感が無いからあえて遅く動くのめちゃくちゃきついな…

 一応進化したからかゾンビよりも動きの上限は上がってるみたいだけど…

 少しでも速く動いたら持久力が減り始める、その持久力の減り幅は動きが速くなるほど大きい、ゾンビは持久力が高いからか、少し速いぐらいなら20分ぐらい持ちそうだけど、全力で動くと5分も保たないぞこれ。

 持久力がすっからかんだ…少し棒立ちしてたら自動的に回復していってるけど最大値に対して遅すぎる…

 ポーションでも買うか?)

 

 幸いスケルトンのドロップでユグドラシル金貨はたまっていた。

 街の雑貨屋のようなショップに入り、持久力ポーションを探すが、

 

(ポーションだけでこんなに種類があるのにHPポーションしかねぇ!?)

 衝撃的な事実に驚愕しながら、諦めて自動回復が終わるまでゆっくりレベル上げを始めたのだった。

 

 ゲーム開始当時、テンションが上がりすぎていた私はある重要なことを忘れていた。

 

 なぜ町の外にプレイヤーがいなかったのか、

 

 *

 新クラス《職業》の解放条件を満たしました! 

 *

 

(お? そういえば職業もあったな、どんな職業が解放されたのかちょっと見るか)

 

 足を止め、スケルトンがいない場所でコンソールを開き、気付く。

 

(そういえば装備、めちゃくちゃ急いでレベル上げしようとしたから見てなかったけど、普通は装備してから行くよな…

 なぜか普通に倒せたからそのままだったけど…

 ま、まぁ先にクラスの確認だ!)

 

 *

 クラス 戦士職:ファイター

 条件:一定以上のエネミーを撃破する。

 *

 

(やっぱり、モンスターを倒すのが条件なのか

 ん? もう一つある…?)

 

 *

 クラス 戦士職:ネイキッド《全裸》

 条件:装備を何一つ装着せず、一定以上のモンスターを倒す。

 *

 

 アンデッドそのままで装備をしないと完全に全裸であるとシステムから宣告されたのだった。

 

(つまり私は今まで全裸でうろついてたってことかよッ! 

 っていうか裸のクラスとか絶対装備不可とかついてるだろ! 

 クソッ全裸だと思うとなんか滅茶苦茶恥ずかしくなってきた! 

 絶対取らねぇぞ!)

 

 私はスキル:死体酷使を使って全力で街に引き返した。

 

 ***

 

 現在のステータス

 名前 ナヅキ

 種族 異形種

 役職 なし

 住居 なし

 属性 悪~中立(カルマ値:-50)

 

 種族レベル

 ゾンビ《動死体》lv10

 ウォーキングデッドlv8

 

 クラス《職業》レベル

 ファイターlv3

 

 計21レベル

 

 能力表 最大値を100とした場合の割合

 HP 15

 MP 0

 物理攻撃 20

 物理防御 20

 素早さ 通常時10(可変)

 魔法攻撃 0

 魔法防御 0

 総合耐性 10

 特殊 10

 

 

 




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