視界が開ければそこはジャングルとでも言えようかと、木々が大量に生い茂り膝まで草が生えているフィールドだった。
頭上まで木々で覆われている状態では集合を知らせる花火が見えない。
急いで地面を蹴り、木々よりも上に飛び出た。
するとそこには一斉に飛び上がったと思わしき様々なプレイヤーが顔を出していた。
「は?」
思わず呆けるが一番近くに居たプレイヤーが大声を上げる。
「ゾンビネキ居るやん!」
名前を呼ばれたことによって一斉に周囲のプレイヤーからの視線が突き刺さる。
同時にそれぞれで突発的に始まりそうだった乱戦が、私というランキング勢を見つけたことで一つに纏まり始めた。
(やっべぇ……最初に隠密スキルさっさと使っときゃ良かった!
ネットに名前載ってるからこうなると一斉に狙われるぅ!
っていうか花火まだ!?)
一番近くの戦士職が大剣を振りかぶってきたのを確認し、うまく懐に入って大振りを躱す。
懐から胸を刀の居合で一息に切り裂き、大剣プレイヤーはdeadアイコンを灯した。
攻撃を避け、すぐさま反撃ができた理由はたっち・みーから教えられたVRのお陰だろう。
教えられてから毎日プレイし、スコアはとうとう80を超え84にまで到達した。
まだまだたっち・みーの92というスコアまでには遠いがこの調子ならば90まで半年で行ける可能性も見えてくる。
何より練習でプレイする身体の大きさをユグドラシルのアバターに合わせることでユグドラシルのプレイヤースキルが非常に向上した。
最初の一人を一撃死させたことで動揺が広がったのか襲いかかろうとする動きが鈍った時、私と相対しているプレイヤーたちの背後に空高くカラフルで巨大な花火が打ち上がった。
(あれか?
あれだよな! ちょうどあの花火で周りのプレイヤーの意識も逸れたし!
さっさと隠密スキル使って向かうに限る!
朧月影発動だぁ!)
発動した隠密スキルによって私を見失ったプレイヤーたちを尻目に私は死体酷使を発動しないギリギリのスピードで、合流先へ向かう。
合流先である花火が打ち上がった場所から北西100mの地点、そこは草原のように開けていて既に集会主と十人ほどの2ちゃん連合として屯していたプレイヤーたちが襲い掛かってくるプレイヤーに応戦していた。
背を向けていた魔法職の幾人かを撫で斬りにしてPKをしつつ合流する。
流石に敵もレベル百でゴッズ装備を比較的に持っていたためかHPが3割を切っているプレイヤーもチラホラと見える。
「メイン戦士きた!」
「これで勝つる!」
「死ぬかと思ったよ……」
「後ろの魔法職手出せてなかったから全滅しかけてたの気付いたやついる?」
「すまんな、ワイは過去を振り返らないんや」
背後から私に強襲され連携が崩れたプレイヤーたちは容易く瓦解し、なんとか死体酷使を使う前に戦闘は終わる。
こちらには脱落者を出さずにHPが半分を割ってるプレイヤーを回復させることもできた。
因みに回復手段はタンク職のHP交換と装備のリジェネ効果である。
言われてみればアイテム欄にポーションは5つしか無い。
攻撃手段としても使わなければならない魔法職の魔法を使うわけにはいかないからだろう。
「いや、助かったわ。
最初に速攻隠密したあと花火上げて逃げようとしたら花火で思いっきり位置バレして応戦しながらなんとか100m地点まで進んでたんだよ
こっちの戦士職は俺しかいないし合流できたプレイヤーのうち5人盗賊職の隠密特化だからさ、なんとか隠密しようにも戦闘中だしうまくいかなかったんよ。
一応今の編成はゾンビネキ入れて盗賊5魔法3タンク2アタッカー2なんだけど、長文ニキが作戦の要だし長文ニキが来たらもう移動して鉢合わせるように動いたりって感じやね」
「ほな、行ってくるわ」
「行ってら」
「見つかって即死にそう」
「流石にそうはならんやろ」
「なりかけたやろがい!」
集会主が私に話している間に後ろの盗賊職のうち二人が何らかの結界らしきものを連合プレイヤーを囲むように貼り、残りの3人が周囲の偵察とメンバー探しを行うようで離れていった。
集会主の話が終わり盗賊メンバーが仲間を探している間に、私はこのバトルロイヤルの特殊UIを確認していた。
通常のUIに追加するように左の自キャラ情報の下に現在の残り人数、巨大なマップは現在地を示しているが一定時間ごとに表示されているリングが縮小するようで、おそらくその間、外に出ているとペナルティが発生するのだろう、タイマーは既にカウントダウンを始めていた。
私たちがいる場所は南の山脈、リングの外縁からは比較的遠いのが助かるところだ。
そこも考慮して花火を上げたのだろうが。
意外にも参加者はそこまで多いわけではなかったようで、2000人ぐらいのプレイヤー数が表示され、それもどんどん減少していっている。
10分もすれば2000人を割るだろう。
そう考えていた私が10分を経過した頃初めてのリングの縮小が始まったのをマップで確認し、まだ大丈夫そうだと思っているとようやく隠れていた隠密結界の中へ探しに出ていた盗賊職プレイヤーと共に長文ニキが入ってきた。
「お前遅すぎやろ」
「何あったん?」
「やーっとワイら動き出せるんやな……
腕が鳴るぜ!」
「無事来れてよかった……長文ニキいないと作戦破綻するからなマジで」
だが歓迎する周りのムードに反して長文ニキが焦るように言葉を発する。
「最悪なことに、theから始まる3ギルド、手を組んだっぽいわ。
あとアインズ・ウール・ゴウンとセラフィム、もう接敵した」
「そマ?」
「マジやで」
「……急いでアインズ・ウール・ゴウンとセラフィムが接敵した場所教えろ!
早くしないと戦闘終わるぞ!」
すでに接敵していたアインズ・ウール・ゴウンの戦っている場所に私たちは急いで走り出した。
因みにまだ仲間を探している盗賊プレイヤーにはさっき戻ってきた盗賊職プレイヤーがメッセンジャーとなったようだ。
(最初から少数グループ行動かいなくなった場合の場所決めておいたほうがよかったのでは……?)
そんな考えを私はするが、そんなことより既に接敵している巨大ギルドを漁夫るほうが大事なのだ。
すまない名も無き盗賊職プレイヤー
***
【ユグドラシル】質問スレ【part36】
108:名無しの電脳
おお、めっちゃ広いねんな
109:名無しの電脳
プレイヤー多すぎでは?
110:名無しの電脳
めっちゃ密集してて笑った
111:名無しの電脳
転移後即接敵
112:名無しの電脳
プレイヤー密度考えろや!
速攻死んだわ
113:名無しの電脳
お早いお帰りで
114:名無しの電脳
中継は今どんな感じよ
115:名無しの電脳
どこもかしこも接敵開戦乱戦
116:名無しの電脳
比較的色んなギルドも同盟組んでるっぽいな
117:名無しの電脳
まぁワイらの数には勝てへんのやけどなwww
118:名無しの電脳
数だけなんだよなぁ
119:名無しの電脳
質はどうですか……? (小声)
120:名無しの電脳
仲間と合流できたっぽいやつは比較的生き残ってるけど、ソロは数の暴力で削りきられてるな
121:名無しの電脳
やはり数……!
数はすべてを解決する……!
122:名無しの電脳
言うほど解決するかね?
123:名無しの電脳
やっぱ数はこの戦い方だと強いよなぁ
なお大手ギルド
124:名無しの電脳
10人ぐらい居た連合エンブレム付けてるプレイヤーが大手ギルドに発見即殺されてましたね
125:名無しの電脳
見敵必殺、サーチアンドデストロイだったな
126:名無しの電脳
やっぱ数少ないうちに殺しとこうって判断なんやろなぁ
127:名無しの電脳
実際数増えたらもう数の暴力よ
128:名無しの電脳
やっぱ2ちゃん連合が最大手って、はっきりわかんだね
129:名無しの電脳
だからすぐ殺される
130:名無しの電脳
なんかそういう虫みたい
131:名無しの電脳
俺達は虫けらだった……?
132:名無しの電脳
だいたい合ってる、耳が痛い
133:名無しの電脳
うお!
おいお前ら見たかよゾンビネキ!
134:名無しの電脳
どこのカメラだよ
135:名無しの電脳
中継カメラ多すぎ問題
136:名無しの電脳
100ぐらいあるの頭おかしなるで
137:名無しの電脳
見つけた、これマジ?
138:名無しの電脳
見つけれてねぇわ
説明してくれ
139:名無しの電脳
エンブレムしてる
140:名無しの電脳
連合のエンブレムしてるんだよ!
141:名無しの電脳
どこの?
142:名無しの電脳
ここの
143:名無しの電脳
マジで!?
144:名無しの電脳
一気に質も良くなったな
145:名無しの電脳
一人校長みたいに高くても他弱かったら今回意味なさそうなんですが
146:名無しの電脳
まぁ100レベと合流できれば可能性あるだろ
147:名無しの電脳
それで最後はゾンビネキに根切りにされるんですね
148:名無しの電脳
でも一番可能性としてありそうなのその線しか無くない?
149:名無しの電脳
それはそう
150:名無しの電脳
ワイらのエンブレムしたやつが優勝したってのが重要なんやで
151:名無しの電脳
誇りはねぇのか!
152:名無しの電脳
誇りは……浜で死にました……!
153:名無しの電脳
古のデスクトップゲームじゃん
154:名無しの電脳
デスクトップゲーム?
155:名無しの電脳
パソコンでやるゲーム
156:名無しの電脳
パソコン?
157:名無しの電脳
脳内ナノマシーンのでかい版みたいな
158:名無しの電脳
なんででかいの?
159:名無しの電脳
昔のだからに決まってんだろJK
160:名無しの電脳
何も知らねぇじゃん幼稚園児かよ
あw幼稚園にも行けてない貧乏人ばっかりかw!
161:名無しの電脳
幼卒マウントなんて悲しくならない?
162:名無しの電脳
実際高くなったわ俺の子供の頃とか以下略
163:名無しの電脳
おじさんも見てるわ
164:名無しの電脳
ここにいるやつ大体おじさん説
165:名無しの電脳
一つ疑問なんだけど
166:名無しの電脳
はいはい
167:名無しの電脳
なんですか?
168:名無しの電脳
なんでVRの中のことを掲示板に書き込めるの?
169:名無しの電脳
VRって複数起動無理だとおもうんだけど
170:名無しの電脳
実際無理やで
ワイもやってないし
171:名無しの電脳
やってるけど現実にPC置いて2画面みたいにしてるだけやで
172:名無しの電脳
ワイは入って見て出て書き込んで入って見て出て書き込んでの繰り返しや
173:名無しの電脳
ゴリ押しやめろ
174:名無しの電脳
入る時一番ナノマシーン消耗するからそんな短時間で出て入って繰り返したら早死にしそう
175:名無しの電脳
どうせ長生きしても働けなくなったら餓死やぞ
176:名無しの電脳
餓死は嫌だねぇ
177:名無しの電脳
>>171
pc置けるとか金持ちっすね
178:名無しの電脳
電気代バカ高いし結局VRでよくね? ってなるけど二窓できるのは良いよ
なおVRに専念する時はまともに見れない模様
179:名無しの電脳
無駄金では?
180:名無しの電脳
まぁ攻略情報見ながらやれるのは便利だよ……うん
181:名無しの電脳
なおユグドラシルの情報戦でまともにwikiは機能していない模様
182:名無しの電脳
意味なくて草
183:名無しの電脳
別ゲーやれ
184:名無しの電脳
ノートpc買えば安く2窓できるんだよなぁ
情弱おつ
185:名無しの電脳
【速報】セラフィム、アインズ・ウール・ゴウン、接敵する
186:名無しの電脳
マジか早くね?
187:名無しの電脳
めっちゃ速い
初手どっち取ったんだ?
188:名無しの電脳
っていうかお前らカメラ番号ちゃんと載ってるんだから教えろよ!
189:名無しの電脳
80番だぞ
190:名無しの電脳
19番なんだよなぁ
191:名無しの電脳
25番
192:名無しの電脳
本当は96
193:名無しの電脳
お前ら……マジで誰も載せねぇじゃん
結局自分で見つけたからええわ
194:名無しの電脳
教えて♡
195:名無しの電脳
やだ♡
196:名無しの電脳
お前ら仲いいな
197:名無しの電脳
仲良く見えるとしたらお前の目玉は腐ってるよ
198:名無しの電脳
状況はよ
199:名無しの電脳
言うて拮抗してるぞ
アインズ・ウール・ゴウンは徹底的に天使対策してたみたいだし
セラフィムは種族的に異形種に強いし
200:名無しの電脳
どっちが勝ちそう?
201:名無しの電脳
たっち・みーいるし少し隙見せたらセラフィム堕ちそうな気はする
202:名無しの電脳
色んな異形種おるんやな
結構かっこいいやん
203:名無しの電脳
君もこちら側に来ないかい? (異形種沼)
204:名無しの電脳
オイデ……オイデ……
205:名無しの電脳
異形種なんてマゾしかやらんしユグドラシルなら尚更やぞ
206:名無しの電脳
でもカッコいいだろうが!
207:名無しの電脳
それはわかる
感想評価いつもありがとうございます