巨大な街の空を埋め尽くす色とりどりの花火から視点を下げれば、最盛期を彷彿とさせる混雑を見せるのはニヴルヘイムの首都。
ナザリックから出て、途中で並べられていたアイテムが花火であることに気付いた私は肩すかしを感じながらもモモンガに出会わないよう細心の注意を持って脱出、レベリングを終えたヘスティアを回収し、拠点に連れ戻した後のこと。
私が行っているのは商人プレイヤーが露店で売っているアイテムや装備の物色だ。
と言っても未だ私は何一つ購入していない。
(装備やアーティファクト、素材も既に揃えてるから、とんでもなく安いとかでもないと買う気にならない⋯
特に金貨を使うのがキツイ、転移後世界だと金貨の貯蔵が存続に直結してるし、蘇生費用やスクロール作成とか使い道山ほどあるし。
昼間に連合で聞いたワールドアイテムのオークションも効果微妙だけど私のユグドラシル全財産の7割吹き飛ばす値段で開始だったからな⋯
えっ刺突無効貫通付いてて2億!?
全身まともなタンク構成のゴッズが一式7億!?!?
これは買いや!)
既に最終日も3分の2が過ぎ、格安の装備などは殆ど売れてしまっていた為だ。
そんな中で運良く、格安の武器や防具を売っているプレイヤーを見つけ全て購入すると、露店を速攻で締めて何処かへ行ってしまう。
(大方フレンドとかに呼ばれてたんだろうな。
ん? この装備ええやん!
あ、でも高い⋯)
その後も露店を冷やかしたり、バカみたいなエフェクトだけ盛られまくった実用性ゼロゴッズの作成者がやっぱり連合プレイヤーだったり、武器造形が上手い初めて見る製造者の名前を知ったり、PKをしたプレイヤーが衛兵に捕まり引きづられていったり、そんなこんなで見て回っていれば赤く染まっていた空はすぐに深い黒へと切り替わった。
黒い背景によって花火がより鮮やかに彩度を増し、灯された街の灯りがプレイヤーの影を映し出す。
未だプレイヤー数は衰えず、それどころか増している街を見ながら時間を確認すれば20時、私はかなり早いが連合拠点へ向かった。
***
本拠点へ足を踏み入れれば昼間より格段に増えたメンバー達がアカペラで歌を歌っていたり拠点内でPVPをしていたり何処からか持ってきた料理セットで料理をしていたり、何故か中央に設置されている巨大なキャンプファイヤーに突っ込んでいくプレイヤー達がいたりとカオスな光景が広がっている。
「お! ゾンビネキ来たじゃーん!」
「久しぶりです、お元気そうでよかった」
「最後ぐらいはボッチやめるんか?」
「やめんか!」
声をかけられた方向に顔を向ければ、目に飛び込んできたのは肌色。
そんなアバターを使うプレイヤーなど一人しかいない。
「全裸ネキ!?」
「ええ、質問スレ変態三銃士の一人、コテハン全開放ネカマことマッパ・ダカーニバル・大林です」
「やっぱその反応になるよな」
「何年ぶりだっけ、5年?」
「もっとやろ」
「あと一人、性癖ネキくれば変態三銃士揃うんだけどなぁ」
「そんなの揃えなくて良いから」
「今まで何してたん?」
「仕事ですね、本当にそれだけしか無かった数年間でした」
「可哀想(小並感)」
久しぶりの再会に感動していれば「私を知らない人たちにこの裸体を見せつけて参りますので、ではまた⋯」と去っていく。
その後姿を見ながら、私はウィンドウをジッと読んでいる長文ニキの近くへ座った。
「意外と復帰してるんもんやな⋯」
「ん? 来るの早いな。
まぁ最終日だし、さっきまでウェポンマスターも居たぞ、眠気限界とか言って落ちたけど」
「マジか、来てない奴どれぐらい居るんやろ」
「あー、コテハンつき有名人で来てないのは情報班の二人と性癖爆盛、司書of司書、本スレは白濁した3連星とおっさん妖精、命乞い検定3級が居ないな。
あと俺が100レベの特殊パワードスーツ貸してた奴もログインしてない。
連合のメンバー全体数から見るとログインしたのは十分の一ぐらいじゃね?」
「よく覚えてんな。
パワードスーツ貸し出しって⋯パクられた?」
「倉庫にあるからパクられた訳じゃないが使い道が完全に死んだ」
そうこう喋っていれば壁面に何やら投影してるプレイヤー達が見える。
興味の赴くままにふらふらと近づけば会話が聞こえた。
「この頃は良かった」
「お前それしか言わねぇな」
「今の写真なに?
全員仮面つけてたけど」
「悲しみのクリスマス事件。
クリスマスイブにリア充皆殺し祭りやってたら参加メンバーには連合プレイヤー山ほど居たのに殺されるプレイヤーと狙われるプレイヤーどちらにも誰一人居なかったしなんなら翌日のクリスマスは皆殺し祭りの襲撃側に参加してたプレイヤーもログインしてないやつが半分ぐらい居て裏切り者判定量産してたけど連合プレイヤーはほぼ全員ログインしてたって話」
「因みにログインしてなかった連合プレイヤーの大半は仕事だったとも付け加えとく」
「仮面はクリスマスイブ限定のログインボーナスやな」
「なるへそ、ワイは彼女とデートしてたから知らんかったわ」
「嘘乙」
「アーコロジー民でもなけりゃ恋愛なんて夢のまた夢やろ」
「親はそれこなしてお前産んだんやで」
「恋愛できる奴は仮想現実なんかに逃げないってそれ1」
「言葉のナイフやめてね」
どうやら集会主が言っていた過去の写真上映会を勝手に始めているようだ。
私も幾つかの写真に入っている。
懐かしさを感じながら私はあぐらをかいて鑑賞会に参加した。
*
*
*
「頑張って作ったのに結局死蔵することになった攻城巨大ロボ起動だーッ!」
「うおおおおお!!! 金貨クソほど消費するけど関係ねぇ行っけーッ!」
「焼き払え!」
「ヒャッハー森ごと消毒だぁ!」
「これから毎日自然を焼こうぜ?」
「ストッパー居ないのに馬鹿やる人数は居るから止まらねぇよこいつら」
「お前が止めろ」
「めんどくさいパス」
「うーんクズ! w」
「派手にやるじゃねぇか⋯」
「今日でラストなんですが毎日とは?」
「調べてみました、わかりませんでした、いかがでした?」
「糞ブログやめろ」
「あれ動かせるんか」
「確か操縦専用パワードスーツとの組み合わせで精密な操作できるらしい」
「専用のNPCも作ったおもひで」
「搭乗NPCは私が作りました」
「今操縦してるのはプレイヤーだけどな」
「外から見えないのにゾンビネキに頼む必要ないだろ」
「ロマン、ですわよ」
「火炎放射器の射程なっが、キロあるだろこれ」
「つかマジで動かしていいの?」
「最後だしまぁ⋯」
「金貨の消費的にダメだけど動くところは見たい」
「最終日だから無問題!」
「そうかな⋯そうかも⋯」
「いや起動までは良いけど人いるかも知れないフィールドに火炎放射はダメだろ」
「いる奴が悪い」
起動した赤い人型巨大ロボが本拠点周辺に存在した森へ向けて手に持った同じく巨大な火炎放射器から炎を発射している。
私はそれを洞窟の外で周りのプレイヤーと駄弁りながら見ていた。
そんな時、拠点の中から「うぉおっ!? 全裸ネキ!?」と驚く声が聞こえてくる、またログインしたプレイヤーを驚かせたのだろう。
ギルド内へ目を向けると。
「お前ら何やってんだああああああ!!!!」
ダッシュで向かって来る集会主が居た。
即座に巨大ロボを停止させ主犯のプレイヤー達を連れ戻した集会主は森で死亡していたプレイヤーに謝罪し、許されたことで胸を撫で下ろしたのか溜め息をつきながら口を開く。
「なんで止めなかったんですか????」
拠点内、ガヤガヤと集会主の前に集合させられている私たちに向かって。
「いや最終日だし⋯」
「ギルドとか無かったし死んだのは入り込んだプレイヤーだけだからセーフ」
「巻き込んだプレイヤーもレベル戻したじゃん」
「そーだそーだー」
「まぁ森自体はもう燃え尽きてるんですけどね」
「私関係ないと思うんですが⋯連帯責任ってことですかね?」
「そういうことや諦めろ全裸ネキ」
「最終日なら殊勝な行動で締めろよ!
さっきの放火で死んだ奴はレベル戻したからなんとか許されたけど、そういう迷惑行為で俺等のギルドは孤立してんだぞ!?」
「元からほぼ底みたいなもんやったしええやろと」
「カルマ値も最終日だし意味無くね?」
「それな」
「足痺れてきたからもう行って良い?」
「足が痺れたなら仕方ない、許可する」
「へー最近のDMMOって足の痺れも実装してるんだ」
「してる訳ねぇだろ殺すぞ。
⋯はあ⋯まぁ残り時間も少ないからここまでにするけどさあ!」
「ワイはこのまま最後までやってもええんやで」
「また勝ってしまった⋯」
「祭り再開だああああああ!!!!!!」
「取り敢えず料理するわ」
「何故今から???」
「そりゃ疲れた集会主を労るためよ」
「ほんとかなぁ?」
「信頼性ZERO」
「労りたいなら最後ぐらいは真面目にしてくれませんかねぇ」
諦めた集会主の言葉で集まっていたプレイヤーは好き勝手にその場で話を始めたり外に出たりと動き出す。
「集会主の叫びが連合を完成させるから仕方ない本当に仕方ない」
「それが聞きたかったからやったまであるので」
「いい感じに誘導してもお前らが主導して森焼いたのは変わんねぇからな」
「いい感じ⋯?」
「集会主もついに⋯お労しや」
「あっ壊れたぁ!」
怒っても泣いても時間は平等に進む。
長文ニキを中心に新たなクラスの情報が開示され盛り上がりを見せたり。
「多分ストーリークリアでワールドブレイバーってクラスが現れるらしいことしか分からんかった」
「ネーミングセンス終わってね?」
「運営ワールド好きよな」
「ラスボス判明したっけ?」
「九曜の世界喰いってモンスターで確定、全世界にヒビが現れてそこから色々でてくるらしい。
因みに操作乗っ取りあり」
「うーんクソボス」
「人数が足りないっていうのは?」
「まず最初の前提でワールドごとに3つの特殊クエストがあるんだけど参加人数の下限それぞれ30人ずつで単純計算クエスト始めるのに270人は必要」
「全盛期ならワンチャンあったな」
「最低必須人数かつ最終クエストの系譜だぞ?
上位が協力しまくって漸くだろ」
「協力したギルドなんて俺等を潰そうとしたトリニティぐらいしか居ないよ」
「特に恨んでもいないと人は協力できないってはっきり分かんだね」
盗撮ネキにお願いされ、最後だからと調子に乗って私が作成したNPC達を大量に連れてきて、初音ミクや結月ゆかり、弦巻マキのバンド演奏を開始させたり。
「おお⋯! 遠隔の盗撮でしか見れなかったNPCがこんなに⋯!」
「盗撮ネキがそこまで言うってほぼソロボス攻略用なんやろな」
「覚えさせてる曲これだけ?」
「しかもバフしか考えてない超ハイテンポ曲やんけ」
「曲を演奏させるのは専用の楽譜用意しないといかんからな」
「作るのだるいしバフ要員なら一つあればええやろ。
でもゾンビネキなら楽団系ギルドに頼んで楽譜もらえたのでは?」
「ヒント、ソロプレイ」
「ほぼ答えだろそれ」
「この頭に手術痕ある女キャラ見たことないんだけど何?」
「ブレインイーターに寄生されてるのかこれ」
「特殊性癖すぎん?」
「対魔忍だぁあああああ!!!」
「初めて実物見たけどやっぱエロいっすね⋯」
「テッカテカやでほんま」
「連合でも作ってなかった?」
「メガネっ娘作ってた、結果連合のBAN要因ほぼそいつとシェヘラザード」
「あの時はメガネ好きの団結エグかったよな。
まさかいつもやってる数の暴力をこっちが食らうとは思わなかった」
「普通に候補乱立して他がまとまりゼロだったのもある」
「変態三銃士のうち1人は手を出して実名晒されると思ったのに誰も晒されなかったっていう。
逆に変態レベル上がったよな」
「ゾンビネキは別で実名晒されたから似たようなもんでしょ」
「晒されるにしてもインタビューと垢バンじゃ天と地の差あるわボケ」
「全部レベル百か。
しかも全身ゴッズ」
「どんだけ金と時間かけたんだ⋯?
普通に怖い」
「それも今日で無に帰すんだよなぁ」
「せめてNPCのデータだけでもダウンロードさせて⋯」
「ダメです」
「マジでほぼ我が家みたいなこの拠点も終わるの嫌過ぎて泣ける」
「せっかく作った美少女NPCたちも居なくなっちゃうのやだ! 小生やだ!」
「駄々をこねても現実は変わりません」
「嫌な予感は今年入ってしてたから課金しまくったのに⋯」
「意外と最後に確率10倍! 100回で最上位レア1個確定! とかやってたのクソすぎる」
コピー変身で思い出したカペラの特殊変身を具体的に見せたり。
「この小さい体でカンストプレイヤー2パーティぐらいなら鏖殺できるの強すぎる」
「まぁ時間制限あるしええやろ」
「えっなんかステータス見てたら特殊クラスも装備もコピー出来るって書いてあるんだけど」
「は????」
「それは強すぎを超えた強すぎ、ワールド職もコピーできるってことやろ?」
「多分⋯あ~8割か⋯
いやそれでもクソ強いな」
「普通にぶっ壊れだろ。
コピー可能なプレイヤーにワールド職2つ持ちのゾンビネキがいるんだぞ?」
「あっそうじゃん」
「確かにコピーしに行かなくても一番近くに最強がいるのはヤバイっすね」
「いや、見てると素でもしっかり状態異常系のクラスで固められてるわ」
「コピーだけに慢心せず基礎も固めるとはサスガダァ」
「結果だけを求めると真実見失うからね。
コピーだけじゃ結局本物には勝てないから」
「いや結局一番強いのワールドエネミー化だろ。
プレイヤーコピーはプレイヤースキルの差でほぼ負ける」
「これまでゾンビネキが様々なワールドエネミーに挑んでいたのはそれが理由だったんやなって⋯」
「一番の近道は遠回りだったみたいな話?」
「いやゾンビネキがカペラいつ作ったのか分からんし。
元からワールドエネミー化は視野に入れて作ってたんでしょ」
「ちょっと待って?
それあったら俺ワールドチャンピオンの大会で対戦相手の手の内見れたよね????」
「そうじゃん草」
「仕様はしっかりと理解⋯しよう!」
「確かに特殊もコピーできるから手の内丸裸にできるな」
「気づかなかった集会主の負けや」
「真実に向かおうとする意思が足りなかったな」
「他人に頼るな」
「ユグドラシルで頼らないのは無理だろ。
ゾンビネキでも一応連合未加入だけどイベントとか一緒にやるんだぞ」
長文ニキがストーリーを追う中で獲得した特殊種族転生アイテムの話を聞き何人かがそれを譲ってもらった結果、貰えなかったプレイヤーがブチギレて生まれ変わりの秘薬を使用したり。
「俺は人間をやめるぞおおおおお!!!!」
「やめとけってマジで」
「これでスケルトンとかになった日には発狂だぞ」
「生まれ変わりの秘薬って100レベルで使用したらどうなるの?」
「最後に獲得したクラスが一つ下がって種族レベルが一つ追加される」
「これって完全ランダム?」
「ランダムだから元は戦士系で固めてたのに魔法適正の種族とかになるともう目も当てられない」
「うぉおおおお最強種族こい最強種族こい最強種族こい!!」
「ガチャみてぇだな」
「お! 光った!」
「光ったってことはアンデッド系じゃないか」
「おお、翼が⋯」
「めっちゃくすんでて草」
「カルマ最低値の天使じゃん」
「ハズレですね⋯」
「ああああああああああ!!!」
「だからやめろって言ったのに⋯」
「色々ある中で最下級の種族当てるとか逆に運良いだろ」
「天使ってカルマ低いと羽が光らないんだ」
「天使系ってカルママイナスだとスキルめっちゃ弱体化入るから」
「やはりガチャはダメですね」
「気を落とすなよ⋯外見ちょっと整えてやるから⋯」
「ゾンビネキ天使か?」
「ゾンビだけど天使みたいな人の良さ」
装備を奪われ中上位ギルドに突っ込んでいた連合プレイヤーをノリで援護しに行ったり。
「なんで最終日に突っ込んだんだよ!」
「ゲーム終わるまで残り2時間ぐらいしか無いんですが」
「援護に来るの遅いぞ!」
「うるせぇ! 黙ってろゴミ共!」
「上位ギルドつっよ、一撃で半分持ってかれたわ」
「なんでヒーラーニキ居ないの!?
死んでレベル下がったんだけど!」
「敵対ギルドとの戦場に持ってくるわけないだろ。
そもそも最終日なのに使わされすぎてMPがもうねぇとさ」
「ドロップ美味すぎ。
やっぱ狙うなら中上位ギルドだな」
「装備奪われたんだが⋯
助けに来なきゃ良かったわ」
「揺れる意見⋯!」
「ゾンビネキのクリティカルエグいな、最後に追加で厳選したとか?」
「あああああマジで天使ゴミすぎ!
悪属性弱点のせいで体力ゴリゴリ減るんだが!」
「なんで突っ込んでいったんだよ」
「最終日に装備奪われたら取り戻そうとするだろ!」
「大体装備は取り戻せた!
逃げるぞ!」
「ついでに宝物庫からレアアイテム幾つかゲットできたわ」
「サンキュー集会主」
「長文ニキ有能過ぎる」
「待って俺の装備は!?」
「今奪われたなら諦めろ」
「嘘でしょ!?」
今までの写真を流して感想言い合ったり。
「マジでこの横断幕が建物と合ってなさすぎる」
「黄金期だったよな」
「なおこの翌年大規模連合襲撃」
「最終的に何とかなったからセーフ」
「これ最初の生き残り大会?」
「せやせや」
「めちゃくちゃ昔に感じるわ」
「実際もう10年以上前だぞ」
「えっ? まだ5年ぐらいじゃないの?」
「時間感覚ガバガバ過ぎるだろ」
そんなこんなで時間はすぐに来た。
時計は23時を示している。
「じゃあ、そろそろ戻るわ」
「えー最後まで居ろよ」
「ゾンビネキが消えたらこっちに残るのはなんちゃって女アバターだけになっちまう!」
「なんちゃってなんですの⋯?」
「男性アバターが集会主を含め片手で数える程度しか居ねぇからな」
「今から他の掲示板ギルドと合流して写真撮るんやで?
ゾンビネキも居てクレメンス」
「最後ぐらいはボッチ卒業しようぜ」
「せめてNPCだけは置いて行ってくれない?」
「好き勝手言いすぎだろ」
「最初からソロプレイでしたからね。
次のゲームで出会えると嬉しいです」
「ユグドラシル2来ねぇかな」
「ま、次があれば再会できるやろ」
「お前ら無理に引き留めようとすんな。
ゾンビネキ、来てくれてありがとな」
最後は自分のギルド拠点で過ごすと言った私は引き止められる言葉に少し嬉しくなる。
しかし帰るのは確定事項だった。
転移する為に集めた素材やワールドアイテムは全て拠点に置いてあるのだから。
連合は最後、本拠点から出てすぐの広場で最後の瞬間に合わせて写真を撮ることにしたらしい。
拠点内では全員をカメラに収めるには少し手狭だからと。
私はそれを複雑な気持ちで聞いていた。
拠点にワールドアイテムを所持していると言えど丸ごと転移はしない可能性もある。
確実なのはワールドアイテムの影響下に入るか、所持をしていることだと私は予測し、それを前提に装備を整えていた。
だからこそ、最後にギルドから出てしまっては効果から外れるのは明白で、私は悩む。
連合プレイヤーはクズで欲望に忠実で馬鹿ばかりやる。コテハンの連中も程度の差はあれ同じだ。
転移の後を考えれば来ない方がメリットが大きかった。
だが、それでも。
一緒に十数年ユグドラシルを楽しんだ仲間だと、私の感情は叫んでいる。
現実に絶望してるのだから連れていけば良いと私の心が嘯いてくる。
私は知っていた、連合が所有しているワールドアイテム、その中でも一つ、ギルドメンバー自体に作用するものがある事実を。
「集会主、あのさ」
それは消費系、持っているだけじゃ全体には効果が波及しない。
ワールドアイテム:焔染血判、使用することでマスターへ攻撃が可能となる代わりに、所属プレイヤー全てへ記述した効果を付与できる、第六天天主戦で手に入れたアイテム。
それを使用すればギルドメンバー全員に、ワールドアイテムの効果は適用されるだろう。
だが理性は言うなと警鐘を鳴らす。
連合が瓦解し八欲王のようにプレイヤーを殺しに来たら。
深夜に入り減ったとは言え未だ数十人存在する100レベルプレイヤー達の脅威は大き過ぎる。
感情と理性、その狭間で私は口を開き。
「⋯すまん、なんでもない」
何も言えず私は顔を下げる。
最後に楽しめたからこそ、別れが辛く、それでも私は未来を恐怖している。
「ははっ、なんでも良いけど、また遊べたら良いな」
集会主は呆れたように笑った。
*
*
*
拠点に戻った私はワールドアイテムの吸血残滴によりワールドバフを獲得した状態で装備を整え、NPCにもワールドアイテムを装備させると、食事の配膳が済まされた食堂のイスに座り、何度目か時計に目を遣る。
あと30分で私の十二年の結果がわかるのだ。
緊張し何度も時計を確認するせいか、時間の流れが非常にゆっくりと感じる。
私は一旦気持ちを落ち着けるために視点を時計から離し周りを眺めた。
テーブルにつく美麗なNPC達、ユグドラシルリーフの効果でワールドバフが付与されている一人一人を眺めながら私は過去を思い出していた。
(最初に作ったのは羽川翼、初めてワールドアイテムを手に入れた後、NPCのワールドアイテムも手に入って浮かれたんだよなぁ。
次に作ったのはタツマキとカペラ、無惨、マキマにヘスティアだったな⋯
大会準備の為に七色鉱とかアスラ職とか集めてたっけ。
そう言えば最初はモンクで、ネイキッドなんてクラスも出てきて驚いた。
今のサムライ系に転向したのは、たっち・みーさんに言われたからだっけ)
頭の中で次々と記憶が溢れていく。
(そう言えば最初はまだ体があって、くっそ不味い保存食と水を飲んでたんだ。
今思い返しても不味かったな〜あれ。
っていうか水も不味いってどういうことだったんだ?)
体があった時のことも思い出し、昔の疑問が再燃しながらも和やかに時間がすぎていく。
そして
「⋯はぁ!?」
目の前にはひび割れたテクスチャのフィールドが広がり、その奥で何かが蠢いている。
ぱっと、目の前に現れたのはクエスト受注画面。
***
強制受注クエスト:世界の終わりに立ち向かう者
内容
九曜の世界喰いの侵食を留め、世界の最後を守れ。
***
それを読んだ私は⋯
「ふざ⋯ふざ⋯
ふざけんな!!!!
クソ運営がああああああ!!」
大声で叫んだ。
時計に目を向ければ残り時間は10分。
10分で1人、九曜の世界喰いを打ち倒せとでもいうのか。
そう考えた私が震えながらどうしようか考えていると。
「やっぱり、ゾンビネキだよな」
聞こえてきた声は。
「長文ニキ?」
「意外と早い再会だったな。
最後だしワールドアイテム装備した状態で飛ばされてきたのか」
本拠点で分かれた角ばる粘液に身を濡らしたアバター、長文ニキだった。
周囲を確認すれば私以外にも7人、長文ニキも含めて存在している。
全員、私の知るプレイヤーだ。
その共通点はただ一つ。
「ワールドチャンピオンだったから集められたのか???」
「ぽいわ、最後まで運営だな」
長文ニキの言葉通り、全員ワールドチャンピオンを取得していたプレイヤーだった。
「最後の時を邪魔してんじゃねぇよクソ運営!」
「余計なことしかしねぇ、マジで頭イカれてんじゃねぇのか?」
「独りよがりなゲームシステムを作っただけはありますね」
「ブルースの毒舌いつもよりキレッキレじゃんwwwww
なにクソゲーに切れてんだよwwww」
「はぁ⋯最後は俺しか居なかったから良いか」
「ここどこだよ。
ワールドチャンピオン集められたはずなのにたっち・みー居ないじゃねぇか」
同じように不満をもらすワールドチャンピオンを横目に、ヒビ割れが大きくなっていく。
「⋯一応事前情報だと初手大ダメージの行動してくる!
操作乗っ取りありだから気をつけろよ!」
警戒を促す長文ニキに周りの反応は様々。
「⋯」無言で武器を構える者、「はぁ? 情報それだけかよ」「やめて差し上げては? 我々がワールドアイテムを奪ったせいで集められなかったのかもしれませんし、ははッ」「てめぇに言われなくてもそれぐらい把握してるわ」ただただ馬鹿にする者、「めんどくせぇな」気怠げに動かない者。
私は無言のまま武器を構え、そして。
ヒビ割れが、弾け飛んだ。
「【
真っ白に染まる視界の中で、私はワールドチャンピオンの防御スキルを使用する。
だが白く染まった視界の中で赤く光る軌跡。
ワールドアイテムの吸血残滴を抜かずに防御したそこには⋯
「⋯私?」
装備が少し違い、ひび割れたエフェクトを纏う私がいた。
*
*
*
「こっちに飛ばすな!」
「⋯」
「触手きた!」
「防御ですね、リカバリお願いします」
「りょ」
「全然尽きねぇぞこいつら!」
「クソゲー! クソゲー!」
「マジでこれ生き残って何もなしだったら製作会社潰してやるからな!」
何分戦っただろう。
ひび割れから無限に生まれる特殊なモンスターやプレイヤーのアバター、これらはまだ良い。
ヒビから直接伸ばされる触手、そのスピード・威力共にワールドチャンピオンの8人でも守りに入るのがやっと。
(クソックソックソッ。
なんで最終日にこんな事してくんだよ!
残り時間は⋯目を逸らしたら死ぬ!
マジで行けなかったらどうする、ああもう考え事もできねぇ!)
焦る私と同調するように触手の動きは増していき数も増える。
ただ防御し攻撃の起点をスキルで怯ませリジェネで回復し耐えていく。
しかし、意外なほどあっさりとその時間は終わった。
またしても視界が切り替わり、私はぜぇぜぇと荒くなった呼吸を抑えようとして気づく。
目の前には煌めく壁がそり立っている。
「⋯なんだこりゃ」
長文ニキが思わずといった様子で口を開き呆然としている。
私の他にも7人のワールドチャンピオンがここに居た。
そして⋯煌めく壁がズズッと音を立てながら動き、それが鱗を生やした巨大な生物であると気づく。
「ふむ、あやつらめ、我に嘘をついたのか?
8人しか居ないではないか⋯む、宝物庫も来ていない⋯?
失敗か、いや感覚では成功していた⋯ならば後で良いか。
装備も我が力に迫るモノ、感じる力は想像以上、全て平らげれば我が力もより増すのは明白。
宝物庫はあとで探すとしよう。
さて、どれから頂こうか」
それは巨体に様々な装飾品をつけた、竜だった。
***
【ユグドラシル】質問スレ【part311】
1:名無しの電脳
テンプレ
ホームページ https://yggdrclxxxx
バグ報告メールフォーラム https://yggdrclmailxxx
ユグドラシルwiki https://yggdrclwiki.xxx
2:名無しの電脳
最後なのにテンプレいる?
3:名無しの電脳
最後だからこそいつも通りやるんだぞ
4:名無しの電脳
立て乙
5:名無しの電脳
1乙
6:名無しの電脳
親の顔より見たユグドラシルの風景もこれで終わりか
7:名無しの電脳
そうだよ(絶望)
8:名無しの電脳
イヤッ⋯イヤッ!
ヤダーッ!!
9:名無しの電脳
俺の彼女より可愛いNPCともこれでお別れか
10:名無しの電脳
嘘乙
彼女なんて居るやつがユグドラシルやるわけないから
11:名無しの電脳
残り30分も無いんだぞ
無駄に消費するな
12:名無しの電脳
残り30分?
30日ぐらい増やしてくれても⋯ええんやで⋯(落涙)
13:名無しの電脳
ダメです(ユグドラシル運営)
14:名無しの電脳
10年ぶりに起動したらみんなゴッズ持ちすぎじゃね?
レガシーしか無いんだけどおれ
15:名無しの電脳
なんで30分しかない今復帰したの?
16:集会主
取り敢えず本拠点の場所送るからダッシュで来い
走れ
basyo.jpg
17:名無しの電脳
はい⋯
18:名無しの電脳
最後にゾンビネキから造形してもらったこのアバターもあと三十分でおさらばか⋯
まぁ最後にアーカードたんprprできたし良かった
19:名無しの電脳
|┃三
|┃ _______
|┃≡ / .| | .\
|┃ /____| |__ \
|┃ / ___ ___ \
|┃ | / <●>|_|<●> \ | スタァァーップ!!!
|┃ ≡ | .(__人__) | |
|┃ | | ヽ |!! il|! |! l| / | |
|(⌒\.\| .|ェェェェ| | /
|( ̄ ヽ、 `ー´ \ ガラッ
|(ニ i ヽ
20:名無しの電脳
警官早すぎだろ
21:名無しの電脳
通報したいけどどいつだかわからないから適当に全員通報してる
22:名無しの電脳
バカ丸出し
23:名無しの電脳
死ね
お前のせいで終了1時間前までログインできなくなったわ
24:名無しの電脳
1時間前ならもうログインできるし良いだろ
25:名無しの電脳
VIPの連中は最後まで何やってたんだろな
26:名無しの電脳
知らんのか?
最終日なのにギルド内にこもってPK合戦してるらしい
27:名無しの電脳
終わってるよ
28:名無しの電脳
なんjギルドは平和なもんやで
29:名無しの電脳
お前のところPK起きてないだけで煽り合い地獄発生してんじゃん
なんでなの
30:名無しの電脳
確かユグドラシル終わらせたくないって誰かが言ったらリアルに言及し始めて泥沼化した
31:名無しの電脳
よくあることじゃん
32:名無しの電脳
最終日なのに言い争いって⋯
33:コンソール破壊累犯
そういえばヘスティアちゃん様のスキル効果
味方のカルママイナスにめっちゃ効いて範囲も広いから1回パーティ解散してカルマプラスでやり直さなきゃまともに行動できなかったわ
34:名無しの電脳
なぜ今それを⋯?
35:名無しの電脳
終わらないでくれええええええ!!!
俺の全てなんだよおおおお!
36:名無しの電脳
悲しいけど終わります
37:名無しの電脳
実際貯金もせずにユグドラシルへ課金してたから終わったら俺の人生も終わる
38:名無しの電脳
人生お疲れ様でした
39:名無しの電脳
スレの流れ速くなってきたな
40:名無しの電脳
今日だけでもかなり速くなってる
41:名無しの電脳
集会主がギルド前集合って言ってるけどどれぐらい行くの?
42:名無しの電脳
本拠点所属なら行くんじゃね
43:名無しの電脳
なんjギルドやVIPギルドの連中は来てない
44:名無しの電脳
最終日だから全金貨使って装備一新したわ
45:名無しの電脳
あと1日あったら長文ニキから貰った特殊上位種族で遊べたんだけどな
46:名無しの電脳
そう言えば最終日なのに生まれ変わりの秘薬を使ったやつが居たらしいけどマジ?
47:名無しの電脳
マジ
結果は最下級天使
48:名無しの電脳
ゴミじゃん
49:名無しの電脳
ざまぁwwwwww
50:二眼レフ
取り敢えず写真幾つか撮っといた
saigo.jpg
saigo1.jpg
51:名無しの電脳
最後なのに写真のファイル名雑すぎる
何だよ最後1って
52:名無しの電脳
最後2もあるんでしょ
53:名無しの電脳
終わらせないでくれ頼む
もう俺の生きた証はユグドラシルにしか無いんだよ
54:名無しの電脳
終わるんだよ泣いても喚いても
55:名無しの電脳
おねがいします
ぼくのねがいをきいてください
56:名無しの電脳
ダメなものはダメだって親に習わなかったか?
57:名無しの電脳
諦めろ
58:名無しの電脳
ユグドラシルの運営買収できたらワンチャン
59:名無しの電脳
運営だけじゃ無理だぞ
60:名無しの電脳
そもそもそんな金あったらユグドラシルなんかやってねぇわボケ
61:名無しの電脳
なんだコイツ
62:名無しの電脳
最後の瞬間にならNPCの胸揉める説ない?
63:名無しの電脳
ないぞ
64:名無しの電脳
干渉したって君の脳にデータ送られた時点でログ残るから実名垢バン不可避やぞ
65:名無しの電脳
別に実名垢バンされてもよくね?
66:名無しの電脳
良いわけねぇだろ
67:名無しの電脳
まともな仕事ほぼ無理になるからな
まぁダメって言われてることをやるやつって思われる事になってもいいならやれば?
68:名無しの電脳
なんでそこまで分かってるはずなのに定期的にBANされるんすかね
69:名無しの電脳
大体ガキだからそこら辺の教育されてないんだろ
70:名無しの電脳
だとしても最初にやったらダメなことは読ませられるじゃん
71:名無しの電脳
飛ばした
72:名無しの電脳
無能
73:名無しの電脳
たまにそういう契約書の中で実験を行いますとかデータを活用しますとか書かれてて鬱
74:名無しの電脳
じゃあ死ね
75:名無しの電脳
今日辛辣な連中多いっすね
やっぱサ終するからか
76:名無しの電脳
本スレ荒らし湧きすぎて地獄になってるのもありそう
77:名無しの電脳
避難してきた
78:名無しの電脳
バックベアード兄貴本拠点来たってさ
79:名無しの電脳
ホーン
80:名無しの電脳
意外とあの人謎多いよな
81:名無しの電脳
ネトゲは大体そうだろ
フルオープンなゾンビネキがおかしいだけ
82:名無しの電脳
それはそう
*
*
*
317:名無しの電脳
本スレ落ちたwwwwww
318:名無しの電脳
意外と人気あったんだな
319:集会主
結局長文ニキ何処!?
320:名無しの電脳
不明や
321:集会主
最後なのになんでこうなるんだよおおおおおおおお!!!
322:名無しの電脳
伝統芸能ってことやね
323:名無しの電脳
クソみてぇな伝統だな
324:OJT様
しかし長文ニキが勝手に何処かへ行くのは⋯よくありましたけど、こんな時に勝手をする人ではないですわよ?
325:名無しの電脳
それはそう
なんで居なくなったんだろうな
326:名無しの電脳
残り5分
もう無理や
327:名無しの電脳
元々本スレは荒らしで落ちてるようなもんだったろ
328:集会主
仕方ない
長文ニキ抜きでやる
あつまれ
329:名無しの電脳
おk
330:名無しの電脳
今向かってる
331:名無しの電脳
最後だからレベル回復してくれない?
332:名無しの電脳
走れ走れ
333:名無しの電脳
並ぶだけだろ
何もたついてんだ。
334:名無しの電脳
最後はギルド内でNPC眺めたかったのに⋯
335:名無しの電脳
安心しろ
ギリギリNPCも連れてこられる
336:名無しの電脳
ならええか
337:名無しのヒーラー
>>331
話聞いてねえのかよ
もうMP無くて無理
338:名無しの電脳
そういえば朝からずっと蘇生してましたね⋯
339:名無しの電脳
うぉおおお写真撮ったどおおおお!!!
340:名無しの電脳
残り2分か
341:名無しの電脳
ほんとに終わるの嫌なんだけど
342:名無しの電脳
俺だってそう
誰だってそう
343:名無しの電脳
あーあ
344:名無しの電脳
もう諦めて来世に期待したい
345:名無しの電脳
せめてデータ化して残したいんだけど⋯
346:名無しの電脳
そこにデータ化された写真があるだろ
347:名無しの電脳
サービス終了だああああああ!!!
348:名無しの電脳
まだ早いぞ
あと1分ある
349:名無しの電脳
なんかスレの流れ遅くなってね?
350:名無しの電脳
みんなゲーム内で話してるよ
351:名無しの電脳
なるほどね
352:名無しの電脳
いやNPCの外見とか武器の3Dデータとかそういうの
353:名無しの電脳
無理や
サーバー企業やもん
抜こうとすれば犯罪
354:名無しの電脳
終わった⋯
355:名無しの電脳
俺もログアウトしたわ
356:掘ホリホリック
最後の最後で九曜の世界喰いと戦わせられた
クソ運営過ぎない?
357:名無しの電脳
落ちた⋯
358:名無しの電脳
ええ⋯
普通に可哀想
359:名無しの電脳
ああ、ログインしてもサービス終了って出る⋯
360:名無しの電脳
やっぱ⋯つれぇわ
361:名無しの電脳
言えたじゃねぇか⋯
362:名無しの電脳
さっきからずっといやいや言ってませんでした?
363:集会主
終わったか⋯
長文ニキ最後に会えなかったのは心残りだけど
364:名無しの電脳
>>356
これ
365:集会主
嘘だろ!?
こんなん許されんのかよ⋯!
366:名無しの電脳
まだ繋がってるけど?
367:名無しの電脳
嘘乙
***
極秘/NEBAPプロジェクト内部文書
文書番号:NEBAP-037-e
提出日:████/██/██
提出者:NEBAP研究部門 第三実験課
件名:NEBAP被験体「武藤奈月」に対する精神的負荷実験実施について
1.背景
被験体「武藤奈月」(以下、当該被験体)は、NEBAPプロジェクトにおいて長期的精神耐性・認知適応性評価のための観察対象として管理されてきた。
当該被験体は現在、DMMO-RPG【Yggdrasil】サービス終了(以下、当該事象)を最大級の情動ストレスイベントとして設定し、精神的崩壊誘発の可能性を検証する目的で観察が行われている。
2.評価
監督評議会による検討の結果、「これ以上の経過観察は研究的・戦略的意義を喪失しており、さらなる進展は認められない」との結論が下された。
3.提案
上記を踏まえ、当該被験体が精神的崩壊を誘発しなかった場合に対し、計画的精神負荷実験への切替を提起する。
実施要項:
段階的多重情動ストレス負荷
侵襲的心理負荷
適応不全誘発試験
承認欄[承認済]
承認者:██
職位:██
日付:████/██/██
署名:[署名済]
いつも感想評価誤字報告ありがとうございます!
次はNPCまとめとかナザリック所属ルートの転移日だけ書いたりして本編投稿すると思います