スーパーモモイストレート!!   作:空にかかる野正レイ、野正レインボー

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「2025年のアニメも楽しかったなぁ。瞳を閉じれば思い出が溢れてくるね……」

エタリスト
後伸ばしウィッチーズ
わたしが完結できるわけないじゃん、ムリムリ!(※ムリじゃなかった!?)
野原ひろし ミリしらの流儀

「うわぁぁあああああああ! こんなの2025年のアニメじゃないッッッ」

 ────アニメは己を映す"鏡"

「これが……今年の、自分……!? 嘘だ、僕を騙そうとしている……! うわぁぁぁぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ(精神崩壊)」



(※ 来年は頑張ろうね)


8球目 VS ハイランダー鉄道学園

「わ~ん! 鬱だ~! 因数分解ってなんなのっ!? 勝手に分解しないでよっ!!」

「おねえちゃん、まだ昨日キヴォポケで彼女攻略失敗したこと引き摺ってるの?」

「うぅ……私のサラちゃんがぁ……」

「選択肢間違えたのが悪いんでしょ。自業自得だよ」

「信頼が! 一瞬にして!」

 

 アビドス杯、二回戦。

 試合前の高揚感と緊張感が入り混じるベンチの中で、モモイはうだうだと昨日プレイしたゲームの話をしていた。

 セリカがモモイの頭を小突く。

 

「とっとと切り替えなさいよ。前の私みたいになりたいわけ?」

「そうだねっ! よーし、試合勝つぞ~!」

「こうも一瞬で納得されるとちょっとフクザツかも……」

 

 あまりの切り替えの早さに呆れつつ、セリカは自嘲気味に笑った。

 

「うへへ~、先攻だよ~」

「電光石火で点を取ります!」

 

 ホシノが先攻後攻を決めてベンチに戻って来る。その手にある対戦相手、ハイランダー鉄道学園試合に出出場する選手(スターティングメンバー)が書かれた紙を見たアヤネが、驚いた声を上げた。

 

 

打順位置氏名
(中)カイテンレッド

(左)カイテンブラック
(投)朝霧スオウ
(一) KAITEN FX MK.0
(遊)カイテングリーン
(三)カイテンイエロー
(右)運転士
(捕)内海アオバ
(二)カイテンピンク

 

 

「1番センターカイテンレッド、2番レフトカイテンブラック……これって指名手配中のカイテンジャーじゃないですか!」

 

 無限回転寿司戦隊・カイテンジャー。

 頭に寿司を施した謎のフルフェイスマスクと、色とりどりのスーツ姿でキヴォトス中を駆け回る指名手配グループである。大型強盗の常習犯だ。

 

「にしてもハイランダー鉄道学園がアビドス杯に参加するなんて意外ね」

「ん、鉄道にしか興味がないと思ってた」

 

 ハイランダー鉄道学園はその名の通り、キヴォトス中に走る鉄道を自身の自治区とする特殊な学園だ。交通機関のインフラとしてのキッチリした仕事魂と、キヴォトス民らしい短絡的な大雑把さが特徴。

 特定の場所に自治区を持っていないため、通常の大会には参加できなかったのだろうか。

 それとも単に指名手配犯がチームに入っているからアビドス杯に流れて来たのか。

 

「おい、アビドス」

「!」

 

 その時、向かい側のベンチから選手が一人、こちらへ向かって歩いてきた。砂を蹴る音がやけに大きく聞こえた。片目にかかる黒い眼帯と、全てを射抜くような鋭い眼光。砂色の髪は帽子でしっかり押さえ付けられている。

 

「誰?」

「ハイランダー鉄道学園の監査官、朝霧(あさぎり) スオウだ。今日は……貴様らに宣戦布告しに来た」

「せんせんふこく……?」

 

 首を傾げるモモイ達に構わずスオウは続ける。

 

「私の全てはアビドスを倒すために……いや、十六夜(いざよい)ノノミ。()()()()()()()()()にあるッ!」

「!?」

 

 スオウはノノミを指差した。

 ノノミは困惑した声を漏らした。しかし、その理由を問いただす間もなく、スオウは一方的に用件だけを告げると、踵を返してハイランダーのベンチの方に帰って行ってしまった。

 

「ノノミちゃん、心当たりある?」

「い、いえ……」

 

 ホシノの問いかけに、ノノミはか細く首を横に振った。その困惑は本物だ。恐らく演技の類いではないだろう。だが、心当たりがない逆恨みならば余計に厄介だ。

 試合前だというのに、アビドスベンチには微妙な空気が漂っていた。

 

「また変な展開……」

 

 小さく呟いたミドリの声が全員の内心を代弁していた。

 笛が鳴る。

 審判ロボットの合図が聞こえた。

 試合開始(プレイボール)

 アビドスの空は今日も曇りだった。

 

 


 

 

『1回の表、ミレニアム・アビドス連合チームの攻撃は、1番、ショート、砂狼さん。ショート、砂狼さん』

 

 1回の表。シロコが一礼してバッターボックスに入る。

 守備位置をザッと目で確認。やはり、ハイランダー鉄道学園の守備には一際目に付く異様なポイントがあった。

 

「アリス、発見しました! 合体ロボットです!」

「明らかにサイズがデカいんだけどっ!?」

 

 ハイランダー鉄道学園の一塁手(ファースト)は、カラフルなボディで構成されたロボットだった。いや、ロボットであることやそれが合体ロボであることは全く問題ない。しかし、今回の場合明らかに、

 

「4、5mはありそうですね……」

「反則じゃない!」

「ファーストがデカすぎます!」

 

 体がデカいのだ。

 2m以上は確実。セリカとアヤネがおんぶだっこしてもまだ抜かせないほど大きい。恐らく4m以上は確実にある。

 叫ぶセリカにアリスは「だとしてもッ!」とベンチの手摺りを叩いて続ける。

 

「どれだけ大きくてもプレイヤーとしては変わらないです!」

「うへ~、それは違うよアリスちゃん」

「? どうしてですか?」

 

 ホシノが思いっ切り腕を長く伸ばした。挙手するような体勢だ。

 

「おじさんはベンチの天井に手が届かないけど、あのロボットなら届くよね」

「……なるほど! SIZ(サイズ)が高いと、少し送球がファンブっ(失敗し)ても捕れるのですね!」

「うへ~、それだけじゃないよ。一塁にボールが到着するタイミングが早くなるから……」

 

 ホシノの言葉の途中で試合が動いた。シロコが三遊間の奥にそこそこの威力にゴロを打った。

 しかし、打球は外野(レフト)には抜けずに遊撃手(ショート)のカイテングリーンが辛うじて捕球。身体を切り返して一塁に送球した。

 

「ヒットだ!」

「あのゾーンなら投げてもセーフ────」

 

『アウト!』

 

「!?」

 

 ショートのカイテングリーンが投げたボールを一塁手(ファースト)のKAITEN FX MK.0がグーンと腕を伸ばしてキャッチ。通常よりもかなり早いタイミングで一塁にボールが届いて、シロコはアウトになってしまった。

 

「ん、内野守備もなかなか良い」

「内野安打は難しそうね……」

 

 ヘルメットを外しながらシロコがベンチに戻った。

 

『2番、ファースト、十六夜さん。ファースト、十六夜さん』

 

 ウグイスコールと同時にベンチの視線がバッターボックスに集まった。試合前、何やら朝霧スオウに吹っ掛けられていたノノミの打席だ。しかもピッチャーはそのスオウ本人と来ている。マウンド上のスオウの視線が一層鋭くなった。

 

「十六夜ノノミ……!」

 

『ストライク!』

 

 上から投げた(オーバーハンド)。スオウはまっすぐ低めにストレートを投げ下ろした。球場のスピードガンの表示は『128km/s』。高校生にしては速い方だし、威力もある。コーナーにしっかりと制球されれば好打者でも打ち取れるだろう。

 

『ストライクスリー! バッターアウト!』

 

 変化球でカウントを取って、最後は内角高め(インハイ)直球(ストレート)。ノノミは空振り三振に倒れた。これも128km/s。

 

「ごめんなさい。三振しちゃいました」

「ん、良いよ。2球目の変化球はフォーク?」

「はい。スプリットじゃなくてちゃんと深くまで挟むタイプですね」

 

 ベンチに戻って来たノノミがシロコと情報共有をする。

 二人の会話を聞いたモモイが首を傾げた。

 

「ふぉーく?」

「……フォークは指の間で挟んで投げる変化球」

「挟んでってこんな感じかな…………うわっ、むちゃくちゃ力いる!」

 

 フォーク。

 人差し指と中指で()()()投げることで、下方向に落ちる変化球。投げるには指に力をかなり込めないと投げられず、すっぽ抜けると棒玉になってしまうリスキーな変化球だ。

 しかし、完成されたフォークは打者の手元で消えるように真下に落ちる、非常に空振りを取りやすい変化球になる。三振を取る性能が高い球種だ。

 

「バニシング……バスター!!」

「なにっ!?」

 

 打席では3番打者のアリスがストレートを弾き返して2ベースヒット。得点圏にランナーを置いて、2アウトからチャンスができた。

 

『4番、センター、小鳥遊さん。センター、小鳥遊さん』

 

「よろしくね~」

 

「! 小鳥遊ホシノ……お前も抑えたいと思っていたところだ」

 

 マウンド上のスオウは不敵に笑う。スオウは足で土を掘り返しながら叫んだ。

 

()()()()()()()ような腑抜けに私の球が打てるものかッ!」

 

「……へぇ」

 

 スオウがワインドアップモーションから投げた。完全にランナーを無視している。バッター集中の姿勢……というより"挑発"だ。

 投げられた球はまっすぐ真ん中へ。いくら力があるといっても、所詮は120キロ中盤ストレート。ホシノは初球から振りに行く。

 ド真ん中の絶好球だ。

 捉えた。

 

『ストライク!』

 

「……ありゃ」

 

 ブンッ!

 完全に捉えたかに思えたバットは、なぜか空を切った。ホシノがチラッと後ろを確認する。捕手のミットは低めでボールを抱えている。真ん中からワンバウンドすれすれの低めまで急激に落ちる落差のある変化球。

 

「……なるほど。"落ちる球"ね」

 

「まだまだ行くぞッ!」

 

『ファウル!』

 

 今度はストレート。バットはボールの下っかわを掠った。

 球筋は先程と同じ。てっきり先程のように沈んでくると思ったホシノだったが、ここは読みが外れた。

 

「どうした、その程度か!」

 

「(落ちる球か、真っ直ぐか……初見じゃ分からなかったな。ここで見極める)」

 

 ホシノはスオウの投げる瞬間(リリース)に全神経を割いて注視した。

 スオウのボールの握りは普通。フォークではない。ストレートだ。

 

「ふんっ!」

 

「(!? 回転が……!)」

 

『ストライクスリー! バッターアウト!』

 

 果たして結果は落ちる球だった。ホシノも何とかバットに当てようとしたが、その甲斐なく空振ってしまう。

 スリーアウト。チェンジだ。

 

「珍しいわね。ホシノ先輩が三振するなんて……」

「うへ~、そうでもないよ~」

「ん、今の球は?」

 

 守備の準備がてらシロコの問いにホシノは答える。

 

()()()()()()()

 

「!」

 

 ジャイロボール。

 それは往々にして、野球漫画で名前の知られている球種のひとつ。

 モモイも勿論、名前がカッコいいから認知している。

 

「それじゃあ浮き上がるボールってこと……?」

「違うよミドリ! それはライジングボールだよっ! 凄い速いストレートがジャイロボールなんだよね」

「どっちも違います☆ さっさと守備に付かないと"めっ"ですよ」

 

 ノノミに尻を叩かれて、わたわたとグラウンドに走っていくアビドスベンチとは対照的にハイランダーのベンチは盛り上がりを見せていた。

 

「おー」

「パヒャヒャ! 初回無失点!」

「フン、当たり前だ」

 

 ハイランダーのベンチでは緑色の髪をした双子の(たちばな) ヒカリと橘 ノゾミが騒いでいた。

 

「あの、スタメンにならなかった人は黙っててくれませんかね……って私も何でスタメンなんでしょうね。はぁ、辛い」

 

「もっと見せてー、ひっさつわざー」

「打たれない魔球なら使い得じゃん?」

「私の"列車フォーク"は、そう簡単に出すものじゃない」

 

 スオウは自身の投げる球に"列車フォーク"という名前を付けていた。ダサいと評判の名前であるが、スオウ本人は気に入っている。どう考えてもダサい。

 ヒカリとノゾミはその名前を聞いて楽しそうに笑った。

 双子の盛り上がりとは別に、ベンチにいる他の選手達はまた違った盛り上がりを見せていた。

 

「流石はスオウ様! ジャイロ回転をかけることによって()()()()()()()()()()()()()()から落ちる変化球なんてただの整備士である自分には思い付きませんわ!!」

「燃え盛る情熱のマグロ丼! やっぱりイニング間にはマグロ丼だぜッ! えっ? 打順……?」

「砂が多すぎて計器が壊れたシャ! 整備道具は……ええい! バットでいいやっシャ!」

「ウィーン、ワタシノナマエハカイテンロボ。KAITEN FX MK.0のものまねー」

「パヒャヒャ! ぜんぜん似てないんだけどっ!」

「ベンチ乗車券売ってるテツドウよ~。片道200円テツドウね~」

 

「おいヘルメットは攻撃の時にバッターが被るやつで、控えのお前らが被るやつじゃねぇんだよ! そこ! バットはトンカチじゃない! ベンチにプラレールを敷いたやつは誰だ片付けろ! あとベンチの入り口に自動改札を作ったやつは今すぐコイツを解体しろ! ブーブーうるさい! おい!! 静かにしろ!! 私の話を聞けよこのカス共ッ!!!」

 

 なぜかスオウからチームのキャプテンの座を譲られた"運転士"が必死にベンチを落ち着かせようとするが、暴走列車となったベンチは停止することはなかった。各々が次の駅に着くまで止まらないだろう。

 ハイランダー鉄道学園のベンチは、1回とは思えない盛り上がりを見せていた。

 

「さて、()()()()()()によるとあの投手攻略の鍵は……」

 

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()をスワイプするスオウの呟きは、ベンチの喧騒に飲み込まれて消えていった。

 

 


 

 

『1回の裏、ハイランダー鉄道学園の攻撃は、1番、センター、カイテンレッドさん。センター、カイテンレッドさん』

 

「中身は赤身! カイテンレッド!」

 

「ヘルメット被ってないんだけどっ!?」

 

マグロのせいでヘルメットは被れないぜッ!」

 

「じゃあその被り物やめなよ……」

 

 モモイは打席に入る真っ赤な指名手配犯に驚きながら、ユズのリードを確認する。

 ど真ん中に思いっ切り。モモイにはまだコーナーに投げ分ける制球力も、戦略を立てるような変化球もない。いつも通りの指示だ。

 

『ストライク!』

 

『ボール!』

 

『ボール!』

 

『ストライクツー!』

 

『ボール!』

 

 フルカウント。カイテンレッドは未だに一度もバットを振っていない。

 ユズはそこはかとない違和感を感じながらミットを構えた。

 

「マグロから生まれたカイテンレッド!」

 

『ファウル!』

 

「マグロ一匹! カイテンレッド!」

 

『ファウル!』

 

「全力全開! カイテンレッド!」

 

『ボールフォア!』

 

 フルカウントから2球ファウルで粘られてフォアボール。

 カイテンレッドは解読不能な掛け声を上げながら1塁に歩く。先頭打者が出塁した。

 

「『全開全開』って言ってるけど明らかにフォアボール狙いじゃん!」

 

「カ~~~イテンレッド! ブンブン~!」

 

「なっ、なにその変な動きっ!」

 

「アリス知ってます! これは煽りエモートというやつですね!」

 

『2番、レフト、カイテンブラックさん。レフト、カイテンブラックさん』

 

 次の打者が打席に立った。2番打者のカイテンブラックはバットを横に寝かせている。バントの構えだ。

 ユズはカイテンブラックの立ち位置を確認する。

 

「(バッターボックス後ろ側。腰もしっかりと落としてて棒立ちじゃない。揺さぶりの可能性が高い……かも)」

 

 モモイに気にしないようにジャスチャーする。前回の試合の後、バント処理に重点を置いて練習してきた。気にし過ぎさえしなければ、もうモモイにとってバント処理は弱点ではない……多分。

 モモイがクイックモーションから投げる。

 

「! バスター!」

 

『ストライク!』

 

 カイテンブラックはモモイが投げるタイミングに合わせてバットを引いて、そのままバッティングモーションに移った。

 バントの構えを見せて、バントすると思わせてからバッティングをするプッシュ打法(バスター)だ。

 しかし結果は空振り。

 ユズは安心してボールを返球しようとした。

 

「す、盗塁(スチール)!」

 

「!?」

 

 安堵したユズの耳にアヤネの叫び声が届く。 

 1塁ランナーが走っていた。

 ピッチャーが投げる瞬間にスタートを切る通常の盗塁とは違い、あえてスタートを遅らせて相手の意表を突く戦法。スタートの遅い盗塁(ディレイドスチール)だ。

 慌てて送球の体勢を取るも、ランナーは既にベースの上だった。

 

「(しまった……バッターに気を取られてて投げられなかった)」

 

 ぎゅっと目に力を入れてつむって反省する。

 今度はランナーも2塁。キャッチャーのユズからは、モモイの体越しにランナーの姿を確認できる。次はランナーの動きにも気を配らねば、とユズは思考を切り替えた。

 

「(……リードが大きい。エンドランもある? 今度はバントの構えはしてないけど、前回の試合を見てモモイの弱点を分析したのなら3塁側へのセーフティバントも可能性は高い。一度牽制を……いや、まだサインプレーの練習はほとんどしてないし、モモイに余計なことをさせたくない)」

 

 りーりーりー。

 ハイランダーの3塁ランナーコーチの橘ヒカリの能天気な声がやけに気になる。

 クイックモーションからモモイが投げ込む。外角低めの球だ。

 

「ランナー走った!」

 

『ストライク!』

 

「(! 三盗!)」

 

 今度はランナーが走り出すのがしっかり見えた。素早く投げるためにユズは送球姿勢に移行しながらキャッチング。3塁に向かって投げようとした。

 だが、その瞬間。ユズの全身が凍り付いた。

 

「……あ、れ」

 

 ()()。ミットにボールが収まっていなかった。3塁への送球のためにキャッチングが疎かになってしまったのだ。

 

「後ろ!」

 

「っ!」

 

 モモイが本塁に向かって走りながらユズの背後を指差した。

 そうだ。失敗の理由を分析している時間はない。ミットに当たって軌道の変わったボールは斜め後ろに大きく逸れてしまっている。

 急いでボールを拾いに行く。ボールを掴んで振り返った時には、ランナーのカイテンレッドは3塁を蹴って本塁に向かっていた。

 ホームのベースカバーに入ったモモイに投げる。ボールはモモイの顔の前。モモイのグローブが振り下ろされる。ほぼ同時に視界の外から赤い走者が滑り込んで来た。

 

『セーフ!』

 

 タッチは間に合わずホームイン。

 バッテリーエラーでハイランダーに先制を許してしまった。

 

「……モモイ、ごめん」

「いいよいいよっ! とりあえずバッター集中で行こう!」

「うん……」

 

 モモイに肩をポンポンされるも、ユズの表情は晴れない。

 

「(私がちゃんとしてれば……)」

 

 まだ2人しかバッターを見ていないが、ハイランダーがモモイの対策(メタ)をしっかりと取っているのはほぼ確実だろう。球数を投げさせて、揺さぶりをかけるプレーに出るのは目に見えている。そうなった時にしっかりしないといけないのは、ピッチャーの女房役であるキャッチャーなのに。

 

『ボールフォア!』

 

 大きく外に外れて2ストライク追い込んでからの四球。モモイはコントロールが悪いのでツーナッシングからのフォアボールも想定内。だが、いかんせん流れが悪い。

 

『3番、ピッチャー、朝霧さん。ピッチャー、朝霧さん』

 

「あっ、さっき喧嘩売ってきた人!」

 

 打席に立ったスオウからは底知れないオーラのようなものが出ている。

 ピッチャーだがクリーンナップに……しかも3番に置いているという事実が、スオウの打撃能力の高さをこれでもかと伝えてくる。

 

「ここいらでアウト取るよっ」

 

『ストライク!』

 

「走った!」

 

「(また盗塁……)」

 

 1塁走者が走った。どうやら徹底的に足を使って来る作戦のようだ。高めのボールを掴んでユズは2塁に送球したが、完全に盗まれておりセーフ。

 

「バッター集中だよ~」

 

 センターからホシノの間伸びしながらも頼もしい声が飛んで来る。

 モモイとユズはほとんど同時に頷いた。

 

「えいっ!」

 

「(回転(スピン)の効いた良いストレート……!)」

 

 外角高めに伸びてくる直球だ。良いボール。

 スオウの動き出しは若干遅れている。

 

「良いストレートだが、」

 

 しかし、ユズの構えたミットにそのボールが収まることはなかった。

 

「芯の広い金属バットで───」

 

 甲高い金属音が耳を襲った。

 

「力任せに叩けば良いだけだ」

 

 スオウがバットを()()()()()()。芯で捉えてはいない詰まった打球。よろよろと上がったボールは、思っていたよりも飛距離がある。そしてそのままセカンドの頭上を越えて落ちた。テキサスヒットだ。

 

「バックホーム!」

「はい!」

 

 ランナーが3塁を回って本塁を狙う。右翼手(ライト)のアリスがレーザービームのような返球をするも判定はセーフ。

 2点目だ。

 

「うわぁっ! アウトが取れないんだけどっ!?」

 

「タイム!」

 

 一旦マウンドの上に内野陣が集まった。

 あわあわしているモモイの肩をシロコが叩く。

 

「ん、大分対策されてる。投球自体は悪くないから気にしなくていい」

「上から叩くって言ってましたね。あれは……?」

 

 アヤネの疑問にノノミが答える。

 

「モモイちゃんのストレートはタイミングを合わせにくいですが、球速や威力自体はそこそこです。しっかりと上から叩くように振り抜けば、多少詰まっていても内野の頭は越えるんだと思います」

「ん、どうせいつかは取られる対策。気にせず投げれば良い」

 

 後ろ(バック)は任せて、とシロコが続ける。こくんと1回頷いてモモイは気合いを入れ直した。

 

「行くぞっ」

「「「「「お~っ!」」」」」

 

 特に意味のない掛け声で士気を上げて解散。プレイ再開だ。

 

『4番、ファースト、KAITEN FX MK.0さん。ファースト、KAITEN FX MK.0さん』

 

「出た! 合体ロボット!」

 

 ノーアウト2塁。未だピンチ。

 打席に立ったのはカラフルな合体ロボットKAITEN FX MK.0だった。バッターボックスからどう見ても二脚がはみ出しているが、審判ロボットのコールはない。反則は取られないそうだ。

 KAITEN FX MK.0がピコピコ光る。

 

「ロボロボロボ……ヒットを打つカクリツ、ガガガ、99%……」

 

「なんて古典的(ステレオタイプ)な……」

 

「てか戦隊ロボ(この手)のは操縦系じゃないの?」

 

「ロボロボロボ、ロボは悪いロボじゃないロボよ」

 

 KAITEN FX MK.0のしょうもないボケにツッコミを入れるも、モモイの内心はかなり焦っていた。なんだかんだここまで失点の経験がなかったのだ。しかも、アウト1つも取れぬ間に2失点。

 焦る必要がないことは頭では理解できる。だが、心はそうはいかない。

 

「ロ~ボロボロボww ガガガ! ヘボピッチャー!!」

 

「かっちーん! だったら打ってみなよ!」

 

 端的に言えば、モモイは煽り耐性がなかった。オンラインゲームでもチャットファイト常習犯として掲示板にIDを晒し上げられたこともある。粉バナナ(これは罠だ)……!

 

「えいっ」

 

「ガガガ! スニーカー! デンゲキブンコ!!」

 

 阿呆みたいな掛け声と裏腹に鋭いKAITEN FX MK.0のスイングが低めのストレート──本来なら外角高めのボール球──を捉えた。

 バットが放り投げられる。打球は玩具のように軽く吹っ飛んでバックスクリーンに直撃した。

 

「ほ、ホームラン……」

 

 4点目。

 ただでさえうるさいハイランダーのベンチが一層やかましくなった。

 

『5番、ショート、カイテングリーンさん。ショート、カイテングリーンさん』

 

 息を吐く間もなく次のバッターが打席に。ユズは慌ててモモイの元に走った。

 

「……モモイ、大丈夫?」

「うん。全然平気だよっ」

 

 グラブで口元を隠していても、口では平気と言っていても、モモイの動揺は隠せていなかった。

 何か言わないと。ユズはとりあえず口を開いた。

 

「……と、とにかく落ち着いて……それで……」

「わかった」

「え……?」

 

 ばちん。

 モモイがグローブに手を叩きつけた。

 

「ユズのミットだけに全力集中する。これでどう?」

「……うん。それでいこう」

 

 ユズがポジションに戻ってマスクを着ける。

 タイムで()を取ったのは良いものの、結局モモイを元気付ける言葉のひとつだって何も言えなかった。逆に慌てていることを察されたのか、モモイに気を遣わせてしまったかもしれない。

 メンタル面をカバーできなかったのなら、キャッチャーとしてのプレイングでリカバリーするのが、女房役の義務だ。

 

「(モモイは私のミットを見てくれるって言った……)」

 

 先程ホームランにされた球はど真ん中だった。モモイにコーナーに投げ分けるコントロールはない。が、ど真ん中はなるべく避けたい。勿論、"どこに投げる”みたいなサインもまだない。

 だが、モモイがユズの構えたミットに注目するというのなら、若干誘導は効くかもしれない。

 

「(黒見さんとの1打席勝負の時みたいに、構える位置を内側にズラせば……)」

 

 ユズは打者であるカイテングリーンの身体に近いところに構えた。

 

「えいっ!」

 

「(! ど真ん中────)」

 

『ファウル!』

 

 ど真ん中だったがカイテングリーンが打ち損じた。胸をなで下ろしながら、ユズは手ぶりでカイテングリーンの方を指す。

 

「(今日は全体的に外側(アウトコース)に外れてる。もっと内側(インコース)を意識して投げていかないと……)」

 

 モモイが2球目を投げる。

 今度はインコースに来た。

 

「ぁいでっ」

 

『デッドボール!』

 

「……あちゃ~」

 

 ポコーン。

 避けようと背を向けたカイテングリーンに直撃。デッドボールだ。

 内側に来たは良いが、逆にインコースに来すぎた。

 死球で出塁してランナー1塁。

 

「(回転が綺麗じゃない。まっすぐ(フォーシーム)の投げ方も忘れちゃってる……)」

 

『ボール!』

 

『ボール!』

 

『ボール!』

 

 低めに3球外れて3ボール。今度はバッターに当たるのを嫌がるあまり、ワンバウンドしてしまっている。ベースの手前でワンバウンドしてたら、素人でもバットを振らない。

 もっと高く、とユズはマウンドにジェスチャーを送った。

 

「走った!」

 

「!」

 

 盗塁。また仕掛けられた。ユズは2塁への送球のため腰を浮かす。

 しかし、構えたところにボールは来ない。

 

「高っ────」

 

 高めに浮きすぎたストレートはそのままユズのミットを擦り抜けてバックネットへ。フォアボールに加えて悪送球(ワイルドピッチ)。ランナーがそのまま進む。

 ランナーは1、3塁。打席には7番バッター。未だにノーアウトだ。

 

「(どう考えても今日のモモイは良くない……1つもアウトを取れずに4失点。流石にシロコ先輩に変えた方が……!)」

 

 選手交代は主審……キャッチャーの後ろにいる審判に伝える必要がある。事前の取り決めでは、ホシノが選手交代の指示を出してそれをユズが主審に伝えるという形だ。

 ユズは選手交代の判断を担っているセンターのホシノを見る。しかし、ホシノの動きはない。ホシノはモモイを続投させるつもりだ。

 

「すぅー、ふぅー。しゅうちゅう、しゅうちゅう……」

 

 マウンド上のモモイも何とか気持ちを落ち着かせようとしてはいるが、落ち着かせようとしている時点で平静ではいられない証拠だ。

 ユズは意を決した。

 

「た、タイム、お願いします」

 

「ユズ、だいじょう──」

 

「選手、こ、交代……で」

 

「!」

 

 内野陣が思わず振り返ってホシノの動きを確認した。ホシノは静かに首を振った。

 ノノミがユズの選手交代の動きを聴きながら呟いた。

 

「ユズちゃんの独断ですか」

 

 マウンドに野手陣が集まる。

 

「ごめんね、アウト1個も取れなくって……」

「ん、良い。元々助っ人に頼りっぱなしなのが良くないから」

「……うん、ごめんね」

 

「……ユズちゃん」

「ご、ごめんなさい。キャプテンじゃないのに、勝手に選手交代……で、でも、モモイはもう限界で……!」

「良いよ。ユズちゃんが"それが良い"って判断したならね」

 

 そこまで長い時間マウンドの付近に集まっていられない。大した言葉も交わせないまま、モモイ達はポジションを入れ替えた。

 

『ミレニアム・アビドス連合チーム、シートの交代をお知らせします。

 ピッチャーの才羽モモイさんがセンター。

 ショートの砂狼さんがピッチャー。

 センターの小鳥遊さんがショート。

 1番、ピッチャー、砂狼さん。

 4番、ショート、小鳥遊さん。

 6番、センター、才羽モモイさん。以上に代わります』

 

 ポジションが変わる。

 シロコがマウンドを足で掘る。

 投球練習のため、ホームに戻ろうとするユズをシロコは呼び止めた。

 

「ん、どういう方針で行く?」

「え、えっと……スクイズや盗塁もあるので高めのストレートでカウントを取って、追い込んだら外角のスライダーで三振を狙うのを軸に、えっと、初球は恐らく待つのでカーブから入って……」

「低め、怖い?」

「!」

 

 ユズの思考が一瞬止まった。

 

「(低めを怖がってるの……? いや、でもバッテリーミスがあったらもう1点失点だし、せっかく投手を変えてリセットした流れもまた戻る。何よりシロコ先輩じゃなくて不安なのは私のパフォーマンスの方で…………あ)」

 

 そこまで考えてユズは気付いた。

 確かに自分が"バッテリーミスの可能性が高い選択"を怖がっていることに。

 

「ん、気付いたんなら良いよ。慎重なプレイ自体は悪くない」

「は、はい」

 

 ぽん。

 シロコとユズがグローブとミットで軽く疑似タッチをした。

 ピッチャー交代を受けて、ハイランダーのベンチではスオウがタブレット端末を睨み付けていた。

 

「(砂狼シロコ……去年と今年の両方のデータを確認。

  (サイド)というよりかは上投げ(オーバー)気味の斜め投げ(スリークォーター)

  ストレートの最速は126km/h、変化球は平均的なカーブと平均的なスライダーの2つ。

  3段階の緩急を使うが、これといった決め球(ウイニングショット)はなし。

  着目すべきは球数を投げてもパフォーマンスが低下しない豊富なスタミナと、コントロールの安定感。遊撃手(ショート)をやってるだけあって、フィールディングはかなり上手い。

  揺さぶりは逆に悪手だな)」

 

 打席では7番打者がピッチャーフライに倒れていた。ようやく1アウトだ。

 1塁ランナーが盗塁して、1アウトランナー2・3塁。

 

『8番、キャッチャー、内海さん。キャッチャー、内海さん』

  

「ちゃ、チャンスだからって、期待しないでくださいよ……」

 

「(何かブツブツ言ってる……)」

 

 ランナー2・3塁なのでゲッツーシフトを取る必要はない。4点はもう失っているが下位打線相手に中間守備はしなくてもいいだろう。ユズは内野手に前進の合図を出した。

 もう1点もやらないつもりだ。 

 

『ストライク!』

  

「う、打てるわけないじゃないですか急にこんな大会とか呼ばれて」

 

「(ストレートで押してカウントを取る。いけそうならそのまま押し切る)」

 

『ファウル!』

 

 ユズは打席の8番打者……内海アオバのスイングを評価する。かろうじてバットに当たってファウルになっているが、この振りではヒットはおろかシロコの直球に当てることすら難しいだろう。

 

『ボール!』

 

『ファウル!』

 

『ファウル!』

 

『ファウル!』

 

「(思ったよりミートが上手い……でも、偶然にしか見えない)」

 

 ユズはアオバの評価を修正する。どうやらアオバを打ち取るのに直球だけというのは舐め過ぎていたようだ。

 

『ボール!』

 

『ファウル!』

 

『ファウル!』

 

『ボール!』

 

 フルカウント。

 気付けばツーナッシングからここまで来てしまっていた。球数は11球。一人の打者に対して時間をかけすぎだ。

 2ストライク、あと1球で仕留めるという思いが先行してリードの奥行きがなかった。ユズは今更気付いた自分のミスに歯嚙みした。

 

「……い、嫌ですよね。こんなに長く打席に立ってるの」

 

 続く12球目。

 アオバがバットを横に寝かせた。

 

「す、スクイズッ!」

 

 フルカウントからまさかのスクイズ。

 シロコへのサインはストレート。

 シロコはボールを投げた瞬間、ホームに向かって走った。

 

「……へへ」

 

 瞬間、アオバがバットを寝かせたまま()()()()()

 ストレートがまっすぐ弾き返される。

 ライナーだ。

 前進してきたシロコの顔に向かって、打球が走る。

 

「───!」

 

 バチッ!

 ボールが何かにぶつかる音がした。

 一塁に向かって走っていったアオバがユズの視界から消える。そこでようやくユズはシロコの姿をハッキリと見た。

 

「ん!」

 

 シロコは、打球を掴んでいた。

 そのまま身体をぐるりと反転。

 一拍遅れて審判ロボットのコールが上がった。

 

『アウト!』

 

三塁(3つ)!」

 

『アウト!』

 

 ライナーをダイレクトキャッチしてアウト。スクイズのために飛び出た3塁ランナーを刺して、ダブルプレー。

 スリーアウトでチェンジだ。

 

「な、ナイスシロコ先輩!」

「ん、間一髪」

「ターンが来ました! 攻撃です!」

 

 点差は4点。

 まだ初回の攻防が終わったばかりだが、どことなく空元気的な雰囲気が漂っていた。

 

「(私がもっとしっかりしてれば4点も入ることはなかったのに……)」

「…………ユズちゃん」

 

 ベンチで防具を外しながら内省するユズは、ノノミの視線に気付くことはなかった。

 

『2回の表、ミレニアム・アビドス連合チームの攻撃は、5番、サード、黒見さん。サード、黒見さん』

 

「ガンガン行くわよ!」

 

 ミドリが未だに慣れない感じでヘルメットを被って準備。全員が打席のセリカに集中しているアビドスベンチとは対照的に、ハイランダーベンチはまったく試合に集中していなかった。

 

「しゅびだー、ひまー。つまんなーい」

「パヒャヒャ! あ、これって監督官が攻撃の時にチラチラ見てる……」

「えいっ、しゅばばばー」

「あははっ! 勝手に見ちゃっても……ま、いっか!」

 

 がさがさごそごそ。

 ランナーコーチなので守備の間は暇そうにしているヒカリが勝手にスオウのタブレットを見ていた。

 割と良識のある方のノゾミだが、根っこはハイランダー生徒。特に止める様子もなく自分もタブレットを覗き込みに行く。

 

「へぇ~、相手のデータとかが乗ってるんだ」

「せんじゅつ……?」

 

 ヒカリがぽちぽちタブレットを操作する。

 そこには今回の試合の戦術や狙いを書いたPDFファイルがあった。

 

「『選手の()()』……パヒャヒャッ! ヤバそうな予感っしょ!」

「めいたーげっとは~」

 

 ────()()()()

 

 タブレットに書いてある文字だらけのPDFを見るのにも飽きたのか、ヒカリはベンチにタブレットを放り投げた。

 

「あー、つまんなーい。はやく守備おわらないかなー」

「パヒャヒャ! 応援でもする?」

「おー、がんばれー」

 

『ストライク! バッターアウト!』

 

「("選手の破壊"、仔細なデータ、タブレットのカイザーのロゴ……監督官ってば、随分な所に突っ込んでるみたいだね。ま、知らんけど)」

 

 マウンド上のスオウが涼しい顔で三振を取るのを眺めながら、ノゾミは守備を気まぐれに応援した。

 

「パヒャヒャッ! ナイピー!」

 

 本日の予定は一日中曇り。

 アビドスの空は分厚い雲が青空を隠していた。

 




・ハイランダー鉄道学園 スターティングメンバー

打順位置氏名
(中)カイテンレッド
(左)カイテンブラック
(投)朝霧スオウ
(一) KAITEN FX MK.0
(遊)カイテングリーン
(三)カイテンイエロー
(右)運転士
(捕)内海アオバ
(二)カイテンピンク




・ミレニアム・アビドス連合チーム スターティングメンバー

打順位置氏名
(遊)砂狼シロコ
(一)十六夜ノノミ
(右)天童アリス
(中)小鳥遊ホシノ
(三)黒見セリカ
(投)才羽モモイ
(左)才羽ミドリ
(捕)花岡ユズ
(二)奥空アヤネ


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