シャングリラ-フロンティア~神ゲーにリアルラックぶっ壊れが挑まんとす~   作:イディアル

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16 狼男と動物狂い

「さて、であんたは何が聴きたいんだ?」

「その言い方、まるで既に誰かに聞かれたみたいね」

アニマリアとドーンは裏路地にひっそりと構えている『蛇と林檎』と名乗っている店へと入っていた。客はおらず、二人っきりの状態となっていた

「しかし、意外だな」

「どうして?」

「他のクランメンバーを用意していて交渉しようとするもんかと思ったからな・・・」

「あぁなるほどね。別にそれでもよかったけど。うちのクランはそこまでガチガチじゃないのよね。」

「そうなのか。」

「ある程度は、ルールはあるけど。それだって、ネットマナー的な、一般的なルールだし、私たちって、どっちかって言うと同好の志って感じだからさ。」

「ふ~ん」

「あまり興味なさそうね」

「基本はソロだから、仕方なく組むことはあっても、すぐ解散するかな」

「そ、じゃ、早速だけど、本題にはいるわね」

「なんだ。」

「私が望んでいるは、簡単よ。」

「・・・・」

「あなたが身に付けいてる、そのリュカオーンのスキンについてと、どうやったらヴォーパルバニーをテイムできるかよ」

「・・・・いくらだ」

「いくらでも、私たちSFZooが叶えれる限り、あなたの望みを叶えるわ。」

「大盤振る舞いだな。」

「そうりゃそうよ。私たちはモンスター、いえ動物たちに対して真剣に向き合ってるのよ。」

「・・・・いいだろう。」

「なら、何を・・・」

「いや、ただでいいよ。」

「え?」

「俺は別に独占なんてする気ははなからねぇよ。楽しい事は共有したいしな、あんたより先に話しかけてきたやつらは、一部だが気に入らなかったからな。すこし試させてもらった。すまないな。」

「そうね。でもいいの。あなたの情報って正直、このシャンフロじゃとんでもない価値よ。」

「だろうな。攻略サイトを見ても、一切の情報がなかったからな。初めましてだろうよ。」

「なら、」

「だからこそ、共有して、楽しむもんだ。なんせここはゲーム。誰よりも有利だとか、一番だとかそんなこと言っていたら、何も楽しめなくなるだろう。俺のモットーは『楽しむ』だ。確かに、誰よりも早く攻略したとかは、さぞ気持ちいだろうけど。結局は誰かが通る道だ。ならその道をより楽しめるようにする。全員に共有して、競う様に一番を取りに行くならまだしも、一人だけで、クリアしたって面白くないだろう。」

「・・・ふふふ、ははははっ!ごめんなさい、つい、でもそうね。誰だってそうよね。私たちもそうだもの、可愛い動物、カッコイイ生体、生物の豊かさ、それを共有したくって、クラン『SFZoo』を立ち上げた様な物だもの」

「なら、交渉成立だ。」

「えぇ、でも貰ってばかりじゃ悪いから。私個人からもいくつか融通するわ。あなたまだ初めてのペーペーなんでしょ。」

「まぁ、そうだな」

「なら、私たちのクランの証を渡しておくは。クランに入っていなくても、これがあれば私たちが拠点にしている施設を自由に使う事ができるは。とはいえ、ある程度の制限はあるけどね。」

「いや、助かる。・・・っと、そうだったこのままじゃ礼儀に欠くな」

そしてドーンは、自身のマントのフードを外し、その顔を露わにする。

「礼儀を尽くすなら素顔を晒さないとな、まっ狼顔だけど」

「・・・ボッ!!」

「どうした!?顔、真っ赤だけどなんかのデバフか!?」

「・・・い、いや、ちょっと待ってね・・・少し、少しでいいからなって、すぐ落ち着くから・・・」

挙動不審になったアニマリアを不思議そうに見ながら、動揺しないNPCの店員に使いの食べ物を注文するドーン。その体面で、深呼吸しながら、自身を落ち着かせようと必死なアニマリアと言う珍妙な光景が作り上げられる。

 

 数分後、ドーンとアニマリアの話しは1時間以上に及び、深夜に差し掛かる程だった。ドーンはリュカオーンの戦闘、及び報酬、ヴォーパルバニーPNCについて、それについてアニマリア自身の考察や、保有している現状判明しているモンスターたちの生体情報を交換していった。

 

「なるほどね。しかし、あなたのその先輩って何者なのかしら。その『身代わりの人形』本来なら最後の街『フィフティシア』でしか入手できないうえ、取り扱っているNPCもランダムだし、普通にプレイするだけじゃ、一つ入手できるだけでも奇跡ってレベルよ。私も実物を見たのは初めてだし。」

「これって、そんなレベルなの?」

 

●●●●●●●

 

ドーンはアニマリアの案内でサードレマで使用できる、SFZooの施設へとやってきていた。

「ここが、私たちのサードレマ拠点よ。」

「結構広いな」

「あれ、園長どうしたんですか?こんな夜に」

「フフフッ、見なさい今日の成果よ」

そうしてドーンのフードを顎りながら、見せつける様に示す。

「オイ、人を獲物みたいに」

「えっ、えぇぇぇぇぇぇ!?」

拠点内で、出会ったプレイヤーが驚き、大声をあげる。その声に反応して、他のプレイヤーたちで出てくる。

「なんだ、なんだ?」

「そうしたのかしら?」

「なんかあったのか?」

「「「えっ!?」」」

 

「どうも」

そして全員がもれなく、同じリアクションと取る事になった。

 

「マジですか!?」

「これ凄い、こんな細部まで作り込まれてる」

「この毛並み、もしかしてリュカオーンも同じなのかしら」

 

揉みくちゃにされているドーンと、プレイヤーたちに、ドーンとの条件と情報を離していくアニマリア。

 

「なるほど、それなら賛成ですね。あの毛並みを味わえる機会を得れるならいくらでも協力できます。」

「そうです、そうです。どんな要望でも叶えて見せます!」

「ともかく、直近の目標は蘇生アイテムを大量入手ね。」

「しかし、凄いですね。リュカオーンの情報だけではなく、謎のヴォーパルバニーの親玉なんて。」

「それに、うちらにはほぼ関係ないですけど短期間で、鍛冶師-名匠になれるクエストなんて」

「あの人、もしかして」

「いやでも」

「バカなこと言ってんじゃないわよ。」

「園長」

「いい、彼はねゲームを楽しむためにやってるって言ったのよ。さらに「楽しい」は共有して当たり前って。私たちだって「可愛い」を共有する為に頑張って楽しんでんでしょ。なら疑うなって失礼よ。彼にもこのゲームにも。」

「す、すいません」

「そうですね。お陰で新しいモンスターの情報も得れましたしね。」

「そうね、彼が受けた10連続の実戦的戦闘訓練、それをクリアする事で『ラビッツ名誉国民』って称号を獲れたと言っていたわ。なら、それの取得で、ラビッツへの足掛かりになる可能性もあるわ。目指すは、ヴォーパルバニーとの接触。それとサンラクさんとの邂逅もね。」

ドーンは、ちゃっかりサンラクの事も共有していたりする。

 

 

「って、あなた達は何時まで触ってるのよ!?彼も嫌がっているでしょ!?」

群がわれていたドーンを他の飼育員から引き離し自身のところへ引き寄せる。

「あぁ~」

「園長、もう少し、もう少しだけ」

「先っぽだけでいいから」

「独り占めダメですよ園長!」

イナゴの群れから助けられたドーンは園長を見下ろす形で

「助かったよ。」

引っ張ったため、ほぼ密着状態で、挙句にドーンはただ顔を下げただけだが、人より奥行きのある狼顔は、アニマリアの耳横で声を響かせる結果となり

「あぅえっ」

一瞬で、顔を真っ赤にして、あまりの興奮度に脳波に異常をきたし、強制ログアウトする園長であったのだった

「ハッ!?アニマリア!」

 

「あの反応・・・」

「もしかして園長・・・」

「これは・・・」

 

焦るドーンをわきに、何かを察するクランメンバーたち・・・・

 

 

 

 

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