シャングリラ-フロンティア~神ゲーにリアルラックぶっ壊れが挑まんとす~ 作:イディアル
ドーンの目の前に巨大で、夜の如く漆黒の体毛を持つ巨狼がいた。
「おいおい、マジかよ」
side:ドーン
どうなってんだよ。ウソだろ。シャンフロ始めて2日目に出会っていいよな、奴じゃねぇーだろうが、クソがァ!!
「ガァッ!」
「チッ!?」
狼系モンスターは大抵、引っ掻き
「グルァッ!」
噛みつき
「ガァッ!」
尾による薙ぎ払い
「っ!!」
「そしてっ!!」
「ガァァッ!!」
「飛び掛かりだろうがっ!!スキル:ジャストガードっ!」
くそがっ、巨体の割りに速すぎるぜ。大体何なんだよ。せめて何かのイベントはさんでから、出て来いよ。大抵この手のやつは、街でNPCからクエスト受けて、そのオマケみたいな感じで、エンカウントしての、負けイベだろうが。負けてリスポーンするか、闘争に成功すると、情報と関係のあるクエストを受けれる、とかさぁ!!
「こっちは、数時間ぶっ続け何だぞ。せめてLEVEL上がってから来やがれっ!!」
「ガァァァ!!」
「スキル:バスターソードっ!!」
大剣とは思えない程の、速度で振り降ろされる一撃は、確かな手応えを俺のに刻んだ。次の瞬間、視界が真っ黒に塗りつぶされた。
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side:三人称
ドーンはスキルの一撃をリュカオーンに叩き込む事に成功したが、次の瞬間には吹き飛ばされ、近くの岩へと叩きつけれれていた。HP全損により、ポリゴンの崩壊が起ころうとしていた。
「グル」
その容姿をしり目に後にしようとしたリュカオーンへ
「おいおい、何処へ行く気だぁ、いぬっころ」
ドーンの方へと目を向けたリュカオーンが見たモノは
「こっちは、まだまだ元気だぜぇ」
「グルルルっ!」
胴に傷跡を作ったドーンが、大剣を肩に佇んでいる。
「いや~、まさか、先輩からもらった、蘇生アイテムがこんな序盤で役に立つとはねぇ。ぶっちゃけそんなに持ってきてないから、残り3回のだ。それまでにテメェーを狩るぜ」
「ガァァァァァ!!」
時間は遡り、4時間ほど前、新調した武器を入手したのち、ある事を思い出したドーン
「そう言え、セカンディルにあるって言ってたよな先輩は、」
そうドーンがこのゲームをできるようになったのは、とある先輩のお蔭であり、ソフトを貰う際、自身が今まで集めていたアイテムをドーンへと譲ると言うのだ。
「大分レアなやつが多くてさ。しかもこれからやっても、使いきれそうにないほどいっぱいでね。ただNPCに売るのは、1プレイヤーとしてできる限り避けたくて、他のプレイヤーにやるのも、なんかヤダし、だからこれから始めるキミへ譲るよ。有効活用してちょうだいな」
その結果、ドーンは所持しているだけで、蘇生を可能とする人形、を偶然にもいま持っていたのだった。
それからは、戦闘終了まで20分を要した。
「オラオラ、致命の包丁なんぞ、これまでの戦闘で30本超えたんだよ。ついでに他の武器も試してやるよッ!」
両手で致命の包丁などの短剣の類を投げつけ、またこれまでの狩りで入手した数多の武器を展開し、流れる様に連撃を続ける。短剣をなげ、そこに沿う様に槍による突撃を繰り出し、直剣へと切り替え斬り上げ、大剣へと切り替え振り降ろしなど、ありえないレベルで、コンボを繰り出す。常にその時の体制で使用可能の武器を選択し続ける。ドーンはこのやり方を「辻斬・狂想曲:オンライン 」で行っていた。無数の武器による無限に等しい斬撃「無限軌道天誅」である。それでも、究極の一には、低レベルの攻撃は、効果は薄く。リュカオーンのバックステップからの速攻噛付きにより、1乙。時間5分
「教えてやるよリュカオーン、このゲームはなぁ~物理エンジンがえぐいほどの完成度でな、ほぼリアルだ。細部までの作り込み、本来なら何でもない、この鎖がオレに更なる機動力を齎してくれるんだよ。」
頭部に傷跡を作ったドーンは、両腕に鎖を付け鞭の様に使う。しかし武器ではなく、素材アイテムの為、まともな攻防にはいかせないが、プレイヤー1人を支える位は可能であり、フックショットの要領で当たりの岩場の高い所へ、引っ掻け引っ張る事で立体的回避を可能とする。調子よく回避し、隙を見て攻撃を繰り出すが、そんなドーンへリュカオーンは、姿を消し、奇襲により、撃破する。2乙。時間5分
「奇策はだめだなぁ。やっぱ男は黙って、玉砕覚悟だ。」
背中から腰に掛け、新たな傷跡を付けたドーンは大剣を片手に、戦闘を開始する。先ほどまでの奇策による、奇行は見る影もなく、何処までも効率よく、持ちうる全てで行われている。スキルの併用、周囲に散らばった先ほどの奇行によるアイテムなど。地形を揺るがすほどの巨体による一撃、瞬間移動の如く不可視の攻撃。どちらも、相手を他だ屠る為。全力で対処し続ける。そしてリュカオーンの爪の一撃で、ドーンは両足と左腕、大剣を欠損する。
「だからぁ、なんだっ!!」
右腕に、鎖を持ち、リュカオーンへ振るいその首へ巻き付け、自身を引寄せる様に、全力へ引っ張り飛ぶ。そして鎖を離し右腕に致命の包丁を握りリュカオーンへ飛び掛かる。しかし
「っ!?」
右腕が手を残し肩から手首までを消失する。リュカオーンの不可視の攻撃により、最後の攻撃手段を失う。
「な・・めんじぇねぇぇぇぇ!?」
だが、まだ諦めない。手から離れた致命の包丁を口で咥え勢いのまま突撃する。リュカオーンは迎撃の体制をとり、口を開く
「
何の奇跡か、本来ならまともに発動しないはずのスキルが発動し、エフェクトを纏いながらリュカオーンへ飲み込まれる。3乙時間10分
「いや~無理だろ。残機3っ使っても届かないって何?」
「グルッ」
リュカオーンの目の前で最後の蘇生が行われたドーンは
「今は無理そうだが、いずれ真っ二つにしてやるよ。リュカオーン」
「ガウッ」
短い返事のあと、リュカオーンは何かを吐き出す。それは
「黒い・・・致命の包丁・・・」
名称:致命の包丁「狼煙」
詳細:リュカオーンにより呪われた致命の包丁。もはやそれはただの致命の包丁にあらず。夜の帝王により吟味され認められた一振りは光を絶ち闇を惹く。
特性:
・所有者よりレベルの低いモンスターは逃走を図ります。
・戦闘時、クリティカルにより陰陽ゲージが溜ります。
・「陽」光の中で発動可能、周囲から光を奪い、盲目の状態異常を付与。
・「陰」闇の中で発動可能、所有者のステータスを上昇し、暗闇と同化し姿を消せる。
「えっ?、ぶっ壊れじゃん・・・なんだよ。お前ご褒美ありかよ。まっ勝ったわけじゃないのに貰うのもなんか悪いなぁ」
入手した武器のデタラメさに舌を巻いているとリュカオーンが動き出し、
「アウォーーーーーーン!!!」
「!?・・・動けねぇ」
リュカオーンの咆哮、それと同時に、ドーンの身体が硬直する。そしてドーンへリュカオーンが牙を構えながら、ゆっくりと近付いていく。
「あぁ・・・そうかよ。最後まできっりとなぁか・・・いいぜ甘んじて受けてやる。だが忘れるな。何れ狩ってやる。夜の帝王・・・夜襲のリュカオーン」