シャングリラ-フロンティア~神ゲーにリアルラックぶっ壊れが挑まんとす~   作:イディアル

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07ユニークラッシュ(4)

ドーンがシャンフロからログアウトした後、シャンフロ内では

 

「どこにいるんだ?そのドーンていうプレイヤーは・・」

「わからん、あんなに目立つスキンの癖に、全然見当たんないぜ」

すでに夕方を過ぎ、セカンディル周辺では、多くのプレイヤーたちが行き来していた。

「やっぱ、もうサードレマ のほうへ行ったんじゃないか?・・・」

「おい、あれ・・・」

「あれは『黒狼(ヴォルフシュバルツ)』の連中だな・・・」

「マジで捜索始まってんな・・・ドーン、哀れなり・・・」

とドーンの捜索のために、様々な上位プレイヤーたちがセカンディル、サードレマを中心に行きかって、にぎやかになっていた。

路地裏である胡散臭いローブを着た商人が周囲の通行人たちを見ながら、

「おいおい、どないなってんねん、今日はぎょうさんおるやないか、稼ぎ時やな・・」

既にシャンフロからログアウトしたドーンをよそに、シャンフロは今日も回っていく。

 

 

 

●●●●●●

ドーンが次にシャンフロへログインしたのはログアウトから、3日後だった。リアルの用事消化とシャンフロにより蓄積したストレスを他のゲームで発散する為に、『ネフィリムホロウ』『辻斬・狂想曲(カプリッチオ):オンライン』『ベルセルク・オンライン・パッション』等々、ジャンル問わず、格ゲーからガンゲーまで、1時間暴れてはゲームを変えるを繰り返し、ストレス発散をしていた。ドーンが参戦していたゲーム内では阿鼻叫喚が巻き起こっていた。リアルラックカンストはどのゲームでも発揮されており、レア素材は普通に充実し、レアアイテム、レア武器、期間限定すら揃ってる始末。故に対人ゲームではよく狙われる為、廃人レベルで対人に強く。また、レアモンスターとの遭遇率も高いため、開拓の進んでいないレアモンスターの挙動など、一般的じゃないエネミーに対する対応力もすこぶる高い。しかし、レア=最強ではない。極めて高レアであろうと、性能が極端なものは多く存在する。例えば、高威力だが専用弾丸に、一発しか装填できない、射程最低の拳銃や、クリティカルは500%の威力上昇するが、クリティカル以外をだすと壊れる刀とか、故にそんなピーキー使用を使いこなせるプレイヤースキルも所持しているドーンが弱い負けもなく、幾度かプロゲーマーすら打倒する程である。

 そしてストレス発散を終えたドーンは、3日ぶりにシャンフロへログインしたのだった。

 

「よし、ようやくストレスフリーだぜ、助かったぜ戦友たちよ。お陰でいい発散になったぜ」

ログインして、四駆八駆の沼荒野の端にある隠された工房で目を覚ましたドーンは今日一日シャンフロに入り浸る為朝から入っていた。そこへ

「遅かったなぁ、漸くお目覚めか」

「へ?」

「いったい、ここで何してんだい」

とある事情でアバターが2m超えのドーンと並ぶ巨体のウサギが居たのだった。

「えっと・・・」

「おっとそうだった・・・まだ名乗って無かったな、オイラはヴァイスアッシュ ってんだ。でお前さんは何だい・・・」

「・・・俺はドーン、しがない開拓者です」

すこし、萎縮しながら、ドーンは答えていく。

「こんな、状態で、街に入れなかったんで、エリア探索していたら、ここに到着して、休憩していた感じです。」

「おぉ、なるほどなぁ、確かにとんでもねぇ状態だなぁ。そいつはあの犬っころにされたんだろう。まさか、あいつが眷属なんぞ作るなんて、思いもしなかったけどなぁ」

「(こっちも、兎が喋るなんて思わねぇよ。てか、ヴォーパルバニーかこいつ、めっちゃデカいけど、ジークヴルムのお蔭で喋るモンスターがいるのは、わかっていたが、もしかして、こいつもか?・・・通知は出てねーよな)」

「そう警戒しなくても、取って食わねぇよ。そうだな、聞かせてくれよ何があったか、なぁ・・・」

「えっ、と、ならリュカオーンとの会敵から・・・・・」

ドーン(黒い狼人間)とヴァイスアッシュ(白毛の巨大兎)は1時間ほど会話を続けた。ドーンはリュカオーンとジークヴルムについて話し、ここにたどり付いた経緯などを離して

「そうか・・・あの犬っころに加えて、天覇にも認められるとな・・・」

「そうですよ。お陰で人の街に近づける気がしないですし、もしかしたら街縛りしなきゃならないとか、もう詰んでる気がしますねぇ・・・武器もアイテムの入手できないし、整理もできない」

「そうかい・・・なら丁度いいかもしてないな、ここにいるってのはよう。」

「ん?」

「ついてきな」

ドーンは、不審に思いながらも、ヴァイスアッシュの案内で工房の奥へと進んでいく。そこまで広いわけではないが、奥には炉があり、その前に古びた小槌が置かれていた。

「そいつを手にしてみな」

「ハンマーってやつか・・・」

ドーンは戸惑いながら手に取ってみる。そして開示されるステータスを見て

 

名称:古びた鎚

必要ステータス:STR(筋力):50、DEX(器用):50、TEC(技量):50

詳細:

 古びた小槌。昔々にある鍛冶師が駆け出しの時に使っていた鎚。何の変哲もない鎚は長い年月使われ続けたことにより、鍛冶師共に鍛えられ、その鎚で打ち鍛えられた金属はその特性をより引き出され、鍛え直された武器はより高い性能になる。

 

『メイン職業が鍛冶師(スミス)に変更されました。』

『職業「傭兵」をサブ職業に変更されます。』

「え?」

「お前さん、今日からオイラの弟子になりな・・・なに、人を頼れねぇなら、自分で何とかするしかねぇだろうよい」

「え?」

ドーンが呆けている内に話が進んでいき、ドーンはヴァイスアッシュなる、NPCエネミーの弟子として鍛冶師へとジョブを変更したのだった。さらには

「おっと、そうだった一応こいつを付けておきな」

『致命兎の首輪が装備されました』

『ユニーククエスト:「灰被りの鍛冶師、火を継ぐ」が開始されました』

「え?」

●●●●●●

 ドーンはヴァイスアッシュの教えを受けながら、鍛冶師として動いていた。さらに仕事にとりかかる前に、あるヴォーパルバニーを紹介された

「こいつはピーツってんで、オイラの倅の一人だ。」

「よろしゅうな、狼の人」

「狼の人」

「せや、なんせ、今やラビッツじゃ、夜の帝王相手に、やりおうて生き残るどころか認められ、眷属になった者なんて、あんさんしかおらんけの。」

「え?おれ有名人?」

「おうよ、オイラもここに来たのは、お前さんに会いに来たようなもんだからなぁ」

「そっすかぁ・・・」

そこからは、怒涛の展開だった。まずピーツなるヴォーパルバニーは、人間の街で商人として活動しており、その際、武器なども買い取っており、ほとんどが壊れかけなどののために、直してからしか売り直せず、また直すほどの武器や道具でも無い為、そのまま貯まった残骸たちが溢れていた。その残骸を利用して、武具の修復及び強化を連続でやっていく。また、ピーツのアイテムや四駆八駆の沼荒野の鉱石たちを使って武器制作を行っていく。

「ふう、もう2時間くらい連続でやってんなぁ100本くらいやったよなぁ」

「おうおう、いい集中力だな、初心者にしちゃできもいい・・・」

「ホンマです、これほどの物は、わいもそんな扱ったことねぇでぇ・・・では、貯まったので一旦、街に売りに行きますさかい・・・」

 そして強化、製作した武器たちは、ピーツが街へと売りにいき、また、武器を入手して帰ってくる事になっている。

「そいじゃ、ピーツが戻ってくる間に、こいつを読んじまっておきな」

「こいつは、『裁縫の極本』・・・」

「そいつを読めば、防具に関しても弄れるようになるからよう」

渡された本を開きながら、読み解いていいく

「(俺は今、何をやってる・・・ストレス発散して、シャンフロに来てみれば、次は鍛冶師になる鍛錬って、俺は今、ファンタジーゲームやってんだよなぁ・・・ジョブシミュレーションじゃないよなぁ・・よ、蘇るトラウマゲームが)」

ドーンは、ある時やった職業体験ゲームによるトラウマが蘇った。そのゲームは様々な職業を体験できる言うなら単純なゲームであり、難易度次第でリアル度や客質など色々設定でき、郵便配達RTAからゾンビ蔓延る荒廃世界での建築家まで色々ある。

 そしてそんなゲームのリアルラックの暴走は、レアエンドルートであり、そのルート全部が鬱エンドばかりであり、いくらルートを回っても暴走したリアルラックが、あらゆるレア演出を引きずり出し、その結果、ヒロインの離脱、育てた街がレア災害の隕石で滅んだり、世界を配達業で繋げたのに、なぜか太陽が爆発して、世界そのものが消滅したり、最早、レアエンド全てが、バッドへと繋がり、レアルートは全て運次第のため、どれほど対策して、ノーマルルートを歩んでも、最後の一歩で誰もたどり着けなかったレアフラグを踏み抜き、崩壊エンドを呼び込んでいた。

「(あ・・あぁ・・そうか・・・)ついにシャンフロ滅ぶのか・・・・」

「なに、寝ぼけてんだ・・・おいらは、一旦離れる。しっかりやっときな」

呆けているドーンをほっといたまま、どこかへ行くヴァイスアッシュ。中々トラウマから戻ってこないドーンの鍛冶師生活は始まったばかりであり、これから三日間は、数百本の、数十基の武器、防具を相手していくのだった。

 

 

 そして、ドーンのジョブクエスト中に、ある場所で、

「よっしゃぁぁぁぁ!!フェアクソ、クリアじゃぁぁぁ!!!」

 とある高校生が激昂をあげ

「よし、新しいバグ技完成だ。サンラクが来たらぶつけてやるぜ。」

 とあるプロゲーマーが悪巧みし

「フフフ、ハハハハハハっ!!」

 とあるプレイヤーが、高笑いしながらPKを繰り返していた。

 

 

 

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