Masked Resistance Sacrifice~仮面テイコウサクリファイス~   作:佐々牙嵯峨兎

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三話 世界の選択to運命(ニュートラル)

 一つの世界は破滅に瀕していた。

 一人の魔法使いによって人々は彼の生贄(食事)として囚われてしまう。

 しかしその中に一人の青年が最悪の魔法使い・マーリンと対峙する。

 その青年は赤と黒の服を着ており、顔や髪型はフードを深々と被っているためよく見えない。

 マーリンは青年を見て呟く。

 

「リブロム……来てくれたか……」

「ったく、何やってんだマーリン」

 

 青年・リブロムはマーリンの様子を見て呆れながら言い、無言で戦闘の構えを取る。

 しかしマーリンは構えるそぶりも見せずに思い出に浸る。

 

「懐かしいな。私とお前は一蓮托生の中だと言うのに……」

「アア、そうだな。だからお前を倒して、この世界を救ってみせる!」

 

 リブロムはそう叫ぶと手のひらから血液を弾丸のように撃ち出す。

 マーリンはリブロムが放った血液の弾丸を避け、空中に跳びあがる。

 

「チッ、少しめんどくせえな」

 

 リブロムはマーリンが飛んだことに舌打ちをし、腰から燃え盛る矢尻(炎悪魔の矢尻(大))を取り出して構える。

 マーリンも手のひらから紫の光球(呪い札(大))を生みだし、二人は同時に相手に向けて投擲する。

 燃え盛る矢尻(炎悪魔の矢尻(大))紫の光球(呪い札(大))はぶつかり合い、爆発して大量の煙を発する。

 マーリンは異常なほど目玉がある腕で煙を払う、リブロムは土竜の爪を使ってマーリンの背後に跳びあがり、赤黒い槍(憑依者の豪槍(大))をマーリンの心臓に向けて着く。

 しかしマーリンは隼の羽を使って回避し、干からびた母の斧(小公女の母身(大))を構えながら襲いかかる。

 リブロムは溶岩のような鍋蓋(溶岩鍋の蓋(大))でガードし、赤黒い槍(憑依者の豪槍(大))で攻撃する。

 しかしマーリンは自身の左腕で赤黒い槍(憑依者の豪槍(大))を受け止めながら言う。

 

「リブロム……やはりまともに戦えるのは君だけだ」

「アア、そうだな。だからお前を倒す!」

 

 リブロムはそう叫ぶと左腕に刺さっている赤黒い槍(憑依者の豪槍(大))を抜き取って離れる。

 マーリンも左腕の傷を瞬く間に完治して構える。

 そして両者は獣のような雄たけびを上げて突き進む。

 

「「ウォォォォォォ!」」

 

 二人が血で争い始める。

 

 

 

 ▲▽▲▽▲▽

 

 

 

 様子を見るのは二人の巨神だ。

 片方は青白い肌をして天使の翼を生やし、もう片方は赤黒い肌をしてカラスの翼を生やしていた。

 青白い肌をしているのは理性と秩序の神(ロムルス神)、赤黒い肌をしているのは欲望と混沌の神(セルト神)だ。

 兄弟はリブロムとマーリンとの戦いを見て楽しんでいる。

 

『兄さん、このままリブロム(赤いマントの方)が勝てそうだよ?』

『フッ、弟よ。本番は勝った後だ』

『アア、そうだったね』

 

 セルト神はロムルス神に軽く挑発する、だがロムルス神は挑発をまともに相手せずに言ってセルト神を納得させる。

 兄弟の神が話している一方、リブロムとマーリンの戦いは最終局面に行く。

 リブロムは全ての投擲魔法を放ち、マーリンは盾魔法で投擲を防ぐ。

 そして盾はついにひびが入り、リブロムは右腕を肥大化(巨神の腕)させて盾に力強く殴りつける。

 するとマーリンが持つ盾のひびが広がり、ついに盾が崩壊して拳がマーリンの腹を打ち付ける。

 体内にとてつもない衝撃を感じるマーリンは吐血し、前のめりに倒れる。

 リブロムは元の太さにもどしてマーリンを見る。

 するとさっきとはとてもおぞましい姿から、黒い服を着た男に戻る。

 リブロムは右腕をマーリンに向ける。

 ロムルス神とセルト神は目を輝かせながら叫ぶ。

 

『ついに来たな!』

『さぁ、生贄か? それとも救済か!』

 

 兄弟の巨神はリブロムの選択に胸を踊らせると予想外の事が起きた。

 なんと、リブロムは生贄(カオス)でも救済(ロウ)でもない、その中間の運命(ニュートラル)だ。

 運命を選択した事で世界は元通りになり、マーリンも傷を完治して行く。

 その事にロムルス神は物凄く慌てる。

 

『バ、馬鹿な!? 生贄でも救済じゃない、まさかの運命だと!?』

『アッハッハッハ! マァ、良いじゃないか兄さん』

『何?』

 

 セルト神の言葉にロムルス神は首を傾げながら言う。

 ロムルス神は何かを察して黙り、セルト神はニヤニヤとしながらこの場を去る。

 

 

 

 ▲▽▲▽▲▽

 

 

 

 そして広大な大地に二人の魔法使いが横たわっており、赤黒い空から太陽が輝く青空が広がっている。

 その時にマーリンは懐かしそうに言う。

 

「懐かしいな、初めてイカロス牧場に来た時もとても青白い空だったな」

「アア、でもこの後どうするんだ? 他の生き残りでも探すか?」

 

 リブロムの質問にマーリンは見上げながら答える。

 

「そうだな、もしまだ生き残りがいたのなら探したほうが良いな」

「オウ、そんじゃ探しに行くか」

 

 リブロムはそう言ってマーリンと共に生き残りを探す旅に向かう。

 そして数年後に新生サンクチュアリに出会う。

 そして各地で暴れる魔物達を倒していき、再びロムルス人とセルト人が手を組む世界を取り戻したのだ。

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