Masked Resistance Sacrifice~仮面テイコウサクリファイス~ 作:佐々牙嵯峨兎
一つの世界は破滅に瀕していた。
一人の魔法使いによって人々は彼の
しかしその中に一人の青年が最悪の魔法使い・マーリンと対峙する。
その青年は赤と黒の服を着ており、顔や髪型はフードを深々と被っているためよく見えない。
マーリンは青年を見て呟く。
「リブロム……来てくれたか……」
「ったく、何やってんだマーリン」
青年・リブロムはマーリンの様子を見て呆れながら言い、無言で戦闘の構えを取る。
しかしマーリンは構えるそぶりも見せずに思い出に浸る。
「懐かしいな。私とお前は一蓮托生の中だと言うのに……」
「アア、そうだな。だからお前を倒して、この世界を救ってみせる!」
リブロムはそう叫ぶと手のひらから血液を弾丸のように撃ち出す。
マーリンはリブロムが放った血液の弾丸を避け、空中に跳びあがる。
「チッ、少しめんどくせえな」
リブロムはマーリンが飛んだことに舌打ちをし、腰から
マーリンも手のひらから
マーリンは異常なほど目玉がある腕で煙を払う、リブロムは土竜の爪を使ってマーリンの背後に跳びあがり、
しかしマーリンは隼の羽を使って回避し、
リブロムは
しかしマーリンは自身の左腕で
「リブロム……やはりまともに戦えるのは君だけだ」
「アア、そうだな。だからお前を倒す!」
リブロムはそう叫ぶと左腕に刺さっている
マーリンも左腕の傷を瞬く間に完治して構える。
そして両者は獣のような雄たけびを上げて突き進む。
「「ウォォォォォォ!」」
二人が血で争い始める。
▲▽▲▽▲▽
様子を見るのは二人の巨神だ。
片方は青白い肌をして天使の翼を生やし、もう片方は赤黒い肌をしてカラスの翼を生やしていた。
青白い肌をしているのは
兄弟はリブロムとマーリンとの戦いを見て楽しんでいる。
『兄さん、このまま
『フッ、弟よ。本番は勝った後だ』
『アア、そうだったね』
セルト神はロムルス神に軽く挑発する、だがロムルス神は挑発をまともに相手せずに言ってセルト神を納得させる。
兄弟の神が話している一方、リブロムとマーリンの戦いは最終局面に行く。
リブロムは全ての投擲魔法を放ち、マーリンは盾魔法で投擲を防ぐ。
そして盾はついにひびが入り、リブロムは
するとマーリンが持つ盾のひびが広がり、ついに盾が崩壊して拳がマーリンの腹を打ち付ける。
体内にとてつもない衝撃を感じるマーリンは吐血し、前のめりに倒れる。
リブロムは元の太さにもどしてマーリンを見る。
するとさっきとはとてもおぞましい姿から、黒い服を着た男に戻る。
リブロムは右腕をマーリンに向ける。
ロムルス神とセルト神は目を輝かせながら叫ぶ。
『ついに来たな!』
『さぁ、生贄か? それとも救済か!』
兄弟の巨神はリブロムの選択に胸を踊らせると予想外の事が起きた。
なんと、リブロムは
運命を選択した事で世界は元通りになり、マーリンも傷を完治して行く。
その事にロムルス神は物凄く慌てる。
『バ、馬鹿な!? 生贄でも救済じゃない、まさかの運命だと!?』
『アッハッハッハ! マァ、良いじゃないか兄さん』
『何?』
セルト神の言葉にロムルス神は首を傾げながら言う。
ロムルス神は何かを察して黙り、セルト神はニヤニヤとしながらこの場を去る。
▲▽▲▽▲▽
そして広大な大地に二人の魔法使いが横たわっており、赤黒い空から太陽が輝く青空が広がっている。
その時にマーリンは懐かしそうに言う。
「懐かしいな、初めてイカロス牧場に来た時もとても青白い空だったな」
「アア、でもこの後どうするんだ? 他の生き残りでも探すか?」
リブロムの質問にマーリンは見上げながら答える。
「そうだな、もしまだ生き残りがいたのなら探したほうが良いな」
「オウ、そんじゃ探しに行くか」
リブロムはそう言ってマーリンと共に生き残りを探す旅に向かう。
そして数年後に新生サンクチュアリに出会う。
そして各地で暴れる魔物達を倒していき、再びロムルス人とセルト人が手を組む世界を取り戻したのだ。