「「ジャパン・アイドルフェス!?」」
MEMちょが加入してから数日。
公式チャンネルの登録者が1万人を超えたり、ダンスのフリ入れを始めたり、ロリ先輩が急にやる気を出したり、真とMEMちょが謎の腹痛を訴えたりしていたある日、私達は社長から重大発表を受けた。
私とMEMちょは揃って思わず大きな声を出す。
一方ロリ先輩は冷静にその規模を確認していた。
ぴえヨンの時と同じで反応がマジで軽い。
「ああ、そうだ。人気アイドルなら一度は参加経験のある登竜門。普通のグループが何年も活動してやっと立てる大舞台だ。俺が持てるコネを総動員して……どうにか空いてた参加枠に無理矢理ねじ込んだ」
「はっきりコネって言ったね」
「私達は『B小町』の後継者なのに」
「それはアンタが勝手に名乗ってるだけだけどね」
ロリ先輩ちょっとうるさい。
私が後継者と言ったら後継者なのだ。
口には出せないけどママの娘だし。
「けど、まぁ、内容見た限りだと中々にハードね。準備期間は今日含めても約1ヶ月。曲は旧『B小町』のものを使えばいいとしてもフリ入れは始めたばかり。少なくとも休みはしばらくゼロね」
「もしかしてロリ先輩怖いの?新生『B小町』の初ライブが大きなステージ過ぎて怖くなっちゃった?」
「有馬ちゃん可愛いとこあるね」
「勝手に勘違いすんな!怖くないわ!」
私とMEMちょが弄るとロリ先輩はキレた。
何というかツッコミキャラが板に付きつつある。
ある意味キャラ付けとしてはバッチリだ。
次の動画でもこんな感じで弄っていこう。
「実際無茶なスケジュールだと俺も理解してる。だから今回の為に助っ人を用意した。存分に使ってくれ」
「まさかの助っ人参戦。期待しちゃうね」
そうなってくると相手は一人しかいない。
苺プロが誇る看板タレント。
体力トレーニングのエキスパート。
私のロリ先輩とも関わりがある。
そんでもって意外にも歌が上手い。
「もしかしなくても助っ人はぴえ────」
「よぉ。今朝ぶり」
「いやアンタかい!」
全ての前振りを無視して入ってきたのは真だった。
その後ろにはアクアとミヤコさんもいる。
助っ人と呼ぶには驚くほどいつものメンバーだ。
「それぞれの役割を説明すると、まず真は主に体力トレーニング全般を担当。本来ならぴえヨンに担当してもらう予定だったが、残念なことに有給消化とJIFの日程が被ったので代役だ。本人直筆のトレーニングメニューは受け取ってるから安心して欲しい」
「俺はMEMちょのファンであると同時にぴえヨンのファンだ。任されてとても光栄だと思ってる。ぴえヨンから任された役目を果たす為にも、MEMちょがステージで大成功を収める為にも、何よりボーナスの為に容赦なくやるから覚悟しろ!ルビーと有馬に関してはついでだ!俺のことは今から軍曹と呼べ!」
「理由はやっぱりそれかクズめ」
「誰がついでだ。誰も呼ばないから」
「嬉しくない愛情表現だな………」
助っ人枠の中での一番の不満要素。
クズの参加理由は碌なものじゃなかった。
やっぱり金が絡んでた。
こいつだけは全力で帰って欲しい。
「次にアクアはダンスの振り付けとボイストレーニングを担当。本職のトレーナーと連携してサポートに回ってもらう。別の奴に任せても良かったが偶々手が空いてたから任せた」
「どうも。無事に巻き込まれました」
「無事じゃないじゃん」
「お兄ちゃんそういうとこあるよね」
「これってあかね来ると思う?」
「十中八九アクアを手伝いに来るだろうな。有馬に一歩リードさせるとは思えないし。ララライの仕事あるから毎回じゃないだろうが」
「それが唯一の救いか………」
真とMEMちょは少し遠くで話をする。
ここ最近ずっとあんな感じだ。
やたらと2人きりで話すことが多い。
理由について聞いてもどちらも教えてくれない。
………まさか、本当は付き合っているのだろうか?
「最後にミヤコは食生活とスケジュールの管理担当。旧『B小町』も担当していたから筋金入りだ。多分一番頼りになる。困ったことがあったら迷わず言え」
「出来る範囲でだけどね」
「謙遜しないで。マジで一番頼りにしてるよ」
「一人だけ安心感が別格だね」
(旧『B小町』も担当してたって年齢は一体………)
何故かロリ先輩は考え込んだ。
ミヤコさんに関しては頼れる要素しかないのに。
どうしてそんな顔をするのだろう?
不安な要素なんて一つも無いのに。
「という訳で明日から1ヶ月に及ぶ泊まり込みでの強化合宿を開始する。大部屋を一つ確保したから各自荷物はそこに運べ。この合宿風景については後で編集してユーチューブに上げるから、合宿中はアイドルとして節度ある行動を取るように。あと学校にはある程度いつも通り行って貰うからルビーは勉強をサボろうなんて思うなよ。何か質問は?」
「はい。おやつは幾らまでOKですか?」
「遠足じゃねぇんだぞ。持ち込めるか」
「ルビーお前なぁ………」
社長とミヤコさんが諸々の準備の為に部屋を出ていくと、真は全員を集めて今後の予定を軽く説明した。
JIFに参加する為の対価や貸しが凄まじい事になったのもあって社長はかなり本気らしい。
だからこそ合宿なんて提案したのだろう。
絶対に成功させてやるという意気込みを感じる。
そんでもって私は真とアクアに呆れられた。
空気を和ませようと冗談を言っただけなのに。
……ちょっと持ち込めたら良いなとは思ったけど。
「合宿か。こう言っちゃあれだけど修学旅行感あっていいね。何だかんだで楽しそう」
「そう言ってられるのも今のうちよ。明日からそれどころじゃないんだから。ほんとお気楽ね」
「じゃあ今のうちにアレ決めないとだね!」
「何の話?」
「『B小町』のセンターを誰にするか」
MEMちょの言葉に思わずニヤケが止まらない。
アイドルのセンターといったら正に花形。
歌って踊れて可愛い子が立つグループの顔。
一番大事なポジションだ。
ドルオタじゃないロリ先輩は興味無いだろうけど、アイドル好きなMEMちょはやりたいに決まってる。
けど、ここはやっぱり踊りの上手いわた────
「有馬一択だろ。経験者だし」
「まぁ妥当だな。仮にも一つの時代を作った奴だし」
「私にとってあれは完全に黒歴史だけどね。他に適任者がいないから引き受けるけど」
「「ちょっと待て!!」」
またしても前振りを全て無視しやがった。
今度は3人掛かりで。
しかも適任者がいないってどういう事だ。
適任者なら此処に居るだろ。
「確かに先輩は『ピーマン体操』でオリコン1位取って音楽番組出まくった事あるよ?けど、それは昔の話じゃん!納得いかない!」
「そうだ!そうだ!依怙贔屓だ!ここは年の功があってメディア慣れもして経験豊富な私でしょ!私ならグループを一つに出来る!私しか寧ろいない!」
「あっ、ズルい!抜け駆けした!私も私も!」
「仲良いわねアンタ達。ルビーは後で事務所裏来い」
「お前等どっちも往生際悪いな」
センターの座が掛かっているのだから当然だ。
そう好き勝手に決めさせて堪るか。
意地でも譲ってやらない。
「俺も出来ることならMEMちょがセンターに立つべきだと思ってる。こんな顔が良いだけの性格オワコン女にセンターを任せるなんてどうかしてる。ルビーは大人しくバックダンサーでもしてろ」
「おいクズ。喧嘩なら買うぞ」
「ブーメランって言葉知ってる?ルビーより先にあんたをはっ倒してやろうか?」
「やるなら人目に付かないところでやれよ」
「駄目だよ。アイドル関係なしに大問題だから」
冷静になってMEMちょはあわあわした。
どうか止めないで欲しい。
邪智暴虐のクズは何としてでも消さないと駄目だ。
それが世の為、人の為、私の為だ。
「だが、どうしても駄目なんだ。今回は申し訳ないが諦めてくれ。いつか出来る時があるはずだ」
「そう言われると複雑だな。ちなみに理由は?」
「配信見た限り歌がヘタウマの部類だったから」
「ぶふぁ!?」
「鬼!!悪魔!!クズ!!MEMちょしっかり!!」
「お前も十分オンチだけどな」
MEMちょは吐血して床に倒れた。
散々持ち上げておいて鬼畜にも程がある。
お兄ちゃんと先輩は後ろで頷くな。
動画まで持ち出して追い打ちをかけるな。
「けど、納得いかない……納得したくない………。今はどれぐらいのレベルか私にも分からないし………」
「だ、大丈夫?私も同意見だけど」
「ならカラオケにでも行って証明して来ればいいじゃない。自分達はオンチじゃないって。もし点数が良かったら譲ってあげる。どうせ無理だろうけど」
「よしきた!何としてでも奪ってやる!」
「意地張らないで適当なタイミングで帰って来いよ。明日からの荷物も準備しないとだし」
「いい機会だから現実を噛みしめてこい」
どいつもこいつも私達を舐めやがって………ッ!!
上等だ………ッ!!待ってろ………ッ!!
こうなったら目にもの見せてや─────
MEMちょ:57点
『あとちょっとガンバろ!』
星野ルビー:43点
『あっ……うん。ガンバろ?』
ハイ。デスヨネ。
ビックリするくらい予定調和だ。
前振りは全部無視される運命にあるらしい。
「ア、アイドルは個性だよね?ヘタウマでも商品価値はあるよね?頑張ればどうにかなるよね?」
「へ、下手な子がちょっとずつ上手くなっていくのをリアルタイムで終える喜び!これを私達はファンに提供しようと思ってるんですぅ!ドラマ性があって良いと思うんですぅ!」
「だよね!だよね!そういう事だよね!」
「伸びしろがあるって事だもんね!」
それからしばらくして数分後。
私のスマホに一枚の写真が届いた。
先輩達が以前カラオケに行った時の写真だった。
それぞれの点数が写っている。
有馬かな:97点
『すっごーい!!』
星野アクア:85点
『クール!ワンダフル!』
斎藤真:78点
『お見事!そこそこ凄い!』
ロリ先輩には完敗。
お兄ちゃんにも余裕で負けた。
クズにすら普通に負けた。
思わず白くなって固まった。
もう何も言えなかった。
斯くしてセンターはロリ先輩に決まった。
「全員集まったところで強化合宿始めてくぞ。今日は初日だから特段キツイトレーニングはせずアップに留める。だからって手は抜くなよ。分かったな」
「「はーい………」」
「だから意地張るなって言ったのに」
「カオの良さにかまけてのうのうと生きてきた罰よ。ドルオタコンビには良い薬ね」
「それもそうだな」
次の日の日曜日に私達は運動着で郊外に集まった。
合宿初日だというのに心が死んでる。
まさかのクズ以下とは想像してなかった。
一晩経ったのにメンタルが回復していない。
「お前等はこの坂道を往復1本。距離は2キロ。制限時間は無し。先導するから着いてこい。遅れるなよ」
「遅れるなよって………あんたはバイク!?」
「そこは一緒に走る流れじゃないの!?」
「俺をお前等みたいなアイドルと一緒にするな。何より先導するなら一緒に走るよりこっちの方が効率的だ。あと口応えしたから1キロ追加な」
「「このクズ!!」」
「褒めるなよ」
「「褒めてない!!」」
私達が物申そうとするとクズは行ってしまった。
そこそこのスピードで坂道を疾走している。
お兄ちゃんと先輩は別メニューでその場を去った。
私とMEMちょは完全に出遅れた。
このままだと余裕で姿を見失う。
思わず全力で後を追いかけた。
しかし、それは以上ない程の悪手だった。
「ヤ、ヤバい、早々に全力出したせいで息が………」
「足が……壊れる………」
「どうした?まさかもう弱音か?アイドルとしてステージでダンスを踊るなら体力とその配分は必須。この程度の罠すら見抜けないとは片腹が痛い」
「あ、あんたワザと………」
「容赦なくやると言ったろ。それと俺は軍曹だ」
クズは徐行しつつ鼻で笑った。
いきなり走り出したのがワザとだったなんて。
完全に油断していた。
そして人の心が全くない。
私は元々体力がそれ程ある方ではない。
まして山道なんて殆ど走った事がない。
もう息が殆ど上がってる。
MEMちょも私と同じで既にフラフラだ。
どんどん足取りが重くなっていく。
脇腹に突き刺さるような激痛が走る。
目がチカチカしてくらくらする。
直ぐにでも立ち止まって休みたい。
………けど、止まって堪るか。
「上等だ!やってやる!こうなったらこのままやり切ってやる!アイドル舐めんな!!」
「わ、私だって!!」
「威勢だけはいいらしいな。ならペースを上げる。精々途中でぶっ倒れんなよ」
「「言われなくても………!!」」
体力の限界なんてとっくに超えていたけど、私達は意地と根性でどうにか残りを走り切った。
坂道を下り終えてその場にへたり込んだ。
途中何回かママの姿が見えた気がする。
「初めてにしては及第点だ。だが、間違っても今のが本番でも通用すると思うな。意地と根性にも必ず限界がある。考えなしにやろうものならこれの二の舞だ。次からは何事も考えてから動くように」
「はぁい……軍曹………」
「イエッ……サー……」
差し出されたドリンクを一気飲みする。
この一連の流れで上下関係は完全に確立された。
無駄口を叩こうものなら容赦なくペースを上げ、少しでもペースを落とそうものならボロクソに言い、文句すら言えないほど限界の瀬戸際まで徹底的に追い込んで来るものだから………本当に怖かった。
真だからこそ出来る容赦のなさっぷりだ。
鬼軍曹という言葉を忠実に再現していた。
少なくとも合宿中は………逆らえる気がしない。
「次はダンストレーニングだ。先にやってる有馬達と合流する。そこまで駆け足で行くぞ」
「はい!軍曹!質問してもよろしいですか?」
「質問を許可する。言ってみろ」
「どうして私達が体力トレーニングをやってる間、有馬ちゃんだけ先にダンストレーニングをやってたんですか?普通みんなで足並みを揃えてやるものだからどうしてかなって思って」
「確かに。言われてみれば」
疲れ過ぎてそこまで頭が回ってなかったけど。
「単純な話、有馬はアイドルをやるだけの体力を既に持ってるからだ。あいつは日常的に走り込みしてるから、下手なスポーツマンより体力がある。お前等の体力が1だとしたらあいつの体力は10だ」
「まさかまさかの10倍」
「勝負にすらなってないな」
「だがその一方で、あいつは今までアイドルに興味を持ってなかったからな。ダンスに関してはド素人だ。飲み込みはいいがお前等にはまだ劣る。それなら体力トレーニングは二の次でダンストレーニングを進めた方が合理的だ。それ以上でもそれ以下でもない。いずれはお望み通り足並みを揃えて練習をするから安心しろ。その時は全員まとめて練習量を倍にするが」
安心できる要素が一切ない。
私とMEMちょは思わず顔を見合わせた。
しかし、言葉は何も発さなかった。
何か言おうものなら更に走らされる。
そんな漠然とした確信が何処かにあった。
「心配せずともセンターだからって贔屓するほどこっちに余裕はない。スケジュールだってカツカツだし、そんな事したらボーナスどころか給料抜きだ。タダ働きなんて死んでも御免だからな。もしそれがなかったらMEMちょに依怙贔屓しまくってただろうが」
「おいこら。合理的云々は何処いった」
「冗談でもそれは駄目だよ」
「何より今は有馬の方がよっぽど大変だ。アクアだけならまだしも、今あそこには有馬に世界一厳しい教官殿が練習を見てるからな。マジで同情する。というか、俺も出来る事なら合流したくな────」
「ストップ。また間違えてる。何度言えば分かるの?左手はあと5センチ高く。右手は6センチ下に。足の位置はそのままでいいから最初からやり直し」
「初日なのに手厳しいな」
「アクア差し置いて本職顔をすんな。間違ってないのが絶妙に腹立つ。何であんたなんかに指導を………」
声と会話内容で大体察した。
真とMEMちょは腹部の辺りを押さえる。
現場は既に修羅場状態だった。
あかねちゃんと先輩がバチバチと火花を飛ばす。
お兄ちゃんは巻き込まれないよう蚊帳の外にいた。
あの中に入っていくとか自殺行為でしかない。
センチ単位って……一体何が見えているんだろう。
「あとはアクアと黒川に任せた。俺の仕事は一旦ここまでだ。ちょっと休憩行ってくる。色々と頑張れよ」
「ふざけんな。一人だけ逃げれると思うなよ」
「私達だけであの修羅場に行くのは嫌だ」
「私達のことは構わず行けとか……お前等には言えねーのか。俺に構わず2人共逝って来い」
「「死なば諸共。お前も道連れだ」」
私達の上下関係はあっさりと崩れた。
絶対的恐怖の前では人間正直になるらしい。
逃げようとするクズを私達は決して放さなかった。
最終的には覚悟を決めて全員で逝く。
けれど、思っていたほど空気は悪くなかった。
「ルビーちゃんいい感じ!やっぱり上手いね!もっと笑顔だと更に良いよ!それから────」
あかねちゃんは教え方が上手かったし優しかった。
まるでママに教えてもらってた時みたいだった。
何処か懐かしくって……少し泣きたくなる。
アクアが興味を持ったのも分かった気がした。
あかねちゃんの瞳はママの瞳にそっくりだった。
しかし、ロリ先輩への当たりはやはり強かった。
先輩がお兄ちゃんと一緒に練習しようとするのを、どうにか防いでいるようにも見えた。
真とMEMちょは少し遠くでハーブティーを飲む。
まるで若者達を微笑ましく見ている老人だ。
やっぱりあの2人……付き合ってるんじゃ………。
「今日の練習はここまで。初日ということもあって疲労がかなり溜まってるだろうからしっかりと柔軟をやれ。明日からはもっとハードだからな」
「うわっ。おっかな」
「痛い痛い痛い!!自分でやるから放せ!!」
「駄目だよ。それだと伸ばし切れないし。やるからにはしっかりやらないと。次はもっと強めでいくよ」
「もしかしなくても楽しんでるな!?」
ロリ先輩の悲鳴が辺りに響いた。
全員が手を合わせて黙祷を捧げる。
来世では……性格が良くなってるといいな。
具体的には後輩をもっと敬うようになって欲しい。
あっ、無理か。クズっていう前例あるし。
「ほら、サボるな。明日だってトレーニングがあるんだ。そんな事で支障が出たらどうする」
「ごめんごめん。ついつい」
「………随分と楽しそうだな」
「まぁね。やっぱり大変だけど」
「………そうか」
お兄ちゃんは黙って私の背中を押した。
顔は見えなかったけど笑ってるみたいだった。
それが何となく嬉しかった。
そして翌日の早朝。
「か……体が……体が動かない………」
「筋肉痛なんて……何年ぶり………」
「初日でこの有様かよ」
「私以外死屍累々じゃない」
「今日はもっと軽めのトレーニングに切り替えだな」
私とMEMちょは全身筋肉痛で昼まで動けなかった。
もっと運動しとけば良かったと激しく後悔した。
私達は生暖かい目で3人に介護された。
絶対に見返してやると心に決めた。