※注意
この小説を読んでくれている皆々様、いつも本当にありがとうございます。
そんな皆々様にここで重大な発表です。
本作の有馬が作中を通してメンタルが安定した為、スキャンダル編は残念ながら犠牲になりました。
ここからしばらくオリジナル展開です。
それと作者の諸事情により投稿が遅れます。
それでも良い方は、本編をどうぞ。
37 終わりを告げる者
機材の調整が終わり本番までの秒読みが始まった。
スタジオ中のカメラがMCのフリルに向けられる。
何度味わってもこの空気感は慣れる気がしない。
「いざ掴めナンバーワン!『VSソニック!!』」
フリルのタイトルコールと共に番組が始まった。
拍手の音を合図に音も無くスイッチが入った。
マイクを握るとともに仮面を張り付ける。
「さぁ始まりました『VSソニック!!』。本日もMCは不知火フリル。天の声は斎藤真でお送りします」
「どうもどうも。みんなよろしくねー」
この番組の基本的な内容は至ってシンプル。
レギュラーチームとゲストチームを番組に招待。
番組独自のゲームについてルールを両方に説明。
実際に番組内でチーム対抗のゲームを幾つか開催。
その様子を俺とフリルが面白おかしく解説する。
大まかに説明すると流れとしてはこんな感じだ。
「まず初めの出場チームは3連敗中のソニックチーム。レギュラーとしての意地を見せて欲しいです」
「メルト君がゴール外さなければ前回勝てたのにね」
「この前の事は忘れて下さい。割と黒歴史なんで」
「明後日の方向にボールが飛んでいったこと?それとも決め台詞が全部台無しになって恥かいたこと?」
「おそらくは両方です。そっとしておきましょう」
「もう手遅れだよ!!アンタ等容赦ないな!!」
またこの番組には『今ガチ』と同様台本がない。
NG出しは流石にあるもののほぼ全てがアドリブ。
炎上を回避しやらせを減らした結果とも言える。
「続いて今回のゲストは放映中の映画『NETFLOX』よりベテランチームと若手チームの皆様です」
「姫ちゃんとあかねちゃんだ。久しぶりー」
「少し前のドラマぶりだね。元気してた?」
「それはそうと斎藤マネの敬語口調に無理が───」
「私のことは斎藤マネではなく天の声の人と呼んでください。余計な事を言うと映す価値なしにしますよ」
「えっ、嘘だろ?俺………開始数分で消えるのか?」
ここまで番組を育て上げるのには苦労した。
多くの人間の協力や努力が必用だった。
どれもこれも初めてだらけで大変だった。
その甲斐あって番組の視聴率は徐々に上昇。
姫川さんのような大物も呼べるようになった。
奇麗に真っ直ぐ働くというのは実に素晴らしい。
「そういやこの番組って成功の保証がない博打みたいなものでしょ?やらせを減らしたって事は例え絵面に面白味がなくても誤魔化しが効かないって事だもん。今更だけど鏑木Pをこんな内容でよく説得出来たね」
「博打とは人聞きが悪い。タレント達の自主性を信じているだけだ。ゲスト出演したタレントには希望と活躍次第でレギュラー昇格も出来るようにしてるし」
「でも、それってレギュラー陣に緊張感を常に持たせる為でしょ?面白くないようならクビにするっていう殆ど脅しじゃん。ケツを叩く分には丁度いいけど」
「俺の考えをよくぞ見抜いたな。流石はフリルだ」
「いくら褒めてもサインぐらいしかあげないよ」
「それなら気が済むまで褒め称えてやる」
「それは結構。苦しゅうない苦しゅうない」
まぁそんな言葉は半分くらい冗談の産物だ。
奇麗に真っ直ぐ働くだけではやっていけない。
協力や努力も必要ではあるがそれはそれだ。
謀略やハッタリも働くには必要不可欠だ。
週間視聴率トップ10入りは簡単じゃない。
「鏑木さんとは前々から取引してたんだよ。問題があるディレクターをどうにかする代わりに新企画コンペに参加する権利をもらうって内容で話を進めてた」
「その問題があるディレクターって漆原ADのこと?真君の元上司が部下として同じ現場に居るのは謎だったけど………もしかして企画段階の時から雇ってた?」
「俺は番組制作においてド素人だ。餅は餅屋に任せるに限る。配属先を盥回しにされて暇してたらしいし」
フリルは何処か納得の表情で数回程頷いた。
俺はあくまで大まか内容を考えたに過ぎない。
企画立案者と言っても全てを考えた訳ではない。
経験の浅い人間だという自覚は十分ある。
だからこそ細かい部分は漆原ADに丸投げした。
そしたらなんかノリノリで頼まれてくれた。
上に立つより現場の方が性に合ってたらしい。
どうせならと恩を売っておいて正解だった。
経験持ちの人間はこういう時に重宝する。
「そこから先は知っての通りだ。お前やメルトを始めとするソニックステージの面々を普通に勧誘して、新企画コンペで普通に勝って実際に放送して今に至る」
「真君の普通って普通じゃないと思うよ。コンペ相手の人達にはちょっと同情する。真っ向勝負をしようとして背後から騙し討ちを受けたようなものじゃん」
コンペ相手の社員達は実際呆気にとられていた。
一介の学生が完成度の高い企画を提出しただけに飽き足らず、ソニックステージの面々に加え、不知火フリルを引っ張ってくるとは思わなかったのだろう。
ハッキリ言って勝負にすらなってなかった。
「勝負ってのは準備の段階で9割が決まる。学生相手だからって油断して準備を疎かにした奴が悪い。お前が誘いに乗った時点で勝確みたいなものだったけど」
「だって仕方ないじゃん。イケメンと美女を好きなだけ弄り倒せる仕事だなんて楽しいに決まってるもん」
「お前が誰よりもエンジョイしてて何よりだ。こっちとしても誘った甲斐があった。そんでもって何より」
「「推しと一緒にやる仕事は最高に楽しい」」
俺とフリルは互いの顔を見て大笑いした。
御託を色々と並べたが結局これに尽きる。
番組の私物化だろうと知った事じゃない。
それで成果が出てる以上文句は言わせない。
何よりこっちの方が色々と都合が良い。
「随分と仲が良いみたいだけどそういう関係?個人的な付き合いに口を挟む趣味はないけど程々にね」
そんな事を考えていると背後から声がした。
ソニックステージ社長が微笑みながら現れる。
今日は番組の高視聴率記念パーティーだ。
各事務者や各業界の大物を集めている。
どうやら話す機会を伺っていたらしい。
俺は即座にフリル向かって目配せをした。
それを見たフリルは素早くその場を去った。
察しが良い推しというのはやはり良い。
「フリルとは高校時代の後輩で親友なんです。彼女とはそれだけの関係なのであまり気にしないで下さい」
「まぁそこは大して興味ないけど身の振り方には気を付けなさい。今のアナタは昔と違って有名人。週刊誌の記者達に何時狙いを付けられてもおかしくない」
「そうですね。少し軽率でした。今後は気を付けて行動します。私の不手際でご心配をおかけしました」
俺は軽くを下げてとりあえず謝罪をした。
本当は常に警戒しているが体は大切だ。
もし仮に変な噂が広がっても非常に困る。
推しに迷惑だけは絶対に掛けられない。
「それはそうとこの前の話は考えてくれた?悪い待遇にはさせないし給料もそこそこ良いと思うんだけど」
「残念ながら丁重にお断りします。苺プロを辞めたとはいえ私はこれ以上表舞台に立つ気はありません」
「そう言ってスカウトを断ろうとする子は沢山見てきた。初めは皆自信が無くて当たり前。とりあえず一週間だけでいいから所属してみない?歓迎するわよ?」
「何を言われても結果は同じです。自信なら既にあるつもりです。契約書を懐から出さないで下さい」
ソニックステージ社長と会うのは初めてじゃない。
それどころか会う度にスカウトを受けている。
ミヤコ譲りの顔の良さが此処に来て面倒を呼んだ。
僅かでも妥協すれば取り込まれるに決まってる。
「その話のみが目的なら失礼します。この番組を支えてもらっている皆々様に挨拶をしなければなので」
「うちの事務所の名前を番組タイトルに使っておいてそれはないでしょ。貴方の事は仕事抜きに結構気に入ってる。だからこそ重ねてスカウトしてるの。うちのメルトにそこそこ演技を仕込んでくれたみたいだし」
それを言われたらこっちは何も出来ない。
俺目線だと面倒臭い社長だが相手は仮にもVIPだ。
この人の協力も企画コンペの勝利に必要だった。
不知火フリルの名前は強力だが万能ではない。
それに見合う引き立て役も必要不可欠だった。
だからこそ顔売りが営業方針のソニックステージに仕事を持ち掛け、引き立て役をしてもらう代わりに事務所の名を冠する番組タイトルにわざわざしたのだ。
こんな所でヘソを曲げられる訳にはいかない。
この番組をここまで育て上げた意味が無くなる。
「私がやった事といえば助言程度です。メルト君の演技が上手くなっているのは本人の努力の結果です。よろしければ可能な限りお話しますがどうでしょう?」
「その話も少し気になるけど誤魔化すつもり?………まぁいいわ。この話は別の機会にしましょう」
俺と社長は場所を変えてゆっくり話す事にした。
フリルは同情の目でこっちの方を見ていた。
これじゃあまるで迷惑客を相手するホストだ。
大昔のグラサンと同じで自分の趣味丸出しだ。
いっそのことセクハラで訴えてやりたい。
「あの子にはもっと売れてもらわないと困るのよ。ちょっと前に目を掛けてた子の一人が失踪してうちの事務所は絶賛大赤字。その補填分を早く稼がないと面倒になる。貴方が入所してくれれば話が早いんだけど」
俺は社長の愚痴に付き合い続けていた。
逃げようにも逃げられずうんざりしていた。
そんな最中に気になる話をふと耳にした。
その言葉で冷たい水を掛けられた気分になる。
数多の感情が奥底で騒めきだすのを感じる。
「それは災難でしたね。彼の失踪についてのニュースは私も見ました。風間健司と言えば映画出演も果たした売れっ子だったというのに………惜しい限りです」
「あの子はちょっと抜けてる所もあるけど真面目で努力家で……何よりスター性があった。友達とツーリングに行くだなんて言い出すくらいだから何か悩みがあったとも思えない。今は何処で……何をしてるやら」
社長は打って変わって静かにそう語った。
風間さんが失踪したのは数ヶ月前の事だ。
音沙汰が一切無いのは流石におかしい。
捜索願いが先日出されたとも噂で聞いた。
もしかしなくてもそういう事だろう。
「幾ら上に登っても………苦労は絶えませんね」
「これで帰って来たら引っ叩くところだけど」
「しばらく席を………外しても構いませんか?」
「別に構わないわ。湿っぽい話になっちゃたし」
俺は会場を出て夜風に当たりに行った。
他の重役に媚を売る気分じゃなかった。
無感情以外の表情を取り繕えそうにない。
張り付けた仮面を外すことが出来ない。
『どれだけ抗おうとお前は地獄行きの人間だ。罪からは逃れられない。お前は彼奴等のように輝いていい存在じゃない。お前は誰かから奪う事しか出来ない』
俺の背後に音も無く黒く歪んだ何かが現れた。
世界が色を無くし全ての音が周囲から消えた。
彼奴の正体が何かはとっくの昔に知ってる。
耳が痛くなるほど真実を突き付けてくる。
「うっせぇよ。死人は大人しく寝てろ。自分の終わりぐらい自分で決める。何処へだって逃げやしねぇよ」
そんな何かを睨みつけて俺は会場に戻った。
いくら音を取り戻しても世界はモノクロのまま。
どれだけ前に進んでも影が消える事はなかった。
そういう運命だと俺に対し告げるかのように。
「お前の元マネージャーのせいで酷い目に遭ったよ。舞台の時の彼奴ってかなり猫を被ってたんだな」
「あのクズ………とりあえず誰かに迷惑を掛けないと気が済まないのか。何というか色々とすいません」
「別にいいよ。番組の反響としてはそこそこ良かったらしいし………メルトの扱いと比べたらまだマシだ」
姫川さんは遠い目をしつつ酒を飲んだ。
ちょっと目を離しただけでこの大惨事だ。
あの回のメルトの扱いは本当に酷かった。
二度あることは三度あると言わんばかりにゴールを外し、クズとフリルから容赦なく煽りを受けた。
あの有馬ですらメルトに同情していた。
とにかくクズの暴れっぷりが酷かった。
叩かれないキャラをしてる辺り質が悪い。
「まぁそれは置いておくとして俺に何の用だ。こんな遅くにわざわざこんな場所に呼び出すだなんて」
ウエイターが個室にデザートを運んで来た。
手早く受け渡しをすると直ぐに去って行く。
此処は会員制の完全個室のレストラン。
業界人が表に出せない話をする為の場所だ。
部屋の空気が僅かながらひりりとピリつく。
「姫川さんが施設で育ったって話は前に聞きました。金田一さんが世話を焼いて気に掛けたって話も」
「ああ、そうだな。そういや飲みの席で話したっけ。この業界じゃ珍しくない。よくある話の一つだ」
「その以前は?施設に入る以前の事は覚えてますか?自分の両親がどんな人間だったか言い表せますか?」
「おいおい。そういう話はタブーだろ。呼び出した理由ってそれかよ。それが目当てならかえ────」
俺は去ろうとする姫川さんに頭を下げた。
自分が示せる誠意を可能な限り示した。
恥も外聞も遥か彼方に放り捨てた。
ここまで来たからには手段は選べない。
「お願いします。教えて下さい。失礼なのは理解してます。それでも俺は……知らなきゃいけないんです。これ以上彼奴一人に背負わせる訳にいかないんです」
そんな俺の姿を姫川さんは静かに見た。
何度か溜息を吐くと俺の頭を軽く叩いた。
グラスを片手に酒を飲むと席に戻る。
「よく分からんけど……訳ありって事は分かった。面白くもなんともない話で構わないんだったら話してやる。俺にも少なからず関係してそうな内容っぽいし」
姫川さんそう語ると目を軽く細めた。
遠い過去を振り返っているように見える。
「俺の両親の名前は姫川愛梨と上原清十郎。母親の方はそれなりの女優。親父は売れない役者をやってた」
「姫川愛梨の名前なら聞いた事がある。結構昔の作品だけど朝ドラでヒロインを演じたのを見た事がある」
「夫婦仲は冷え切ってるとは言わずとも微妙だった。親父の方がしょっちゅう他の女を抱いて自分の実力の無さを誤魔化してたのが理由だ。兎にも角にも表向きは仮面夫婦を演じてたんだがある日事件が起きた。どっちかっていうと起こしたって表現の方が正しい」
姫川さんはそう言いつつスマホを触った。
しばらくしてとある記事が画面に浮かんだ。
部屋の空気が冷えたような錯覚を覚える。
「俺が5歳とかの時にあの2人は心中自殺をしてあっけなく逝った。警察の話じゃ親父の方が先に手を出したって話だ。常日頃からコンプレックスを抱いてたっぽいし察する所はある。だからって許されないけどな」
その言葉に節々に複雑な感情が見え隠れした。
淡々と語ってるようでそうには見えなかった。
そこには愛憎と呼ぶべき感情が存在した。
「俺目線で言える事は大体そんな感じだ。詰まらない話だったろ。何でも応えるけど他に聞きたい事は?」
「………別にない。聞きたい事は全部聞けた」
「なら今度は俺が聞く番だ。どうしてこんな事を聞いた?人の過去を何故掘り返した?一体何が目的だ?」
姫川さん当然のようにその理由を聞いてきた。
その言葉で背負う重荷の重さが急に増した。
嘘で覆い隠すべきではないかと思い始める。
(それはただの甘えだ。選択する事から逃げているだけだ。いい加減覚悟を決めろ。自分自身で選択しろ)
けれど、そんな考えが浮かんだのは一瞬だった。
自分のやるべき事と再び向き合い選択をした。
嘘という優しさを捨て真実という茨の道を進む。
「自分の父親が救いようがない人殺しだったらどうする?自分の家族を未来を奪おうとしたらどうする?」
俺の言葉に姫川さんは大きく目を見開いた。
部屋そのものが大きく揺れたように感じた。
何度も何度も反覆して整理をつけようとする。
「許せる訳ないだろ。どんな手段を使ってでも償わせるに決まってる。親が犯した事の清算は必ずつける」
そして抑えきれなかった感情が溢れ出た。
そんな姫川さんの姿には見覚えがあった。
多少なり冷静さはあるものの俺とそっくりだ。
「少なからず関係してるって感じの話じゃないな。もっと深く根強い因縁染みた話だってのは察した。だったらお前の両親は誰だ?お前と俺は一体何なんだ?」
姫川さんは神妙な面持ちでそう尋ねた。
俺はそれに応えて一枚の書類を取り出した。
深呼吸をして動悸を落ち着せつつ書類を手渡す。
「俺の母親の名前は星野アイ。旧『B小町』のセンター。ドームに立つはずだったアイドルのアイ。そして父親は姫川さんと同じ。俺達は異母兄弟なんです」
姫川さんは再び目を見開き言葉を失くした。
俺の言葉と書類に書かれた『DNA鑑定』の結果。
この2つを目の前にして完全に思考が止まった。
俺はそんな光景を見てるうちに何故か安堵した。
その後の数分間。俺達は互いに何も話さなかった。
真実と向き合えるだけの時間が必要だった。
どうしようない現実を眼下に収める必要があった。
時が止まったかのように部屋が静まり返る。
「今直ぐ全てを理解するのは無理だと思います。俺もこの事実を知って世界が丸ごとひっくり返る気持ちになった。色んな事を立て続けに言ってすいません」
俺はようやく冷静になってそう言った。
どんな理由があれ恐ろしく勢い任せだった。
もっと上手くやれたと思わずにいられない。
「そりゃあ複雑だし混乱もしてるけど………謝る事じゃない。寧ろ言ってくれて感謝してる。巡り合わせがどうあれ血の繋がった兄弟が居る事をお陰で知れた。お前もなんか言いたいこと言えて肩の荷が下りた。それだけで十分だろ。ついさっきより良い顔してる」
そんな俺に姫川さんは何処か楽し気に笑った。
最初の方の険悪さは欠片も感じなかった。
どうやら困惑より興味の方が勝ってるらしい。
「つまりは星野妹はお前の妹であり俺の妹。そんでもって元マネージャーはお前の義兄で俺の義弟。一気に3人も弟と妹が出来るとか冷静に考えてマジ笑える」
というか中身が色々と駄目な人だと今気付いた。
見た目は間違いなく大人だが中身は子供に近い。
あのクズのオッサンっぷりとは正反対だ。
あときしょいから両方とも兄呼びはしない。
「俺達の話はこれぐらいにしてそろそろ本題に戻るぞ。自分の父親が救いようがない人殺しで………自分の家族を未来を奪おうとしたらって話だよな?」
その言葉に俺は頷き神妙な顔に戻った。
姫川も同じようにこっちを真剣に見てる。
「アイは15年前に殺された。実行犯は自殺したが共犯者であるはずの俺達の父親は………今も何処で生きてる。このまま野放しにする事は出来ない」
「けど、上原清十郎は心中自殺してこの世にはもう居ない。あの親父は15年前に死んだ。復讐するにしても止めるにしてもどうやって────」
「上原清十郎は俺達の父親じゃない。ルビーも真もその事実を知っているから行動を起こしてる。俺達の本当の父親は………今もなお何処で生きてるはずだ」
俺は思わず血が滲むばかりに拳を握った。
奥底に眠る怒りや憎しみが騒ぎ出した。
鑑定結果の書類がまざまざと現実を叩きつける。
この因縁がある限り俺達は幸せにはなれない。
この復讐劇を終わらせるしか選択はないと。
VSソニックの内容はV〇嵐とほぼ同じです。
あの番組が終わったのが5年前ってマジ?
時間の流れは恐ろしや恐ろしや………。