俺が趙王とか、重責すぎて胃が痛いんだが!? 作:カチコミ侍ニン任にん
どうもこんばんわ!
自分でもビックリするぐらい早く書けましたので、投稿させていただきます!
△月○○日
ハッピー★ハッピー★ハッピ~~~♪
……一応言っておくけど、壊れたわけではないぞ?
ただ単純に俺にとって——いや、趙国にとって最近良いことが起ったため、溢れ出る嬉しさを抑えられなかっただけだからな? 仕事の多さで壊れたわけではないからな? 決して毎日毎日上がってくる仕事の多さにストレスが溜まって壊れたわけではないからな? 決っっっっっしてないからなァ……ッ。ペキバキッ(握り拳で筆が折れた音)
おっと、話が逸れてしまったな。ハハハハハッ★
それでは今日は、最近起こった良いことについて書いてくとしよう。
まず一つ目については、我が国の武力である趙軍のことについて。実は俺たち趙国は、一ヵ月半ほど前まで『魏国』と戦争をしていた。攻めたのは俺たち趙軍で、侵攻理由は魏国にある『繁陽』という城を奪い取るためだ。『繁陽城』は近年の情勢から『魏』、『趙』、『楚』の3か国にとって要地となりつつある城であった。その上『楚』の‶朝廷″に潜り込ませた間者から、かの国がその城を奪い取ろうと準備をしているとの報告もあり、もし仮に楚国に『繁陽城』を取られることとなれば、将来俺たち趙国への侵攻のための拠点にもなる可能性があった。そのため俺たちはそうなる前に『繁陽城』を奪おうと、軍を興したのだ。
軍の総数は10万であり、その総大将には我が国が誇る【三大天】の一角であり、中華に名を轟かせる大将軍『廉頗』を据えた。そして魏国の方も、『繁陽城』の重要性を理解しているためその防衛のために繁陽一帯の城と中央からの兵力を集めた総勢12万の軍を興し、その総大将にはかの国が誇る【魏火龍七師】が一角『馬統(ばとう)』とその副将に同じく【魏火龍七師】である『凱孟(がいもう)』を据えた。お互いが天下に名を轟かせる大将軍を総大将に据えた戦は、予想通り両軍とも激しく多くの血を流すこととなった。その戦は一週間に渡って続けられたが、最終的には我らが廉頗大将軍が魏軍を破り『繁陽城』とその一帯を手に入れた。しかもただ勝っただけでなく、敵総大将である【魏火龍七師】の『馬統』を討ち取ったとのことであった。
いや~、これを聞いた時には柄にもなく立ち上がって声を上げてしまったものだ。勝っただけでも嬉しいのに、おまけとして魏国が誇る大将軍を討ち取れたというのだから、興奮が治まらなかったわ。報告によればその『馬統』を討ち取ったのは、独立遊軍『雷葬(らいそう)隊』の隊長であり五千人将である『紫詠(しえい)』とのことであった。
それを知って更に俺は喜んだ。なぜなら、『紫詠』とは俺が7年ほど前に魏国の『紫家』とかいう貴族の家から買い取って趙の武将とした者だからだ。
7年前、当時14歳ながらも多くの敵を葬っている少年兵が魏国にいると諜報員から聞いた俺は、その少年兵のことを調べさせた。それが紫詠であり、あいつは齢11の時から戦場に出て槍を振って敵を討ち取っていた。何でも紫詠と当時の紫家の当主の間には血がつながっておらず、当主からその存在を疎まれていたようだ。そのため『さっさと死ね』と言わんばかりに、過酷な前線ばかりに僅かな兵と共に送り込まれていた。ただそのように過酷な戦場をいくつもくぐり抜けてきたことで、紫詠の槍の腕は10代前半にもかかわらず達人の領域まで至っていた。
それを聞いた当時の俺はこう思った。『いらないんなら、俺が貰ってもいいんじゃね?』と。だって『紫家』の当主は紫詠に消えてもらえさえすればいいのだから、それなら金額次第では売ってくれるんじゃないかと。そう思った俺は、直ぐに郭開に紫詠を買い取るように頼み、彼は俺の望み通り紫詠を趙へと連れて来てくれた。ちょっと驚いたことがあるとすれば何故か紫詠と一緒に『紫季歌』という義妹もついて来たことだが、その程度のことは特に問題なかったためスルーした。そうして別邸(これも郭開が用意した)にて実際に目で視てみても、紫詠は武人として優れた人物であることが分かった。そのため俺は紫詠を趙の武将として育てることに決めた。金で買ったのだからそれを笠に着て無理矢理軍人とさせる方法もあるが、それで恨まれて後に復讐されるなんて話は中華ではありふれているため、俺は寧ろ優しく彼を扱った。食事や服、金、屋敷を与え、教養を覚えさせた。妹の紫季歌についても丁重に扱い、仕事については郭開に頼み彼の屋敷の使用人として雇った。あそこには俺の私兵に警護させているから、余程のことが起きない限りは安全である。そうやって遠回しに、‶恩″という名の鎖で紫詠を徐々に縛り付けていった。そうして1年ほどが経過すると、紫詠の方から俺の役に立とうと戦場に出て武功を立てまくっていった。そうしてたったの5年で『百人将』から『五千人将』にまで昇りつめていった。破竹の勢いとは正にこのことであろう。
そして『五千人将』である紫詠が、今度は【魏火龍七師】の一角を討ち果たしたのだ。これが喜ばずにいられようか! やはりあの時の俺の判断は間違っていなかった! 国が誇る大将軍を討てるほど人物が出来たのだから、これでまた趙国滅亡の未来の可能性が減ったというわけだ。今でも踊りだしたいぐらいには嬉しかったな~。
おっと、話が少々脱線してしまったな。
そろそろ話を戻そう。それで良かったこと2つ目についてなのだが、実はこれにも魏国が関係している。それは、『秦国』と『魏国』との間に起った戦争、『蛇甘平原の戦い』の結果が趙国(俺たち)にとって都合の良いものであったからだ。
俺たち趙と魏との戦争が終わってから僅か一月後に、今度は秦国が魏国の『螢陽城』という城を奪うために侵攻を開始したのだ。ただこれは、この時代では別に不思議な事ではない。大戦において敗北した国は、他の5つの国にとっては絶好の獲物なのだ。何たって兵力と領土が削られた上に、負けたことにより国民の‶士気″が低下してしまうのだ。攻めない手はない。
そういったこともあり、秦国はこの機に東への領土を広げようと魏国へ侵攻してきたのだ。ただ魏国だって黙って領土を奪わせることなんてしない。魏国は『螢陽城』の後方にある大きな城邑3つから兵力を集めて向かわせたことで、『螢陽城』の軍勢は総勢15万に達した。そして魏国にとって運が良かったのは、『螢陽城』の近くに『甲袁(こうえん)城』という城があり、そこの城主が【魏火龍七師】の一角である『呉慶(ごけい)大将軍』であったことだ。呉慶大将軍は秦軍が侵攻してくると知ると、直ぐさま出陣し逆に秦国へと侵入して秦の『丸(がん)城』という城を落としたとのこと。その素早い動きは、流石は中華に名を轟かせる大将軍と言えるものであった。そして呉慶大将軍は、今度は『螢陽城』へ赴き集まった15万の軍勢を受け取ると、平野戦に討って出たのだ。そして、秦軍もそれにより攻城戦から平野戦へと変更した。こうして魏国にある『蛇甘平原』にて、秦軍13万と魏軍15万がぶつかることとなったのだ。
戦は2日間に渡って続いた。初日の戦の戦況は、秦軍よりも先に『蛇甘平原』に到着しそこにある3つの大きな丘に陣取っていた魏軍が優勢であった。実際、秦軍は丘を奪おうと軍を動かしたようだが、悉く返り討ちに遭い初日だけで2万近くの犠牲を出してしまったらしい。それを聞いていた時は、このまま魏軍が勝つだろうなと予想されていた。だがしかし、2日目に戦局が動く。なんと秦軍が大いなる犠牲を出しつつも、丘の一つを奪い取ったというのだ。それにより一番後ろの丘に布陣していた魏軍の本軍5万が出撃したのだが、それを予測していたのか秦軍の総大将『麃公(ひょうこう)大将軍』が、今まで温存していた本軍の騎馬隊1万で奇襲を仕掛けた。そうして奇襲により呉慶大将軍の元まで着くと、何と2人は一騎打ちを始め最終的には、『麃公大将軍』が『呉慶大将軍』を討ち取ったことで秦軍の勝利となった。これが『蛇甘平原の戦い』の結末である。
ん? これのどこが趙にとっていい知らせだったのかって? 何をおっしゃいますの旦那~。良い知らせに決まっているじゃないですか!
だって、趙国と敵対する国の大将軍の1人が消えたんだよ? 嬉しいに決まっている! 廉頗のじいさんだったら悲しむのかもしれないが、俺はじいさんみたいに戦闘狂ではないので厄介な相手が消えたとなれば嬉しいことこの上ない。それに収穫は魏国からだけなく、秦国からもある。
まず一つ目は、秦軍に多大な損害が出ていること。秦軍は『呉慶大将軍』を討ち取ったことで勝利とはなったものの、無茶な戦い方をしていたことで負けた魏軍以上に損害が出てしまっている。その数は驚異の5万ほど。もしも『一騎討ち』で勝っていなければ、確実に秦軍の方が負けていたであろう数字だ。それにより秦軍は軍の再生をしなければならず、少なくとも今年の内はあちら(秦)側から戦争を仕掛けてくることはないだろうというのが、俺たち朝廷の見解だ。これは大変嬉しいものだ。何たって一年だけとはいえ警戒する国が5つから3つに減るのだから、こちらとしては何ともありがたかった。
次に二つ目は『麃公大将軍』の存在を知れたこと。俺たちは他国に多数の間者を放っているが、そこから入ってくる情報の中に『麃公』という大将軍に関わるものがなかった。そのため俺たちは、この戦の勝敗の予測を読み違えた。だが、今回の戦にて麃公という男がどういった武将であるのかを知れた。知っているかそうでないかで、戦の優位は大分変ってくる。今後麃公が趙を攻めてくる可能性があるのだから、今の内にあいての情報を少しでも得られたのは収穫だった。
最後の3つ目は、『迅牙(じんが)隊』という百人隊の存在を知れたこと。この『迅牙隊』というのはこの戦から初陣となった部隊なのだが、何と隊を率いているのはあの【秦六将】の一角である『‶怪鳥″王騎』の‶娘″だというのだ。これを知った時には、顎が外れそうになるほどの衝撃であった。だがそれと同時に、心の中で納得もしていた。実はこの『迅牙隊』、魏軍から丘を奪取する際に活躍している。何でも敵の防陣を力技で破壊し、その勢いのまま丘上の魏軍右翼の本陣を強襲して副将の一人を討ち取ったのだという。だがそれもあの王騎の娘がやったのだとすれば不思議と納得できてしまう。
それほど王騎という存在は強大であり、その血を受け継ぐ‶王華(おうか)″という娘も警戒しなければならない存在なのだ。
これらの情報は今後、俺たち趙国にとって重要なモノとなるであろう。まぁ取り敢えずは、敵国が2つも弱体化したことを喜ぼう。ヒャッホ~~~♪
……あれ? ちょっと待てよ? 冷静になって今思ったんだが…………この‶王華″って娘もしかして主人公なんじゃね?
だって普通に考えればいくら王騎の娘とは言っても、たかだか百人隊が1万近くの敵の防陣を力技で抜くの無理じゃね? ……そうだ変だ! どうやって突破したんだよ!? これどう考えても‶主人公補正″ってやつが働いているだろ! 女だから違うんじゃないかと思ってたけど、冥さんの子どもが‶娘″の政ちゃんになっている時点で主人公が‶女″となっていてもおかしくはない! それに主人公の親が何かしら凄い人物ってのは、物語の鉄板の一つだ。全然おかしくない。
クソッ! 何でそのことにもっと早く気付かなかったんだ……ッ! もっと早く知ってさえいれば、生まれた時点で手を打っていたのに…!! 今からでも何か手を打つべきだろうか!? …いや、ただでさえ主人公補正があるというのに、たった百人で1万近くの防陣を破れる武力を持っているのに加えてその娘の近くにはあの王騎がいる。勝算は低いと言わざるを得ない。しかも成功しようと失敗しようと王騎が娘に危害を加えられて黙っているとは思えない。もしも俺の仕業だとバレたら王騎が軍を率いてやって来るかもしれない。そんなことになったらヤバい……!!
これは……暫く静観するしかないか。確か王騎ってどっかのタイミングで必ず死ぬはずだから、それからでも娘の暗殺は遅くはないだろう。
——なんだろう、死ぬとは思うけど死なない気がするのは気のせいだろうか…? 頭の中であのオカマ巨人の笑い声が聞こえてくるんだけど……(幻聴)
………
……
…
——ええい! もう知らない! 未来のことは、未来の俺が何とかするだろ! こんな時は酒だ! 酒で気分を紛らわせるしかない…! お~~~い! シャロ~~~!! お酒持ってきてー!!
今夜は自棄酒(やけざけ)だァ~~~~~~!!!!
※数時間後
「ハッピー★ハッピー★ハッピ~~~♪ ハピ★ハピ★ハッピー★ハッピ~~~♪」(伏線回収)
『オリキャラ情報』
◎元ネタ:ご注文はうさぎですか?
◎名前:シャロ(桐間 紗路/きりま しゃろ)
◎設定
~母親が外国人のハーフで、金髪は遺伝(母親は幼い頃に流行り病で亡くなっている)。趙国の片田舎の飯屋の娘であり、地元では看板娘として人気だった。宮女として選ばれた際には、複雑な心境であったが父親が少しでも楽に暮らせるのならと思い嬉しいと偽る。そうして王宮に来ても大王の夜伽に呼ばれないため暇な毎日を過ごしていた際に、気晴らしで宦官に変装していた趙奎に出会う。最初は警戒していた彼女であったが、話していくに連れて仲良くなり最終的には惚れてしまう。そんなある日、大王の夜伽に選ばれるが『‶宦官″の趙奎』に惚れている彼女は、避けられないことを知り抱かれた後は自害しようと決める。しかし、趙奎が大王であることを明かすと好きな相手と愛し合えることに涙する。そうして夜を過ごしたことで、彼女は完全に彼の信者(狂信者)となってしまう。趙奎に気に入られたことで、時たま側付きとして控えている。
因みに、今回の話では自棄酒をする趙奎に付き合い自分も酒を飲んだことでどちらも泥酔状態となる。そしてその状態のまま勢いで○ックスしたのだが、次の日は二日酔いと激しい○ックスによる腰の痛みによりまとまに動けなくなる。(趙奎は『健康な身体』により二日酔いにはなっていない)
どうでしたでしょうか? この話を見て面白いと思った方は、『高評価』と『お気に入り登録』、『感想』のほど、どうかよろしくお願いいたします。