予定では小五郎さんに事情を話す回にするつもりでしたが、諸事情により次回に持越しです。
お風呂から上がった私は、新一と博士がいる書斎へと向かう。
そこでは新一と博士が話し合っていた。新一はいつの間にかブカブカは服装から、赤い蝶ネクタイと青いジャケットに半ズボンをはいた服に着替えている。
「新一。どこまで話したの? 」
私は新一に近づきながら尋ねる。すると新一は私がいる方向へと視線を移す。
「俺たちを襲った黒ずくめの男のこと。その時に毒薬を飲まされ、副作用で体が小さくなってしまったというところまでは話した」
「そう。博士。私たちの体を元に戻す薬は作れないの?」
私は真剣な表情で博士に尋ねる。しかし、私の質問に答えたのは、博士ではなく新一だった。
「一通りの事情を説明した後で、博士に同じことを聞いたが、薬の成分が分からないことには不可能らしい。だから、俺はあの黒ずくめの男たちを見つけ出して、薬を手に入れる」
新一は当面の目標を熱い口調で語る。
私は知っている。新一の目標は薬を手に入れ体を元に戻すのではなく、持ち前の正義感で黒ずくめの男たちの悪事を暴くことであることに。
私は新一の言葉から、本当の目的を感じ取ってしまった。
その時、博士が私と新一の肩を掴み、鋭い口調で伝えた。
「いいか。新一君と蘭君。君たちが生きていると黒ずくめの男たちに知られたら、また命を狙いにくる。そうなったら周りの人間にも危害が及ぶかもしれん。このことはわしと君たちだけの秘密……」
博士は何かを言いかけ、少し考え込む。
その間、私の不安は増大していった。
黒ずくめの男が私たちを殺しに来るかもしれないという恐怖。
それを新一はチャンスと捉え、無茶な行動で黒ずくめの男たちを追い詰めようとするのではないかという不安。
それらが私を襲い、私の顔は次第に暗くなっていく。
すると、隣にいた新一が私の頭を優しく撫でた。
「大丈夫だ」
その一言を聞くと、なぜか安心できる。
それから、博士はなぜか首を横に振った。
「いや、やっぱり、毛利君にも事情を話そう」
「お父さんに? でも、そんなことをしたら、お父さんも黒ずくめの男に狙われちゃうよ」
お父さんを危険なことに巻き込みたくない。その想いから私は博士の手を振り払う。
しかし博士は私の肩を強く掴み、真剣な面持ちで私と顔を合わせた。
「いいか。蘭君。君が一夜明けても帰ってこないことを心配した毛利君は、娘が行方不明になったと思い、探し始めるじゃろう。その姿を見て、黒ずくめの男は、君が生きているかもしれないと疑うかもしれん。そうならないためにも、事情は話した方がいい。車で毛利探偵事務所まで送るから、そこで毛利君に事情を話したうえで今後のことを話し合おう」
私は博士の説得を聞き、首を縦に振る。
それから私は隣にいる新一の手を握った。
「新一も一緒に来て。一人だと不安だから」
新一の顔が一瞬赤くなり、手を握り返される。
「分かった」
新一の答えを聞き、私たちは玄関から博士の家に移動する。その後で私たちは博士が運転する自動車の後部座席に乗り込んだ。
次こそ小五郎さんに事情を説明する。