執務室で仕事をしていると美緒が入ってくる
「塹鬼、本国からお前宛の武器が来ていたぞ?」
「そうか」
俺は書類を切り上げ美緒とともに格納庫へ向かうと
「うりゃあ!!」
「おっと!?」
後ろから飛び付かれる
避けても良かったが危ないので受け止めることにした
「むぅ、かたーい!ペッタンコ!」
「まぁ、男だからなルッキーニ少尉」
「ルッキーニでいいよ中佐!」
そう言うとよじよじと背中を登り肩車される
「わぁ!たか~い」
「おい、ルッキーニ。仮にも上官なんだ」
「いいさ」
「やれやれ」
「ねぇ、中佐飴ちょうだい!」
「飴?」
「芳佳から聞いたよ!中佐はいつもお菓子持ち歩いてるって」
「あぁ」
「ねぇ!ちょうだい!ちょうだい!お菓子ちょうだい!」
そう言い体を揺すりはじめる
危なくてしかたい
「わかったから暴れるな、危ないだろ?」
そう言いポケットを漁る
「今はキャラメルしかないがいいか?」
俺は箱を渡すと
「やったー!!キャラメル~♪」
キャラメルを口に入れてようやく大人しくなった
俺はルッキーニを肩車したまま美緒と歩いていくとカチャカチャとユニットを弄ってる人物がいた
「ふぅ」
「ユニットの調整か?シャーリー」
「ん?少佐に中佐にルッキーニ。今丁度一段落ついたところかな、それにしても随分と懐かれたな中佐」
「あぁ、まぁ険悪になるよりはいいだろ?」
「そりゃそうだ、それで二人は何をしに?」
「扶桑から塹鬼宛に武器が届いたんだ」
「へぇ、どんな武器なんだ?」
「何々?武器?見たい!」
美緒はデカイ箱の元に案内するとそれをあける
「こ、これは!?」
「あぁ」
俺達は顔をひきつらせルッキーニは俺から飛び降りイェーガーと中を見る
「槍か?」
「なにこれ~」
「お前にとっては懐かしいだろ。存分に使ってくれ!」
美緒は逃げようとするが俺は腰にラガーマンも驚愕するタックルを決める
「ぐはっ!何をする!」
「頼む!このクソ兵器【刺突爆雷】は使いたくない!」
かつて陸上殲滅作戦の時お世話になったよ一本だと糞の役にもたたねぇけどな!
何なら破片で怪我したり長さが短くて爆発に巻き込まれて死んだけどな
嫌だ死にたくない
「安心しろ、手紙もついてきていた。えぇっと君の相棒刺突爆雷を強化して爆発力を数段上げた【刺突爆雷改】だ、これで更なる戦果を期待する。追伸いっぱい突撃できるように沢山送ったので無駄にしないように」
「なんなの!?馬鹿なの!?俺を殺したいの扶桑は!」
「大丈夫だ、お前は不死身の撃墜王だ。たぶん大丈夫だ!それに扶桑のウィッチに不可能はない!」
「ならお前が使え!上官命令だ!お前が刺突してこい!」
「ふざけるな!私には烈風斬を極めるという使命がある!」
「俺が烈風斬を極めるだからお前が使え!なんならダブル烈風斬を開発するから!」
俺は美緒にがっちり抱きつき離さない
「わかった!一回試そうじゃないか!それ次第で誰が使うか決めよう」
「・・・・・・お前がやれよ?」
「ふざけるな!不死身のお前がやれ!」
「扶桑の武器はイカれてんなぁ」
「なんか面白そう!私やりたい!」
「早まるなルッキーニ、これは絶対ろくでもない」
結局ルッキーニが大怪我しないように俺がやる羽目になった!
くそぅ!なんでこうなるんだ!?
俺達は外に出ると
「よし、行くぞ」
「お前らシールド張っておけ」
「「え?」」
俺は駆け出し目標向かって全力でつく
「チェストーーーッ!!!」
目の前に激しい閃光と音、そして衝撃が起こり俺は吹きとばされる
あぁ、そう言えば美緒にシールド張らせてやらせればよかったんだ
あのクソ尼覚えてろよ
夜
俺は目を覚ますとベッドに寝ていた
「生きてるのか?」
俺は体を触ると火傷も骨折も、それどころかかすり傷一つない
うん、死んでるはこれ
ストックが減ってるのが感覚でわかる
俺の能力ばれたかな?バレてないことを祈ろう
とりあえず腹が減ったので食堂にいく
何もなになぁ
夜食でも作るか
俺は久しぶりにスパイスから調合する本格カレーを始める
料理は前世からの趣味だ
料理ができる男はモテるときいて始めてはまった
「・・・・・」コトコトコト
夜に無言で眺める鍋を見ると独り身の辛さを思い出すな
「・・・・・」
「・・・・・・」クゥ~
俺はかわいらしい音のした方を見ると白銀の髪をした美少女が顔を真っ赤にして俯いていた
「リトヴャク中尉だったか。よかったら一緒に食うか?」
「宜しいんですか?」
「まぁ、一人で食べても寂しいからな」
「それじゃあいただきます」
もともと多めに作っていたので少し少なめになるが二人分皿によそう
「リトヴャク中尉はこれから夜間哨戒か?」
「サーニャで大丈夫です。みんなそう呼びますので」
「ならサーニャと呼ばせて貰おう」
「はい・・・・・・美味しい」
よしっ!
さすが俺の研究の成果
「ふっ、当然だ。ポイントはスパイスを5~6種類なことだな香りの深みは少々減るが一番バランスがとれる」
「これ、中佐がルーから作ったんですか?」
「まぁ、料理は趣味みたいなものだからな、昔は食ってくれる奴が沢山いてな」
「扶桑のウィッチですか?」
「いや、戦闘機部隊の連中だよ。愛すべき馬鹿どもでな、ストライカーがない間戦闘機で出撃していたんだがその時の部下達は作ると喜んで食ってくれてな俺も作りがいがあったよ。夜食で部隊全員で食ってなぁ、食糧を勝手につかったって怒られたもんだ」
スパイスも高級品だったしな
「ふふっ」
あぁ、かわええ
やっぱりつんけんしてるより照れたり女の子らしく笑う方がええよなぁ
「女にモテる為に始めたはずなのに野郎ばかりにモテちまってよ。いつの間にか趣味になっちまったんだよな」
「いいと思います」
俺達は軽く話しつつ食べる
「食後のコーヒーはいるか?」
「いただきます」
俺達はコーヒーを飲み一息つく
「そう言えば中佐、お怪我は大丈夫ですか?武器の試験で爆発に巻き込まれたって聞いたんでけど」
「あぁ、何とかな・・・・・ハハハ」
翌日
「さすが不死身の不酒だな!あの爆発に巻き込まれて無傷だった時は驚いたぞ!ハッハッハッ!!」
「おお、そうか!」
俺の隠し能力はバレなかったようだ
たが、俺は刺突爆雷改の怨みを忘れていない!
「なぁ、お前がシールド張ってやればよかっただろ!」
俺は美緒の後ろをとるとコメカミに拳をセットする、その間一秒を切る
「ま、待て塹鬼、話をだな」
「拳で語ろうぜ美緒」
俺はコメカミをグリグリと削る
「ぐあぁぁぁぁぁ!!!」
「ふはははははは!!!いい悲鳴だ!!!ふはははははは!!」
その日、新たな伝説が生まれた
ウィザードは鬼畜の嗜虐嗜好者であると
数刻後
俺達は訓練の様子を見る
今日はハルトマンとバルクホルンが飛んでいる
「乗れてないわね」
「完璧主義のバルクホルンらしくないな」
「宮藤さんが来てからね」
「組ませて見るか」
俺は資料を確認する
家族構成に妹が一人、ネウロイの襲撃時に意識不明となり現在も
年齢は宮藤と近いな
なるほど
「美緒、少しいいか?」
「あぁ」
俺は美緒にバルクホルンについて訪ねる
その日の夜俺はバルクホルンの部屋を訪れる
コンコン
「誰だ」
「不酒だ」
「空いている、入ってくれ」
俺は扉をあけると部屋の中にバルクホルンが立っていた
「何かようか?中佐」
「ヴィルケ中佐にも確認したが休暇とってないようだな。俺はその関係できた」
「それならミーナにも言ったが必要ない」
「そうでもないから来たんだ」
俺はため息をつくと部屋に入り休暇届けの書類を置く
「ミーナに頼まれたのか?」
「なわけあるか、ヴィルケ中佐は必要最低限しか話してこないしこう言うことは話さんだろう。一応俺もヴィルケ中佐に次ぐ立場にあるもんでな管理とかいろいろしなければならないんだ」
「そうか、ならば私には不要だ自身の管理はしっかりできている」
「最近調子を落としているらしいな」
「・・・・・たまたま調子が悪かっただけだ」
俺は覚悟を決めて口を開く
「はっきり言うぞ、戦場に迷いを持ち込むと死者がでる。死人がでる前に何とかしろといってるんだ。お前の休暇取得率の上に死人がでたとなりゃあ面倒なんだよ」
ブラック企業反対!
カモンホワイトな職場
「ふん、私が足を引っ張ると思っているなら余計な心配だ。それに例え私が死のうとネウロイと戦って死ぬのなら軍人としてこれ程の栄誉はない」
「それで?クリスちゃんを残してのこのこの死んで満足か?」
「っ!?クリスは関係ない、それにどうせ目を覚まさなければわからんさ」
「かわいそうにな、こんな奴が家族ならとっととおっちんじまえば良かったのになぁ、意識不明とは言え生き残るとは哀れな奴だなお前の妹も、そして、目を覚ますかわからない不安や守れなかった自責の念から自殺したいなら他所でやってくれないか?」
「貴様っ!!」
魔法で強化された拳が俺の頬に刺さる
俺は首がちぎれとんだのではと思う衝撃でとぶ
「お前に何がわかるっ!救国の英雄のお前に!祖国を取り返したお前に!大切な家族を!愛する祖国を奪われた私の何がわかる!」
わかるなんて言えないさ
それは俺の言ってはいけない言葉
俺が言っても重みも何もない中身のない言葉になら
俺は揺れる脳を気合いで無視し、震える膝を根性で抑え込み立ち上がる
「ぺっ!」
俺は血と折れた歯を吐き捨てる
「わからねぇさ、お前と違って俺は家族も国も失ってねぇからな」
俺は倒れないように食い縛りながらバルクホルンに近づく
「だけど、残される痛みを誰よりも知ってる。残された奴を誰よりも近くで見てきた」
俺を残して死んでいった愛すべき馬鹿ども
墓参りや葬式で泣き崩れる馬鹿どもの家族や友人、恋人
生き残ったからこそ見せられる痛み
「残して行くのはさぞかし楽だろうよ、もう一度行ってやるよ迷いを戦場に持ち込むやつは人を殺す。せいぜい他人を殺さないようにな自殺志願者。自殺したいなら勝手にしてろ俺や周りを巻き込むな」
それを俺は誰よりも知っている