“彼”は自身の行いについての諸々を済ませたその後、退治人見習い兼アシスタントになってる設定
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君は何が好き?と聞いてみる。
「丸だ。決まっているだろう」
彼が言う“丸”とは吸血鬼ドラルクさんの使い魔で、アルマジロのジョン君のこと。そして彼の大事な大事なお友達。身体を丸めるとボールみたいにまんまるだ。
とにかく彼のお気に入りは『まあるいモノ』がたくさん。
今川焼きにドーナツ。
ホットケーキにメロンパン。
部屋にあるクッションは丸型だし、テーブルも丸い木製の天板だし、壁掛け時計だって勿論丸い。
前の根城から持ち込んだっていう丸電球もとても大切にしているね。
そういえば最近、料理とかお菓子作りを習い始めたんだって。
吸血鬼である彼にとってどのくらい栄養になるか分からないけれど、退治人の見習いとして身体を動かしてるから食べておいたほうがいい筈だものね。
「丸に逢いに行くついでに簡単なものを習っているだけだから、大したものは作れんぞ」
そう言っているけど、とても器用な彼の事だからね。きっと上達して、そのうち手の混んだものまで作れるようになるだろう。
たとえドラルクさんに敵わなくたって、大好きなジョン君を部屋に招いてもてなしてあげる事くらいは充分出来るだろう。
あのね、昔の言葉に『草のゆかり』っていう言葉があるんだ。意味はっていうと…
《何かを好きになるとつながりがあるものまで好きになってしまうこと》 なんだよ
彼が
今川焼きもホットケーキもジョン君が好きだから彼も気に入ったし、ジョン君の丸っこい姿を見て愛らしく思えたから家具なども丸いものを選んでるのだろう。
ジョン君と会えたからアルマジロを好きになり、アイジャ飯の小動物ロボットで困っていた僕に「アルマジロにしろ」って言ってくれた。そのおかげでマジロ型ロボのマルが誕生して大人気キャラになった。
ほらね、ジョン君を好きになったから彼の“好き”が増えたんだ。
そしてその“好き”が彼の世界をどんどん拡げていってくれている。
その広くなった世界のなかできっともっと“好き”な物が見つかるよ。
願わくばたくさんの“好き”な物に囲まれて【幸福】だと感じながら過ごしてくれますように。
「アイジャ飯の販促企画第2弾として、マルのぬいぐるみクッションが発売されるみたいでね、商品の見本が届いたんだよ。良かったら辻田さん1つ持っていく?」
「! いいのか?」
疑問形で返事をしたけれど既に手渡した実物をしっかり握って嬉しそうに見つめている。
また1つ“好き”が増えたみたいだね。第1弾のステッカー(マル単体)も貼らずに保管してあるって言っていたもの。これも大事にしてくれるだろう。
「最近の辻田さん、最初の頃と比べて表情とか柔らかくなったよねぇ。ジョン君のおかげかな?」
「そうか?…………オマエの奇行にもカンペキに慣れたからな、前ほどカリカリしなくなっただけだ」
…確かに僕への対応もカンペキにこなしてるね。奇行を始めるタイミングを見計らって椅子に括り付けたりね、こんなふうに。
「フン。あとで
「え、ホント?!やった〜、がんばるよ!」
ジョン君とマルのおかげで、僕も“好き”の恩恵を受けられるよ、ありがとう!!