こんにちは、みなさんご存知、マシュ・キリエライトです!
前回までのあらすじ!
法螺貝を買いに来た私でしたがうっかりカードショップに入り、煽り合う先輩と虞美人さんに出会いました!
そして私はカードゲームという新しい遊びに出会ったというわけです
私が初めてカードゲーム『Fate/Civilization』に出会ってから2日経ちました。仕事帰りにカードショップにきては先輩たちとデッキを回し、なんとなくこのカードゲームについてわかってきた所です
「ふふ、先輩方は私のことを『勝利のマシュ』って言ってくれてもいいんですよ」
「よっ『勝利のマシュ』!」
「『勝利のマシュ』は今日もかわいいね」
「えへへ」
先輩に頭を撫でられ、虞美人さんに頬を撫でられました!………ペット扱い?
「………てもう!猫じゃないんですから!」
「じゃあ犬なの?」
「私的にはワニですね」
「ワニ………?」
「顎が大きく開きますから!」
私は自分の握り拳を口に入れた。2人はおおーっと感心した声と共に私に拍手を送ってくれました
「とと………まあそれはさておきましてね。先輩、そろそろ私も環境デッキと闘ってみたいです!」
「ん〜?」
先輩はちょっと険しい顔をしました
「『勝利のマシュ』………環境デッキってのはガチデッキだよ?いきなりハードル高くないかなぁ」
「ハードルの高さがなんです!私も先輩達ともっと遊びたいし、避けては通れません!」
「なるほどね………いいよ!それならやろうマシュ」
先輩はバックの中から複数デッキを取り出しました。それぞれどんなデッキかわかりませんが………楽しみです!
「マシュちゃん、私の項羽様デッキとは?」
「あっそれはまだいいです」
虞美人さんは泣いてました
「マシュ………私はどんな時でも本気だよ?」
「先輩………望む所です!」
こうして私は先輩の持っている環境デッキと闘いました!
3分後
「………あれ私負けました?」
「うんマシュ、負け!」
刹那の出来事とはまさにこのことなのでしょう。私の妨害が一切間に合わず、すり潰されました。その間2ターン!びっくり通り越して何も感情が浮かびません
「………すっ、すごいですね。これが環境」
「まあ、立香の手札は今回良かったからね。普段はここまで速攻はできないよ」
「あっそうなんですね。これがアルゴー・ビートなんですか?」
「おっ、覚えてたのねマシュ、えらいねぇ」
うへへ………
「そうだあっさり勝負ついちゃったから何が何だかわからなかったでしょ?」
「まあ確かにそれはそうですね虞美人さん」
「軽く解説してあげなさいよ立香」
「それもそうか」
先輩は、先ほど使っていたデッキを崩して全て表にしてくれました。こう見るとどことなく画風が同じで時代や文化感があっているカードが多い気がします
「このデッキの核はこれ『最古の英母アルゴー・シップ』」
先輩が指差したのは荒波を乗り越える木造の船のカードです。キラキラ光ってますね
「このカードの能力は特定の種族を持つモンスターのコストを軽くするんだ。で、このデッキはその種族の強いキャラを固めてひたすらぶん殴るゴリ押しデッキだね。うまくいけばさっきみたいに開始数ターンで相手の息の根を止められるよ」
「はぁ〜なるほどぉ」
先輩の説明を聞き、デッキを改めて見てみると確かに同じ種族のモンスターで固めています。シンプル!
「他にも環境デッキあるけど遊ぶ?」
「はい!」
先輩の誘いを受けない私はいません!
3分後
「私の手札が………ボロボロ?!」
「すごいでしょ?『ハサンハンデス』ってデッキだよ」
「このハサンって種族強いですね?勝つのに必要なカードがどんどん捨てられましたよ!」
「その分条件が重いけどね」
「そういえば思ったのですが、先ほどのアルゴー・ビートとハサンハンデスってもしかしてハサンハンデスの方が有利なんですか?アルゴー船なくなったらデッキコンセプトが崩壊しそうな気がしますが………」
「マシュ鋭いね?でも面白いことにアルゴー・ビートの方がやや有利かな」
「えっそうなんですか?!」
「そもそもアルゴー・ビートに搭載されているカードはハンデスも視野に入れているからね。アルゴー船がなくなったとしても勝てるように作られているんだ」
「すごいですねデッキ考えたひと………」
「皆の集合知が入っているからね」
それから先輩は私を環境デッキでボコボコにしました(勿論私が望んだことですが)
『文化爆弾』
『ケシクビート』
『水シュート』
『アイアコン』
etc………
その多彩さはまるで格闘ゲームのキャラクターように。とても同じルールで使われているデッキとは思えなかった
一通り、環境デッキと闘い終わった時には私の敗北は二桁に到達していたのだった
「先輩、環境デッキって凄いですね。この構築済みのデッキとパワーが違う」
「そうね。勝つために作られたからねこのデッキ達は」
「『勝利のケルト』じゃ大会出ても勝てそうもないですね。そうなると少し寂しいですね。このデッキを使えないとなると今までやってたことがなくなってしまうようで」
「んー………それは違うよマシュ」
先輩が私にきらりと光る視線を向けてきました
「『勝利のケルト』はマシュにルールを教えてくれたし、マシュにカードの動かし方を教えてくれた。それに初勝利もそのデッキでしょ?それらはマシュが今後カードをやっていく中の血肉になってマシュのカードプレイヤーとしての力をつけてくれるのさ。そう悲観しなくてもいいよ」
先輩の言葉が私の心に沁みていきます。改めて私は自分の手にある『勝利のケルト』を見つめました。『勝利の女王ブーディカ』が私に優しく微笑んでいる気がします
「………先輩、私もガチデッキ、環境デッキ握ります。『勝利のケルト』から学んだことを活かすために!」
その言葉に先輩といつの間にか復活していた虞美人は感極まったのかタオルで目を拭いていました。ひとしきり涙を拭くと先輩達は座った目で私に何かを渡してきます
「じゃあこれ買おうか」
『Fate/Civilization Golden Age Edition』と描かれたパックでした
「えーとこれは?」
「年に一度発売される公式パック」
「この中には歴代カードの高レアがたくさん詰め込まれているんだよね」
「基本的に環境デッキで必要なカードはそこそこ値段がつく」
「だからとりあえずこれを買うことでデッキに必要なカードを安く手に入る可能性があるってことよ」
先輩と虞美人さんが交互に熱弁してきます。値段はパックが180円。5枚入っているので一枚あたり36円でしょうか?
「でも、先輩、一つだけで出るとは思えないのですが………」
「だから箱買いするんだよなぁ」
虞美人さんは金色の箱を私の手に乗せてきました。値段は5400円、パックが30個ってことは………
「値引きされてない!」
「まあ箱買いって実質パックを30個買うって宣言なだけだしね」
「しかし5400円ですか………結構しますね」
私のポロリ出た感想をめざとく聞きつけたのでしょう。先輩と虞美人さんが私の真横両側に来て言いました
「でもマシュ………箱買いはね、楽しいヨォ♡」(cv. 関根明◯)
「そうそうマシュちゃん………箱買いだと誰にもカードを買う邪魔をされない独り占めができちゃう♡」(cv.伊瀬茉莉◯)
「あれれ〜?でも一箱じゃ150枚、全部使ったとしても3.75デッキしかできないねぇ♡」(cv. 関根明◯)
「キリが悪いとは思わない〜?マシュちゃん♡」(cv.伊瀬茉莉◯)
「でもねぇマシュ………この箱を四つ重ねればあら不思議♡」(cv. 関根明◯)
「150枚が4つで600枚、デッキが15個もできちゃうよマシュ♡」(cv.伊瀬茉莉◯)
「こりゃあお得だねマシュ♡」(cv. 関根明◯)
「こりゃあ買うしかないねマシュちゃん♡」(cv.伊瀬茉莉◯)
「「ほーら買っちゃいなよ、気持ちいいよ♡
3、2、1、ゼ〜ロ♡♡」」(cv. 関根明◯)(cv.伊瀬茉莉◯)
あひっ
気づいたら渋沢栄一が2枚以上空に飛んでいました
◇◇◇◇◇
「まさか………洗脳されてしまうなんて………!」
私はなんと意志が弱いのでしょうか?しかしあの声を耳元で囁かれたら、中々もう、耐えられないのが人の業なのでしょう
「まあまあマシュ、この箱がいいっていうのは本当だからさ!」
先輩の声を恨めしく思いながら、私はついにパックを初めて開けました。初めてカードをむく。いったいどんなカードが私を待っているのでしょうか?ワクワクが止まりません
開けた中でひとつキラキラ光っているカードを見つけました。これはまさか高レアなのでしょうか?!
「見てください!このカード、可愛い女性のモンスターだし強いのでは?」
私の声に微妙な反応を示すお二方。疑問に答えてくれたのは虞美人さんの方です
「その『誉の女王タマル』は、デザインだけはガチカードとか言われている微妙やつね」
「ええ………」
「パイセンの項羽みたいなもんだぜ、マシュ」
「ハァーッ?項羽様は明確な役割があるんですけどぉ!タマルなんか器用貧乏すぎて使いづらいクソカードなだけやん!!」
散々な言われようですね………
「あっでも、『斥候』に『ピタティ弓兵』出てるじゃん!これらは強いよ」
「『斥候』は低コストで召喚したらすぐ攻撃できる『奇襲』を持っていて、『ピタティ弓兵』は一方的に攻撃できる『遠隔射撃』を持つモンスターの代名詞『弓兵』の上位互換。どんなデッキに入れても腐らないいいカードね」
先輩と虞美人さんのフォローが光ります。………まあパックはまだ1個目、まだ119個あります。ゆっくり開けていきましょう
こうして私は2人と悲喜交々、感想を言いながらカードを引くのでした
20分後
「残り1パックですね………今の感じどうでしょうか?」
「中々当たりも多いから買取額は5万円くらいにはなってるわよ」
なるほどとりあえず2倍くらいの値段の価値はあるようですね。とはいえ今まで見たカードの中に中心に添えたいカードがあるかというとちょっと微妙。この最後にかけるしかなくなりました
「何が出るかなぁ?」
私はその言葉と共に最後のパックを開封しました。1枚、2枚、3枚、4枚、ここまではちょっぴりレアな強めのカードといったところでしょうな。そして5枚目の姿を見ます
化け物を椅子に腰を座り偉そうに見つめる大きな盾を持った騎士。………あれこれもしかして
「『災厄に座るものギャラハッド』なのでは………」
「えー………まっさかぁ………本物だ」
「早く頑丈なカード入れ持ってきて!」
先輩が慌てて持ってきたカッタいガラスケースの中に虞美人さんはカードを挿入しました
まさか最後の最後に20万が来るとは………
「マシュ、どうする?」
「?」
「ギャラハッドは20万、こいつを買取に出せば、君が組みたいと思うデッキを一つ組めるくらいの値段だよ。売る?」
先輩の問いに私は悩みました。ギャラハッド。怨念を具現化したような物質を踏みつけ盾を構える彼の絵を見ます。………運命
「いや、先輩。このカードは売りません。このカードを私は使いたいです!」
非常に高価なカードが私の元に来た。この事実は私にとって運命のようなものを感じたのです
「OK!そういうことならこのカードを使ってデッキ組んであげる!」
「ありがとうございます!」
「ギャラハッドはいいカードだよ………どんなデッキにもできる。マシュはどのデッキ組みたい?」
「………『勝利のケルト』みたいなデッキがいいです」
『勝利のケルト』でやっていた粘り強く守り勝利をもぎ取るプレイングは私にあっている気がしたからだ
「よし!じゃあこれから作るデッキは………『円卓コントロール』だね!」
『円卓コントロール』、私が長いカード人生で最も頼りにしているデッキの誕生の瞬間でした
「あっそういえば」
虞美人さんがホクホクしている私を呼び止めます
「せっかくデッキ使って今後やっていくんなら、スリーブを買おう」
そういうと何処からか備品を取り出してきました。かなりの束になってますね
「スリーブって先輩や虞美人さんのデッキのカードも着ているやつですよね?」
「よく見てんじゃんマシュちゃん」
「これにどんな意味が?」
「そうね………」
私の質問に虞美人さんは白魚のように白い指を2本立てて私の目の前に置きました
「一つはカードを守るためね。カードは紙の一種。普通にしばいていたらどんどん角はよれていくし傷もついてくるわ。カードを守るためってのは表だった理由ね」
「ではもう一つは?」
「イカサマ疑惑防止」
………思ったより重い理由が飛び出してきました
「さっき傷が付くって話したわよね?じゃあもしその傷で次のカードを判別できたら?そうなったらフェアじゃない。スリーブをつけることで傷を見ていませんって証明になるわね。だから透明よりも色のついたスリーブがいいわ」
とはいえ消耗品だけどねと付け加えつつ灰色のスリーブの束を私に渡しました。なるほど、トランプや麻雀で傷の形から手を予測するイカサマがありましたね
「はい!しっかりスリーブをつけます」
「よろしい!!ちなみに私は項羽様に綺麗なおべべ着せたいから豪華なやつ買ってるわ。マシュもどう?」
「あっそれは結構です」
ちょっと拗ねてる虞美人さんに私は付き合わず、スリーブを買いました。………お金かかる趣味ですね
「私たちはだから働いているんでしょ?」
「生きるためなんですけどね………」
先輩の寝言を無視してスリーブにしまったギャラハッドを見ます。見れば見るほどかっこいいイラストですね………
「これからよろしくお願いします!」
「………マシュがついにパイセンみたいになっちまった」
今ものすごい私の人権を毀損された気がします
カード簡単紹介
『最古の英母アルゴー・シップ』
『ギリシャ』と種族欄に書いてあるカードのコストを減らすアーティファクトカード。種族:ギリシャのモンスターは高コストだが高いパワーや優秀な能力を持った物が多く、アルゴーの恩恵を存分に受けることでさらに強くなれる