まだ見ぬ世界へ   作:コアラのマーチ

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よろしくお願いします。


私のアピール

 

「かすみちゃん!」

 

練習中、脱水症状で倒れてしまったかすみちゃんを見て、私はすぐに駆け寄る

 

「しっかりしてください!」

 

せつ菜ちゃんも焦った様子で声をかける

 

「水を持って来てくれる?」

 

私はせつ菜ちゃんに指示を出した。

 

「持ってきました!」

 

せつ菜ちゃんはかすみちゃん 水筒を持ってきて、彼女の口元に当てた。

 

「入ってません!」

 

「それ全部飲んでたの!?」

 

驚くことに、かすみちゃんは水筒のもう飲み干していたのだ。

 

「私、部室から持ってきます!」

 

「お願い!」

 

みんなの水筒も空だった、せつ菜ちゃんは部室に向かって走っていった、その時だった。

 

「ウォーターヒール」

 

突然、ひとりの男の子が現れて、かすみちゃんに何か呪文を唱えて、光を当てていた。

 

「なにこれ……」

 

私は呆然とその光景を見つめているしかなかった。

 

「京平さん」

 

せつ菜ちゃんはその男の子の名前を知っている様子だった。

 

「この子、しばらくしたら目を覚ますと思います」

 

そう言うと京平君は立ち上がり、せつ菜ちゃんにも同じようなことをしていた

 

しばらくして、彼の言葉通り、かすみちゃんは目を覚ました。

 

「あれ?私、倒れてたような……」

 

キョロキョロと周りを見回すかすみちゃん。

 

「京平君って子が助けてくれたんだ」

 

せつ菜ちゃんはかすみちゃんに説明すると、かすみちゃんは不思議そうな表情をしてた

 

 

これが、私――エマ・ヴェルデと川木京平君こと京ちゃんの出会いだった

 

 

 

 

「よーし、よしよし」

 

エマさんは彼方さんの事を膝枕しており、頭を撫でていた

 

「こうして撫でているとネーベちゃんを思い出すよ」

 

「スイスのお友達ですか?」

 

しずくが質問をする

 

「ううん、飼っている子ヤギだよ」

 

「「「「子ヤギ?」」」」

 

「エマっちの家ってヤギ飼っているの?」

 

「懐かしいな、実家いた頃お世話していたんだ」

 

エマさんは愛の質問に答えると目をつぶりながら懐かしい思い出に浸っていた

 

「ホームシックにならないんですか?」」

 

歩夢も質問する

 

「ならないよ。同好会のみんなといると実家のような安心感があってホームシックにならないんだ」

 

「なるほど」

 

「それに行こうと思えば京ちゃんに連れていってもらえるしね」

 

そう、京平は魔法を使ってエマさんを何回かスイスに送っていたのだ

 

「両親は私が日本でしっかりやっていけているかって心配していたけど、京ちゃんを見て安心した見たい」

 

エマさんはにっこりと京平の方を見て笑う

 

「京平、エマさんのご両親に挨拶したの?」

 

侑は京平に質問する

 

「軽く挨拶したくらいだぞ」

 

「それでもご両親に挨拶してるんだ。愛さんも負けてられないよ」

 

京平が答える横で愛はメラメラと燃えていた

 

 

「お待たせしました。」

 

そう言って扉を開けて入ってきたのはせつ菜とかすみだった

 

「遅かったね2人とも」

 

「ふふふ、これを見てください」

 

侑の質問を待ってたのかかすみはニヤニヤしながらパソコンに電源をつける

 

「これは歩夢の自己紹介動画か」

 

京平は画面を見るとそう答えた

 

「そうです、凄いでしょ。この再生回数」

 

再生回数は2000回を突破していた

 

「京平さんよく自己紹介動画ってわかりましたね」

 

再生する前のサムネですぐに発言したことでせつ菜が突っ込む

 

「いや、同好会の動画はチェックしているし、分かるだろ」

 

「それでもサムネでわからないよ」

 

愛も京平を見ながら言う

 

「いや、4回くらい見たから、、」

 

「4回も!?」

 

しずくは数字に驚く

 

「もしかしていかがわしい感情持っているんですか?」

 

かすみはジト目で京平を見る

 

「幼馴染の動画くらいチェックするだろ。コメント欄だって変な奴いないか見ているだけだ。」

 

「確かにコメントも多いね」

 

侑がマウスもいじりながらコメントを見ていく

 

「京ちゃん、みんなの前で恥ずかしいよ」

 

歩夢は顔を真っ赤にして目を隠している

 

 

 

 

「そこで提案なのですが、私たちもプロモーションビデオを作ってみませんか?」

 

「プロモーションビデオですか?」

 

「はい!自己紹介でも特技でもアピールできるものを動画にしたいと思っています」

 

しずくの質問にせつ菜は動画の内容を細かく説明していく。

 

「いいんじゃないか?アピールにもなるし」

 

「エマさんも動画を作ったらスイスにいる両親も安心するんじゃない?」

 

京平と侑はせつ菜の意見に肯定的だった

 

そこで次はせつ菜の動画を見る

 

「せつ菜の動画も結構再生されているな」

 

「はい。歌っている様子は特に人気です。京平さんも教室で見てましたよね?」

 

「なんで知っているんだ」

 

「偶々見えてしまったので」

 

「お二人ともやり取りが夫婦みたいですね」

 

かすみは京平とせつ菜のやりとりを見て睨みつける

 

「そんなわけないだろ。かすみ漫画の見すぎだ」

 

京平は突っ込みを入れる

 

「そうですか」

 

「これ編集りなりーでしょ?」

 

愛は天王寺に話す

 

「うん。侑さんと川木くんがアイディアをくれたから」

 

「えへへ、照れちゃうな」

 

侑は頭を掻きながら言う

 

「さて、残りは彼方さんと愛さん、エマさんだな」

 

そういってホワイトボードを出して意見を出し合った

 

「彼方さんと愛は何となく出たけど、エマさんはPVのイメージありますか?」

 

京平は司会をやっていた。

 

「私ね。人の心をポカポカさせちゃうようなアイドルになりたくて」

 

「エマさんっぽいかも」

 

「でもそれがどんなアイドルなのか想像できなくて、京ちゃんみたく、魔法を使って物理的にポカポカすることはできるけど、アイドルってなると」

 

侑の発言に対してエマは悩んでいた

 

「う~ん、京平はヒーローみたいな感じだからポカポカというより守ってくれるだよね」

 

「確かに、そうですね。私もヒールの魔法を使ってくれた時は暖かい感じでした」

 

侑は顎に手をやりながら発言にすると、せつ菜もそれに乗ってきた

 

「かすみんは憶えがないです。」

 

「倒れていたからね」

 

しずくはかすみを見てツッコミを入れる

 

「演劇だったら衣装を着ればイメージが湧くんですけどね」

 

しずくは呟くとエマが反応した

 

「あ、それなら」

 

エマはスマホを取り出して電話をした

 

 

「わぁーー」

 

「本当にありがとうございます」

 

みんなが服を見て盛り上がっている中、せつ菜は服を貸してくれる人に感謝していた

同好会メンバーたちが来たのは服飾同好会だった

 

「朝香さん、ありがとうございます。」

 

「この前助けてくれたお礼よ」

 

朝香果林は京平に道を案内してくれたことで恩を感じていた

 

「流石に果林ちゃん。こんな同好会にツテがあるなんて」

 

珍しく起きている彼方さんは果林に話しかける

 

「偶々クラスにいただけよ」

 

「それでもだよ」

 

 

 

 

「どう?エマさん」

 

「もう終わるよ~」

 

着替えているエマさんに声をかける侑。そして試着室のカーテンが開く。

 

「おぉ~」

 

出てきたのはメイド服姿のエマさんだった。

 

「おかえりなさいませ、ご主人様、お嬢様」

 

スカートの裾を軽く持ち上げ、丁寧なお辞儀で挨拶をする。

 

「おれのお世話してくれないかな」

 

京平がぽつりと呟くと、背後から「バシッ!!」という音が響いた。

 

「すみません!」

 

慌てて振り返ると、そこにはハリセンを持った歩夢がいた。

 

「分かればいいの。京ちゃん」

 

「他の衣装も試してみてもいい?」

 

エマがそう言い出し、次に着たのは浴衣だった。

 

「一緒に花火行こ? 京ちゃん」

 

「どこへでもついて行きます!!」

バシッ!!!

 

その次はチアガール。

 

「ゴーファイ! ウィン! 京ちゃん、ファイト!」

 

「よし!今から世界征服して……」

バシッ!!!

 

さらに熊の着ぐるみ。

 

「ガオ~、食べちゃうぞ!」

 

「俺が食べて……」

バシッ!!!

 

発言するたびに叩かれる京平だった。

 

「みんなで写真撮ろ!」

 

侑の一言で、全員が一か所に集まる。

 

「京ちゃんはカメラ係ね」

 

「はい、分かりました……」

 

歩夢に制され、京平は素直にカメラを手にする。

 

「朝香さんは入らないんですか?」

 

カメラを構えながら、京平が声をかけた。

 

「私はいいわ」

 

「果林ちゃん、一緒に撮ろうよ!」

 

エマも果林に声をかける。だが、果林のスマホが鳴り、彼女は画面を見て一言。

 

「悪いわね」

 

そう言い残して、部屋を出ていった。

 

果林の様子に、京平はどこか違和感を覚える。

 

「撮るぞ!」

 

気を取り直し、京平はカメラのシャッターを押した。

 




次回の更新は月曜日にあげます

よろしくお願いします。
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