まだ見ぬ世界へ   作:コアラのマーチ

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よろしくお願いします


私の仮面

私はいつも一人だった。

教室でも周りの人と仲良くできず、手元にあるジョイポリスのチケットを誰かに渡すこともできなかった。

 

「どうしたの?」

 

上級生だ。突然の声に、少し怖いという気持ちが湧いてきた。

 

「怖がらなくていいよ。なんか君、元気なさそうだったからさ」

 

まるで心を読まれたみたいだった。でも、その時の私には、そんな気遣いが逆に重かった。

 

「これ、お友達と行ってください」

 

私はチケットを差し出す

 

「一緒に行こうよ。ほら!」

 

そう言って、先輩は私の手を引いてくれた。

その出来事がきっかけで、私は少しずついろんな人と関わるようになった。

 

 

 

「ぶち殺し確定だ!!」

 

ジョイポリスで京平たちはゾンビゲームをしていた。今発言したのは同好会のマネージャー京平。はしゃぎながら叫んでいた。

 

「京ちゃん、こんなところでそんな怖い言葉使わないでよ」

 

歩夢がゾンビを撃ちながら、京平をたしなめる。

 

「わーーー! 京平助けて~!」

 

侑はゾンビの集団に襲われ、必死で助けを求めていた。

 

「今助けに行く!」

 

京平は即座にその声に反応し、サポートに向かう。だが、すぐに天王寺もサポートに入る。

 

「愛さんに任せなさい~!」

 

璃奈と愛が協力し、ゾンビを次々と撃ち倒していく。二人の連携は抜群で、周囲に圧倒的な強さを見せつけていた。

 

「うわっ! ゾンビが!?」

 

歩夢が慌てて周りを見渡し、背後に迫るゾンビを見つける。慌てて銃を構えるも、足元がグラついて転んでしまった。

 

「きゃっ!」

 

「歩夢!?」

 

京平がその様子を見て、慌てて歩夢に駆け寄る。だが、その瞬間、歩夢がつまずいて足をひねり、思わず京平に倒れ込む形になってしまう。

 

「うわっ!ごめんね京ちゃん。」

 

歩夢が恥ずかしそうに顔を赤くして謝る。彼女はしばらく地面に倒れている京平にしがみつくような格好になってしまっていた。

 

「大丈夫だ。怪我はないか?」

 

京平は歩夢を支えながら立ち上がる

 

「うん。ありがとう」

 

歩夢は真っ赤になりながら、恥ずかしそうに立っている

 

その瞬間、俺たちはゾンビの群れに囲まれてしまう

 

「ひぃ、京ちゃん、、」

 

歩夢はゾンビの群れに怖がり京平に抱き着く

 

「任せろ」

 

京平は素早く銃を構え、周りのゾンビを撃ち倒していく。

 

 

「楽しかった!」

 

愛と侑が飲み物を片手に感想を言い合っている。

 

「ゾンビを撃ち倒すのって楽しいよな~」

 

「でも京ちゃん、ゲームしてるとき口が悪すぎ!」

 

歩夢が真剣な顔で注意すると、京平は素直に謝った。

 

「すみません……」

 

「けど、私の事助けてくれたのはうれしかった」

 

歩夢は照れながら言ってきた

 

「まぁまぁ、罰として飲み物を奢ってもらったから許してあげようよ~」

 

愛は笑いながら飲み物を振り回す。

 

「あれ? 天王寺さん?」

「やっぱり天王寺さんだ!」

 

声をかけてきたのは、虹ヶ咲の制服を着た3人組だった。

 

「クラスメイト?」

 

京平が璃奈に問いかけると、璃奈は頷いた。

 

「もしかして愛先輩と歩夢先輩ですか!?」

 

「えっ、私たちのこと知ってるの?」

 

「スクールアイドル同好会のPV見ました! 愛先輩、最高でした!」

「歩夢先輩もすごく可愛かったです!」

 

「ありがとう!」

「見てくれて嬉しいな!」

 

褒め言葉に愛と歩夢は喜んでいた。

 

「直接感想を言ってもらえるなんて、すごく励みになるよね」

 

「ほんとだね。言われた方も嬉しいから」

 

京平と侑も、そんな会話を交わしながら微笑んでいた。

 

「天王寺さんのPVも見ましたよ!」

 

突然の言葉に璃奈は驚いた顔をした。

 

「え?」

 

璃奈が作ったPVは、猫のキャラクターが画面越しに喋るものだ。

初めて見たとき、京平もその完成度に驚いた。

 

「これ、自分で作ったの? すごいな」

「うん。パソコンは得意だから」

「得意ってレベルじゃないだろ。あのヌルヌル動くキャラクターは本当に凄いよ」

 

ヌルヌル動くキャラクターをみて京平は絶賛していた

 

「もしかして、皆さんジョイポリスでライブをするんですか?」

 

3人組の1人が興味深そうに尋ねてきた。

 

「ライブ?」

 

歩夢が首を傾げながら答える。

 

「はい! 最近、ここのステージをスクールアイドルが使っているみたいなんです。先週も東雲学園がライブをやっていましたよ!」

 

「そうなんだ」

 

京平はステージを見渡しながら、ここなら確かにライブ向きだなと思った。

 

「やる。私、ここでライブをする」

 

璃奈は真剣な表情で、ジョイポリスでのライブを決意した。

 

 

 

 

場所が変わり、土曜日の朝、虹ヶ咲学園の部室内。

 

「えーーーー!?ライブ!?」

 

かすみの叫び声が部室に響く。同好会のメンバーは全員揃っていた。

 

「色々足りないのはわかってる。キャラに頼りすぎた部分があったから……」

 

璃奈が静かに言う。

 

「俺はいいと思ったけどな」

 

京平が答える。

 

「うん。川木君だけじゃなく、クラスメイトの子もいいって言ってくれた。でも、あれは本当の私じゃないから」

 

「なるほどね」

 

「だめかな?」

 

璃奈がみんなに問いかける。

 

「いいんじゃない?」

 

隣にいた愛が賛同する。

 

「私も璃奈さんが決めたことなら、応援します」

 

「私も賛成~」

 

しずくやエマも続けて賛成の声を上げる。それに続き、他のメンバーたちも頷く。

 

「みんな応援してくれるってわけね」

 

「ありがとう」

 

璃奈は少し照れくさそうに感謝を述べた。

 

「それで、ライブはいつやるの?」

 

果林の質問に京平が答える。

 

「職員の人に聞いたら2週間後の土曜日が空いてるらしい。そこでやる予定だよ」

 

「本当に急じゃん!」

 

「それなら作戦会議だ!」

 

京平が意気込むと、全員が一気に動き出した。

 

メンバーたちはソファやテーブルに分かれ、ライブの準備について話し合いを始める。

 

「ステージ演出は、ある程度希望に沿ってくれるって言ってた」

 

京平がペンを持ちながら言う。

 

「映像については問題ない。自分で作れる」

 

「りなりー、それ得意だもんね!」

 

「確かにな。カメラについては俺が担当するから安心しろ」

 

京平は手元のノートに内容をまとめていく。

 

「でも、パフォーマンスには自信がない。だから教えてほしい」

 

「よし、それなら時間ごとにチームを分けてサポートしよう!」

 

ホワイトボードにチーム分けを書き出し、天王寺を中心とした支援体制を整えていく。

 

「それじゃ、各自よろしく!」

 

「はーい!」

 

全員が元気よく返事をし、それぞれの準備を始める。その間に京平は天王寺に声をかけた。

「天王寺、お前って一人暮らしか?」

 

「ううん。家族と一緒だけど?」

 

「いや、ちょっと気になったことがあってな」

 

「気になること?」

 

天王寺が首をかしげる。その仕草に京平は一瞬視線を外し、少し間を置いて答えた。

 

「あぁ……普段の食事ってどうしてる?」

 

「朝はパンで、昼はカロリーメイトみたいな固形物を食べてるけど……」

 

「なるほど……」

 

京平は腕を組み、少し考え込むように顎に手を当てた。

 

「なにか問題あるの?」

 

「問題だらけだ。成長期の女子高生がそんな食生活をするな」

 

京平の声には少し真剣な響きが混じる。その言葉に、天王寺は少し困ったような笑みを浮かべた。

 

「でも、親はずっと仕事してるし、家事は私、得意じゃないから……」

 

「わかった。これからお昼は俺が作る」

 

京平がきっぱりと言い切ると、天王寺は驚いたように目を見開く。

 

「えっ!?そんな、悪いよ……」

 

天王寺が戸惑うように手を振る。そのやり取りに気づいたかすみがいきなり話に割り込んできた。

 

「えっ!京平さんが作るんですか!?」

 

「当たり前だろ。こんな食生活を聞いたら、黙ってられない。それに、俺は料理研究会にも入ってるんだ」

 

京平はさっとエプロンを取り出し、手際よく準備を始めた。

 

「なに言ってるんですか!京平さんはスクールアイドル同好会のマネージャーでしょ!」

 

「両立するのは問題ないって、せつ菜が許可してくれたぞ」

 

「そうなんですか!?」

 

かすみがせつ菜に詰め寄る。

 

「ええ。同好会メンバーに料理を振る舞うのも活動の一環として」

 

「せつ菜、感謝してる」

 

京平が感謝の意を述べる。天王寺はそのやり取りを黙って見つめていたが、ふと小さな声でつぶやいた。

 

「でも、本当に私のためにいいの?」

 

その言葉に京平は手を止め、天王寺を真っ直ぐ見つめる。

 

「俺は、人のために料理を作るのが好きだ。それに……お前のこと、ほっとけないからな」

 

不意に言われたその言葉に、天王寺の頬がうっすら赤く染まる。

 

「それに2人も3人も手間は変わらないしな」

 

京平はそう言いながら、少し照れ隠しのように笑う。

 

「2人って……」

 

天王寺はちらりと歩夢と侑の方を見た。だが、心のどこかで自分だけが特別扱いされているような感覚を覚える。

 

「京平の料理、すっごく美味しいよ!」

 

侑が天王寺の手を取って言う。

 

「私もその方がいいと思う」

 

歩夢も優しく微笑みながら説得する。天王寺はその言葉に後押しされる形で小さく頷いた。

 

「……なら、お願いする」

 

その小さな声に、京平は嬉しそうに微笑んだ。

 

「よし、今日のお昼はこれから作るから、頑張ってこいよ」

 

天王寺は少し戸惑いながらも、京平のその頼もしさに胸が温かくなるのを感じていた。

 




見てくれてありがとうございました
次回もお楽しみに
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