まだ見ぬ世界へ   作:コアラのマーチ

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よろしくお願いします。


笑顔は笑顔なんだ

虹学メンバーは俺の魔法に乗って天王寺のマンション近くまで来た。

 

「ありがとう、きー君」

 

愛は一目散にマンションのエントランスに向かった。

みんなも愛についていくように走り出していく。

 

愛は急ぎながら部屋番号を押していく。

しかし、時と共にインターフォンの音だけが響く。

 

「出ない。もしかして寝てるかな」

 

愛は心配そうになりながら、部屋番号をもう一度見直した。

 

「部屋番号は合っているな」

 

俺は愛が戸惑っているのを見て、部屋番号を覗いた。

 

「魔法で開けられる?」

 

「できるけど、いいのか?無理やりはオススメしないぞ」

 

「そうだけど、りなりーの体調の方が心配」

 

仕方ないと思いながらも鍵に手を近づける。

すると俺はカメラがついていることに気がついた。

 

「カメラ付いてるぞ」

 

俺の言葉に、愛はマイクに声を近づけた。

 

「りなりー!起きてる?みんな心配してきたの!開けてくれる?」

 

必死に愛は璃奈に呼びかける。

しかし、マイクから返答がない。

 

「お願い、話だけさせて」

 

愛の思いが届いたのか、天王寺が扉を開けてくれた。

 

「行くよ!」

 

俺たちは璃奈の部屋に向かった。

 

「りなりー?どこにいるの?」

 

部屋の鍵も開けてくれた。同好会メンバーはみんな部屋の中にいる。

 

「ここだよ」

 

声の方を見ると、段ボールの中から聞こえた。

 

「えぇー!なんで段ボール?!」

 

かすみが驚きながら言う。

 

「思ったことを口に出すな」

 

俺はかすみに一言いうと、侑がかすみの口を抑えた。

 

「りなりー」

 

愛が天王寺に話しかける。

 

「ごめんね。勝手に休んで」

 

「ほんとだよ。心配したんだぞ」

 

愛が段ボールに近づき、しゃがむ。

 

「一体何があったんだ?」

 

俺も愛のそばに近づいた。

 

「自分が恥ずかしくて……」

 

俺たちは黙って聞いていた。

 

「私は何も変わってなかった。昔から楽しいのに怒っていると思われたり、仲良くしたいのに誰とも仲良くなれなかった。今もクラスに友達はいないよ。全部私のせいなんだ……」

 

涙をすすりながら璃奈は言葉を続けた。

 

「もちろん、ダメだと思って高校で変わろうとしたんだけど、最初はやっぱりダメで……でも、そんな時に愛さんに出会えた。スクールアイドルのすごさを知ることができた。もう一度、変わる努力をしてみようと思えた。歌でみんなと繋がれるスクールアイドルなら、私は変われるかもって……」

 

「なら、どうして?」

 

「どうしても気になっちゃうんだ。自分の表情が。ずっとそれで失敗し続けてきたから、『ああ、ダメだ、誤解されるかも』って思ったら、胸がきゅーっと痛くて……私はみんなと繋がることなんてできないよ。せっかく川木先輩もご飯とかお弁当を作ってくれていたのに、応えられなくて……ごめんなさい、ごめんなさい……」

 

天王寺の泣いている声だけが残る。

 

 

______________________________________

 

「ありがとう」

 

川木先輩の声が先に聞こえた。

 

「え?なんで?」

 

「天王寺の気持ちを教えてくれて、そしてよく頑張ったな」

 

川木先輩が褒めてくれた。

 

「うん、愛さんもそう思う」

 

私が思っていた答えと違うことで驚いてしまった。

 

「でも私……」

 

「私、璃奈ちゃんのライブが見たいな」

 

侑さんが話を続ける。

 

「今はまだできないことがあってもいいんじゃない?」

 

「え?」

 

私はさらに動揺する。

 

「そうですよね。璃奈さんにはできることがたくさんあるのに」

 

「そんなの……」

 

私の言葉をさえぎって、みんなが発言する。

 

「頑張り屋さんなところとか」

 

「あきらめないところもね」

 

「機械に強いし」

 

「動物にも優しいですよね」

 

たった一言でも、その一言が自分を励ましてくれる言葉。

 

「もう~!みんなどんどん言っちゃってずるいよ!」

 

愛さんは我慢できなくなったのか、段ボール越しに抱きついてきた。

 

「りなこ、ダメなところも武器に変えるのが一人前のアイドルだよ」

 

かすみちゃんが私の前にしゃがんで話してくれた

 

「そうそう。できないことは、できることでカバーすればいいってね」

 

愛さんも私を見つめて言う

 

「それにさ。別に顔出さなくてもいいじゃん」

 

「え?顔をださない?」

 

私は川木先輩の言葉に驚く。顔を出さないってそれってアイドルとしていいの?

 

「京ちゃんなに言ってるの?」

 

上原さんも疑問に浮かんでいる

 

「天王寺の感情を表に出すのが難しいなら機械で出せばいんだよ」

 

「機械で?」

 

侑さんも疑問を浮かべている様子だった

 

「天王寺、笑顔は見えなくても笑顔なんだ。」

 

私は今の状況をみて考えた。段ボールの中から話すことが出来ている。顔を出していない状況であること

 

立ちあがってカーテンを開けた

 

「わかった!そいうことだね!」

 

「え?りなこ今のでわかったの?」

 

かすみちゃんもはてなマークを浮かべている

 

「うん!ありがとう。川木先輩、、ううん。京平さん手伝って!」

 

「任せろ」

 

京平さんと私は二人でパソコンに向かった

 

 

 

「こうして璃奈さんと話すのって初めてかもしれないですね」

 

「そういえばそうだね」

 

2人のやり取りをみて遠くから見守るせつ菜と彼方

 

「かすみちゃんもいい事言っていたね」

 

彼方さんはかすみの頭を撫でていた

 

「それほどでもです」

 

照れながら答える

 

「京ちゃんは私のことどう思っているのかな」

 

「彼方さん何か言いました?」

 

せつ菜は小さい声が聞こえた気がしたので、彼方に質問をした

 

「ううん。なんでもないよ」

 

 

────────────────────────

 

「結構集まっているね」

 

ステージの隅で俺と歩夢は会場のお客さんの席を見ていた

 

「天王寺の呼び込みの効果があったってことだ」

 

俺は準備している天王寺を見る

 

「よし、おけー!」

 

準備を手伝っている侑は完璧と言わんばかりに俺の方を見てきた

 

「天王寺、体の調子はどうだ?」

 

「大丈夫。コンディションも問題ない」

 

天王寺の姿をみて安心している

 

「ねぇ、京平さん。お願いしたいことあるの」

 

本番前に改まって言ってくる

 

「なんだ?出来る事ならなんでもやるぞ」

 

「あのね。私のこと名前で呼んでほしい」

 

「名前?」

 

俺は疑問に感じて聞いた

 

「うん、侑さんとか歩夢さんもみんな名前で呼んでいるのに私だけ苗字なの嫌だ」

 

「そういえば、そうだったな。璃奈でいいか?」

 

「うん!ありがとう!」

 

璃奈は嬉しそうにしていた

 

「ほんと京平ってたらしだよね」

 

侑は呆れながら言ってくる

 

「なんでだよ」

 

「いやー乙女心がわかってないなって思ってさ」

 

やれやれと言わんばかりに突っ込んでくる

 

「歩夢からもいってあげなよ」

 

侑は歩夢の方をみた

 

「京ちゃんらしいし、いいんじゃない?」

 

「褒めているのか?」

 

3人のやり取りをみて安心している璃奈

 

「それじゃ行ってくるね」

 

三人の隙間を抜けてステージに向かう

 

 

「自信もっていってこい!」

 

京平は腕を伸ばし親指を立てる

 

「京平さん!見ててね。これが私、天王寺璃奈のステージだよ!!」

 

 

『ツナガルコネクト』

 

 

 

「よかったよ!!」

 

「すごいよ!」

 

観客から歓声が上がる

 

「璃奈ちゃんボードにっこりん!」

 

見ててね。京平さん、私の姿をずっと見守っていてね。

 




次回は彼方さんです

魔法設定も彼方さんで活躍する予定です!
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