「そんなことがあったんだ~!」
部室で彼方さんと俺が出会った頃の話を聞いていた侑はニヤニヤしていた
「あの時の肉じゃが美味しかったよね~」
エマさんもほっぺを触って笑っていた
「私たちにはそんなことされたことないよ」
歩夢も睨みながら俺を見ている
「お前らにはいつもご飯作っているだろう」
侑は少し首を傾げて、「調理室で作ってきたものはないよ?」と返した。
「家で作ったものを食べさせているかな」
俺は呆れながら言った
「そういえば、侑さん達もお金はどうしているんですか?やっぱり親御さんが?」
「私たちも払ってないよ。なんならお風呂の光熱費も払ってない」
侑は胸を張ってせつ菜の質問に答える
「ちなみに京平さんの親御さんはお仕事何をしているんですか?」
そのまませつ菜は質問を続けた
「海外で働いているよ。」
「海外!一人で寂しくないんですか?」
「歩夢と侑がいるからな」
幼稚園の頃から一緒にいる二人。ずっといるから寂しいとか感じたことがない
「ちなみに魔法が使えることは?」
「知っているぞ?」
「なんかすごいですね」
「ある意味理解していることがすごいよね」
「それもそうですが、、」
せつ菜は京平さん以外にも侑さんや歩夢さんに信頼を置いていることとそれを安心できるように住む場所を提供している親御さんに凄いと感じていた
「そいえば、いつから彼方さんは京ちゃんの事京ちゃんって呼ぶようになったんですか?」
「それはね、彼方ちゃんがアルバイトの帰り道、、」プルプル
彼方さんが話してるときにスマホがなった
「あ!アルバイトの時間だ!行かないと!」
彼方さんはスマホのアラームを見て急いで出ようとする
「彼方さん、送りますよ」
俺は彼方さんが慌てていたので魔法で送ることを提案する
「大丈夫!このまま走っていけば、、」
彼方さんは段差につまづいて転びそうになるが俺が受け止めた
「こんな風に慌てて行って事故に遭う方が怖いですから」
「いつもごめんね」
彼方さんは落ち込んでいた
「謝らないでください、こいうときはありがとうですよ」
「うん。ありがとう京ちゃん」
彼方さんを立たせて、部室のみんなに送っていくことを言う
屋上に出ると、そっと手を掲げる。風の流れを感じた次の瞬間、二人の体はふわりと宙に浮いた。風に乗って、彼方さんと空を舞う
「それじゃ行ってきまーす」
「気を付けてね~」
歩夢が手を振りながら言う
「すぐ戻ってくるから」
そう言って、彼方さんと手を繋いだまま、京平は青空の彼方へと舞い上がった。
彼方side
アルバイトが終わり、私は妹の遥ちゃんと一緒に夜ご飯を食べていた
「うん!今日もおいしいよお姉ちゃん!」
「ありがとう」
今日もアルバイト、学校、おうちの家事、そしてこれからは勉強。
世界一大好きな遥ちゃんの笑顔が見られるなら、どんなに疲れてたってどーんと来い、だよ。
「お母さんは?」
「夜勤だからもう出たみたい」
味噌汁をすすりながら私は答える
「あのねお姉ちゃん!今度の日曜日ライブに出ることになったんだよ!」
「本当!すごい!どこで!?」
「お台場のビーナスフォート、私センターに選ばれて」
私は遥ちゃんの手を握る
「最前列で見るよ!東雲学園で頑張っていたもんね」
「ありがとう、私もお姉ちゃんのライブ早く見てみたいな」
「彼方ちゃんも早く見せたいよ」
2人の会話は賑やかだった
夜はいつも私の勉強時間これはいつものルーティンだった
今日はいつもと比べて体が楽になってる。京ちゃんがアルバイト先まで送ってくれたからかな。多分誰にでも優しいのが京ちゃんだから普通だと思ってそう
ノートの下にある紙を見て私は少し笑顔になった。
それは、まだアイデア段階のライブ衣装のスケッチ。私らしい一着──遥ちゃんにいつか見せたい、特別な一着だった。
朝になって、私はキッチンで朝ごはんの支度をしていた。
フライパンからは焼いた卵の香り、味噌汁の湯気がふわっと立ちのぼって、眠気が少しずつほどけていく。
「おはよう~お姉ちゃ~ん、」
パジャマ姿の遥ちゃんが、目をこすりながらやってきた。
「おはよ~今朝随分早いね」
「うん、手伝おうと思って」
「いいよ、いいよ遥ちゃんはゆっくりしてて」
「でも、、」
遥ちゃんは少し戸惑いながら続けた
「あ、あのね、今日、お姉ちゃんの同好会の練習……見に行ってもいい?」
「えっ?」
私はフライパンを返す手を止めて、遥ちゃんの顔を見た。
いつもは遠慮がちなのに、今日は少しだけ目が真っ直ぐだった。
「もちろんだよ」
思わず笑顔になって答えると、遥ちゃんも少し照れたように笑った。
次は月曜日に更新します!お待ちください!