危険な勧誘   作:ダークネスドラゴン

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いきなり場面が飛びます。

ついてけ無いかも…







評議院編
評議院の牢獄


 

ガラガラっと荷馬車が走る。

 

白い馬車。

荷台は箱型になっており、白いカーテンが外からの目を遮断している。

護衛馬の一種だった。

それには評議院のマークがついていた。

 

 

その馬車の中に俺はいた。

 

 

「やはり、こうなったか…」

 

 

俺は両手を見る。

 

そこには魔力拘束具がついていた。

 

 

「……。」

 

 

壊すして逃げる事も可能だが、それだと一生追われ続ける事になる。

 

 

「もう、ギルドには入れないかもな…」

 

 

俺はあの時の事を思い出す。

 

 

あの日、評議員に囲まれた俺達は取り調べを受けた。

 

1週間にわたる事情聴取。

 

その中で決まったのは主に4つだった。

 

 

・妖精の尻尾は無罪放免

・幽鬼の支配者は解散

・ブルー・インフェルノは評議院によって身柄を拘束

・ジョゼ・ポーラは聖十大魔導の称号を剥奪及び禁固刑

 

 

多くの目撃者と幽鬼のギルドが攻めて来た痕跡から、取り調べが進み、幽鬼のギルドは解散請求が出された。

マスター・ジョゼは逮捕された。

 

幸いにも妖精の尻尾は無罪放免となった。

 

妖精の尻尾に所属するメンバーは無罪放免…。

 

 

 

「ブルー・インフェルノ、器物損壊、及び暴行の罪で貴様を逮捕する。」

 

 

ギルドに所属していない俺は幽鬼のギルドを損壊、暴行した罪により無罪放免とはならず、逮捕された。

 

妖精の尻尾は俺を庇ったが聞き入れられなかった。

 

…彼らに悪意が向く前に、諦めて捕まった。

 

 

評議院の本部に着いた。

 

そのまま地下へ…牢獄に案内される。

 

 

「Bー19番だ…」

「……。」

 

 

そのまま、牢獄に入れられる。

 

ガチャリと鍵がかけられる。

 

 

 

 

「……。」

 

 

最悪だ。

よもやこんな事になるとは…

 

 

予想していた中でもかなり悪い方になった。

 

 

まあ、幽鬼のギルドをあれだけ破壊して無罪放免となる訳も無かったが。

 

 

そのまま牢獄内を見る。当たり前だが、何も無い。

 

評議員の顔が脳裏に浮かぶ、

 

 

「……。」

 

彼らは全体のギルド魔導士を統括する自治組織。

 

魔導士ギルドが所属する「地方ギルド連盟」を管理する団体であり、罪を犯した魔導士の検挙や問題を起こしたギルドに対する制裁などを加える権限を有している。

 

常に安全圏にいるらしい彼らが無償に腹が立ってきた。

 

 

「……クソが…、」

「おやおや、貴方もですか、」

「!!!」

 

声のする方を見る。

 

 

隣の牢獄にいたのは…

 

 

「マスター・ジョゼ!!!」

「その呼び方は辞めなさい。

もう私は只の囚人ですよ、誰かさんのせいでね。」

 

幽鬼のマスターが牢屋に入れられていた。

手首には俺と同じように魔力拘束具を装着されている。

 

よりによって何でこいつと隣なのだ。

 

 

「……貴方がギルドに誘わなければ!!!」

「のこのこ入って来たのは貴方です!!!、誘うだけなら自由です。」

 

腹ただしい。

 

自身のギルドの勢力拡大の他に、妖精の尻尾との戦いの為に俺を誘ったのは分かる。

 

だいたい…

 

 

「…っ、こんな事しているギルドだと分かっていたら入らなかった!!!」

「失礼な、ギルドの名を護る為にやった事だ。」

 

 

ギルドの名か。

 

妖精の尻尾を落として王国一のギルドの名声を手に入れようとしたらしい。

 

それにしても…

 

 

 

「…人のギルドを落として名声を取るか…

クズギルドが…、当然の報いだ。」

「黙れ罪人が!!!

貴方が私に従って入ればこうはならなかったんだ!!!

入れてやったのにこの疫病神が!!!」

「誰が従うか!!!、このクズマスターが!!!」

「煩い、疫病神!!!戦犯が!!!」

 

 

牢獄の中で俺達の怒鳴り声が響く。

 

 

「「はあ、はあ…」」

 

 

怒鳴り合ったせいでお互い息が荒い。

 

 

「……。」

 

 

ふと、鋼鉄の牢の鉄杭を掴む。

 

このくらい折るのは簡単だ。

魔力拘束具を破壊して、強引に突破してしまおうかと思ってしまう。

 

 

「逃げるのか、それもいいだろう。

まあ罪が増えて一生追われる羽目になるけどな。」

「……。」

 

 

ここを脱走すれば評議員だけでなくギルドの魔導士までも敵に回す事になる。

流石に全てのギルドに勝てない。

 

 

「……。」

「諦めるのか…」

 

 

仕方無かった。

 

 

「全てのギルドを敵に回してまで外で暴れる気力は無い。」

「賢明な判断だ。

腹ただしいが貴方はまだ若い…釈放されるのを待つが良い。」

 

一体いつ釈放されるのだろう。

 

終身刑、無期懲役だったら笑えない。

死刑よりはましだが。

 

俺達を拘束している評議員は今頃旨い飯でも食べてるのだろうか。

評議員になれれば一生安寧と聞くが、捕まった今はなりたいと思えない。

 

 

「評議員共の顔が腹ただしい…」

「奇遇だな、同意見だ。」

「だろうな。」

「ええ、」

 

 

本当に腹が立ってくる。

今頃正規ギルドに自分達では手に負えない仕事を押し付けてるのだろうか。

S級クエストの一部とか。

評議員の魔導士は一部を除いて雑魚か老害ばかりだ。

 

それに比べてギルドは素晴らしい所だった。

戦争さえしなければだが…

 

 

 

 

 

朝日が牢獄の上の穴から差し込む。

日付が変わったのが分かった。

 

 

「ふん、今日が最後で無いと良いですね、処刑人はこの時間に呼ばれる。」

「何処から知ったんだ。」

「隣の人からですよ。」

 

 

そうこうしていると牢獄の入り口が開いた。

 

評議員が入ってくる。

そのまま牢獄を歩く。

 

コツ、コツ、コツ、コツ…

 

人が歩くのがこんなに嫌な音だとは思わなかった。

 

足音は近づいて来る。

俺とジョゼの方側に…

 

「……。」

「……。」

 

処刑だろうか。だとしたら逃げ出さねば…

 

 

コツ、コツ、……

 

 

足音が止まった。

 

 

 

 

 

俺の牢獄の前で。

 

 

「貴方のようですね。」

 

 

ガチャリと牢獄の扉が開いた。

 

 

「Bー19番!!!出てこい!!!」

 

俺は腰をあげた。

いつでも敵を蹴り飛ばす準備をする。

 

評議員に近づく。

 

 

評議員の1人が俺に近づいて…

 

 

ガチャッ…

 

 

「!!!!」

 

 

拘束具が外された。

 

なんだ…?

 

 

「お前を条件付きで釈放する。」

「!!!」

 

 

条件?何の事だ?

 

 

「詳しい事は上で説明する。ここを出よう。」

 

言われた通り、牢獄を出る。

 

 

「ジークレイン様がお呼びだ。」

 

ジークレイン…9人の主力の評議員の1人だ。

若くして評議員に選ばれた青年だとか何とか…

何だ?何が起こるんだ?

 

歩こうとすると後ろから声が聞こえた。

 

 

「彼は聖十大魔導の1人です、どうせ碌な目に遭いませんよ。」

 

 

後ろでボソリと呟くジョゼの声が妙に響いた。

 

 

ジークレイン…聖十大魔導か…

 

どんな人何だろう…

 






という訳で牢獄から即釈放される主人公。

まあ、相手が相手なので碌な目に遭わないでしょう。


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