危険な勧誘 作:ダークネスドラゴン
タイトル通りです。
怪し過ぎる。
闇ギルドを検挙して連行し、ERAに戻る。
階層を登る。
いつも通り、一室に帰った。
「ジークレインさん、只今戻りました。」
「おう、お疲れだなブルー。今回も早かったじゃないか。」
「面倒事はさっさと終わらせるに限ります。」
今日も仕事を終えてジークレインさんに報告する。
今回の闇ギルドは強敵だった。
300人近くの軍勢で街を占拠してきた。
いつも通り、俺が戦った。
全員を気絶させて、連れの評議員共は後ろに控えさせて拘束に専念させた。
敵は数は多かったが、質は高くなく、一撃で終わらせる事が出来た。
「いつもだが、お前にばかり悪いと思っている。」
「気にしないでください。」
「ふっ、お前ならそう言うと思った。」
ジークレインさんは椅子に座りながら俺の様子を観察している。
………。
相変わらずだな。
「今日も思念体なんですね。」
「悪いな、俺も忙しいんだ。」
「そう、ですよね…」
…今日も思念体だった。
相変わらず忙しいようだ。
だが、毎日その様子だと何か思う所がある。
「実はだな、」
ジークレインさんは座ったまま話を切り出した。
そして、机の資料を指差した。
「お前に頼みたい仕事があってな。」
「またですか?」
何度目か分からないやり取りにうんざりする。
どうして他の評議員共は使えないのだろうか。
「そうだ、お前にしか頼めない仕事だ。」
「……聞きます。」
仕方無く机の資料を取る。
話を聞くことにする。
この人も色々忙しいのだろう。
資料を一通り読んで見る。
これは…
「読み終えたか、実はだな…」
ジークレインさんはそう言って話を始めた。
何でも最近になって活動し始めた闇ギルドがあるらしい。
それもかなり強力な部隊のようだ。
評議員の部隊を送り込んだが返り討ちに遭い、その部隊は壊滅した。
そして、その組織はとある辺境の街を襲撃するらしい。
そこで俺にその場所で待ち構えて待機して欲しいとの事だ。
「今回も頼めるか?」
「……。」
俺は考え込んでしまった。
連日のように俺とその部隊ばかりが働いている気がするからだ。
「他には居ないのですか。連日のように俺は戦ってます。」
「知っての通り、誰も面倒事を引き受け無いのさ。上の老害共は当然動かないしな。」
「ですが…」
俺の部隊(本来ジークレインさんの部隊)はここ連日で移動している。
部隊の皆も休ませてあげたい。
彼らは使えないがそれとこれとは話が別だ。
「俺の部隊は休息が必要です。」
「ふむ、それもそうだな。お前もその部隊も疲れているだろう。」
「そうです、ですから。」
俺の返しにジークレインさんは少し考える。
そして、こう返してきた。
「なら、数日休んでから出動しよう。そして新しい部隊を引き渡そう。それで、手を打ってくれないか?」
「……。」
頑なに俺に頼んでくる。
どうしてもその闇ギルドを倒さなければならないようだ。
けど…
「えっ…と……。」
「ふむ、流石に気が参っているようだな。
う〜ん、どうしたものか…。」
ジークレインさんは少し考え込むようにしていた。
俺も首を簡単に縦には振れない。
こう言った仕事を簡単に引き受けてしまうと次から次へと使い回されるからだ。
「…う〜んそうだな…」
「………。」
俺達は一室で唸っていた。
と、そこにコンコンとノックの音がした。
「失礼するわ、ジークレイン様」
「……!!」
綺麗な黒髪が靡いた。
入ってきたのはウルティアさんだった。
「ブルー、いたのね。お疲れ様。」
「お、お疲れ様です。」
状況的に気まずい。
「あら、もしかして取り込み中?
あまり新人に無理させちゃ駄目よ。」
「いや、そう言う訳では無いさ。
なっ、ブルー。」
「あ、はい、そ、そうです。」
状況を察したらしいウルティアさん。
訝しげに俺達2人をを見てくる。
咄嗟のジークレインさんの言葉に乗る。
「一体何を話込んでるの?」
「何、大した事は無い、例の件さ…」
「例の件?見せて頂戴。」
そう言って俺の手元の資料を取るウルティアさん。
資料を読み始めた。
静かにじっと見ている。
「そう言うことね。はあ…。」
やがて、一通り読み終えると溜息を吐いた。
そして、俺の方を向いた。
「ブルー、ちょっと良いかしら。」
「あ、…はい。」
俺の眼を真剣な眼で見つめる彼女。
俺は背筋を伸ばす。
ウルティアさんは俺の肩に手を置いた。
そして、口を開いた。
「この依頼だけど、やっぱり貴方に受けて欲しいの。」
「…え…」
固まる俺に彼女は続けた。
「実はこの依頼は私に回ってきた依頼なのよ。」
俺に話し始める。
どうやらこの依頼はジークレインさんではなく、ウルティアさんに回ってきた依頼のようだ。
「でも、私はどうしても、手が離せないの。
私も今、闇ギルドと戦ってるのよ。」
「!!!」
闇ギルドと聞いて俺の肩が跳ねる。
ウルティアさんも上から仕事を押し付けられてるようだ。
俺と同じ…。
「受けたくないのは分かっている。貴方が疲れてるのも分かるわ。それでも、貴方しか頼める人がいないの。」
「……。」
俺の両肩に手を置いて眼を見詰める彼女。
真剣に頼んできている。
「お願い、この街の皆を護ってあげて…」
「……。」
そう言って俺に頼んできた。
「ブルー、いつもお前にばかり悪いと思っている。
その上で今回の件を頼みたい。頼む、この通りだ。」
ジークレインさんまでもが俺に頭を下げてきた。
2人が真剣に頼んできている。
俺はその光景を唖然として見ていたが、何とか声を絞り出した。
「ふ、2人共、か、顔を上げてください。」
俺は2人に顔を上げるように言った。
取り敢えず、この状況は不味いだろう。
そして口を開いた。
「ジークレインさん、俺、やっぱりその依頼受けます。」
「!!…本当かっ!?」
「ブルーっ!」
2人が声をあげる。
ウルティアさんの顔色が変わった気がした。
「はい、ウルティアさんも色々言って申し訳ありません。
やっぱり仕事は仕事です。俺はそれを忘れてました。」
「ブルー、そうだ、その通りだ…、頼んだぞ。」
「ブルー、ありがとうっ!!」
喜ぶ2人を見て思う。
やっぱり頑張らないと…。
「頼んだぞ、ブルー。」
「お願いするわ。」
そう言って笑う2人。
その姿を見て俺は心に決めた。
この人達と、俺は頑張ると。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「上手く行ったなウルティア。」
「ええ、それはもう完璧ですの。」
ブルーが去った一室で2人の男女が会話をしていた。
ジークレインが溜息を吐く。だが、その表情には愉悦が混じっていた。
「これで彼はもう帰って来ませんわ、もし運よく戻れたとしても…」
「既にボロボロ。戦闘力は無いと言うことか…」
そう言ってジークレインは嗤った。
ウルティアの表情は読めないが、この状況を楽しんでいるのだろうか。
「これで俺の夢を邪魔する者はいない…。」
「ええ、貴方の夢の為に私もこの日まで尽くしてきましたの。」
そう言うウルティア。その笑いが愛想笑いに見えるのは気の所為だろうか。
「この時を8年間も待っていたのだ。
待っていろゼレフ、自由は直ぐそこにある。」
「……。」
そう言って悪人面を浮かべるジークレイン。
何かが彼の中で達成されたようだ。
「……。」
その隣で彼の側近のウルティアは無表情でその様子を見ていた。
と言う訳で依頼を押し付けられる主人公でした。
怪しすぎますね。
主人公は一体どうなるのか?
なんというか、取り敢えず言えることは1つ。
文才が無いな。