危険な勧誘   作:ダークネスドラゴン

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ハデス戦後半です。


主人公はまだ生かします。






悪魔の眼

 

 

「冗談じゃねえぜ…」

 

 

眼の前で膨れ上がる魔力の濁流。

そのあまりの膨大さに俺は冷や汗をかいた。

眼帯を外し悪魔の眼を開眼したハデスの魔力は想像を大きく上回る程だった。

 

 

「クックック…力が漲ってくる。

どうだ、素晴らしいだろう。

これこそ我が真の姿、そして真の力じゃ。」

「…!!!…っ、」

 

 

ハデスは嗤う。

どうすればこの化け物に勝てるのか。

 

「見せてやろう、深淵の力を。

ゼレフ書第四章十二節より裏魔法天罰(ネメシス)

 

 

ハデスが魔法陣を発動する。

闇の魔法陣。

 

辺りがガラガラと鳴り出した。

 

 

「これはっ…!!!…」

 

 

周囲の様子が変化した。

 

倒れた倒木が黒く疼いている。そして、その形を崩していき、徐々にその姿を変えていく。闇の瘴気を帯びて、やがて化け物の姿へとその姿を変えていく。

 

あちらでは破壊された岩が変化していく。

 

周りの瓦礫から起き上がる音がした。

 

 

ゴゴゴゴゴゴゴッ

 

 

「!!!」

 

 

赤いゲル状の模様を持つ黒い何かが俺の眼の前に起き上がった。

 

一体だけじゃない。

何体も次々に瓦礫の数だけ立ち上がってくる。

異様な模様を持った数十体の魔物が俺の前に立ち塞がった。

 

黒い化け物は起き上がると此方を向く。一体一体が恐ろしい程の魔力を有しており、その眼が俺を捉えた。

 

 

「くくくっ、これが裏魔法天罰(ネメシス)

さあ行け悪魔達よ、あの青年を粉々に粉砕せよ。」

 

 

ハデスがその手を俺に向けた。

 

 

化け物達が、一斉に俺の方を見る。

そして、

 

 

『ウオオオオオッ!!!』

『ゴアアアアッ!!!』

『グオオオオオッ!!!』

 

ドドドドドドドドドドッ!!!!

 

 

一斉に向かって来た。

その紅い眼が俺を視界に捉え、怒りを込めて向かってくる。

 

先頭の岩から出来た化け物が闇に染まったその鋭い爪を振り上げる。

 

「!!!、闇の電撃波(ダークネス・サンダーフォース)!!!」

 

 

眼の前の化け物目掛けて闇の電撃波を撃ち込む。

電撃は怪物の中核に激突し、その中央から化け物は粉々に粉砕された。余波で後ろの2体にも雷が当たる。

 

だが、一瞬怯んだだけで向かって来た。

 

強大な悪魔が俺へと迫る。

 

 

『■■ッ!!!』

 

「っ…!!!」

 

 

ドガアアアアッ

 

 

その腕を地面に叩きつけた。

 

辺りが破壊され、地面が割れた。

 

 

「!!!、闇の光《ダークネス・レイ》!!!」

 

 

闇の光となり離脱する。

真上に移動する。

 

空に飛ぶ。巨大な魔法陣を発動。

 

 

闇の黒炎弾(ダークネス・フレア)!!!!」

 

 

ゴオオオオオッと漆黒に燃え上がる火球を悪魔目掛けて放つ。

 

ドオオオオオオンッ

 

 

灼熱の炎で木屑を素材にした悪魔達が燃え上がる。

その姿を崩し消えていく。

 

闇の電撃波(ダークネス・サンダーフォース)!!!」

 

岩と地面を素材にした悪魔が破壊され、その身体を崩していく。

俺は次々に照準を定めて魔法を放って行った。

 

しかし、一向に数が減らない。

 

 

「っ…あの野郎!!!」

 

 

後方を見る。

ハデスが新たな闇の悪魔を生成していた。

 

俺は目の前のモンスターを破壊しながらハデスへと迫っていく。

雷が降り注ぎ眼の前の悪魔を破壊した。

 

 

「!!!」

 

 

だが、その後方でハデスが片手に魔法陣を構えていた。

 

 

天刑(ジャッチメント)!!!」

 

 

瞬間、暗い空の色が変わる。

俺達のいる真上の空が暗く光り…

 

 

ピカッ

 

ドシャアアアアッ

 

「ぐあああああああっ!!!!」

 

 

天から紫黒の雷が降り注いだ。

空を飛んでいた俺に直撃し俺は苦悶の声を上げる。

そのまま地面に撃ち落とされた。

 

『ゴオオオオオッ!!!!』

 

ガゴオオオオオッ

 

「がはっ!!!」

 

 

眼の前の悪魔がその巨大な腕で俺を叩き付ける。

重い!!!!

身体が潰されそうだ。

 

 

「受けろ!!!!」

「!!!」

 

 

すかさずハデスが鎖を伸ばして俺を地面に拘束する。

俺はそれを破壊して脱出しようとするが、

 

 

『グオオオオオッ!!!』

 

 

ドガアアアアッ

 

 

悪魔が迫り、俺を攻撃する。

その腕で俺は叩き伏せられた。

 

 

「がああっ!!!、くっ!!!」

 

ドゴオオオオオッ

 

 

鎖を引き千切って脱出した。

そのまま、距離を離す。

 

『オオオオオッ』

 

 

「っ…!!!!、闇の破壊光線(ダークネス・デストロイア)!!!」

 

 

闇の破壊光線が眼の前のモンスターを粉砕する。数頭破壊して、ハデスに向かっていくが、

 

 

天獄(プリズン)

 

 

ハデスの周りに闇の牢獄が現れた。

牢獄がハデスを護るように立体化し、破壊光線による攻撃は阻まれた。

 

「くっ…」

「ははははははっ!!!!、無駄じゃ!!!、行け、悪魔達よ!!!!」

 

 

悪魔達が一斉に俺に襲い掛かる。

魔法で応戦するが次々に悪魔達が突撃来て、俺の腕に噛み付いた。

 

「がああああああ!!!!」

 

 

痛みに悲鳴を上げる。

後ろから赤い模様の悪魔が大量に向かってくる。

突撃してきた魔物達が次々俺の身体に喰らいついた。

 

 

「ゴフッ!!!」

 

 

血を吐いた。

魔物の強靭な顎と牙で身体が引き千切られる。

 

 

「ふははははははっ!!!!遂に力尽きたか!!!終わりじゃ!!!

貴様に足りぬもの、それは深淵へと進む覚悟じゃ!!!

貴様は大魔法世界には行けぬ!!!」

 

 

大魔法世界?

何だ…!?

身体中に痛みを受けながら俺の耳にハデスの声が響く。

 

「終わりじゃ!!!、悪魔達よ、その青年を喰らいつくせ!!!」

 

ハデスの掛け声と共に周囲にいた悪魔達が全て俺に飛び掛かる。

眼の前に大量の魔物が迫る。

 

 

「……。」

 

 

俺は眼を閉じた。

 

 

そして、再び眼を見開いた。

 

瞬間、視界が紅く染まった。

 

 

 

 

 

 

 

ハデス視点

 

 

 

掛け声と共に赤い模様を持つ大量の悪魔が青年に襲い掛かった。

 

一体一体が強大な魔力を持つ魔物。

その魔力は今のハデスに匹敵する程だ。

幾らあの青年が強くてもこの攻撃を受けて生きてる魔導士はいない。

そう思った。

 

 

「終わりだ。」

 

 

殺すには惜しい若造だった。

七眷属を大きく凌ぐ魔力を持っており、従順な青年。

もし自分の部下になれば重宝するが敵である以上逃してはおけない。

 

 

大量の悪魔達が青年を埋め尽くす。

このまま消して終わりだ。

さらばじゃ青年よ。そう思った。

 

 

 

「!!!!!」

 

 

視界の中央からカッと何かが光った。

 

 

 

 

 

次の瞬間、ハデスの視界が紅く染まった。

 

 

「何っ!!!」

 

 

 

そして、眼を疑う光景が見えた。

視界の中央、悪魔達の中から真紅の光と闇が現れた。

 

瞬間、爆発的にそれは広がった。

光のコロナのように広がるそれは辺り一体を真紅が埋め尽くす。ハデスの視界は真紅の光景だった。

 

 

「!!!!」

 

『グオオオオオオオッ!!!!』

 

 

中央から現れた光によって集まっていた悪魔達が皆消されて行く。

 

否、光殺されていく。

 

その波紋は徐々に広がっていき、辺りを真紅が飲み込んだ。

紅き闇が混じったブラックホールの如くそれは広がっていく。それは落雷を発生させ、その雷がハデスに降り注いだ。

 

「がああああっ!!!!」

 

 

雷に撃たれ苦悶の声を上げる。悪魔の眼を開眼させたのにも関わらず多大なダメージを受ける。衝撃で身体が動かなかった。

何とか起き上がろうとして眼の前を見ると強大な悪魔達が光に殺されていた。一体一体が悲鳴を上げてその身体を消されていく。

 

 

 

 

そして、ハデスの眼の前から一体残らず悪魔が消えた。

 

 

そしてその光は収束されていき、それが収まる。

 

 

「バカな…」

 

 

あれ程の魔力を持った悪魔が一体残らず消された。

今の自分に匹敵する魔力を持つ生命体がいとも簡単に光殺されていった。

 

眼の前の光景がハデスは信じられなかった。

 

 

ハッとして収まった光源を見る。

 

 

 

 

 

「随分待たせたな、今、終わらせる。」

 

 

 

聞こえないはずの声が聞こえてきた。

 

そこには眼を真紅に光らせ、闇の魔力を纏ったあの青年が立っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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