危険な勧誘   作:ダークネスドラゴン

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この章で主人公の眼と魔法、過去に少し触れます。






犠牲の魔法

 

駆け寄ってきたルーシィが俺を揺さぶる。動かないのが分かり、死んだと思ったのか涙を流していた。エルザさん達も此方に駆け寄ってきた。

 

 

「っ…貴様等…」

 

「おい、ブルー、テメエ嘘だろっ…!!起きやがれ!!」

 

 

グレイだったかな。俺を強く揺さぶってくる。ハデスの声が聞こえてくる。

 

 

「ふ、遂に力尽きたか…望み通り、評議員は返してやろう」

 

 

倒れたままの俺の耳に声が聞こえてきた。どうやら俺が死んだと見て、約束は守るようだ。これで人質は居なくなった。

 

 

「貴様等、なんて事を!!悪魔の心臓(グリモアハート)!!お前等の目的はなんだ!!人を騙してRシステムを作らせて何を企んでる!!」

 

「ほう、その若造から聞いたのか。まあ良い、計画実行も目前だ。教えてやろう」

 

 

…建物の中に評議員はいない。ERAの前に俺達と全ての評議員が集まっている。このままだとみな殺される。全員がここに集まってはいるから。

 

 

「我々が望む事、それはゼレフ復活による大魔法世界だ」

 

 

エルザさんの言葉に対して、もう隠す必要は無いと判断したハデスが話し始めた。Rシステムの建造は悪魔の心臓(グリモアハート)が活動する為の目眩ましだった事。伝説の黒魔道士ゼレフによって大魔法世界が作られる事を。

 

 

「お前達にとっても悪い話ではあるまい、不要な人を消し去り、世界に有益な我々だけが生き残る。そして、より世界を発展させるのだ」

 

「その為にジークレインにゼレフ復活を目論ませたのか、貴様等が考えてる事は唯の思い上がりだ!!」

 

「ふっ、ゼレフ復活か…どうやら知らないようだな。あの黒魔道士が今どうなってるかを。まあ良い、それはお前達の知る必要の無いことだ。何故ならここで全員消えるからな」

 

 

やはり全員を消すつもりだったようだ。その為に邪魔な俺を真っ先に潰したらしい。ハデスから見たらエルザさん達から感じられる魔力なんて足元にも及ばない。分かりきった事だった。俺を潰しただけで奴等が終わりにする筈が無かった。

 

 

「ふっ、貴様等にはこれで十分だ。天照28式…」

 

 

止めの準備と言わんばかりにハデスは魔法陣を発動させた。瞬間、俺と妖精の尻尾(フェアリーテイル)の面々の周りで魔力が爆発する。

 

明らかに俺に攻撃した魔法よりは小さな爆発だったが、それでも妖精の尻尾(フェアリーテイル)の面々を潰すには十分過ぎる程の威力だった。

 

 

「くっ…」

 

「うっ…」

 

 

大ダメージを受けたらしいナツ達。動こうとするが手足が動かなかった。俺を抱き抱えていたルーシィがそのまま俺の上に覆い被さった。

 

 

「おっと、動くだけ無駄だ。止めは同じ魔法で殺してあげるか」

 

 

ハデスは下にいる評議員やエルザ達に魔法陣を構えた。この場で全員殺す気のようだ。再び闇の魔法陣が辺りに現れたのが分かった。

 

俺はそっと魔法を構える。ERAの中の魔力反応を確認する。大丈夫、全ての評議員がここに居る。なら、やる事は決まっている。

 

 

「天照百式、これで終わりだ」

 

犠牲(サクリファイス)

 

 

最後の力を振り絞って犠牲(サクリファイス)を発動させる。これで全ての攻撃は俺に向かう。瞬間、辺りに展開された魔法陣が闇の大爆発を起こした。

 

俺の身体に更なるダメージが掛かった。普通の人間だったら当然死ぬ程の攻撃。しかし俺の身体は残っている。何故だろう。

 

しかし、これなら何の問題も無い。傷が増えたなら消せばいい話だ。俺は自分や周りを回復させる魔法を持っている。

先ずは妖精の尻尾(フェアリーテイル)の皆を治す。

 

 

犠牲(サクリファイス)

 

 

爆発の中で魔法を発動させる。先程のハデスの魔法を受けて傷だらけの妖精の尻尾(フェアリーテイル)の面々が受けたダメージを肩代わりする。ボロボロの身体に鞭を打ったのだから痛いに決まってる。

 

 

「っ…あれ、私、やられた筈じゃ…」

 

 

爆発の中で直ぐ近くのルーシィの声が聞こえる。

 

 

彼女の身体は全回復させた。同時に俺の傷も増えてる。

 

しかし大局的には何の問題も無い。俺が受けたダメージはこの魔法、否、この力で全て回復させるのだから。

 

 

真紅眼(レッドアイズ)…」

 

 

瞬間、ERAのある街全体を真紅の光が染めた。同時に俺の身体が全回復する。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ぼんやりと脳裏に浮かぶ光景。とある病院の1室。

 

 

 

『残念ですが。魔力欠乏症は簡単に治るものではありません』

 

『そんな、何とかならないのですか…』

 

 

病院にて俺の目の前で2人の人物が何かを取り込んでいる。医者である男性の方は首を横に振り、少年は必死に何かを頼み込んでいた。その横のベッドでは1人の若い女性が寝かされていた。

 

 

『申し訳ないが、現在の医療では無理です』

 

『嘘だ…こんな事って…』

 

 

少年が崩れ落ちる。彼にとって寝室で眠っている人物は心の支えとなる人物だった。医師からは治らない病であると言われて愕然とする少年。少年は歯を食いしばるしか無かった。

 

 

『エリス姉…』

 

 

少年に出来ることは姉が死ぬまで待つことだけだった。悲しむ少年。

 

そんな中、看護師の1人が少年を見ていた。

 

 

場面は変わり夜、病院で少年は1人ベッドの横で眠っていた。そこに近づく1つの影。

 

 

『よ、少年B君、起きてる?』

 

『っ…看護師さん…』

 

 

疲れ切った様子の少年を見て、看護師は笑った。

 

 

『ちょっと、外行かない?』

 

 

 

場面は変わり、病院の外で1人の女性と少年がベンチに座っていた。

 

 

『魔力欠乏症を治す方法か…』

 

『知ってるんですか!?』

 

 

少年は縋り付くように食い下がった。看護師は笑うと、一冊の本を取り出した。

 

 

『皆には内緒だよ。本当はね、使っちゃいけない魔法なんだけどね。けど1つある』

 

 

本のページを開いた。そしてペラペラとページをめくっていく。そしてとあるページで止めた。

 

 

『内緒だよ。この魔法を君に使わせたと知ったら私がどんな目に遭うか分からないじゃない?けど、魔力を持ってる君なら出来ると思うんだ。この()()()()を習得出来るって信じてるよ』

 

 

光景が歪んで消えていく、そして気付いた。あれは、あの少年は、幼い日の自分の姿である事に…

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「ブルーっ…」

 

 

再び立ち上がった俺を見てルーシィが喜びの声をあげる。死の寸前で状況がひっくり返った。彼女の目は希望を見出したように輝いていた。

 

…もしかしたら俺は彼女に思った以上に頼りにされていたのかもしれない。だとしたら、唯一ハデスに対抗出来る俺の復活は何よりも待ち憧れていたものだっただろう。

 

 

「なんて魔力…それが真の姿か…」

 

「あ…、あ…」

 

 

エルザさんは高まった俺の魔力に戦慄し、ナツとグレイは震えていた。ルーシィだけが安心にも似た表情で俺を見ている。

 

 

「な、何が起きて…」

 

「……」

 

 

ERAの上階から驚愕の眼で俺を見詰める悪魔の心臓(グリモア・ハート)の面々。その中で1人、落ち着いて俺を見るハデス。

 

 

「何故だ。貴様は前にも死の寸前から復活した事がある。加えて魔力までもが高まっている…」

 

「皆に手を出したな。全員殺す気だったのは分かっていた。苦痛をはね返してやる。速攻で決める」

 

「ふむ、その足手まとい共を庇いながら戦えるのか?試させて貰う」

 

 

戦意を迸らせる俺に対してハデスは魔法陣を構える。最初から作っていたあの魔法陣だった。

 

 

「全員消えろ、悪魔の法律(グリモア・ロウ)発動!!」

 

犠牲(サクリファイス)。全てのダメージは俺が受ける」

 

 

ハデスの超絶審判魔法に対して俺は魔法を発動させる。闇の光が辺りを紫に染めた。その波紋が街中を照らすが、その光を受けたのは俺だけだった。眼から出る光が俺を護るように包み込む。

 

真紅の闇のオーラーと悪魔の法律が発する紫の光がぶつかり合う。

 

 

 

コオオオオオオッ

 

 

2つの魔法が激突し、やがて俺の周りで魔力による暴風が起こる。周囲の者はその魔力に吹き飛ばされる。

 

 

「ブルー!!」

 

 

妖精の尻尾から叫び声があがる。魔法が収まっていく。

 

 

「そんな攻撃では俺は倒せない」

 

「何っ…」

 

「わあっ…」

 

「おおっ…」

 

 

妖精の尻尾(フェアリーテイル)と評議員から感嘆の声があがる。驚く敵一同。流石にほぼダメージを与えられないのは想定外だったようだ。

 

 

「悪魔の眼、開眼!!」

 

 

ハデスも魔力を解放する。奴の眼が赤く光り、闇のオーラーを纏う。

 

 

「奴も化け物だ!!気をつけろブルー!!」

 

「なんて魔力だ、まだ上がっていく…」

 

 

あり得ない程増幅していく開眼したハデスの魔力に身体が動かない一同。

 

しかし、俺は一度見ている。だからこそ俺は上昇していく奴の魔力に構わず魔法を発動させる。

 

 

闇の黒渦(ダークネス・ホール)

 

天獄(プリズン)!!」

 

 

ハデスの足元に黒渦を発動させる。黒の渦はハデスを飲み込んだが、ハデスも防御魔法である闇の牢獄を発動させた。牢獄ごと、闇の渦がハデスを飲み込んで行く。

 

 

「ブルー、私達も戦うぞ」

 

 

エルザさんが真っ先に立ち上がった。他の魔道士達も立ち上がり、構える。

 

 

「ヒャッハー!!神の炎で全員燃やしてやるよお!!」

 

「ふっ、妖精女王(ティターニア)火竜(サラマンダー)…、相手にとって不足はない!!」

 

「あれはグレイ・フルバスター…、ウルティアの敵…」

 

 

ERAから敵の精鋭達が飛び降りてくる。妖精の尻尾(フェアリーテイル)の精鋭を狙っていた。

 

 

「喰らえや!!」

 

「受けろ!!」

 

 

そのまま大木や、黒い炎、或いは具現化した化け物を俺に飛ばしてくる。

 

 

闇の渦(ダークネス・ホール)

 

 

それらの攻撃を魔力吸収体である闇の渦で吸収する。無事受け切った。こんな程度の魔法、たわいもない。

ハデス以外はあの戦いから体力も魔力も回復仕切ってないと見た。

 

振り返って後ろにいる連中に声をかける。

 

 

「他の奴らを任せる!!敵の魔法は全て俺が受ける。俺はマスターをやるから、ひたすら攻撃頼む!!」

 

 

天刑(ジャッジメント)

 

 

直後、真上の空が光る。上空に浮かぶ悪魔の心臓(グリモアハート)の戦艦の上からの魔力だった。どうやら闇の黒渦(ダークネス・ホール)によってハデスはそこに吐き出されたらしい。しかも防御魔法を展開していたせいか魔力を保ったままだった。

 

 

ハデスの魔法により、天より紫黒の雷が降り注ぐ。

 

狙いは俺の後ろの魔道士達。

 

 

闇の翼(ダークネス・ウィング)

 

 

オオオオオオオオオオッ

 

 

巨翼の魔法で妖精の尻尾(フェアリーテイル)の皆を護り、翼で雷を受ける。真紅の電撃波を纏った数十mはある幅広い闇の翼はハデスの攻撃を吸収した。魔力と風圧に降り注いだハデスの雷は吸収あるいはかき消された。

 

 

「凄い…、ブルー、気をつけて!!ジュビア、水の魔法をお願いっ!!あの炎を出してる金髪の人を倒すわよ!!」

 

「命令口調が気に入りませんが、元エレメント4、大海のジュビアにお任せを」

 

「へへっ…任せろ、あの大木野郎は燃やしてやる!!」

 

 

背中からルーシィとジュビア、ナツの声が俺に聞こえた。大丈夫なようだ。

 

俺は上に跳んだ。ドンッと跳んだ反動で地面が割れる。そのまま上空に浮かんでいる悪魔の心臓(グリモアハート)の戦艦の上に飛び乗った。そこにはハデスが待ち構えていた。

 

 

「ふっ、良いのか?あの若造共に儂の部下の相手を任せるとは…」

 

「彼らにダメージを与えさせない。攻撃を受けるのは俺だ」

 

 

悪魔の心臓(グリモアハート)の魔道士の攻撃は全て上空に浮かぶ戦艦の上に飛んで来る。俺の方は纏った魔力でガードしていた。大木の攻撃や、黒い炎が俺の魔法、犠牲(サクリファイス)で強制的に船の上まで飛んでくる。これくらいの魔法等、今の俺にとっては強風程度でしかない。

 

 

「ふん、やはりあの魔道士共は足手まといだったか、これで貴様は常に体力を削られる一方じゃ、儂の攻撃で倒れるか、部下の攻撃で倒れるか、選ばせてやる!!」

 

「生憎倒れるのは俺じゃない。お前達全員だ。」

 

 

「裏魔法天罰(ネメシス)!!」

 

闇の雨(ダークネス・レイン)!!」

 

 

ハデスが膨大な魔力を持つ化け物となった自身と同レベルの魔力を持つ悪魔をあちらこちらに生成する。

 

それに対して俺は中央が真紅に光った数十mの巨大な魔法陣から降り注ぐ、闇のレーザーで悪魔達を攻撃する。

 

 

「どれだけ、殺しても無駄じゃあ!!貴様の魔力が尽きるまで精製してやる!!裏魔法天罰(ネメシス)!!」

 

 

ハデスはそう言うと悪魔をERAの前にも大量に生成した。

 

 

 

「何っ…!?」

 

「何だこれは…!!」

 

 

ERAの周りに悪魔達が現れる。

その悪魔達の魔力にビビる評議員と正規ギルドの魔道士達。

 

 

「うあ…」

 

「な、何だこの化け物の魔力は…」

 

 

悪魔の眼を開眼したハデスに匹敵する魔力の化け物達に妖精の尻尾(フェアリーテイル)も評議員も怯んでいる。

 

 

…下にいる仲間を攻撃するとは…、俺の気配りを上下に分断する気だな。ハデスめ、汚い奴だ。

魔法陣を構える。闇の雷が迸る暗天からの落雷の魔法。

 

俺は空の戦艦の上から、下にいる皆に大声で呼びかけた。

 

 

「怯むなっ…!!俺が全部倒す!!

闇の電撃波(ダークネス・サンダー・フォース)!!」

 

 

空に巨大な漆黒の魔法陣を発動させる。街中の空を覆った魔法陣が暗く光った。

 

 

 

ピカッ

 

 

ドシャアアアアアッ

 

 

そしてフィオーレの空から闇の電撃波が一気に悪魔達の方に降り注ぐ。街全体を破壊しそうな程の威力の電撃波に悪魔達は次々に破壊されていく。

 

 

「ブルー…、ったく一番美味しい所持っていきやがって。聞こえたかあ!!俺達は負けねえ!!早くこいつらを倒してブルーに加勢するぞ!!」

 

「「「「おおおおっ!!」」」」

 

 

ナツの声に再び勢い付いた正規ギルドと評議員側。敵の魔法は俺の犠牲(サクリファイス)で勝手に俺の方に飛んで行ってしまうため、悪魔の心臓(グリモアハート)側はほぼ素手での戦いになっていた。魔法が使える正規ギルド側が一気に押していく。地上での戦いは一方的になっていた。

 

 

「ふははははは!!!」

 

 

しかし、俺は別だった。

 

目の前の悪魔達の放った闇の光線も俺に降り注ぐ。

 

 

「くっ……」

 

 

俺はあまりの痛みに少し後退した。

 

 

「くははははっ、貴様の体力が尽きるのも時間の問題じゃあ!!悪魔の法律(グリモア・ロウ)発動」

 

「ぐっ……」

 

 

ハデスが再び、先程の魔法を発動させる。攻撃と犠牲(サクリファイス)に魔力を割いてる為、防御魔法を展開する程、余裕がなく、ハデスの魔法を直に受ける。

 

 

かなりのダメージが俺を襲った。

 

このままでは持たない。実質、敵全員に一方的に攻撃され、魔力は消耗する一方だった。

 

仕方が無い。使うしか無かった。

 

 

この状況をひっくり返す為に、俺はハデスを殺す覚悟で魔法陣を発動させた。

 

俺の魔法の中でも恐ろしい程の破壊力を持つ強力な魔法。

 

 

闇の破壊光線(ダークネス・デストロイア)!!」

 

天獄(プリズン)…、ぐああああああああ!!!」

 

 

中央が真紅に光る戦艦如き軽く両断する程の巨大な魔法陣を発動。闇の破壊光線をハデスに激突させる。ハデスは防御魔法を使ったが、防ぎきれず大ダメージを受ける。フィオーレの空を極太の凶悪な威力の闇の光線が通過する。それは地上にいる人達全てに見える程大きなものだった。

 

 

破壊光線の威力で戦艦が全壊した。完全に消滅している。

 

戦艦が消滅し、何も無くなった空中で風圧で吹き飛ばされる俺とハデス。そのまま空中で体制を立て直し、奴に向かう。

 

 

「ぐっ…」

 

「!?」

 

 

同時にハデスの赤く染まっていた眼が元に戻っていた。そして高まっていた魔力も元に戻っていた。理由は分からないがチャンスだった。

 

 

「終わりだ!!闇の魔剣(ダークネス・ブレイド)…」

 

 

その時…、俺の眼から真紅の光が消えた。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

合体魔法(ユニゾン・レイド)!!」

 

「滅竜奥義、紅蓮爆炎刃!!」

 

氷泉(アイス・ゲイザー)!!」

 

「明星・光粒子の剣(フォトンスライサー)!!」

 

 

「「「「ぐあああああ!!」」」」

 

 

地上での戦いも決着がつきかけていた。

 

ジュビアとルーシィの召喚した星霊・アクエリアスの合体魔法にてザンクロウが撃破され、ナツの必殺奥義でアズマが焼き尽くされ、グレイの氷魔法でラスティローズが氷漬けになり、エルザが光を発する剣で華院・ヒカルを撃破していた。

 

 

「くっ…」

 

「うっ…」

 

 

残りの悪魔の心臓(グリモアハート)の幹部はまだ歳も足りない少女メルディとカプリコーンのみ。どう見ても正規ギルド側に分があった。

 

 

ドオオオオオオオッ

 

 

 

「っ…」

 

「うわああああ!!何だっ!?」

 

 

その時、空からの風圧が襲って来た。あまりの風圧で吹き飛ぶ者多数。

 

 

「なっ…戦艦が消えただと…!?」

 

 

空を見ると極太の闇の破壊光線が戦艦を消滅させていた。戦艦の影は跡形も無く消え去っていた。

 

 

そして、落ちてるくる影があった。

 

 

ドサッ、ザッと落下してきた2つの影。それぞれ、落下し、地面に墜ちる。片方は地に倒れ、もう片方は何とか立ったまま、しかし頭を押さえていた。

 

 

「魔力が…儂の心臓が…」

 

「っ…」

 

「なっ…嘘だろ!?」

 

 

倒れている人影を見て、悪魔の心臓(グリモア・ハート)の構成員が叫ぶ。彼らにとって最強の魔道士だと信じ込んでいた自分達のマスターが倒れているのが受け入れられなかった。

 

 

一方…

 

 

「ブルー…!!」

 

 

頭を押さえている青年の方に駆け寄るルーシィ。彼女の髪は先程の戦闘で解けて下ろされていた。その声には歓喜と心配が入り交じっていた。

 

 

「…ルーシィ?」

 

「大丈夫!?あっ…」

 

 

頭を押さえたまま彼女の名前を呟く青年。ルーシィは駆け寄って気付いた。彼の身体が全身ボロボロである事に。

 

 

「お、俺達への攻撃を全部受けてたから…」

 

「ブルー、おい、どうしたっ…!!」

 

 

頭を押さえて動かない青年にグレイとナツも駆け寄ってきた。

 

 

「逃げてくれ…」

 

「えっ…?」

 

「頼む…、俺から離れろ…でないと…」

 

「ブルー…?」

 

 

青年の周りにいる妖精の尻尾(フェアリーテイル)の面々は顔を見合わせた。何故、この状況で自分達にそんな事を言うのか分からなかった。

 

その様子を見て立ち上がった者がいた。

 

 

「っ…はははははははっ!!!どうやら限界なのは貴様も同じようだな!!これで終わりにしてやる」

 

「っ…」

 

 

動かない青年の姿を見て声高に嗤い立ち上がったハデス。

 

その手には魔法陣が構えられていた。

 

 

「これで終わりだ!!悪魔の法律(グリモア・ロウ)、発…」

 

「っ…ぐああああああああああ!!!」

 

「ブルー!?」

 

 

急に青年、ブルーが苦しみの声をあげた。

 

そして、その眼が()()に光る。

 

 

そして次の瞬間…

 

 

ドオオオオオオオッ

 

 

「何っ…、ぐあああああああああ!!!」

 

 

急に目の前のハデスの体内の魔力が一気にブルーの身体に吸収れた。構えられていた悪魔の法律(グリモア・ロウ)の魔法陣はたちまち魔力を吸収され、消えてしまった。

 

本来なら多様である筈の彼の魔力。滅竜魔道士(ドラゴンスレイヤー)ですら原則1つの属性しか吸収出来ないものだった。故にハデスの魔力が全て吸い取られる筈は無かったのだが…

 

 

「はっ…」

 

 

ルーシィは目の前の光景を見た。

ハデスの身体からブルーへと吸収されていく魔力。

 

その属性は…放出された瞬間に全て闇に変わっていた。

 

 

 

 

 

 






はい、というわけで悪魔の心臓との戦いでした。

まだ、何かありそうです。


真紅眼が主人公にどのような働きをしていたのか。

次の話で出していこうと思います。


アンケートに答えてくれた方々へ、ご協力、ありがとうございます。

先日書きましたのはまあ私自身の解釈なので意見が合わない方も多数いると思います。

この認識の違いは多分この小説にも現れると思いますので、もし、出てきたらこの小説はそう言う前提で進むのだと思ってください。









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