危険な勧誘   作:ダークネスドラゴン

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何だろう。やっぱりフェアリーテイルの二次創作自体が最近少なすぎる。


続きを読みたい作品が沢山あるので皆様も頑張ってください。


では、主人公の身体に異変が起きた所からです。







真紅眼が護っていたもの

 

 

「ぐあああああああああ!!!」

 

 

眼の前にいる高い魔力を持つ深淵の魔道士、ハデスの魔力が強制的に放出された。体外に放出された魔力が空気中に漂い俺の方に流れて行く。

 

それだけではない…

 

 

「ハデスの魔力が闇属性に変化しているだと…!!」

 

「何だ…この能力は…!!」

 

 

エルザさん、そして悪魔の心臓の幹部らしき人が思わず叫んだ。

ハデスの体内から放出された様々な属性の魔力は、空気中に出た瞬間に全て闇属性に変化した。漆黒の闇属性と化したそれを魔力の濁流のごとく俺の身体が吸収していく。

 

 

「っ…!!!」

 

「ぐああああああああっ…!!!!」

 

 

魔力反応を抑えようとするが抑えられない。俺の身体は絶え間なくハデスの魔力を吸収していく。

 

そして遂に…最後の闇が吸収される。

 

 

「が…あ…」

 

 

眼の前の老人が倒れた。魔力を吸収され続け、完全に体内の魔力が切れたのだ。バタリと倒れるハデス。

 

 

「そんな…馬鹿な…」

 

「マスターハデス!!」

 

 

自分達のマスターが魔力欠乏症で倒れたのを見て、思わず悪魔の心臓の魔道士であるピンク髪の少女、メルディが叫んだ。

 

近づくとハデスの呼吸が弱くなっていた。身体の力も抜け切っており、完全に魔力欠乏症の症状が起きていた。

 

 

「…っ…不味い…」

 

 

俺は思わず身体を抑えて蹲った。

 

このままでは…

 

 

「ブルー…」

 

「…っ…駄目だ…離れてくれ…!!」

 

 

ルーシィが心配そうに寄り添おうとするが、この状態は非常に不味い。身体の疼きが抑えられない。必死に身体を抑えつける。

 

俺が蹲ってる中、足音が近づいて来る。

 

 

「何事だ」

 

「何が起きてるの…」

 

 

ERAから2人の人物が出て来る。1人は青髪と片目の周りに刺繍のある青年ジークレイン。もう片方は黒髪の女性ウルティア。

 

 

「ジークレイン…」

 

「エルザ、来てたのか…まあ良い」

 

 

ジークレインを見たエルザの表情が厳しくなる。ジークレインは表情を崩さない。

 

2人は辺りを見回す。ウルティアの眼に倒れているハデスと寄り添うメルディの姿が映る。

 

 

「っ…な、何が起きたの…」 

 

「どうしたウルティア」

 

「い、いえ…何でもありませんわ…」

 

 

ウルティアの顔が驚愕の表情に変わる。ジークレインが不思議そうに彼女を見る。が、直ぐに騒動の中心である俺の方に歩いてくる。

 

 

「ブルーよくやったな、ご苦労だった」

 

「…ジークレイン…さん…」

 

「…えっ…」

 

 

ジークレインが俺の方に近づく。

急な上級評議員の登場にルーシィは困惑していた。

 

ジークレインはハデスに寄り添うメルディと近くにいるカプリコーンを見る。そして…

 

 

「ふんっ!!」

 

 

「ぐあっ」

 

「きゃあ!!」

 

 

圧倒的な魔力で2人を吹き飛ばした。そのまま2人は気絶するように倒れた。

 

ジークレインは周りにいる評議員に指示を出した。

 

 

「お前等、全員を拘束しろ、ここは俺が何とかする」

 

「「「はっ…はいっ!!」」」

 

 

悪魔の心臓(グリモアハート)の構成員を拘束し始める評議員達。間もなく全員を捕らえて牢に連れて行った。

 

 

「終わったか、お前等解散しろ」

 

「「「はっ!!」」」

 

「すまんのう、ジーク君、ブルー君も…」

 

 

評議員の部隊は解散する。

皆、ERAの中に入っていく。雑兵達は上級評議員に肩を貸して連れて行った。ERAの前庭から人が去っていく。

 

 

そして…

 

 

 

ERAの前に残されたのは、未だに身体の暴走に苦しむ俺とジークレイン、ウルティア、そしてフリーの魔道士ジュビアと妖精の尻尾(フェアリーテイル)の面々だった。

 

 

「…っ…」

 

「……」

 

 

未だに身体の内部から出る魔力反応を必死に抑えるために蹲る俺。それを上から見下ろすジークレイン。その目が見下ろす目から、嘲笑に変わった。

 

 

「動けないのか」

 

「っ…」

 

「ジークレイン様…」

 

「ふっ…、分かっている。どうやら遂に限界が来たようだな」

 

 

俺の様子を見て、俺が身体の痛みに苦しんでいるとでも思ったのだろうか。その口元が嗤った。一歩近づいた。

 

 

「よくやった、お前の仕事はここまでだ」

 

 

俺の上に手を翳す。そっと上を見上げるとその表情は嗤っていた。

 

そして…

 

 

ドンッ

 

 

「っ…!!」

 

 

急に身体に魔力の重みがのしかかって来た。

 

 

「な、何を…!!」

 

「ほう、まだ倒れないか、大したものだ」

 

 

ドンッ

 

ドンッ

 

 

2発、3発と次々に魔力を放ってくる。明らかに俺を潰そうとしている。俺は身体の内部との戦いで動けなかった。

 

 

「っ…ブルーに何するのよ!!」

 

 

様子を見ていたルーシィが間に入る。

 

 

「邪魔だ」

 

 

ドウッ

 

 

「きゃあああ!!」

 

 

「「「ルーシィ!!」」」

 

 

ジークレインが魔力でルーシィを吹き飛ばした。妖精の尻尾の面々が思わず叫ぶ。

 

 

「て、テメエ!!」

 

「ルーシィに何しやがるっ!!!」

 

「ジークレインっ…!!!」

 

 

仲間を傷つけられた怒りで妖精の尻尾の面々が次々にジークレインに攻撃する。ナツは炎を纏い、グレイは氷の刃を作り、エルザさんは剣を構えた。

 

しかし、隣にいるウルティアが魔法陣を構えた。

 

 

「全ての時を未来へ…」

 

 

ウルティアが魔法を発動する。

 

途端に炎は消え、氷は消滅し、剣はボロボロになり刃が崩れて行った。

物体の時を操る魔法、時のアーク。ウルティアはこの魔法で動物の細胞以外の全ての時を操ることが出来る。

 

 

更に、

 

 

「フラッシュ・フォワード」

 

「「「ぐあああっ!!!」」」

 

 

手で操っている球体の魔水晶をナツとグレイに一斉発射する。

 

 

「貴様ぁっ!!!!」

 

 

エルザさんが新たな剣を持ち攻撃してくる。ジークレインはエルザさんに向けて片手を構えた。

 

 

「ふんっ!!」

 

「ぐあっ!!」

 

 

ジークレインの魔力で吹き飛ばされるエルザさん。しかし再び体制を立て直す。そのまま向かって行こうとするが…

 

 

「なっ…」

 

「動かないで、さもないとこの娘の命は無いわ」

 

「うぐっ、くうううっ…」

 

 

ウルティアがルーシィを捕まえていた。その首を絞めて魔法陣を構えている。ジークレインは俺の背中を踏みつけた。

 

 

「貴様等、なんて卑怯な!!」

 

「くくくっ…、折角ここまで来たんだ。計画を邪魔されたくないな、おい、出てこい」

 

 

ジークレインの掛け声と同時に建物の影から1人の女が現れる。

 

 

「ふふっ…、三羽鴉(トリニティ・レイヴン)の長、斑鳩が参るどす」

 

 

怪しげな女が現れる。斑鳩と名乗る長刀を持ったピンク髪の和服姿の女…

 

 

「っ…あいつは闇ギルド、髑髏会の女だ!!」

 

 

エルザさんが叫んだ。

 

 

「何故、闇ギルドの奴が評議員と…」

 

「ジークレインはんの命令どす」

 

 

グレイの疑問に正直に答える斑鳩。ジークレインが眉を潜めた。

 

 

「余計な事は言うな、斑鳩、さっさとやれ」

 

「了解どす。無月流、夜叉閃空…」

 

 

斑鳩が刀を構える。

 

 

次の瞬間、斑鳩の姿が消えた。

 

空を切る音が数回鳴った。

 

 

「なっ、何処だ!!」

 

「後ろどす」

 

 

グレイが気付いた時には斑鳩は後ろにいた。

 

 

「貴方達はもう立てないどす」

 

 

瞬間、血飛沫が発生した。

 

 

「っ…があああああっ!!!」

 

「ぐああああああああっ!!!」

 

「ナツ!!グレイ!!」

 

「っ!!」

 

 

ナツとグレイの肩と脚から血が噴出される。2人は体制を崩した。ウルティアが残ったジュビアに向けて魔法陣を構える。氷属性だ。

 

 

「ふふっ…、この魔法を使うのは癪だけど…、ついでにあの娘も」

 

「ジュビア!!」

 

 

パキイイイッ

 

 

辺りに冷気が漂った。

 

ウルティアが氷の魔法でジュビアを凍らせたのだ。

 

 

「うちに切れないものはないどす。大人しく動かないほうが良いでござんす」

 

「くっ…」

 

「エルザ、忘れたのか」

 

 

斑鳩に剣を構えようとするエルザさんをジークレインが牽制する。ルーシィが人質に取られたままなのだ。

 

 

「エルザ、悪い事は言わない。俺の命令に従え」

 

「っ…ジークレイン!!お前も聞いていただろう!!お前は悪魔の心臓(グリモアハート)に利用されてるだけなんだぞ!!」

 

「ああ、そうらしいな」

 

「っ…隣の女も、悪魔の心臓(グリモアハート)だ!!お前はこいつらに騙されてるんだぞ!!」

 

「エルザ…1つお前は勘違いしている。」

 

 

ジークレインは一歩前に出た。そして両手を広げる。

 

 

「俺は自由が手にはいるのであれば、騙されていようと関係無い。8年前、牢獄の中でゼレフと俺は運命の出会いを果たした」

 

 

ジークレインの中では、例え8年間悪魔の心臓(グリモアハート)に騙されていようがいまいがそんな事はもう関係なかった。楽園の塔は既に完成しつつあるのだから。

 

 

「絶望の中でゼレフは俺に呟いた。真の自由が欲しいかとな。俺は神に、ゼレフに選ばれし者だ。俺がゼレフと共に真の自由国家を作るのだ!!」

 

「…その為に生贄として私を連れて行くつもりか」

 

 

Rシステムはまだ完成してない。27億イデアの魔力と聖十大魔導士に匹敵する魔力を持つ人間の生贄が必要なのだ。エルザさんはその為の生贄…

 

 

「てめえ!!お前の言う自由の国は、人の自由を奪ってでも作るものなのか!!」

 

「世界を変えようとする意思だけが、歴史を動かすことができる。貴様等には分かるまい…」

 

 

ナツの声もジークレインには通じない。

 

 

「エルザ、楽園の塔に1人で来い。この娘は預かって行くぞ…」

 

 

そのままルーシィを連れて行こうとするウルティアとジークレイン。

 

そんな中、遂に身体の疼きを抑えられなくなった俺の中で1つの何かが嗤った。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

『貴方の魔法の副作用は、私が封印させて貰ったわ』

 

 

数年前の記憶だった。目を開けると声の主が俺の頭に手を乗せてくる。目の前の紫の服を着た黒髪の女性が呟いた。

 

 

『闇属性の魔法はね、強大な力と引き換えに何かを犠牲にするものが多いの。最も貴方のそれは別の属性でもデメリットがあるのだけれど』

 

 

そう呟いた女性は魔法アイテムが入った箱を取り出す。

 

 

『貴方に使ったのはこれ、この魔水晶(ラクリマ)を貴方の身体に埋め込んで、貴方の魔法の特性を抑えたの』

 

 

そう言って指差したのは真紅に染まった魔水晶だった。

 

鏡を見る。元々、暗い青だった俺の瞳は、ルビーの宝石の如く真紅の眼に変わっていた。

 

 

『この魔水晶は一種の封印石みたいなものよ。これで貴方の眼に封印をかけたの。その眼が真紅に染まってる限り、貴方の魔法の副作用は現れなくなるわ。だから代償として本来持ってる能力を失う事になったわ。もう前みたいな事は出来ないの。いいえ、あんな事にはならないわ』

 

 

…前みたいな事。

 

使い始めた当初から、俺の魔法は確かに強力だった。闇属性を無効化し、吸収。そして、■攻撃用の魔法であるだけに、武力として使った時の威力も高レベル。更に様々なバリエーションがある。あらゆる面で恵まれた魔法だった。

 

最初の内はそれで良かった。ある時からだった。俺はこの魔法の本当の恐ろしさを知る事になる。

 

 

『やめて!!早く村から出ていって!!』

 

 

村の娘が叫んだ。その腕の中には魔力欠乏症となった魔道士である彼女の父親が倒れていた。周りにも魔力欠乏症で倒れた魔道士が大勢いる。彼らの家族に俺は憎悪の視線を向けられていた。

 

 

『村中の魔力を吸いやがって!!』

 

『消えろ!!お前みたいな疫病神なんていらねえ!!』

 

 

俺は住んでいた村を追い出された。

 

…俺の魔法は特定の属性を吸収出来るよく聞く太古の魔法とも一線を成す魔法だった。もっと強大で、極悪な魔法。

 

それは、周囲の人達の魔力、そしてあらゆる魔法の属性を変化させ、身体に吸収させてしまう恐ろしい現象を引き起こす魔法だった。

 

俺の意思とは関係なく周囲に被害を及ぼし、あらゆる人間を魔力欠乏症に追い込み,更には自分の意識までもが朦朧とし、保てなくなる魔法。まるで自分の魔法に意思を乗っ取られたかのような感覚だった。

 

しかも、その魔法を使い続けて、最終的には俺は■になってしまう。

 

 

 

だからこそ俺は魔道士のいない街で封印用のラクリマを使った。そして眼に魔力を入れて、自分の本来の魔法を封印して貰った。

 

 

『代償は重たいけど、でもそれが普通の魔道士よ。今までがおかしかっただけ。けど、そのお陰で貴方はその属性の魔法を使い続ける事が出来るわ。気兼ねなく、貴方の眼以外の体内の魔力が尽きるまでね』

 

 

確かにそうだ。周りにいる人達のあらゆる魔力の属性を変化させて自分の魔力として吸収する魔法なんて害悪以外の何者でも無かった。今回の封印でその心配が無くなった。

 

代わりに本来出来ていた闇属性の魔力の補充や、闇属性に対する完全な耐性が消えた。

 

 

『忘れない事、その眼には魔力が込もってる。貴方の魔法が暴走しない為にね。絶対にその眼を大切にするの』

 

『もし、その時が来たらその眼の魔力を使っても良いの。けど、危ない時だけよ。眼の魔力が切れた時、貴方の魔法は周りに牙を剥く諸刃の剣よ。眼に魔力を戻したくても自力では戻せないわ。抑えられない力では周りを護り切れない。いいえ、貴方の仲間も味方も皆、貴方によって命を吸われてしまうの』

 

 

女性の声が俺の脳内に響き渡ったと同時に俺の理性が消えていった。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

バサッ

 

 

オオオオオオオオオオッ

 

 

突然、ブルーの背中からバサリと闇の巨大翼が開翼する。両翼とも数十mはある巨大な黒翼だった。生物的な何かの咆哮が辺り全体に響いた。同時にブルーの闇の魔力が増幅する。

 

そして…

 

 

「ぐああああああああっ!!!」

 

 

突然近くにいたジークレインが苦悶の声をあげた。同時に彼の魔力が大気中に放出される。

 

 

「ジークレインっ…」

 

「があああああああああっ!!!」

 

 

エルザが思わず叫んだ。思念体であるジークレインが徐々に消えていく。その代わりに大気中には彼の魔力が漂い、その魔力の色が変わっていった。より濃く、より闇に染まり、そして全てがブルーの方に流れて行く。

 

 

「馬鹿な…」

 

 

そしてジークレインの姿と魔力は完全に消え去った。

 

 

オオオオオオオオオオッ

 

 

闇の暴走は終わらない。

 

 

「きゃあああああああ!!!」

 

「ぐはっ」

 

「え、あっ…」

 

 

ジークレインが消えたと同時に次の標的になった者がいた。彼の側近であるウルティアだった。急に身体から魔力を吸収され、ウルティアは思わず、ルーシィを放してしまう。解放されたルーシィはその勢いで地面に投げ出された。同時にジュビアを凍らせていた魔力も霧散し、ジュビアが解放される。

 

 

「あ…あ…」

 

 

ウルティアの魔力もまた、彼女の本来の属性の魔力から、闇属性へと変化してブルーへと流れて行く。闇の渦の中心にブルーが立っていた。そして遂に魔力を完全に吸い取られたウルティアは地面に倒れた。

 

次の標的は…

 

 

「ふふっ、他人魔力を属性を変えて吸い取る能力どすか?生憎うちは魔力が無くても戦えるどす。無月流、夜叉閃空…」

 

 

そう言うと斑鳩は一気にブルーに襲いかかる。斑鳩の速度に勝てる者はいない。普通の相手なら…

 

斑鳩の刀がブルーへと迫った。瞬間…

 

 

バチッ

 

バリバリバリッ

 

 

「ぎゃあああああ!!!」

 

「なっ…」

 

 

エルザが思わず声をあげる。空中で闇の電撃波が斑鳩を襲う。空で一気に雷がスパークする。あまりの威力に斑鳩は黒焦げになって吹き飛んだ。

 

ふらりと立ち上がる影。焦点の合わない眼が周囲を見る。

 

 

「ブルー…」

 

 

ルーシィが彼の名前を呼ぶ。しかしブルーは反応しない。

 

 

「おい、様子が変だぞ…」

 

「っ…あの翼…」

 

「ブルー…!!私達の声が聞こえてるか!!聞こえるなら返事をくれー!!」

 

 

様子を見ている妖精の尻尾(フェアリーテイル)の面々もブルーが普通の状態で無いことに気付いた。

 

何故、自分達の声に反応しない。何故、倒れている自分達に興味を示さない。何故、闇の魔力を放出させたまま立っているのか。

 

 

周囲を見回したブルーは背中の巨翼をバサリと羽ばたかせて空に飛んだ。1回の羽ばたきでERAの最上階よりも遥かに高く飛ぶ。

 

 

そして…

 

 

 

オオオオオオオオオオッ

 

 

ブルーの周りに闇の渦がブラックホールのように展開される。漆黒の闇渦が空の魔力を吸収していく。

 

 

「な、何!?」

 

「あいつ…辺りの魔力を…」

 

「吸収している…!!」

 

 

再び闇の魔力を吸収し始めた。否、辺りの魔力を闇へと変化させて吸収している。フィオーレ王国中からブルーの方へ魔力が吸収されていく。空は闇で真っ黒に染まっていた。

 

 

 

「…(ドラゴン)の魔力…」

 

「えっ…」

 

 

ナツの口からその言葉が漏れる。辺りの魔力を全て闇に変えて吸収し、自身の力へと変えていく。その魔力はあり得ない程増幅していき、聖十大魔導士を遥かに超える魔力へと到達しようとしている。

 

その魔力と力は、正にナツの知る(ドラゴン)の強さそのものだった。

 

ルーシィが両手を顔に添えて空に向かって大声をあげる。

 

 

「ブルー!!私の声、聞こえてるー!!?」

 

『……』

 

 

ルーシィの声にブルーの視線がERAの前の地上へと向く。

 

暗青の眼が妖精の尻尾(フェアリーテイル)の面々を見る。

 

 

そして…

 

 

 

その眼が…ナツを…否…彼の中にある魂を捉えた。

 

 

 

 






やっぱり難しいですね。

次回、闇に染まり、豹変した主人公を前に妖精の尻尾はどう戦うのか。



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