危険な勧誘   作:ダークネスドラゴン

30 / 51


何というか、この章楽園の塔編というより悪魔の心臓編になってしまいました。


新しいアンケート始めました。

参考までに多くの意見を聞かせて頂けると幸いです。


では今回もよろしくお願いします。

暴走したブルー。彼の行く末はいかに!?

彼の過去を少し出してから本編に戻ります。





体内に眠っていた者

 

 

776年。フィオーレ王国北部の秘境。洞窟の中。

 

 

「ここが魔水晶のある場所…」

 

 

少年は1人で洞窟に来ていた。少年はとあるラクリマを採取しにこの場所に来ていたのだ。

 

 

「あった…」

 

 

洞窟を採掘していた少年は遂に目的の物を見つけた。魔力の込もった魔水晶を採取したのだ。少年は次から次へと魔水晶をバッグに入れていく。

 

…この魔水晶は、村を襲う飛竜種や、巨大な魔獣対策の魔力だった。

 

 

「今日はこれぐらいにしようか…」

 

 

大量の青く光る魔水晶を採取した少年はその場所を去ろうとする。

 

 

「はあ…重い…」

 

 

大量の魔水晶が入った鞄が十以上あるのだから当然重たかった。重い荷物を何とか抱えて少年は歩こうとする。

 

 

ドクン

 

「!!!」

 

 

そんな時だった。少年は強い魔力を感じ取った。まるで強力な生命体が近くにいるようなそんな感覚と恐怖が少年を襲った。

 

 

同時に少年の耳に重い声が聞こえてきた。

 

 

『く…我の魔力もここまでか。■■■■■■に復讐出来ぬままこの意思が消えるなど…』

 

「誰だ!?」

 

 

少年は声のする方を向いた。

 

 

『む…誰かいるのか。…お主、少年か?』

 

「誰だ!?俺に話しかけてくるのは!!?」

 

『くくくっ…知りたいか…なら俺の声に従え…』

 

 

再び少年に聞こえてくる重たい声。少年は声のする方に歩いていく。

 

 

『…こっちだ…』

 

「……」

 

 

少年は足を進めた。その方向には一際大きな闇の魔力、そして…

 

 

「魔水晶…!?」

 

 

少年は魔水晶を拾い上げた。

 

途端に…

 

 

ドクン

 

 

少年の心臓の鼓動が高鳴った。まるで何か強力な力を手にしたような感覚だった。少年の身体が闇に包まれていく…

 

 

『くくくっ…良い身体だ。少年ながらよく鍛え上げられてる。気に入ったぞ、貴様に我の力を与えよう。その代償として…』

 

 

少年の意識は遠のいた。何者かに乗っ取られたように闇に沈んでいった。

 

 

 

そして再び眼を覚ました時、少年は力を手に入れていた。

 

闇の魔力。そして、まだしなやかながら強靭な身体を…

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

ERAの上空。

 

空が闇で染まっていた。

 

 

それはまるで、世界の終わりが訪れたかのように真っ暗な空だった。この世の終わり、この星の崩壊が起きたかのような暗闇の空。フィオーレの空は闇に染まっていた。

 

その空、ERAの上空の中心にいるのは闇の巨翼を羽ばたかせる1人の青年、ブルー。空一面に闇属性の魔力が漂っていた。

 

そしてブラックホールのごとく闇の魔力が青年の身体に吸い込まれていく。

 

 

「ブルー!!私の声、聞こえてるー!!?」

 

 

そのブルーに向かって地上から声を張り、彼を呼ぶ少女、ルーシィ。ブルーはその声に反応し、地上へと目を向ける。

 

 

「ブルー、降りてこーい!!!」

 

 

ルーシィの仲間であるナツも声をあげる。ブルーの視線が彼の方へ向く。そして、その眼がナツを、ナツの身体中の何かを捉えた。

 

 

 

その暗い青の眼が光った。

 

ゾクリと背筋が寒くなるのをナツは感じ取った。

 

それはまるで、ブルーの中に別の何かがいるような感覚。そしてそれは恐ろしい程、何か強大なものであり、それに自分1人が狙いを付けられた感覚。

 

その敵と戦うことは愚か、決して逃れることの出来ない程の力の差があり、そんな強大な何かに睨まれた感覚をナツは肌で感じ取っていた。

 

 

 

 

その感覚は決して間違いでは無かった。

 

 

「っ…何だ!?」

 

「ナツ!!」

 

 

自分の身体周りの異変に気付いたナツ。それを見たエルザが叫ぶ。

 

皆がナツの方を向いた。ナツの身体が突如、闇に包まれていた。闇のオーラーに纏わりつかれたナツは困惑していた。

 

そして…

 

 

「なっ、うわあああああああっ!!!!」

 

「「「ナツ!!!」」」

 

 

そのまま浮き上がる。地上から足が離れ、どんどん上に何かに持ち上げられるかのように真っ暗な空へ昇っていく。

 

 

「なっ、くそっ、ブルー!!ブルー!!」

 

「ブルー、目を覚まして!!」

 

「やめろー!!」

 

 

エルザ達が彼の名を呼ぶが、無情にもブルーには届いていない。

ナツの身体は宙に浮き上がり天高く昇っていく。そしてブルーの正面まで上がっていった。未だにナツはブルーの闇の魔力に捉えられている。

 

正面にまで浮かび上がったナツとブルーの視線が交差する。ブルーの暗い青の眼。

 

 

ナツにはそれがまるでブルーではない何者かの眼に見えた。ゾクリと計り知れない恐怖がナツを襲った。

 

 

「くっ…おいブルー、テメエの目を覚ましてやる!!火竜の咆哮!!」

 

 

恐怖を振り払うように、眼の前の仲間の眼を覚ます為にナツは魔法を放った。ゴオオオオオッと燃え上がる灼熱の炎のブレスを眼の前にいるブルー目掛けて放つナツ。

 

しかし…

 

 

「なっ…」

 

 

ナツの放った爆炎のブレスが放った瞬間、黒く染まった。そして真っ暗な闇となり、そのまま標的であるブルーへと向かう。そしてそのままブルーの体内へとへと吸収されてしまったのだ。

 

魔力を吸収した生命体から声が聞こえてくる。

 

 

『くくくっ…滅竜魔道士がこの程度とは、ゴミみたいな魔力だな…。だが分かるぞ。体内に素晴らしい生命体を隠しているな。その力…吸収させて貰うぞ』

 

「…っ、お前、ブルーじゃねえ…」

 

 

ナツは本能的に感じ取った。これは、ブルーでは無いと。

 

眼の前にいる生命体の眼が暗青に光った。

 

 

次の瞬間、

 

 

ドオオオオオオオッ

 

 

「なっ、何だこの魔力…、ぐああああああああ!!!」

 

「ナツ!?」

 

 

下にいる誰かが叫んだ。

 

ナツの身体からあり得ない程の量の魔力が引きずり出されようとしていた。

 

それは眼の前の敵に匹敵、或いはそれ以上の魔力が体内から外へ出ようとしている。まるで溶岩の火山の大量噴火が起きそうな程の魔力。それが眼の前の生命体の力によってナツの体内から出ようとしている。

 

その事にナツ自身も驚いていた。明らかに本人のものではない様子だ。

 

 

「何だ!?この魔力、俺の中で…」

 

 

ナツの身体から引きずり出されようとしている炎の魔力はそのまま停滞していた。まるで何者かの抵抗力が働いているかのようだ。ナツの体内の何者かの魔力は闇属性にもならず、吸収されない。

 

その時だった。

 

 

『ナツ、聞こえるか』

 

「誰だ!?」

 

 

ナツの中から何者かの声が聞こえてきた。まるで体内から自分の脳内に話しかけてくるように…

 

 

『ナツ…』

 

「なっ、この声!?」

 

 

自分の体内から脳内に話しかけてくるその声にナツは驚いた。それは彼が知っている者の声だった。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

『不味い…!!このままだと吸収される!!』

 

 

ナツの体の中に封印魔法の一種、魂竜の術で自らを封じていた者がいた。黙示録の竜、闇の翼と呼ばれる禁忌の竜、アクノロギアに魂を奪われて弱体化している竜の内の1頭である竜。

 

 

その名も()()()()()

 

 

彼はこの魔法世界に存在する危険な竜であるアクノロギアを倒すための計画として、「自分達の延命」、「滅竜魔導士の竜化を防ぐ抗体を作る」、「アクノロギアを倒す機会を窺う」、という3つの目的でナツの体内に潜伏していた。

 

そんな彼だが、今ナツの身体の外側にいる魔力吸収体と戦っていた。吸収されないように必死に抵抗するが、徐々に身体ごと外側に引きずり出されようとしていた。

 

 

『駄目だ…!!このままだと俺の身体、それに精神ごと吸収される!!やむを得ん!!』

 

 

このまま身体の中に停滞しようのなら力尽くで外に引きずり出されるとイグニールは肌で感じ取っていた。

 

もし、イグニールが外に出て眼の前の敵と戦うとなれば、恐らくイグニールは打ち勝つ事が出来るだろう。炎竜王であるイグニールにとって、聖十大魔導士を上回った程度の生命体を捻じ伏せる事など容易いはずだった。

 

それならば、眼の前の敵がまだ魔力を吸収途中の今、外に出て戦えば良い。敵の身体がまだ完成しきってないうちに倒すのが問題解決の近道である。

 

しかしまだ外に出るわけにはいかない。イグニールにはまだナツの体内でやるべき事があった。故に体外に出て眼の前の敵と戦う訳には行かなかった。

 

しかし眼の前の敵は非常に強力であり凶悪な存在。当然ナツが勝てる相手でもなければ、彼の仲間が束になっても結果は同じだった。このまま体内で何もしなければナツは殺され、終いには自分の魔力も魂ごと吸収されるだろう。

 

 

 

ならどうすれば良いか。

 

 

残された方法は1つだった。

 

 

 

イグニールがナツに魔力を与える(力を貸す)こと。

 

 

その方法は1つあった。

 

 

それは、イグニールの炎の魔力をナツに喰わせる事。

 

ナツは火の滅竜魔道士である。炎や熱を喰らい自身の力へと変える。その炎の物量や魔力が強ければ強い程、それを文字通り、喰らった後、彼の魔力はより増幅する。そしてその炎の強さによっては自分よりも格上の相手をも上回る事が出来る魔法を彼は身体で覚えていた。

 

 

更に滅竜魔法には究極形態が存在する。

 

その名も()()()()()()()()

 

滅竜魔法の最終形態にして最強の形態。その力は太古の生物、竜にも匹敵すると言われている。

 

そのドラゴンフォースだが、発動するにはとある条件がある。

 

それは、自身を遥かに上回る()()()()()()()()()()

 

 

ナツの場合は炎属性の強力な魔力を喰らう事でこの究極完全奥義、ドラゴンフォースを発動する事が出来る。

 

イグニールが狙っているのはナツの、この形態だった。

 

ナツの周囲に強力な炎の魔力さえあればナツは自力でドラゴンフォースを発動出来るのだが、生憎それは無い。

 

 

ならばイグニールがする事は決まっていた。

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()。即ち炎竜王であるイグニールの太陽のような灼熱の炎の魔力をナツに分け与えれば、ナツはドラゴンフォースを発動する事が出来る。そして眼の前の敵を倒す事が可能になる。

 

 

今はそれに賭けるしか無かった。

 

 

『ナツ、俺はお前の力を信じる。眼の前の敵を倒せ』

 

 

イグニールは意を決して閉じていた眼を開くとありったけの炎の魔力をナツの体外に放出させた。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

ドオオオオオオオッ

 

 

ゴアアアアアアアッ

 

 

「なっ、何だ!!?」

 

「!!!」

 

 

フィオーレの空の色が変わった。真っ暗な闇の中に巨大な獄炎が現れた。それはまるで太陽が星に近づいたのかと思わせるような輝きだった。

 

突如、上空にいるナツの周りに、フィオーレの空に太陽のような爆炎の塊が現れたのだ。それは太陽の如く燃え上がり、辺り一体どころか大気をも焼き尽くしてしまうような強力な紅の光炎だった。

 

 

「この炎…、この魔力…」

 

 

ナツは肌で感じ取った。自分に滅竜魔法を教えたドラゴンの魔力を。その炎の強さを、そしてその炎の温かさを感じ取っていた。

 

それだけでは無かった。

 

 

『ナツ、その炎を喰らえ…』

 

「この声…、イグニール!!」

 

 

突如、ナツの脳内に声が聞こえてきたのだ。まるで自分だけに話しかけてるかのような、まるで自分だけに聞こえてるかのようなそんな感覚だった、

 

 

『聞こえてるか、炎を喰らえ、そして眼の前の敵を倒せ』

 

「イグニール!!何処にいるんだ!!いるなら出て来てくれー!!」

 

 

ナツは声の限り叫んだ。長年探していた自分の育ての親の声が聞こえてきたのだ。眼の前の炎よりも会いたいという気持ちが先走った。

 

 

『ナツ、まだ今は出てこれない、俺にはやる事がある』

 

「何言ってんだ!!俺はずっと待ってたんだぞ!!ずっとお前に、イグニールに会うのを待ってたんだー!!」

 

『ナツ、時が来たら必ずお前の前に現れる。だがまだその時ではない、俺に会いたいのなら先ずは眼の前の敵を倒せ』

 

 

イグニールの声にナツは前を見る眼の前にいるのは闇の魔力を吸収し続ける生命体。即ち…

 

 

「敵って…ブルーの事かよ…!!」

 

『違う、奴の中に眠る悪の魂の事だ。仲間の目を覚ましたいのであれば全力で奴の中の悪を燃やせ。話は終わりだ、やれ、ナツ、お前の力見せて貰うぞ』

 

「イグニーール!!」

 

 

それっきりイグニールの声は聞こえなくなった。

竜の、イグニールの声が脳内に聞こえてきたのに姿は見えない。ナツは歯噛みした。

 

空に浮かぶ太陽のような灼熱の炎は燃え続ける。それは魔力を属性を変えて吸収する眼の前の敵にも見えていた。

 

 

『素晴らしい魔力…!!この力こそ我に相応しい!!外に出れば此方のものだ!!では吸収させて貰うぞ…』

 

「!!」

 

 

ハッと正気に戻ったナツは眼の前の景色を見る。空を闇に変えた眼の前の敵がナツの周りに燃え続ける炎に目をつけたのだ。

 

眼の前の敵は早速その魔力に反応し、吸収しようとする。

 

全ての魔力を強制的に外に出され、属性を闇属性に変えて吸収する眼の前の敵。当然、この大量の爆炎も闇に変えられ吸収されてしまうとナツは思った。

 

眼の前の敵の魔力吸収の力が強くなっていく。

 

 

オオオオオオオオオオッ

 

 

しかし…

 

 

『な、何だ…この魔力は…闇に変えられ無いだけでなく、吸収出来ないだと!!』

 

 

強力な力で引きずり込まれようとしているが、ナツの周りの炎が吸い込まれる事は無かった。そしてその属性は変化せず炎属性のまま。強く燃え続ける。まるで何かの加護に護られてるかのように炎が闇に変わることは無かった。

 

 

『くそっ、ならばそのまま吸収するまで…!!』

 

 

ゴオオオオオオオッと眼の前の敵の魔力が強くなる。それによりナツの周りの炎が引き込まれそうになる。

 

そんなナツに再度声が聞こえてきた。

 

 

『早くしろナツ!!奴の力が強すぎる!!このまま俺の魔力を奴に渡すつもりか!!』

 

 

「イグニール…」

 

 

ナツは目を閉じた。一度深呼吸する。再び目を見開いた。そして口を大きく開いて…

 

 

スウウウウウッ

 

ゴオオオオオッ

 

 

大きく炎を吸い込んだ。爆炎のように燃え上がる炎だが、火の滅竜魔道士であるナツはどんどん吸い込んでいく。

 

そして…

 

 

「ごちそうさま…イグニール…」

 

 

ナツが全ての炎を食べ終わった。同時にナツの魔力が跳ね上がった。それは今までの彼の中で最高の魔力。聖十大魔導士を遥かに上回る魔力へと昇っていく。それはまるで竜に匹敵すると言われる程の魔力…

 

 

「あれが…ナツなのか…」

 

「馬鹿な…」

 

「ナツ…」

 

「凄い魔力ですね…」

 

 

地上で見ている魔道士達もナツの身体から溢れ出す魔力に驚いていた。飛ぶ事が出来ないナツだが、今は炎の魔力で空に浮かんでいる。それ程圧倒的な力を今のナツから彼らは感じ取っていた。

 

 

「ブルー…聞こえるか」

 

『……』

 

 

ナツは眼の前の生命体に話し掛ける。

全ての炎を食べ終わったナツの顔や身体には竜の鱗が現れていた。その身体からはドラゴンの生命力が溢れ出していた。

 

 

「俺はイグニールと約束した。お前の中の悪を倒す。だから…」

 

 

魔力を高める。空に太陽の輝きが現れる。ナツは炎の拳を構えた。灼熱のコロナの如くその炎が燃え上がった。

 

 

「ブルー!!目を覚ませー!!」

 

 

ゴオオオオオッ

 

ドオオオオオオオオオオッ

 

 

一気に突っ込んだ。ナツを纏う爆炎が燃え上がる。拳を振りかぶる。

 

 

「だああああああ!!!」

 

 

ドゴオオオオッと爆炎の拳をブルーの顔面に叩き込む。一発ではない。何発もの炎の拳を叩き込んだ。ブルーの周りで大爆発が起きる。

 

 

「火竜の…」

 

『炎竜王の…』

 

 

ナツの中で何かが聞こえた。その声にナツは口元で笑うと思いっ切り拳を繰り出した。

 

 

『「崩拳!!」』

 

 

ドゴオオオオオッ

 

 

ナツが拳を繰り出すと同時に空に爆炎の破壊光線が噴出される。フィオーレの空が爆発しそうな威力の炎だった。

 

爆炎が僅かに収まっていく。

 

 

ズオオオオオッ

 

 

「!!」

 

 

ナツの眼の前で闇の魔力が高まっていた。闇の魔力が眼の前の敵の手に凝縮していく。

 

 

『「炎竜王の…」』

 

 

ナツも大きく息を吸い込む。爆熱がナツの体内に込められる。

 

 

『「咆哮!!」』

 

 

ナツの口から炎の破壊光線が放出される。

 

 

グオオオオオオオオッ

 

 

同時に眼の前の敵の手からも強力な闇が放出された。

 

 

ドオオオオオオオオッ

 

 

その手から闇の破壊光線が噴き出される。極太の破壊光線。その威力にフィオーレの大気中が震えた。

 

 

 

そして…

 

 

カッ

 

 

ドゴオオオオオオオオッ

 

 

 

「「「「ぐああああああああ!!!」」」」

 

 

炎のブレスと闇の破壊光線が激突した。中央で大爆発が起こる。爆風で辺りが吹き飛ばされる。

 

 

「ぐうううっ!!!」

 

 

ナツは爆風に必死に耐えた。あまりの爆風の威力で身体の炎が全部吹き飛んで消えてしまいそうな程だった。圧倒的な物量の炎の魔力でガードしているとは言え、爆風でかなりの体力を持っていかれた。

 

やがて爆風が止んだ。

 

 

同時にナツの視界がクリアになっていく。

 

 

「冗談じゃねえぜ…」

 

 

ナツの眼に映ったのは相変わらず闇の魔力を放出し、絶えず空の魔力を闇に変えて吸収しているブルーの姿。

 

今の爆発も奴にとっては大した事が無かったようだ。

 

 

「くっ…そうだよな、お前が強いこと、今更になって思い出したぜ…」

 

 

忘れるところだった。眼の前の(仲間)がどれ程強かったのかを。イグニールの力を借りてやっと眼の前の敵と対等だと言う事を。

 

 

「ブルー、俺、本気出すぜ。良いよな…お前には借りがあるんだ。今、百倍で返しに行くぜ!!」

 

 

再び身体から爆炎を滾らせるナツ。

 

再度改めて相手の強さを認識した。しかしその眼には闘志が宿っていた。

 

 

眼の前の敵がどれ程強くても勝たねばならない。勝って正気に戻す。ナツは心の炎を燃え上がらせ、迷いを消し去った。

 

 

「へへっ…、俺、どうしちまっんだ」

 

 

同時に気付いた。何故か分からないが自分の中で何かが昂ぶっている事に。

 

 

「…こんな気分は生まれて初めてだぜ」

 

 

そしてそれが、眼の前の敵に対する闘志である事にナツは気づく。何故かは分からなかった。しかしナツは今驚くほど気分が高揚してきた。その両手の拳の炎を再び燃え上がらせる。

 

 

「燃えてきたぞ、あり得ないくらい最高にな!!」

 

 

 

オオオオオオオオオオッ

 

 

再び増幅する闇を見据えてナツは炎を噴き上げる。

炎竜王の力を宿した少年と闇が今ぶつかり合う。

 







というわけで炎竜王ドラゴンフォースナツvs暴走ブルーとなりました。

次回も引き続きバトルとなります。


因みに現時点のヒロインであるルーシィとレビィからの主人公への感情は主人公への心配と芽生えた仲間意識(戦友みたいな感じ)が混じった感じを表現していこうと思います。


これからもハーメルン小説 危険な勧誘をよろしくお願い致します。

現時点のヒロイン達から主人公への好感度どう思う?

  • 高過ぎ(原作のキャラのイメージと違う)
  • 思ったよりも高い
  • こんなもんかな(だいたい合ってる)
  • あまり好感度を感じない(もう少し高く)
  • 低い(もっと高くなるはず)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。