危険な勧誘   作:ダークネスドラゴン

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タイトル変えようかな。






包囲された妖精女王

 

 

「な、何だあれは!!」

 

「Rシステムが、魔水晶(ラクリマ)になっただと!!」

 

 

エーテリオンを投下した評議院ERAでは落下地点の様子を監視ラクリマで映し出していた。

 

巨大な楽園の塔、Rシステムがエーテリオンの魔力を吸収した。塔全体が青く光る結晶となり、27億イデアの魔力を全て塔が吸収した事が分かる。

 

 

「ジークレイン!!どういう事だ!!」

 

 

反対派だったヤジマがエーテリオン投下を宣言したジークレインを問い詰める。

 

だが…

 

 

「な、思念体だと…!!」

 

 

ジークレインは半透明になると同時に、ERAから消滅して行った。

 

それだけでは無い…

 

 

「床が崩壊したぞ!!」

 

「建物から出るんだー!!」

 

 

評議院の建物、ERAが崩れ始めた。壁や床が老朽化した古い建物のようにピキピキと壊れ、その形を崩していく。

 

 

「これは、魔法…、時のアークか…!!」

 

「ウルティアだと!!」

 

 

その建物を崩した張本人であるウルティアは両手をかざしていた。その手には魔力が込もっており、明らかに今の現象が彼女の仕業だと誰の眼にも理解できる。

 

 

「全てはジークレイン様、いえ、あの方の為に…」

 

 

そして、ERAが崩壊した。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

楽園の塔にショウ達の船が着いた。ショウ達はエルザを拘束し、取り囲むとそのまま楽園の塔へと引っ張っていく。魔力を封じられ、更に4人に取り囲まれてはエルザと言えど何も出来ない。

 

 

「入れ…」

 

 

魔力拘束具で両手を縛られたエルザはシモンに背中を押されて塔の中へと入れられた。

 

 

「く、お前達も随分変わったな」

 

「……」

 

 

塔に来てから終始無言のシモン。彼はずっと何かを考えていた。楽園の塔の階段を歩かされてエルザは最上階へと登っていく。

 

 

「姉さん、言いたいことがあるなら今の内に言ったほうが良いよ。これから姉さんは生贄になるのだからね」

 

「……」

 

「もうすぐジェラールに会えるよ。再会したら儀式の始まりだから」

 

 

ショウの言葉に何も返さないエルザ。諦めてしまったのだろうか。

 

 

「着いたよ。ここが儀式の場所だ」

 

 

長い階段を登っていき、遂に最上階へと着いた。

 

 

最上階では3人の人物が待ち構えていた。

 

 

「あれが妖精女王(ティターニア)のエルザ・スカーレットか。美し過ぎる…、我々の儀式の生贄に相応しい」

 

「ホホーウ。素晴らしい素質を感じる。ここが儀式の場でなければコレクションとしてキャプチャーしたいところだが、ゼレフ復活の為の肉体にされるとは。残念である」

 

 

先ず2人の人物が立っていた。彼らは数日前にジークレインに評議院に来ていた斑鳩と同じ、闇ギルド、髑髏会のメンバーだった。長い髪の毛の男、ウィダルダス・タカ及び、大柄な身体に鳥のような顔が特徴的な梟。

 

本来なら髑髏会の隊長、斑鳩もここにいるはずだったのだが、ブルーの攻撃で身体がボロボロになり、傷が癒えてなかった。

 

そしてもう1人。部屋の奥に座っているフードを被った男。青髪に左眼の刺繍が特徴的な青年。評議院のジークレインと同じ顔の男。

 

 

「久しぶりだな、エルザ、会いたかったぞ」

 

「ジェラール…」

 

 

ジェラール・フェルナンデス。

 

楽園の塔の支配者であり、ゼレフ復活を目論む男。エルザの最大の天敵。その魔力は優秀な魔道士なだけあってエルザの本気の魔力を上回る。

 

エルザはショウに引っ張られてジェラールが魔力で出現させた青いラクリマの前に立たされた。後はエルザをラクリマに吸収させるだけで伝説の黒魔道士・ゼレフの復活が達成される。

 

 

「早速だが儀式を始める」

 

 

ジェラールがそう言った瞬間、辺りが真っ暗な闇に染まった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

楽園の塔の階段を下に向かってシモン・ミカヅチは走っていた。彼の背中にはエルザが背負われている。

 

 

「シモン!!何をやっているんだ!!このままではお前までっ!!」

 

「静かにしろエルザ、直ぐに追っ手がくる」

 

 

シモンは物陰に隠れながら下の階へと降りていく。

 

 

(妖精の尻尾の奴らが来るまで時間を稼がねば…!!)

 

 

隠れ場所を探しながら思考を巡らせた。

 

 

 

ジェラールが儀式の開始を宣言すると同時にシモンは闇魔法を発動し、最上階からエルザを逃がした。

 

 

シモンがエルザを逃がし、ジェラールを裏切った理由。

 

それは彼がジェラールではなくエルザを信じていたからだ。

 

8年前、シモン達奴隷はエルザの活躍で黒魔道士の教団を倒し、全員大きな船に乗ることが出来た。

 

しかし、シモン達が船に乗って暫く経ってもエルザは船に来なかった。

 

エルザの帰還を待っていた一行だが、そこにジェラールが来てこう言った。

 

『エルザは船に爆弾を仕掛けた、全員降りるんだ』

 

船にいた人達は半信半疑ながらもジェラールの圧で全員降りた。全員が降りると同時に船の爆弾が爆発した。その爆弾はエルザではなく実はジェラールが仕掛けた物だったが、奴隷達にそれを知る術は無かった。

 

ジェラールによって一命を取り留めたと思った奴隷達は皆、ジェラールを信用するようになった。ジェラールは彼らの信頼を利用して、再び楽園の塔の建設を進めた。奴隷達は全員それに従った。全てはゼレフを復活させ、ゼレフと共に自分達がこの世界の支配者になる為に。

 

エルザと交流があったショウ達ですらジェラールの言葉を信頼し、エルザを憎み、彼女を楽園の塔の生贄にする事を決めた。奴隷達は皆ジェラールの言葉を信頼し、エルザを敵と見なしていた。

 

 

 

しかし、シモンだけは違った。

 

シモンはエルザが好きだった。彼の知っているエルザは自分達の仲間であり、心優しい少女だった。彼女が船に爆弾を仕掛けて自分達を殺すはずなど無いとシモンは信じて疑わなかった。

 

故に彼はジェラールに従うふりをしながら、いつかジェラールを倒し、エルザを助ける事を心に決めていた。

 

 

(後1時間といった所か…それまで何とかエルザを隠さねば…)

 

 

隠れ場所を探しながらシモンは階段を降りて行く。

上では人が騒ぐ声が聞こえてきた。

 

 

「生贄が逃げただと!!」

 

「シモンの仕業だ!!あいつ裏切りやがった!!」

 

「塔の外には出られるまい、急いでエルザを取り返すんだ!!」

 

 

上の階から聞こえる声にシモンは冷や汗をかいた。闇魔法を発動させてエルザを逃がしたは良いがどうやってこの塔から逃げ出せば良いのか分からなかった。

 

更に、思考を巡らせるシモンに追い打ちをかけるように塔全体にアナウンスが流れた。

 

 

『楽園の塔の者達よ。我々を裏切った者、シモンの手によってゼレフ復活の為の肉体となる女が逃げた。直ちに捜索せよ。見つけ次第裏切り者を始末しろ。そして女を最上階まで連れて来るのだ』

 

「「「「うおおおおおおおっ!!!」」」」

 

 

塔全体が騒がしくなる。これで塔にいる人全てがシモンとエルザの敵となった。

 

 

「エルザ、拘束具を外す」

 

「シモン、何故私を助けた…」

 

 

シモンは隠れ場所を探してエルザを引き込み、その拘束具を解いた。何故自分を助けたのかと問いかけるエルザにシモンは答えた。

 

 

「俺はエルザを信じてる。あの頃も今もずっとだ」

 

「シモン…」

 

「こんな所に連れてきて今更だが、すまないと思っている」

 

「良いんだ。お前が信じてくれただけで、私は十分救われた」

 

 

拘束具が外れた。

これでエルザが戦える状態になった。

 

しかしシモンの冷や汗は止まらない。

 

彼は2つ計算違いを起こしていた。それは楽園の塔の完成が予定より早くなってしまった事だ。エーテリオンは既に投下され、魔力が塔に吸収され、魔水晶の塔が完成してしまった。後は生贄を塔と融合させるだけとなってしまった。

 

 

そしてもう1つの彼のミス。妖精の尻尾の3人がまだ塔に到着してないのだ。

 

シモンの予想では自分達の襲撃程度で妖精の尻尾の面々が死ぬはずもなく、必ず追いかけてくると予測していた。彼ら3人がいればジェラールとその仲間を倒せるかもしれない。

 

そう思っていたシモンはアカネビーチの宿泊施設の地下でグレイを襲撃した時も本物を狙わず、彼が作った身代わりを攻撃した。

 

シモンの計画の上では自分達がエルザを楽園の塔に連れて来ても儀式までの時間の猶予がある筈だった。しかし、エーテリオンが落とされた今、その計画は大きく狂っていた。

 

そして…

 

 

「おい、ここのから人の気配がしたぞ!!」

 

「直ちに取り囲め!!」

 

 

シモン達が隠れている場所は衛兵達によって簡単に取り囲まれてしまった。

 

 

「っ…エルザ、俺が隙を作るから、今の内に逃げてくれ」

 

「シモン、私をあの場所から助けてくれた事に感謝する。だがもう十分だ」

 

 

エルザはそう言うと、ラフな服装から鎧に換装した。

 

そのまま隠れ場所から飛び出す。

 

 

「出たぞ!!」

 

 

近くにいた衛兵達がエルザの周囲を取り囲む。エルザは剣を抜き、構えた。

 

 

「お前達が探しているのは私で合ってるな。なら今、相手をしてやる!!」

 

 

一閃。大量の衛兵達を切り裂いた。声もなく倒れる衛兵達。

 

 

「「「「うおおおおおおおっ!!」」」」

 

 

次々に後続の衛兵達が突撃してくる。

 

狙いは勿論エルザ1人だ。

 

しかし、

 

 

「なっ…」

 

 

気付いた時には全てが倒れていた。数十人の兵隊がエルザ1人に一瞬で片付けられてしまった。

 

シモンはその強さに驚いた。

 

彼もエルザが魔法界で妖精女王(ティターニア)と呼ばれ、強い魔道士へと成長している事は知っていたが、ここまでの強さだとは思わなかった。

 

 

「これ程とは…」

 

 

目の前の光景に驚愕するシモンをエルザは振り返った。

 

 

「私は大丈夫だ。全て私が相手をするから隠れていてくれ」

 

「あ、ああ…」

 

 

凛とした姿で、しかし何処か優しさの混じった表情で振り返るエルザにシモンは見惚れてしまった。

 

同時にこうも思った。もうエルザ1人で大丈夫かもしれない。エルザ1人でも勝てるかもしれない。

 

それ程エルザの強さは圧倒的だった。

 

騒ぎを聞き付けた他の衛兵が向かってくる。しかしそれも全てエルザが斬り伏せた。

 

 

「シモン、ここはもう駄目だ。移動する」

 

「分かった」

 

 

衛兵を倒したエルザが下を見ながら声をかける。シモンはそれを見て、新たな隠れ場所を頭の中で探すのだった。

 

その時だった。

 

 

「ホホーウ、見つけたぞ。闇に紛れる悪を、正義のジャスティス戦士が裁きを下しに来たホホウ」

 

「ヒャッハー、妖精女王(ティターニア)に隠れてる奴は何処だ?俺が相手をしてやるぜぇ」

 

「姉さん、見〜つけ。もう逃さないよ」

 

 

何と髑髏会の梟とヴィダルダス・タカ、そしてショウがエルザ達の前に立ちはだかった。

 

それだけでは無い。

 

 

「俺を裏切ったなシモン。まあ良い。どのみち大局は変わらん。お前もエルザも生きて塔からは出られないのだからな」

 

「ジェラール…」

 

 

金色の光、流星(ミーティア)となってジェラールが降りてきた。

 

 

そして…

 

 

「エルザ、数日ぶりだな。あの時は予想外の事故でやられたが今度はそうは行かせない」

 

「なっ、ジークレインだと!!」 

 

 

評議員の服を来たジークレインまでもがこの場に来ていた。

 

 

「そう、驚く事はない。隠す必要もないから教えてやろう。何せ俺達は…」

 

 

ジークレインとジェラールの姿が重なる。

 

 

「1人の人間だからな」

 

「思念体だと…!!」

 

 

エルザは驚いた。そして同時に全てが繋がった。ジェラールが思念体を使って評議院に紛れ込んでいたのは全て自分を監視する為だった。そしてエーテリオンを落として楽園の塔を完成させたのも彼自身の作戦だったと言う事を。

 

 

「力が…戻って来たぞ…!!」

 

 

ジェラールの魔力が増幅する。一気に魔力が高まっていく。それは正に聖十大魔導士に相応しい力だった。

 

同時にシモンの希望も消えた。彼は分かってしまった。エルザ1人ではジェラールに勝てないと。

 

再びエルザとシモンの前に立ちはだかる楽園の支配者達。

 

 

「絶対にお前達の思い通りにはさせん!!」

 

「ふっ、楽しませてくれよ、エルザ」

 

 

エルザは剣を握りしめた。どんな敵であろうと勝たねばならない。例え、どんなに相手が強くても…

 

 

 

 





という訳でシモン以外の楽園の塔の仲間とは和解せずに戦闘が始まってしまいました。

どう見ても劣勢です。

アンケート、随分集まってきましたね。全体の傾向としてはこの作品のヒロインから主人公への好感度が原作のイメージより少し高く描写されてるように見える感じですかね?

正月ももう直ぐ終わりますね。

皆様もまた新しい1年間共に頑張りましょう!!


現時点のヒロイン達から主人公への好感度どう思う?

  • 高過ぎ(原作のキャラのイメージと違う)
  • 思ったよりも高い
  • こんなもんかな(だいたい合ってる)
  • あまり好感度を感じない(もう少し高く)
  • 低い(もっと高くなるはず)
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