危険な勧誘   作:ダークネスドラゴン

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タイトルのままです。

今回他作品ネタが出る可能性があります。





タイラント

 

 

「くそっ、こいつら一向に数が減らねえ!!」

 

「んな事関係あるか、全員氷漬けにしてやる!!」

 

「僕は全員倒すまで星霊界に戻らないよ」

 

「皆…」

 

 

闇ギルドの標的であるルーシィを護るようにナツ、グレイ、ロキの3人は敵兵達を食い止めていた。3人共準S級並の実力者であり、敵兵達との個の戦闘能力差は圧倒的だった。

 

 

「獲物はすぐそこだ、潰せー!!」

 

「「「「うおおおおおお!!!」」」」

 

「っ…」

 

 

しかし敵兵達の数は減らない。寧ろ他の場所を幾つか鎮圧したせいもあるのか3人を包囲する楕円の幅は大きくなっている気がする。

 

他の妖精の尻尾の実力者達、マスターであるマカロフはより多くの数の敵兵と戦っている。エルザは斑鳩との戦闘が終わった後に敵兵達に埋もれてしまい、離れ離れになってしまった。エルフマン、ガジル、ジュビアもそれぞれ目の前の膨大な数の敵に苦戦しており、増援にくる余裕は無かった。

 

 

ドゴオオオオッ

 

 

「っ…あの野郎共!!」

 

「んな馬鹿な…」

 

「こんな事が…」

 

「ギルドが、私達のギルドが潰されてる…」

 

 

轟音が鳴り響いた。妖精の尻尾の面々が戦いながらギルドの方を見ると妖精の尻尾の建物が崩されていく。もう建物は墜とされたも同然だった。

 

 

「妖精の尻尾よ、ギルドは堕ちた。我々の目標の1つは達成された。あと2つ目標が残っている。達成するのは時間の問題だ」

 

 

アナウンスが流れる。もうギルドは炎に焼かれていた。潰されたのだ。

 

 

「そんな…、私のせいで…」

 

「ルーシィ!!弱気になるな!!」

 

 

ナツがギルドに放たれた炎を吸い込みながら叫んだ。しかしルーシィはあまりの惨状に震えた。ギルドが潰れた。なら敵兵達の次の目標は何か。答えは分かりきっている。妖精の尻尾のメンバーの全滅、及びルーシィの捕縛だった。

 

 

「させるか!!俺達は絶対に諦めねえぞ!!」

 

「お前達なんかに負けるか!!」

 

「例えこの身体が消えても再びここに顕現し、貴様等屑どもを倒す!!」

 

 

ナツ達3人が咆哮し、抵抗を続ける。真っ暗な夜の中、そこだけが炎が燃え上がり、氷の結晶が光り、黄金の光が輝いた。

 

 

「くくくっ…、中々骨のある奴らがいるなあ…」

 

 

炎や魔力の光だけが視界頼りの暗闇の中、ふと、そんな声が聞こえてきた。

 

次の瞬間、

 

 

ドゴオオオオッ

 

 

「「ぐああああああああ!!!」」

 

「なっ、今の声…!!」

 

「ガジルとジュビア!?」

 

 

ナツ達がいる所から離れた場所から何かが爆発する音と2人の男女の叫び声が聞こえてきた。同時にそちらから爆炎が燃え上がる光景をナツ達は見た。何者かがガジルとジュビアを炎属性の魔法で攻撃したのだ。

 

 

それだけではない。

 

 

ドオオオオオオオッ

 

 

「なっ、また炎が…!!」

 

 

少し離れた場所から再び、爆炎が発生した。ナツ達がそちらを見た。瞬間…

 

 

ドゴオオオオッ

 

 

「ぐうううっ…」

 

 

爆炎の光と同時に巨大な何かで地面ごと何かを破壊する音が聞こえてきた。同時に巨人化していた妖精の尻尾のマスター・マカロフの姿が消え、敵兵達に飲まれる。

 

 

「なっ、今じっちゃんのいる方から…!!」

 

 

信じられないとばかりにナツが叫んだ。闇の中、銀髪の何かが動いていた。

 

 

「なっ、くそっ、誰だ!!」

 

 

キイン、キイン

 

 

突如、ナツ達の近くで剣で人を斬り裂く音がした。辺りの敵兵が次々にたおれ、同時に緋色の髪の女剣士が視界に入った。

 

 

「ナツ、無事か!?」

 

「エルザ!!」

 

「無事だったか!!」

 

 

ナツ達の所にエルザが合流した。その息は上がっており、身体は斑鳩との戦闘でボロボロだった。

 

 

「おい、他の皆は!?それにじっちゃんは何処だ!?」

 

「マスター取り敢えず無事のようだ。敵の攻撃を受けたが魔力反応は残ってる。だが膨大な数の敵と戦ってる。私はこれからマスターの所に行く。此方に加勢する余裕は無い、エルフマンも同じだ。カナと一緒にミラを護ってる。他は分からん」

 

「おいおい…大分やべえじゃねえか」

 

 

エルザからの報告にグレイは歯噛みした。妖精の尻尾は精鋭も含めて敵兵の圧倒的な数を前に押されているのだ。

 

 

「くくくっ…、こっちには精鋭が4人もいるな」

 

「誰だ!!」

 

 

突如、空から声が聞こえてきた。

 

 

ヒュン

 

「っ…ナツ、危ないっ!!」

 

 

エルザが咄嗟に鎧に換装し、ナツを突き飛ばした。

 

 

「金剛の鎧…」

 

 

ドゴオオオオッ

 

 

同時に、その場所に重たいものが振り下ろされ、エルザの鎧を破壊する。銀色の巨大なボール型の球体に無数の棘が付いている巨大な何かがそこにあった。鎖が繋がっている。

 

 

「っ…」

 

「エルザ…!!」

 

「鉄球…!?」

 

 

その攻撃で吹き飛ばされたエルザは動けなくなってしまった。魔導収束砲を防ぐ鎧をも破壊する程の威力と速度の鉄球を前にナツ達は戦慄した。

 

 

「エルザ、嘘だろ!?しっかりしろ!!」

 

「…火竜を狙ったんだが庇われたか…。流石妖精女王(ティターニア)、一瞬で気付くとは中々の反射神経だな」

 

 

声と同時に銀髪金眼の男がナツ達の前に降りてくる。そして巨大な銀の鉄球を自分の方に引き戻した。

 

 

「よう、お前達、強そうだな」

 

「誰だ!!」

 

 

ドスッと地面にかなり重量感のある身体が降りてきた。

 

 

「俺の名はゼル。今後闇ギルドのトップとなるギルド、大鎌の暴君(デスサイズ・タイラント)のエース魔道士だ。」

 

「ゼル…!!」

 

 

その名を聞いた事があるらしいロキが歯噛みする。ゼルはナツ達の前に立った。

 

ナツ達よりもずっと大きな身体。太い節々は全身の筋力が高い事を表面に表している。その眼は凶暴な紅色の混じった金色。魔力は解放してないにも関わらずナツ達よりも遥かに高かった。

 

 

「お前達、こいつらは俺がやる、お前達は他を鎮圧しろ」

 

「「「「はっ…」」」」

 

 

ゼルは部下の兵隊を下げ、他の鎮圧に向かわせる。その場に残ったゼルはナツ、グレイ、ロキ、ルーシィと睨み合う。エルザは既に戦闘不能だった。

 

 

「俺達4人に1人で挑むつもりか」

 

「当然だろう。貴様等本来俺が相手をするまでも無いが特別に戦ってやるんだ。光栄に思え」

 

「ナツ、グレイ、気をつけるんだ。こいつ、強いぞ」

 

 

ロキが冷や汗をかきながら魔力を高めた。ナツとグレイも目の前の敵に対して構える。何時でも避けられるように…

 

 

「お前達にチャンスをやる。これから俺は攻撃魔法無しで2分間だけお前達と戦ってやる」

 

「「「なっ…!!」」」

 

 

3人の青年は驚愕した。魔道士同士の戦闘において、攻撃魔法は戦闘の鍵となるものである。それを使わないと言う事は相手に素手で戦闘をする。または相手の攻撃を防御魔法で全て受け切る事、つまりは一方的に攻撃される事と同義だった。

 

何処までも上から目線な暴君・ゼルに対してナツ達の怒りが頂点に達した。

 

 

「ふざけやがって…!!」

 

「お前なんか数十秒で吹き飛ばしてやる!!」

 

「僕達を舐めると痛い目に遭うよ」

 

「皆、本当に大丈夫なの!?」

 

 

ただ1人、ルーシィが心配そうに叫んだ。彼女にとって目の前で自分達のチームの最強魔道士であるエルザが、手負いだったとは言え一瞬で倒された光景は衝撃的だった。

 

ルーシィは責任を感じている。自分が妖精の尻尾に入ったせいで、ここまでの大事になるなんて思ってもいなかった。今回の戦闘でナツ達が生き延びられるかどうか不安だった。

 

 

「大丈夫だ。ルーシィ、これからも俺達と一緒にいようなっ」

 

「ルーシィはもう俺達のチームなんだ」

 

「僕は君の元を離れる気はないよ」

 

 

そんなルーシィを振り返ったナツ達は彼女に笑いかける。不安は残ったままだが、ルーシィの心が少し軽くなった。

 

 

「ふん…、成る程…」

 

 

そんな彼らをゼルは見ていた。そしてその眼が嗤った。

 

妖精の男メンバー3人は再びゼルに向き直る。

 

 

「行くぞ…!!」

 

「「おうっ…!!」」

 

 

そして、彼らはゼルに突っ込んでいった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「闇ギルドだー!!」

 

 

マグノリアの街の半分は炎に包まれていた。大鎌の暴君の傘下ギルドの突撃によって、街の皆は居場所を追われ、逃げられる方向へと皆散り散りになって逃げていた。そんな中、1人の男がある事に気付いた。

 

 

「妖精の尻尾の方が騒がしいな…」

 

 

マグノリアの街の1人が呟いた。真夜中だと言うのにギルド妖精の尻尾の方には炎が燃え上がり、叫び声が聞こえてくる。

 

 

「確か何日か前にあいつらのギルドの令嬢を王国に引き渡せと言う命令があったな」

 

「おい、もしかして闇ギルドの奴はその令嬢を誘拐して親から金を毟り取る気なんじゃねえのか?」

 

「確かに、ギルドの周りにあれだけの人数がいるのは変だな」

 

「きっと今戦ってる最中だろ。無理に関わらないほうが良いぜ」

 

「それもそうか…」

 

 

異変には気付いたが妖精の尻尾を心配している余裕は無かった。マグノリアの街の皆はそれぞれ安全な場所を求めて逃げていく。

 

 

「……」

 

 

そんな中、1人の青年が妖精の尻尾の方を向いた。身体から異質な魔力を放っている。その髪の色は青。眼の色は…

 

 

「妖精の尻尾…」

 

 

そう呟いた青年はギルドがある方向からの魔力を感じ取ると魔力を放出し、その場を飛んだ。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

ナツ達がゼルに突っ込んでから1分が経過した。

 

 

「だらああああああ!!!」

 

「うおおおおおお!!!」

 

「どらああああああ!!!」

 

 

ナツ、グレイ、ロキの3人はゼルに向かって魔力の込もった拳を繰り出していた。炎、氷、光の魔力を放出し、目の前の敵を破壊するとばかりに攻撃の手を緩めない。

 

 

「火竜の煌炎!!」

 

 

ナツが両手から巨大な火球を創り上げ、その爆炎をゼルにぶつける。爆炎はゼルに触れた瞬間大爆発を起こし、その余波は辺りに広がった。

 

 

獅子王の輝き(レグルス・インパクト)!!」

 

 

追撃にロキが光の魔力を纏った拳でゼルを攻撃する。その攻撃は夜の闇を照らし、辺りを眩い程の光が照らした。

 

 

「アイスメイク・戦神槍(グングニル)

 

 

そこにグレイが造形した氷の槍でゼルを貫こうとする。。槍の大きさは10数mにも及び、凍気が辺りを支配した。ゼルに槍が直撃する。

 

 

「っ…」

 

バキバキッ

 

 

しかし、ゼルを貫通すること無く寧ろ直撃したその槍の刃先が削られ、やがて槍が粉々に粉砕された。

 

 

「なっ、槍が破壊されただと…!!」

 

「グレイ、怯むな!!」

 

 

ロキがすかさずゼルに向かって拳を叩き込み、グレイを鼓舞した。グレイは我に返った。そうだ、時間が無い…

 

 

氷雪砲(アイス・キャノン)!!」

 

 

すかさず、強敵に両手持ちの巨大な大砲を造形し氷の砲撃を放つ。氷によってゼルの身体が凍り付いた。

 

 

「火竜の咆哮!!」

 

「レグルス・レイズ!!」

 

 

ナツが追撃のブレスを放つ。それと同時にロキが金色の光をレーザー砲のように放出した。炎のブレスと光の光線は辺りを破壊し、ゼルを焼き尽くそうとする。

 

 

ドオオオオッ

 

 

2人の魔法が合体し、ゼルに迫る。この魔力ならダメージを与えられるかもしれないと誰もが思った。

 

 

「魔法陣発動、紫黒の渦」

 

「「なっ…!!」」

 

 

しかしここでゼルが初めて魔法を発動した。爆炎の炎と光線は紫と黒の混じった闇の渦に吸い込まれていく。それにより炎と光は消滅した。

 

 

「まだだ!!氷刃・七連舞!!」

 

 

闇の渦が消滅した瞬間を狙ってグレイが突っ込んでいく。両肘辺りに出現させた氷の刃で回転しながら敵を切り裂く連続攻撃。グレイの必殺技の1つである。

 

 

「はあああああ!!」

 

 

ドガガガガガッ

 

 

氷を装備したグレイがゼルを魔法で殴りつける。その威力にゼルが両足で地面を抉りながら後退した。同時に衝撃に耐えられなくなったグレイの氷が折れた。

 

 

「っ…」

 

 

しかし、あまり効いてない様子のゼルにグレイは歯噛みした。氷の連撃を素の身体で受けたにしてはあまりにも硬い衝撃をグレイは肌で感じ取っていた。

 

だが、まだ終わりじゃない。自分が決められなかったなら、仲間に決めて貰えば良い。

 

 

「レグルス・カノン!!」

 

 

後退した所をロキの放つ金色の光の魔法弾がゼルに衝突する。ゼルは更に後退した。

 

そこに突っ込んでいく爆炎…

 

 

「滅竜奥義・紅蓮爆炎刃!!」

 

 

ドコオオオッ

 

 

ナツが自分の必殺奥義で、ゼルを炎の刃で斬り刻んだ。爆炎は触れた瞬間に爆発し、辺りに爆音が鳴り響く。

 

 

「やったか…!?」

 

 

3人は爆発が起きた場所を見る。同時に丁度、2分間が経過した。爆発が収まり、煙が消えていく。

 

 

「こんなものか…妖精の尻尾」

 

「「「!!!」」」

 

 

3人は目を見開いた。

 

そこには少しダメージを受けただけで、先程と殆ど変わらない姿のゼルが立っていた。

 

 

「なら、もう良い…。ここなら強者と出会えると思っていた俺の勘違いだった。俺はこれ以上つまらない戦いをする気はない。お前達を片付けてハートフィリア家からの資金を手に入れ、次の敵に備えるとする」

 

 

ゼルはもう妖精の尻尾の実力に興味は無かった。あるのは依頼達成後の資金、これから彼が望む宿敵の悪魔の心臓との決戦。

 

 

「だが、ただお前達を倒すのはつまらない、依頼を確実に達成する為にも少しだけ遊ぶとする」

 

 

そう言うゼルの眼に映ったのはナツ達3人の後ろにいるルーシィの姿だった。

 

 






という訳で今回、ゼルが少しだけ魔法を使いました。
本番は次ですね。

そして…

現時点のヒロイン達から主人公への好感度どう思う?

  • 高過ぎ(原作のキャラのイメージと違う)
  • 思ったよりも高い
  • こんなもんかな(だいたい合ってる)
  • あまり好感度を感じない(もう少し高く)
  • 低い(もっと高くなるはず)
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