危険な勧誘 作:ダークネスドラゴン
因みにこの間章においてゼルは中ボスキャラの予定です。
ラスボスは…?
突如、戦場に現れ、ゼルを吹き飛ばした青髪に真紅眼の青年、ブルー・インフェルノに妖精の尻尾と闇ギルドの面々は驚いた。妖精の尻尾の大半はそれがブルーだと分からず、正体不明の魔道士に驚愕し、闇ギルドの面々は自分達の長であるゼルが一瞬で吹き飛ばされた事に動揺を隠しきれなかった。
「ブルー、本当にお前なのか…?」
エルザが異質な魔力を放つブルーに問いかける。
「ああ、俺だ」
「そうか、ふん…お前と言う奴は…人騒がせな奴だな」
ブルーの返答を聞いたエルザは呆れたように笑うと立ち上がった。ナツとグレイも身体の回復と同時に意識が元に戻った。身体を起こし、ブルーの方を見やる。
「へっ、やっと来たか。何処に隠れてたんだ?遅えぞブルー」
「まったく、お前のせいでうちの姫さん達はずっと気負ってたんだからな。責任ぐらいとれるよな?」
「ああ、面目ない」
悪友に話しかけるように意地悪い言葉をかける。しかしそこには形はどうであれ、小さな信頼の欠片があった。
妖精の尻尾の紋章を刻んだ魔道士の傷と体力を全て回復させ、ルーシィを立たせたブルーは再び、ゼルと闇ギルドの魔道士の方へと向き直ろうとする。
「っ…、俺の邪魔しやがった奴はてめえか?」
吹き飛ばされたゼルが立ちあがる。身体の痛みこそあるようが、戦闘の継続には影響無さそうだ。
「あの野郎…、ブルー!!あいつは俺が「ナツ、この勝負、俺に譲ってくれ」なっ…」
ナツが振り返って宣言しようとしたのをブルーは遮った。それに対して反論しようとしてブルーの表情を見たナツは何も言えなかった。
「俺は戦う。まだ返しきれてない物が沢山あるんだ。俺の恩人の身体と心をこれだけ傷付けた奴を俺は許せない」
その身体は先程の代償魔法、
「ふん…、仲間の仇を討つってのか?少しはやるようだが負ける気はしねえ。装備魔法、
ゼルはブルーの右手首に銀の手枷を装備させた。グレイがそれを見て叫ぶ。
「あの装備魔法は…不味い…!!ブルー、気を付けろ!!お前がダメージを受ける度にルーシィも同じ痛みを味わうことになるぞ!!」
「くははははっ、そうだ、これで俺との戦闘でお前がダメージを受けるごとにその娘は苦しむ事になるぞ、仇討ちなんかしてる場合か?逃げた方がその娘の為なんじゃねえのか?」
「仇討ち?違うな、これから起こるのは…」
ブルーの姿が消える。
「ただの一方的な殲滅だ」
瞬間、鈍い衝撃音がなった。同時にゼルの身体が吹き飛んだ。
ドドドドドドッ
「「「「「「ぐあああああっ…!!!」」」」」」
殴られたゼルはあまりの威力に声すら発する事が出来なかった。そのまま後方にいる闇ギルドの面々諸共吹き飛ばしながら、地面を破壊してギルドの門の方に突き進んでいく。
ゼルがいた場所には青の光を纏った闇の魔力を滾らせるブルーが立っていた。
「凄い…!!」
「ふん…やるじゃねえか」
「流石だぜ…!!」
「やはり強いな…」
妖精の尻尾の面々から感嘆の声があがる。
「俺の恩人をこれ以上お前の手で傷付けさせない」
「っ…ごふっ…、おのれ…」
立ち上がろうとするゼルの口から血が吹き飛ぶ。相当強い衝撃を受けた様子だ。
「ごほっ…、ぐうううっ…舐めるなあ!!
ドオオオオオオオッ
吹き飛ばされたゼルは片手を前に出し、魔法を発動する。冷気のガスを放った。ブルーを中心に辺りの視界が遮られる。
「ふっ…受けろ!!」
そのまま巨大な鉄球を顕現させ、それに繋がれてる鎖を振るった。鉄球がブルーに殴りかかる。
ガッ
「なっ…」
しかしその鉄球はブルーに受け止められた。攻撃を防がれた事に驚くゼル。
ブオオオオオッ
「っ…ぐうううううっ…!!」
そして鎖を引っ張られてそのまま強くブルーに振り回された。ゼルの大きな身体が宙を舞う。
ドガガガガッ
そしてそのまま地面に投げ出された。ゼルの身体が勢いよく吹き飛び、転がる。
「っ…なっ…」
なんとか起き上がったゼルの眼の前にはブルーがいた。一瞬で距離を縮められた事に驚愕するゼル。ガッとゼルに掴みかかるブルー。
「うらあっ!!!」
「くっ…」
ドゴオオオオッ
ブルーはそのままゼルの身体を持ち上げ、後ろの地面に叩き付けた。地面が割れ、陥没する。
「くっ…、て、てめえ…!!」
「喋る暇があるのか」
ドスッとゼルの腹部に一撃を入れるブルー。ゼルの身体が後方に吹き飛ぶ。ブルーはそのまま突撃し、追撃の蹴り上げをくらわせる。ゼルを吹き飛ばした。そのまま両腕に魔法陣を発動させる。闇の巨翼を出現させ、その両腕を振るう。
「吹き飛べ!!
「ぐあああああ!!!」
青いオーラーを纏った闇の巨翼はゼルの大柄な身体を吹き飛ばした。そのまま何度も地面にバウンドし、破壊された妖精の尻尾の門に激突して止まった。
「ぐっ…おのれ…」
「成る程、かなりタフなんだな…」
結構なダメージを受けたはずだがゼルはふらふらとだが立ち上がった。息は相当上がってる。かなり体力はあるようだ。
再び睨み合う2人。
「くっ…」
ゼルはなんとかしてこの場を突破したかった。眼の前の敵の強さは確実にゼルの実力を上回っている。彼の必殺魔法、
故に彼の頭に思いついた作戦は1つ。両手に魔力を込める。紫黒の魔法陣が現れた。それに気付いたブルーも両手に魔法陣を構える。
そして…
「
「
互いに爆炎を放出する。ブルーの方は闇の炎の如く漆黒の炎だった。
「ふん…、いくらお前と言えどこの爆炎は止められない…」
ゼルが考えた作戦、それは魔法によるゴリ押しだった。肉弾戦で勝てないなら魔力で押し切るしかなかった。この魔法でブルーにダメージを与え、その隙に大地の魔力を吸収し、
ゴオオオオッ
2つの炎がぶつかる。一瞬だけ先に放ったゼルの火炎がブルーの炎を押した。勝てるとゼルは一瞬だけ思った。一瞬だけだったが…
ドオオオオオオオッ
だが、直ぐにその魔力は拮抗した。そして、黒炎の力が大きくなっていき、やがてブルーの炎が押していき、ゼルの方に爆炎が迫ってくる。
ドオオッ ドオオッ
2人の魔力によって発生した爆炎のエネルギー弾がゼルの方に近づいてくる。その余波がゼルに当たる。ゼルはそれを肌で感じながらも抵抗を止めなかった。
だが、そして遂に…
ドゴオオオオッ
「があああああっ…!!!」
ゼルの身体に爆炎のエネルギーの塊が激突し、大爆発を起こした。吹き飛ばされるゼル。
その隙をブルーが見逃すはずは無かった。
「
「ぐっ…」
一気に闇の閃光となったブルーがゼルに接近する。そのままゼルの巨体に一撃をくらわせ、その身体を掴んだ。
「ぐあああああっ…!!」
そして、空高く飛び上がった。そしてそのままゼルの身体を振り回す。
「ぐおおおおおおっ…!!」
「受けろ…!!」
ドゴオオオオッ
そして、思いっ切りゼルを地面に投げ落とした。物凄い衝撃音が鳴り響く。地面が再び陥没し、クレーターが出来た。
「ぐっ…」
立ち上がろうとしたゼルに再度蹴り上げを入れる。ゼルは再び吹き飛び、仰向けに倒れた。
「馬鹿な…何故、この俺が…、俺はこんな所で終わるのか…
ふらふらと立ちあがるゼル。満身創痍の状態だ。ゼルの言葉を聞いたブルーが口を開く。
「なら直接勝負すれば良かったはずだ、妖精の尻尾に手出しなどしないで堂々とだ。資金稼ぎなんて小さな事をやっていないでな」
「黙れ、貴様に何が分かる!!俺はあいつらだけは倒すって決めたんだ!!俺のギルドを潰して、挙句の果てに吸収した奴らだけは許せなかった。俺は1人逃げて苦しい日々を送った。そして決意した。今度こそ俺がこの世界の支配者になるってな。悪魔の心臓なんかの傘下ではなく、この俺が頂点に立つためにだ!!」
ゼルは支配される側ではなく、支配者のままでいたかった。例えどんな手段をとっても何を犠牲にしても他人より上でいたかった。
「悪魔の心臓にやられてすらいない貴様等には俺の気持ちなど分からぬ!!」
「分からない。とは言い切れないな。俺も評議院時代、ほんの少し前だが、その時に悪魔の心臓と戦って奴らに苦しめられたからだ」
「なんだと…!?いや、貴様のその強さ…まさか…」
「お前の考えてる事は多分合っているぞ」
ゼルは思い出した。少し前に悪魔の心臓が評議院によって壊滅させられた事を。そして、眼の前の青年の実力を見て確信した。この青年こそが悪魔の心臓を下した男だと。
「待て、俺とお前が組めば、復活した悪魔の心臓を倒せる!!貴様にとっても悪い話では無い筈だ。俺と組め!!そして共に悪魔の心臓を倒すのだ」
「…お前が何もしなければそうしてたかもな」
ブルーは闇の魔法陣を構える。
「だが、もう遅い。お前は俺の仲間を傷付けすぎた。だから、今はお前を砕く!!」
「っ…おのれ…!!」
ゼルは魔法陣を発動した。彼の前に紫黒の渦が出てきた。彼の防御魔法だった。
「この魔法はあらゆる魔力を吸収する。この紫黒の渦を貴様は突破出来ない!!」
「なら試してみるか」
青の光を帯びたブルーの闇の魔法陣が発動する。
「
「たっぷり吸い込んでやる!!紫黒の渦!!」
ブルーの魔力が放出される。人の背丈を遥かに超える巨大な魔法陣から極太の闇の破壊光線が放たれた。
ドオオオオオオオッ
「ははははははっ…、無駄だ!!全部吸い込んでやる!!」
ゼルは紫黒の渦で防御しようとする。
ドゴオオッ ドゴオオッ
「ぐうううっ…、な、なんだ、この魔力…高すぎるぞ!!」
しかしあまりの膨大な魔力に紫黒の渦が悲鳴をあげた。魔力を吸収仕切れず、その余波がゼルに襲いかかる。
そして…
ドオオオオオオオッ
「ぐあああああああっ…!!!」
紫黒の渦で吸い込んだ魔力が暴発し、次々に爆発した。そして闇の光線は破壊されてしまった渦を消滅させ、防御の姿勢が整わないゼルに直撃した。
「ぐおおおおおおっ…!!」
闇の破壊光線をもろに受けたゼルはその身を削られ、後ろの煉瓦に身体を押し付けられた。そのまま防御すら出来ずに破壊光線を身体に受け続ける。
「ぐああああああっ!!」
破壊光線の追撃は続いた。そして遂にゼルは動けなくなった。
やがて、破壊光線が止んだ。瞬間、バタリと倒れるゼル。
ドガアッ
そしてその場で大爆発を起こし、そのまま意識を失った。同時に術者の魔力が消えた為、ブルーやルーシィ達の装備魔法が消えた。
「なっ…嘘だろ…ゼルがやられた…!!」
それを見た闇ギルド達は思わず下がった。彼らが強さにおいて絶対的な信頼をしていたゼルが倒れたのだ。
「て、敵のボスを倒した…」
「おい、やっぱりあいつやべえぜ…!!」
その光景を見ていた妖精の尻尾の面々は驚きながらも感嘆の声をあげた。
同時に…
「今だ!!敵を蹴散らせー!!」
「「「うおおおおおおおっ!!!」」」
エルザ・スカーレットの言葉に一気に勢い付く妖精の尻尾の面々達。そのまま回復した身体で眼の前の敵を粉砕していった。
闇ギルドの面々は大半が雑兵だった。自分達のボスが倒され、動揺した状態で1人1人が精鋭レベルの妖精の尻尾に勝てるはずも無く、散り散りになって逃げていった。
ブルーはそれを見て魔力を解除した。もう充分だと判断したのだ。後は彼らに任せれば良い。妖精の尻尾の反撃をブルーはただ眺めていた。
そして、数十分後…
「我々の勝利じゃー!!」
「「「「うおおおおおお!!!」」」」
妖精の尻尾のマスター・マカロフの言葉で妖精の尻尾は勝利の雄叫びをあげた。皆、純粋とはいかなかったが、取り敢えずの勝利を喜んだ。
「……」
その光景を見て、たった1人俯いている、ルーシィを除いて…
そんなルーシィの様子を妖精の尻尾の何人かとブルーは見ていた。
という訳で大鎌の暴君との戦いが終わりました。
まだ、問題は解決してないですね。
どっちが強そう?
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黒髪の主人公
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青髪の主人公