東京のとある街角、
「オラァ!」
不良たちに絡まれる気弱な少年。
体格も太っており、抵抗する素振りもない。
「やっぱ、ゴミ掃除は気持ちいいぜ!」
「生意気なんだよ。ゴミの分際で推し活なんてよ」
不良が去った後には、怪我をしてうずくまる少年が横たわっていた。
金色の髪に、透き通るような青い瞳。
「畜生、でもお前を守れてよかったよ」
健人の後ろには、まだ生後間もない子猫がいた。
あのままいじめを引き受けなかったら、この子猫がいじめの被害に合うかもしれないと思った。
「いてて、今日も随分殴られたな。けど、彼奴等の証拠はバッチリだ」
そう言って健人は、ボールペン型カメラをスクールバッグに仕舞う。
「あ、いたいた!」
不意に声がかかる。
健人が振り返ると、容姿端麗な少女が駆け寄ってきた。
流れるような白磁色のロングヘアー、瞬くような赤い瞳。
幼なじみでもある
「えみり、この子を保護したんだけど、引き取り手が来るまで育てたい」
「健ちゃん、いじめの加害者のデータは?」
「バッチリさ!」
健人とえみりはいじめ加害者を探しており、今回の件はそれに該当していた。
「これで、いじめの被害が減ればいいけれど、」
「簡単なものじゃないな」
いじめは一向に無くならない。
それでも、大好きな幼なじみを助けたいとえみりは思っていた。
その時、
(健人……)
誰かに呼ばれた。
「え?」
「どうしたの?」
突然の声に戸惑う2人。
(選ばれし勇者よ、我らの導きの元へ!)
突然足元が光った。
「なんだコレ!?」
「どうなっているの!?」
2人は光に包まれると同時に意識を失った。
しばらく意識を失った状態が続いたが、
「こ、ここは?」
「何処なんだろう?」
健人とえみりは意識を取り戻した。
あたりを見回すと、何処か中性的な建物の中なのか、ベッドも広く、装飾も豪華だった。
「ふふふ、健ちゃんと一緒のベッドなんて、2年ぶりかな?」
えみりは悪戯な微笑みを見せる。
「ば、バカを言うな! 俺の童貞は崩壊寸前だ!」
少し痴話喧嘩気味になる。
そこへ、
「お取り込み中失礼します。王女殿下がお目覚めになられたら、謁見の間へと起こしいただくようにと」
扉が開き、メイドが健人とえみりにある場所へ来るように言われた。
「「なんだろう?」」
2人はメイドさんの案内によって廊下を歩いた。
作りは絢爛豪華なもので、中には偉人らしき肖像画が飾られている。
「貴方がたは
メイドの言葉に、
「なに、今なんて言ったの?」
「わからない」
健人とえみりは戸惑った。
「いずれ、地球の娯楽に関わる重大なことです」
メイドがサラリとある事実を口にする。
いつの間にか、謁見の間へと来ていた。
「ようこそ、わがアキバリア王国へ」
その奥には、幼い少女が玉座に座っていた。
「私は、アキバリア王国第1王女フリージア。地球の娯楽文化より生まれた世界・エンタルディアの姫御子である」
どうやら、この世界は地球と密接な関係を持っているみたいだ。
「で、地球の文化とこの世界はどのような関係を?」
「この世界ははるかいにしえより星結びによって生まれ、娯楽の発展とともに世界は進歩したのだ、時進年歩というやつだ」
「よくわかりませんが、この世界は地球の娯楽と一緒に進んでいるということですね……」
フリージアの言葉に、健人は苦笑いするしかなかった。
「そして今、この世界はある危機を迎えようとしているのだ。 娯楽を規制することで自分たちに都合の良い世界を作り出そうとしている輩が」
フリージアが顔を深刻にする。
その表情からかなり危機的な状況と読み取れる。
「その輩の名は、<国際娯楽文化統制機構・フェミレクター>。すべての娯楽を統制し、若者たちの活動を制限することで自分たちの都合の良い世界を作ろうとしておる」
フリージアの話に、
「フェミニストとネグレクトがゴチャゴチャになってる」
「でも、なんだかヤバそうだね」
健人とえみりが緊張感を走らせた。
「奴らは地球のフェミニストや毒親を召喚して、自分たちの戦力に加えようとしている。地球の娯楽や若者たちの夢を規制し、<夢のない公平な社会>を作ろうとしている」
その時だった。
「フリージア様、敵襲です!」
兵士の一人が飛び込んだ。
何やら慌しい様子だ。
「フェミレクターの侵攻か?」
「はい。敵は勉強院マナビかと!」
その会話に、
「何者ですか?」
健人が割って入ってきた。
「やつは、勉強こそが人生のすべてを主張する男です。子供の将来は勉強で決まるという教育虐待加害者らしいです」
フリージアは敵の情報を健人に提供した。
「わかりました!」
健人は、すぐに出ようとするが、
「待つのだ、そんなおデブでは運動もつらかろう。ちょいと荒療治だが、この容姿変換ポーションを飲んで、スリムでかっこいいイケメンボディになるのだ」
フリージアは、健人に緑色の薬が入った小瓶を渡す。
「イケメンボディ……」
戸惑いながらも、健人はフリージアから薬を受け取って飲む。
すると、激しい下痢の便意に襲われた。
「うおおおおおおおおぅぅぅっ! と、トイレ〜〜〜〜っ!」
健人は大急ぎでトイレへと直行した。
その頃、
「勉強こそが人生を決める大事な修行! 夢と希望を捨てて、勉強に集中しましょう!」
メガネを掛けたインテリ男・勉強院マナビが穏やかかつ冷たい口調でアキバリア王国に攻め込んでくる。
「エンターテインメントは勉強の敵! 規制しておかなければ、学力に影響が出てしまうので、直ちに規制しましょう!」
マナビが魔法を発動させる。
「ファイアボール!」
火球が城壁に向かって飛んでいく。
兵士たちが障壁を展開してそれを凌ぐ。
「困りますね。抵抗するのは我々フェミレクターのしごとが増えるばかりです」
マナビはメガネをクイッと上げる。
「では、私も本気を出すとしましょう。いでよ、
マナビが教科書を天高く掲げる。
すると、魔法陣が展開されて中から頭は消しゴム、身体はノート、前脚と後脚が三角定規で尻尾が鉛筆の恐竜が出現した。
「ゆくぞ!
マナビはガクモンサウルスと融合し、防衛隊に向かって突撃した。
「怯むな!」
白の兵士たちが応戦する。
「邪魔です! 消し去りなさい!」
ガクモンサウルスが消しカスを固めたブレスを吐く。
兵士の一人に命中すると、まるで消しゴムで消されるように消えた。
「愚かなものです。我々フェミレクターに歯向かうのですから!」
マナビは城壁を目にする。
その時、
「ここからは俺が相手だ!」
城壁の上には健人が立っていた。
すっかりと痩せて、容姿が爽やかな美少年へと生まれ変わった。
「何者ですか? 我らに逆らうなら消しますよ?」
「お前のような毒親は、俺が倒す!」
健人は静かに目を閉じる。
「この胸に宿るは清らかなる心、この手が握るは守りの剣、正しき思いと怒りのもとに! 舞い降りよ、アストリア!!」
健人が剣を高く掲げる。
魔法陣が上空に展開され、全高4mのロボットが召喚された。
美しく輝く白金色のボディ、右手に星座の印が答申に刻まれた剣、左手には女神の紋章が刻まれた盾。
「おぉーっ!」
ロボットが雄叫びを上げる。
「行くぜ、
健人はロボットと融合する。
そして、ガクモンサウルスの前に立ちはだかる。
「夢と希望を剣に込めて、キラリと光る一等星! 乙女座の
次回予告
健人「いきなり強敵がでてきたけど、どうやって戦えばいいんだ!?」
アストリア「落ち着け健人、私の言う通りにやれば問題ない」
健人「わかった! いっくぜ! スタートゥインクルブレイク!」
次回、「激突! アストラマキナVSフェミックマシン」
はたして、この戦いの行方は!?