【カオ転三次】終末が約束された世界で生き抜きたい 作:ディストピア
こんな感じでいいのかな?
本日は来客が居る、事前に連絡を有り、こちらの都合に合わせる度量と裁量権を持ち、それでいて
今代の葛葉キョウジである
「本日はお初にお目にかかる破魔ネキ殿、面会を受け入れていただき感謝する、自分は根願寺所属の葛葉キョウジと申す」
「はいはじめまして、それで、本日はどのような要件でいらしたので?」
「うむ、宮様の御家族の身辺警護のために可能ならば黒札の派遣を、それが無理でも、可能な限りの食料の提供をしていただければ……と」
「黒札を護衛にってのは他所でも聞いているとは知ってますけど、食料の提供ですか?」
「破魔ネキ殿が何処まで自覚をしておられるかは分かりませぬが、現在の京都周辺で、最大規模の食料生産地が兵庫県なのです」
「あ〜、単純に広いし、南部と北部の保護には成功しているし、海での漁も可能ですからね、農業、牧畜、狩猟、漁業、その全部が行われている地ですからね」
「そのとおりです、故にこそ、宮様の御家族に新鮮で安全な食材を食べ続ける事が出来るように、支援して頂きたいのでだ」
そう言われると納得せざるを得ない、京都での自給自足で民衆を支え続けるのなんてどう考えても無茶なのに、宮様の御家族が食べる食材まで……となると、下手したら暴動が起きて、海外からの難民の手で……ってなる可能性は極限まで減らしたいよね
「食材に関してはわかりました、まぁ宮様の御家族にフード悪魔の『神戸黒毛和牛鬼』の肉を食べさせるより、神戸牛の基準を満たした高品質の但馬牛の肉を食べてもらいたいですよね、選択肢が在るなら尚更」
「はい、たとえ安全だと言われていても、悪魔の肉を日常的に食べていただくより、可能な限りは普通の牛の肉を食べて頂きたい」
「それならベジタブルスカイの野菜は止めておいた方が良さそうですね」
「ベジタブルスカイ……ですか?」
「探求ネキ達が創り出した特別な農場なんですけど、そこで採れた野菜は美味し過ぎて、今まで食べた地上の野菜は腐っていたのか……って疑問を抱くほどのものなんですよ」
「それは………確かに、止めておいた方が良さそうだな」
「今後食べる野菜は全てベジタブルスカイの野菜に出来るなら別ですけど、あの農場、自力で辿り着く場合ガイア連合レベルで20は最低でも欲しいですからね」
「なんと、そこまで特殊な環境なのですか」
「特殊というか、高度1万以上の場所なので、入口の高度2000から辿り着くまでが試練なんですよね、辿り着いてしまえば呼吸は普通に出来ますけど、成層圏付近の農場まで自力で登り切るまでは酸素も薄く極寒ですからね」
「………私を含め、根願寺にそれを成せる者はおりませんな」
「覚醒している鶏の卵や、未覚醒者が食べても大丈夫なグルメ食材はどうしましょうかね?」
「グルメ食材?」
「?……ああ、こんな感じの不思議食材ですよ」
そう言って、収納バッグからベーコンの葉とイチゴ飯の米を取り出しテーブルに置く
「植物でありながら上質なベーコンの味がする『ベーコンの葉』と一粒一粒が小さなイチゴになっている米の『イチゴ飯』です、程よい酸味が高級寿司屋の酢飯のように絶品ですね、共通しているのは非常に美味な霊的食材って事ですね」
「このような物が……」
「量を確保しようとするとお高いですけどね、お手軽に作れるものから生育が難しくて希少な物まで、本当に色々です」
「ああそうか、グルメな食材と、ガイア連合関連で度々耳にしていたのはコレの事なのか」
疑問に思っていたことが解決したからか頷きながら呟く葛葉キョウジ
「恥ずかしながら、現状では資金面でもあまり余裕がないので、特殊な食材はたまに食べる贅沢品という扱いにするしかなさそうですな」
「そうですか」
資金に余裕が無いなら、確かにグルメ食材を買うのは無茶かな、無償提供するには………黒草あたりなら問題ないけど、他のを無償提供はねぇ
「ああそうだ、私が作って売り出している簡易式神シリーズの事って知ってますか?」
「たしか……重騎士女、僧侶男、アーチャー女とかいう奴でしたかな?」
「そうです、レベル15程度で良ければ、護衛や盾役に重騎士女、医療班に僧侶男、弓や銃使いの狙撃手としてアーチャー女と盗賊女を、そうですね、5体ずつ提供しましょうか?」
「レベル15もの猛者を提供していただけるのか、それも20体もの数を」
「少し期間はもらいますけどね、流石に即日は無茶なので」
「それは分かります……が、実に有難い」
「ああそれと、下世話な話ですが、皇太子様とかの筆下ろし相手の候補にするとかなら要相談ですね、基本機能のままだと性交は出来ないので」
「ぶっ……失礼、今はその様な話はありませんね」
「そうですか、そうだ、人間の増員が欲しいのならば、自衛隊の方に別途交渉してください、皇室の方の警護がしたいと希望する方を引き止めはしませんので」
「承知した、それで話は変わるのですが、貴女も官位は要らないので?」
「正直官位を貰っても出来ることは変わらないですし、増長した京都の者達が、『官位をやったのだからお前は我々の配下だ、命令に従え!』……的な勘違い発言をする可能性がそれなりにありますし」
「ぬぅ………それは………」
「官位を頂くことで、兵庫県は日本に所属していると分かりやすくし、皇室の方からの覚えも良い………となると、喜ぶ部下が多いのは確かなんですけどね、勘違い馬鹿が湧くのが嫌なだけで」
「京都の人員を引き締め、増長した者が出ないように気を付けろ……と?」
「ですね、しかし、今の兵庫県を国として私が纏め上げて統治している……と考えている者が居るのも確かなんですよね、王国って扱いなのか、戦国大名の領地扱いなのか、その辺はわかりませんが」
「今の兵庫県を独立国家と認識している者も居るのですか」
「ですから、官位を頂くことで、兵庫県は京都より下の立場だ……と、順位付けされてしまうのを嫌う者も居ますね」
「それに、地方名家の生き残りとかもそれなりに居ますし、皇室の下に付くのは良いが、根願寺の下には付きたくないって人も居ますしね」
「成る程」
「ああそれと、話は変わりますが、私としてはそちらが資金の大半を持つならば、神戸市立須磨離宮公園に在ったような別荘を、再び神戸や姫路に建造するのは良いんですよね、建築用に良い霊木も提供しますよ、皇室の方に『京都に引き篭もり続けろ』とは流石に言えませんし」
「別荘ですか、確かに良いかもしれぬ、持ち帰り検討させていただきたい」
「どうぞご自由に」
この後もそれなりに話し合うこと数十分
帰還時の葛葉キョウジは、当日水揚げされた新鮮な魚介類が入ったクーラーボックスを数個ぶら下げながらも、気合で帰っていった