【カオ転三次】終末が約束された世界で生き抜きたい 作:ディストピア
8月終盤
書庫を目指し歩いていたところ
「破魔ネキちょっと良いか」
製造部の男性の一人に声を掛けられた
「はい…………なんですか?」
「ちょっと確認したい事が有ってね、破魔ネキが使ってるアイテムを売ってくれって声が有ったけど、調べても破魔ネキは矢ぐらいしか買ってないからさ、破魔ネキって異界で自作した属性アイテム使って戦ってるのか?」
「ええ………使ってますよ、今は万能属性と呪殺属性と疾風属性と衝撃属性と火炎属性ですね、ところで何のための確認ですか?使ってるかだけ?制作依頼?」
確認のために指折り数えていき、疑問に思ったことを尋ねる
「結構多いな、聞いた理由は買いたい奴が居るってのと、ペルソナ組への支援物資関連でな、属性アイテムを確保する手段は多いほうが良い、だから製作依頼だな」
「ああ………有るんでしたっけ、這い寄る方案件とかマヨナカテレビとか、ただ私の場合作製スキルが有りますけど万能属性の【破魔矢】とか呪殺属性の【呪怨矢】って感じに【矢】に限定されてるみたいなんですよね、それでも良いなら協力しますけど」
「そうか………矢に限定されるのか」
「あと、鏃が木製とかの模擬矢で出来るかは試した事が無いですね」
それを聞いて暫し考え込み
「まぁ問題無いか……他に弓使いも普通に居るし、作製された属性矢の品質チェックをしたいから後で開発部に来てくれないか?」
「今日はただの暇潰しの読書に良い本を探す程度のつもりだったから今からでも良いですよ」
「そうなのか、なら付いて来てくれ、矢もこっちで用意するから製造部で4〜5本程サンプル用に作製してくれ」
「分かりました、あっ………複数本の同時作製も出来ますから纏めた矢束でも大丈夫です」
「わかった」
そして、製造部
「ちょっと余分に用意したからコレで属性矢を作製してくれ」
5本一組の矢束が7つ、合計35本の矢がテーブルに置かれている
じゃあ、と矢束の一つを手に取り霊力を注ぎ破魔矢を作製してテーブルに置く
「まずは万能属性の破魔矢ですね、鏃が青白く成ってるのが特徴です」
「見た目でも違いが分かるんだな、それに速いな………2秒掛かってない」
「正しく理解したのは所属してからですが、破魔矢自体は8歳の時から射ってましたからソコは慣れですね、じゃあ次を……」
そう言って矢束を手に取り霊力を注ぎ呪怨矢を作製してテーブルに置き、そのまま続けて疾風矢、衝撃矢、業火矢を作製していく
「鏃が紫色のが呪殺の呪怨矢、薄い緑色が疾風の疾風矢、濃い緑が衝撃の衝撃矢、赤いのが火炎の業火矢ですね」
「色違いで見て分かるってのは分かりやすくて良いな、着色じゃないから手間もかからない」
「そして、最近出来る様に成った取って置きがコレです」
そう言って手にした矢束に霊力を注ぎ鏃が青白く染まっても霊力を注ぎ込む、すると鏃から回路が伸びる様に色が広がり、矢の半分が青白く染まる
「メギドじゃなくてメギドラ効果の破魔矢です」
「上位の属性道具も作れるのか」
「今はまだ破魔矢だけですけどね、確認の為のサンプルってこれで良いですか?私……時間経過でも大丈夫なのかの確認って最長で5日くらいしかしてないんですが……」
「ああ、十分だ、後はこっちで規定威力が出るのかの確認するし、時間経過での経年劣化の確認も時間加速異界とかで出来るからな」
「そうなんですね、そんな異界も有って有効活用できるなんて凄いですね」
「確認終わっても必要数の矢弾の準備とかも有るからこっちの準備が終わってから声を掛けさせてもらうよ」
「経年劣化で力を失う様なら教えてくれますか?意識的にそのへんの修練をしたら解決できる問題だと思うので」
「ああ、そうだな……3日とか経っても連絡無ければ問題無しって認識で良いぞ」
「そうですか……分かりました、あっ……報酬の現金やマッカが減ってもいいですから【変化】のスキルカードを、低ランクでも良いから用意してくれませんか?」
「別に構わないが……」
「実はマイ式神をFateの赤兎馬モデルで作ってもらってるんですが、戦闘面だけを考えて日常……一般の人達に見られる事を失念してしまっていて、見た目を普通の馬に、赤兎馬の再来って騒がれない様に体毛の色も変えられたら良いなって思ってたんです」
「そりゃ確かに問題だ、報酬が結構減っちまうけど用意しておくよ」
「ありがとうございます」
お礼を言ってから部屋を出ていこうとしたが立ち止まり、ふと思ったことを口にする
「そういえば、時間加速の異界ってドラゴンボールの【精神と時の部屋】や。ネギま!の【ダイオラマ魔法球】みたいですね」
「確かにそんなイメージだな、にしても女の子なのにドラゴンボールどころかネギま!もよく知ってるんだな、道具の名前がすぐに出てくるなんて」
「えっ?…………ああ、別に吹聴する内容じゃないからショタおじ以外には言ってませんでしたね、これでも私はTS転生ですよ」
じゃあ私はこれで……と、頭を下げてから開発部を後にする
えっ?と固まっている面々には気付いていない
その日、【悲報?】破魔ネキ【TSだった】というスレが立った
「あんまり時間掛かんなかったし、このまま書庫に行こうかな、五行相剋関連とか符術系や陰陽道、正しい神楽舞の本なんて有れば読むのに熱中して時間を潰せそうだし」
幼い頃にテレビ中継されていたのを真似たなんちゃって神楽しか舞えないからなぁ、巫女なんだから神楽舞をちゃんと身に付けたいなぁ………と呟き、しばらくして書庫に到着
食事や入浴等を挟みながらその日は読書をして過ごした
5日後
「今日はこの部屋に有る矢で属性矢を作ってもらいたい」
その部屋には矢が満載に成った大きな箱が6個と、空箱も6個鎮座している
そして、それらの箱には破魔矢Ⅰ、呪怨矢Ⅰ等の張り紙がしてある
「流石に多い………ですね、まぁ………此処の人達やペルソナ組への支援を考えればむしろ少ないほうかな?」
「純粋に人数が多いからな、他の支部への供給も有るしな、属性矢が力を発揮する条件は鏃が半分以上刺さるか、鏃が砕けるかの2つ……ってのが判明してるから、多少雑でも問題無い」
「そうなんですね……詳しい発動条件までは知らなかったや」
「MP回復アイテムもいくつか用意して有るから頑張ってくれ」
「はい、頑張ります」
返事を聞いてから部屋を出ていく製造部の男性
その姿を見送り、気合を入れる
「さぁ……頑張るぞ〜」
膨大な数の物量という難敵を相手に、孤独な戦いが今始まった
このあと必死に頑張って7時間掛けて終わらせた(作製しながら効率が向上していったので多少短縮された)
時間が掛かった理由は量が多いのは当然だが、単純に、箱の底の方に有る矢を取るのに