【カオ転三次】終末が約束された世界で生き抜きたい 作:ディストピア
5月1日
ギリシャ神話からの神使としてヘルメスが来るので立ち会いのために来てほしいと連絡が来たので星霊神社に移動する
まだ時間的に余裕があるから、運動も兼ねて自宅から徒歩での移動である
星霊神社の敷地内に辿り着く
「神使は伝令神ヘルメスですか、ゼウスの使いっ走りってイメージが強いですね」
ダンまちの影響かな?と歩きながら首を傾げる
そして、星霊神社の中に入った瞬間、背中に何かが当たった気がして、それを最後に私の記憶が途切れる
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三人者視点
星霊神社の入り口で突然立ち止まった少女、破魔ネキに周囲が疑問に思う中、その姿を少し離れた場所から見ている者が居た
「青髪で小柄な巫女、周りの連中の言葉からもあの少女が【破魔ネキ】で間違いないようだな、このエロースの黄金の矢であの少女の心はもはや我等ギリシャ神への愛に染まった、更に最初に見たギリシャの神に心の底から惚れ込む事となる、そうなればもはや我等の操り人形同然だ」
そう木陰から呟く者、背中から翼を生やした弓を持つ少年の姿をした神
【愛の神エロース】
「あの破魔ネキから属性矢を得るよりも、破魔ネキ自身を手に入れれば良い、アレほどの霊能ならばオリュンポスの神を信仰する信徒としても、優れた子を産む母体としても優れているだろうからな」
クックックッと、身勝手すぎる事を考えながら笑い、笑う時に下げていた視界を上げた時、驚きの光景がエロースの視界に飛び込んできた
破魔ネキの立って居た場所が突然爆発する様に弾け飛び、その次の瞬間、エロースの眼前に小さな握り拳が迫っていた
「はっ?ぎゃあ」
エロースの顔面に突き刺さる拳、拳が顔から離れ、殴り飛ばされるが、直ぐ様片足を掴まれて急停止し、そのまま地面に叩き付けられ、足は握り潰されて千切れる
まるで爆発したかのような衝撃が森の中で発生して大地を揺らす、小さなクレーターの中心で後頭部に小石等が突き刺さりながらも、突然の痛みと衝撃から自分に何が起きているのかを理解できていないエロースの顔面に再び拳が叩き込まれる
ドゴン、グシャ、バゴォ、ドゴゴゴゴゴとあきらかにおかしな音が絶え間なく鳴り続ける
小柄な少女が*1、翼の生えた少年を一心不乱に、ただひたすらに両手で、高速で殴り続けている、殴り肉を潰し、骨を砕き、砕けて潰れた肉と骨が打撃で混ざる、エロースの肉体を拳でミンチに変えていく
数秒おきに打撃音、破砕音が止まるが、それは殴るべき頭部や身体を粉砕して地面を殴ると拳が止まり、治療魔法と蘇生魔法で粉砕した肉体を復元させてエロースを復活させ、息を吹き返した瞬間から再び殴り始める
「人げ…………や…………め…………」
エロースの肉体で多少威力が落ちようとも、エロースの肉体を貫通して叩き込まれる打撃の衝撃が大地を揺らし、地面を砕いて粉砕し、クレーターの中に更にクレーターを発生させて地形を変えていく
星霊神社のすぐ近くでそんな事が起きれば当然気付く者達も居るが、近寄れない、破魔ネキの放つ、あまりにも濃密で強烈な殺気と呪詛に当てられて足を止める、Lv30にすら届かぬ者が耐えられる筈もない
恐怖から距離を取る者、気絶する者、腰を抜かす者、失禁する者、大きい方を漏らす者、漏らせる物全てを漏らして気絶する者、突然の恐怖体験に覚醒する者が居た
覚醒者の中でも、霊視に優れた者で在れば、破魔ネキの背中に、心臓の位置に黄金の矢が突き刺さっているのが視えただろう
「そこまでだよ破魔ネキ」
突然の惨劇から2分程経過してからショタおじの分身が現れるが、分身の中でも特に弱い方だったのか、破魔ネキの裏拳を止めきれずに腹部から粉砕され、身体が千切れ飛ぶ
「コレは…………完全に正気じゃないな、近接攻撃力が跳ね上がり過ぎてる、こんな時にアポロンの怪力まで表面化したか」
自身を殴り砕いた後はエロースを殴るのを再開した破魔ネキの姿を見ながら、上半身だけとなったショタおじの分身がそう推察する、それとは別の分身が破魔ネキの背中に刺さった黄金の矢を、矢羽根を残して溶け込みかけていた矢を引き抜いた上で意識を刈り取り鎮圧するが
意識を失いながらも最後に振り下ろされた拳は、エロースの心臓を貫いていた*2
ちなみに、ショタおじの到着が遅かったのは、何で破魔ネキが暴れてるの?……って本気で困惑していたから
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「此処は…………何処?」
見知らぬ部屋のベットの中で目を覚ます
「薬品の匂い、医務室?」
起き上がり周囲を確認する
なんだろう? 妙に頭が痛い、それに両腕が尋常じゃないくらいに疲労してる
「目が覚めたようだな」
「貴方って事は此処は星霊神社の医務室ですか」
「意識ははっきりしているようだな」
「何故医務室に居るのかは全く分かりませんが」
「ふむ、破魔ネキの最後の記憶はなんだ?」
その言葉を聞いて、考え込む
「星霊神社の中に入った時に、背中に何かが当たった気がしますね、その後は………………医務室ですね」
本当に、気が付いたら医務室に居る、何が何だかわからない
「今から話すことは事実だが、冷静に聞いて欲しい、今の破魔ネキに暴れられると絶対に止められないからな」
「何故そんな念押しを、暴れませんよ」
本当に危険物扱いされる理由がわからない、単純にLv差の話かな…………と首を傾げる
「ギリシャ神話からの神使として伝令神ヘルメスが来た、だが、それとは別に愛の神エロースが来ていてな」
「愛の神エロースがですか、本霊がアポロンの私は特に気を付けないといけないですね」
「それで、そのエロースがキミを黄金の矢で射抜いた」
「え“っ?」
「それで意識が飛んだキミはエロースを撲殺し続けた、死んだら蘇生させてまた殴り殺す、それを2分程続けてショタおじに鎮圧された」
「まったく記憶に無いんですが」
「ショタおじと、呼ばれた探究ネキ*3が過去視なども使い現場検証を行い、何故キミが凶行を行ったかを確認した、エロースがそれを行った理由も一緒に確認した」
一切記憶は無いが、腕の疲労感がそれを事実だと主張している
「下手人のエロースはどうなったんですか?」
「流石に拘束されているよ、黒札を激しい恋心で洗脳して手に入れようとしたからね、そのへんの事実を伝えられた上で、エロースと一緒の部屋でショタおじに睨まれているヘルメスには少し同情するよ」
「でしょうね、ショタおじの黒札贔屓は凄いですからね」
ショタおじの同胞贔屓は本当に凄い、性格が腐っていようとも
「それにしてもエロースの黄金の矢で射抜かれて暴走って、バグったんですかね?」
「バグ?……何故そう思うんだね?」
「最近【女神の神核・B】ってスキルを習得したんですよ」
「女神の神核ね、FGOの女神達がそんな名前のスキルを持っていた気がするが」
「たぶん同じ物です、女神じゃなくて女神の卵扱いでしたが、効果は【肉体と精神の絶対性を維持する】スキルです」
「そうか、精神の絶対性の維持と、アポロンの黄金の矢で魅了された精神異常の神話再現、相反する二つの要素で暴走、矢で射抜かれたのを攻撃と判断して敵に反撃した、って事か」
女神の神核の効果を聞いて理解し、納得している
「来た元々の理由を果たすのと、エロースを殴るために行きますね」
「行かなくても咎められないと思うけどね」
「正気の状態でも一発ぐらい殴らないと気が済まないんですよ」
「普段来ないキミが医務室に居るというのも新鮮だったが、止めはしないよ」
「じゃあ行ってきますね」
そうして、医務室から出て、星霊神社の中に存在する神性を発する気配に向かって移動するが、その途中で遠巻きに私を見てくる人達から、恐怖と嫌悪、拒絶の感情を感じ取りため息を吐きたくなる、その視線と感情をあえて無視して、ヘルメスとエロースが居ると思われる部屋に突撃する
「この部屋で正解だったみたいですね」
「来たんだね破魔ネキ」
そう声を掛けてくるのはショタおじ、対面している帽子を被った男性、ヘルメスはあちゃ~といった感じの反応をし、縛られているエロースはビクついている
「とりあえず、一発は殴らせてもらいますね」
テクテクテクとゆっくりと、真っ直ぐにエロースと思われる、縛られている翼の生えた少年の姿をした神の顔面を殴り抜く
「やめ…………がぶぇ」
エロースの整った顔面は陥没し、首の骨がへし折れて、首が千切れかけている、誰がどう見ても即死である
殴り抜いた感触と、一撃で即死したエロースの姿に私は首を傾げる
「あれ?…………拳の威力が上がってる?」
「暴走状態だけじゃなくて、一度繋がったからか怪力は常態化してるのか」
やれやれといった感じにエロースを蘇生するショタおじ
「キミ達ギリシャ神話は本当に余計な事をしてくれたね、ボクの分身から得た情報からも、彼女を危険人物扱いする黒札が出始めてるんだよ、どちらかと言えば、温厚な人物なのにね」
「一応言っておくと、エロースがゼウスの指示で動いてこんな事を企んでいた事を、俺は知らなかった、コレだけは信じて欲しい」
被っていた帽子を取り、真剣な表情でショタおじを見詰めている
「一応信じるけど、疑わしいって事は理解して欲しいね」
「それは仕方が無い、本当に、大神ともあろう者がこのような事を企むとは、聖書の神に知恵を奪われただけでなく、長い時の中で彼も耄碌してしまったのか、本当に…………嘆かわしい」
本当に、本心から言っていると分かる言葉を、沈痛な面持ちで口にするヘルメス
「そこのエロースにもちゃんと聞いていて欲しいけど、彼女は元々ギリシャ神話からの神使の態度が余っ程悪くない限りは割り引きして売るつもりだったんだよ、自分の手が届かない場所でメシア教の天使を殺してくれるから…………ってね」
「それは…………本当に余計な企みだったね、無駄に欲張って最悪にするとか、耄碌が過ぎるぞゼウス」
「上司があまりにもアレなら見限るのも一つの手ですけどね、盲目的に従うのって忠臣じゃなくて愚者ですし」
本気で落ち込んでいるヘルメスに私は思った事を伝える
「ハハッ、それも一つの手だけど、ゼウスを見限るつもりは無いよ、流石にまだ…………ね」
最後の言葉は本当に小さく、エロースには聞こえないように呟いていた
「損害賠償も兼ねて8割増、最低でもこの条件で交渉してくださいねショタおじ」
「分かったよ、キミはどうするんだい?」
「エロースを殴りたくなりますし、危険視されてる私が星霊神社に居ると、修羅勢未満の黒札が煩いでしょうし帰ります、後々に事情説明をして評判を回復してくれると助かりますが」
「それも仕方無いね、火消しの方もちゃんとやっておくよ」
「事情が事情なので、私がいつ暴れるかわからない危険人物扱いは流石に不愉快なので、本当にお願いします、スレで騒いでる人が既に居そうなんですけどねぇ」
そう言ってため息を付く、面白可笑しく誇張して騒いでる馬鹿は本当に居るだろうから、本当に困る
お前らが貼ったレッテル通りに行動してやろうかと思う程度には不愉快だ
「破魔ネキだったね、うちのゼウスとエロースが本当に申し訳ない」
「貴方の謝罪は受け入れますよ伝令神ヘルメス、エロースは
そう言って部屋から出る、その直前にショタおじに念話で、おそらくは暴走の原因の一つである【女神の神核】のスキル名とその効果を伝える
会談をしている部屋から出て、星霊神社から出て行ったと周囲に理解させるために、星霊神社の敷地の外まで徒歩で移動する
星霊神社から出るまで、周囲の視線と声が本当に鬱陶しかったが無視した
途中での森で、私の霊力の残滓が強く残る破壊跡を発見して驚く
「腕力のみでコレを行ったとか、未覚醒者や低Lvの者から危険視されるのも仕方ないですね」
クレーター、捲れ上がった地面、ひび割れた大地、倒れた木々、神性宿る大量の血痕、浄化されていってはいるがそれでも残る夥しい量の強力な呪詛
危険物扱いも仕方が無い
そう結論付けて、星祭神社へと移動し、憂さ晴らしに異界で暫し暴れようと思ったが、急激に上昇したステータスに慣れるのに手間取り、体術全般に問題が発生した為に高火力魔法砲台に徹して暴れたが、肉体の感覚の調整にこの日から暫く時を必要とする事になる
一通り暴れた後に、温泉にゆっくり浸かってから自宅に帰った
スキル【狂心乱神】を習得した
ギリシャ神のポセイドン
アポロンとの繋がりが強化され、ステータスが大幅に向上しました(巨人を松明で殴り倒せるヘカテーの影響も若干あったり)
鏑木紫Lv78
HP520→820
MP1400+大魔脈最大MPを大きく上昇
力44→84
体50→90
魔180
速61→101
運75
狂心乱神
魅了状態になった時のみ発動
狂戦士化して自身に魅了を打ち込んだ存在に突撃する、対象からの全攻撃にカウンター、1ターンに【2回攻撃の通常攻撃】を五回行う、行動以外でのプレスターンアイコンの減少を無効、防御力二段階上昇、速度二段階上昇、攻撃力が最大まで上昇、効果発動時は物理攻撃適正+4、物理耐性貫通効果、操作不能(デメリット)、敵味方の判別不可(デメリット)
精神異常無効化と逸話補正付きの魅了でバグった状態でもある
愛の神からの魅了のみが精神異常無効化を貫通する(自分から受け入れて食らった場合は別である)