【カオ転三次】終末が約束された世界で生き抜きたい 作:ディストピア
真・女神転生-20XXと真・女神転生-東京鎮魂歌-なんかがSwitchで配信開始するみたいですね
それにしてもSwitch2欲しいなぁ
半終末が訪れて早くも一ヶ月以上の時が流れた
海外からの避難民が姫路支部の管轄範囲内にも訪れたり、半終末の影響で悪魔事件が増えた結果覚醒する者が増えたり……結界とかのお陰で他所よりは被害がマシだけど、そんな新規覚醒者や避難民が姫路支部に所属する事になり人員が増えたので、その人達に最低限知っておくべき事を教え込む必要が出てきた
そんな訳で、私が講義を行う事になった…………何故こうなった、姫路支部の支部長だからだよねぇ……………はぁ
多くの人が集まった講堂、私はそんな人々の前に立っている
「覚醒したての皆さん、避難民としてこの地に来ていながらも所属してくれた方々、一神教に所属しながらも知識を欲した方々、よく集まってくれました、座っている皆さんの前には事前に制作した簡単な資料とメモ帳が有りますのでご自由にお使い下さい、日本語しか無い点は申し訳ありません」
講堂に集まってくれた人達にそう声をかけて頭を下げる
「では、講義を始めます」
「まず最初に、覚醒したからといって絶対に悪魔と戦わなければならない……というわけではありません」
私の言葉を聞いてざわつく覚醒したての面々、プロジェクターを操作して霊的武具の写真をスクリーンに映し出す
「そもそも霊能は戦闘特化ではありません、例えばですが、製造や生産に特化した霊能も有ります」
「霊力の宿る金属を鍛えて作る霊剣や霊刀に霊槍等の武器、霊力の宿る布を霊糸で縫い合わせて作る魔法のローブ等の防具、魔法の力が宿る道具の製造がありますね、薬の調合も有りますが、その分野で有名なのは魔女ですね」
プロジェクターを操作し、今度は豊穣神や技術神に関するページをスクリーンに映し出す
「製造系の神様だと日本は
「ギリシャ神にはヘファイストスという火と鍛冶と工芸の神が、インド神にはヴィシュワカルマが職人の神で、神々の宮殿の建造者で、乗り物・武器の製造者ですね」
おお〜と感心する者、成る程と言いながらメモに纏めていく者が居る
「武具の製造だけに限定してもこういった神々が存在し、豊穣神や稲作の神の加護の領域の食物の生育に関する霊能も有ります」
「生産系だと、日本の豊穣神には五穀豊穣を司る
「日本の農業に限定した神様には、
「日本神について詳しく説明すると
五穀豊穣を司る神で、生命の根源を司る「いのち」の根の神として、農業、工業、商業、水産業などの守護神とされています。
伊勢の神宮外宮の主祭神で、穀物の豊穣や食物の神として信仰されてますね。
雷のエネルギーを宿したパワフルな農業神です、雷が落ちた場所は生育が良くなるって話ですね」
聞きながらメモしていく人が多いので一旦間を置く
「ガイア連合の中にも製造部っていう製造に特化した部署が存在し、その中に武具を製造する部署、魔法道具を作る部署、この2つは掛け持ちをしている人も居ますね、他にも食べ物を追求する農業部が存在します、それと、能力的に戦闘適性は有るけど性格的に向いてないからと製造部に所属してる人も居ます」
「だから、必ず戦わなければならない訳ではありません、ただ、霊能を高めている方がより性能の高い物を作れるので、製造部の人は時々自作した道具で悪魔討伐してたりしますがね」
「それと、日本人だからといって霊能が必ず日本神に結び付いている訳でもありません、ですから、純血の日本人なのにギリシャ神に近しい霊能を持つ人も居ます」
そんなものなのかって反応が広がる
「それから霊能にはこんな物も存在します」
手を顔に翳し仮面を出現させる
ペルソナ【ツキヨミ】顕現
突如として出現した強大な力を持った人型にざわめきが広がる
「コレは【ペルソナ】と言います、ペルソナ能力者と呼称しますね」
「ペルソナ…………仮面?」
「ペルソナは心の鎧、死の恐怖を乗り越える強き心、真実を突き止めようとする強き意志、理不尽に対する怒り、迫りくる破滅の運命に抗う反逆の意思、そんな心の強さが力になる霊能です」
ペルソナと認知異界に関する簡単な説明を纏めた資料をスクリーンに投影する
「ペルソナ能力者だけが【認知異界】と呼ばれる特殊な異界に入り込めます、人々の集合無意識、精神世界に発生してしまった異界、そこにペルソナ能力者以外が入り込めばやがて自我が集合無意識に溶け込んでしまい消滅するか、自身の心の影、目を背け続けた自身の側面、【シャドウ】と呼ばれる己の負の側面を暴走させて殺されます」
「ペルソナ能力者が問題なく活動できるのは、シャドウを、己の負の側面すらも己自身であると心から受け入れて己の力に変えているから、【ペルソナ】という自己を確立させる鎧を持っているからです」
「認知異界では集合無意識から零れ落ちた人の精神の欠片や、恐れや不安などの想念の集合体がシャドウとして【悪魔】や【神】に【神話や物語の英雄】の殻を被って活動しています、倒すのが悪魔か悪魔の殻を被ったシャドウかの違いですね」
「しかし、認知異界の中には現実に居る人の精神の写し身が居る場合がありますが、それを殺してしまった場合、現実に居る人の自我の崩壊や精神の一部を喪失した事によって【無気力症】と呼ばれる状態となり、最悪そのまま存在自体を維持できなくなって消滅します」
「それから、ペルソナ能力者の資質を有する者が事故か偶然で認知異界に迷い込む事例も有りますが、悪魔の殻を被った野良シャドウに殺されるか、暴走した自身のシャドウに殺されるか、ペルソナ能力者に覚醒して生き延びるか、運良くペルソナ能力者による救援が間に合うかですね」
「悪魔が闊歩する場所に身一つで放り出されたらどうなるか……なんて、言うまでもないと思いますが、覚醒しても時間稼ぎにしかならず、たまたま実力者が通り過ぎるなんて幸運を掴まないと基本的に死にますね」
「ついでに、強く強靭な意志を持つならば人間以外が目覚める場合がありますね、それから精神的に強く成長した、心の在り方が変わった、そんなきっかけでペルソナが変化する場合もあります」
「心の在り方が変わる……ですか?」
「不安や焦りと向き合った結果ペルソナに覚醒しても、その不安や焦り自体が解消されているならば、己の心との向き合い方も変わる、理不尽を見て見ぬふりをするのかと義侠心や正義感が刺激されて変化する場合も有れば、愛する者を守る強き意志がペルソナに影響を与える場合もある、そんな心の在り方一つで強くも弱くもなる、それがペルソナ能力者です」
とりあえずそう纏めておく
「だからまぁ、洗脳なんてされて思考が塗り潰されて自我の強さが低下すると必ず弱体化しますね」
例え話として一応言っておく、メシア教が実際にしていたとは言わないが
「此処からは資料が無い事を少し話します」
「補助や支援系の霊能の中には【歌唱】や【呪歌】による
「歌を聴いている味方の能力を強化する歌も有れば、強化を【自己治癒能力】や【免疫機能】にする事で癒しの力を発揮する事も出来るし、傷付いた心を癒す力を付与する事も出来る」
「回復魔法で癒せるのは肉体の傷だけ、傷付いた心を癒やすことは出来ない、けれど、歌ならば癒やす事が出来る、たかが歌と卑下する必要なんてありません、ペルソナ能力者にも有用ですが、心を癒やす事が出来るのは十分誰かの力になれます、やりたいと心から思うのならばその道を突き進んで良いのです」
「戦闘班に所属しようが、製造部に所属しようが、医療班に所属しようが、誰かの心を癒すための慰撫の為の歌を歌おうが、自由なんです」
後ろの方で涙ぐんでる猫耳少女とその友達が居るな
猫耳少女は、半終末が訪れて1週間程度の頃に悪魔から助けた猫又のデビルシフターの少女だ、覚醒したのは悪魔に襲われる直前に彼女が骨董品屋で古いギターを購入していて、ギターに宿っていた付喪神と同調した時だけど、覚醒しても悪魔相手には怯えていて逃げることすら出来てなかったね、名前は確か聖川詩杏だったかな、何故か猫耳が出っぱなしなのが悩みでもあったね
一緒に居るのは避難民の中に居た子達だね
確かハヤタロウのデビルシフターのレトリー、羊悪魔のカイチのデビルシフターのモア、イナバシロウサギのデビルシフターのチュチュだったかな
猫少女のシアン、犬少女のレトリー、羊少女のモア、兎少女のチュチュって、SHOW BY ROCKのバンド【プラズマジカ】な組み合わせだよね、曲が好きだったんだけど、もしかしたら生演奏が聴ける未来が有るかも知れないね、楽しみだなぁ
歌に関しては彼女達の為にしたと言っても良い、覚醒を切っ掛けに詩杏が姫路支部に所属したけど、戦いなんかよりも歌を歌いたいって悩んでいたようだったからね
この後にも少し話をしてから講義は終了した
講義が終わった後、講義を聞いていた人達の中に紛れていた穏健派の人達との会談を行う、メシア教のやらかしを暴露する様な、警戒心を持たせるような事を言わないか警戒されていたからだが、いったい何様なんだろうか?
暫く話し合いを続け
「これでも私は貴方方穏健派には譲歩してますよ」
そう言って紅茶を一口飲む
「なにせ…………私の前に居るのに貴方方は今も生きて、呼吸をして、自由に喋って、行動すらも封じていない、余程の理由がない限りは過激派ならば発見次第に【天使への信仰心・忠誠心】が高い程に病状が悪化する複数の病魔で蝕み、言動の自由を奪ってますよ」
穏健派の護衛の何人かが息を呑む
「ほら、こんなにも私は譲歩してあげていますよ、過激派相手には無駄の極みでしか無い
目を閉じたまま笑みを浮かべ、適当なお茶菓子を口に運ぶ
「殺していない、それが貴女の譲歩だとでも?」
「ええ、どうせ私の事は軽く調べているんでしょう?、過激派ならば問答無用で殲滅してますよ、異界の外なので後の対処が面倒ですがね」
「異界の中ならば迷わず殺る……と?」
「当然でしょう、言葉を交わす価値すら無い害獣の群れ、余程の理由がない限りは見敵必殺が基本ですよ」
「ですが、貴方方は一応は過激派とは
私の言葉を聞いて笑顔のまま、口元がちょっと引きつってるね
「メシア教が癒しの聖女扱いして便利に使っていたアーシア・アルジェント、避難民として日本に来た彼女は、祖国で知らぬままに協力していたメシア教のやらかしを知って後悔し、罪を償う為にも一神教に合流したいと強く希望したので手助けしましたが、同時に、貴方方穏健派が避難民を保護して手元に置くのも邪魔してないじゃないですか」
「それは……そうですが」
「過激派と思われて当然の事を行えば過激派として潰しますが、大人しく人助けに勤しんでいるなら妨害はしませんよ、ですが、警戒心を持つのは当たり前、穏健派といえども
なにせ……と言いながら1枚の写真を投げ渡す
「私の親友を聖母なんてものに改造して、改造された彼女を私が殺す羽目になったんですから、警戒するのは当然でしょう?」
「…………この人物が貴女の親友の成れの果ての姿だと?」
疑わしげに聞いてくる穏健派の代表
「頭部の人型、髪を縛るリボンを見て下さい、小物が付いているでしょう」
「…………見にくいですが、確かに有りますね、木製ですかね?」
「ソレは私が霊力を込めながら手作りして渡した、世界で一つだけの物です、ほら、決定的な証拠です」
「それは…………確かにそうですね」
「ちなみにコレですね」
袖の中からかつてちひろちゃんにプレゼントした小物を入れたケースを取り出してテーブルに置く
相手がケースを手に取ろうとしたら私が笑顔を浮かべたままケースの位置をずらして触らせない、それを何度か繰り返したので手には取らせないって意思を感じ取ってくれたらしく、ソファに座り直してからアナライズで解析してくれた
「…………確かに貴女の霊力が宿ってますね、今の貴女と比べればあまりにも微弱ですが」
「碌な知識も技術も持たない10歳が作った物ですからね」
「未熟な時の代物ですか」
「そうですよ、そんな拙い物でも大事に使い続けてくれていた、互いに大事な友人でしたよ」
ニッコリと微笑み合う、何故か穏健派の護衛の何人かが胃の辺りを押さえているが、何ででしょうね?
「新しい物は渡せなかったと?」
「家庭の事情で引っ越してしまいましたからね、数年ぶりの再会でしたよ、感動の再会ではなく、最低最悪の再会で涙を流しましたがね、別れていても絆は在る、別れていた時間が想いを強める場合もあります」
「それはわかります」
返事を聞いてからケースを袖の中にしまい、そういえば……と話を切り出す
「聖母といえば、メシア教でエクソシストとして活動していたフリード・セルゼン、彼は自分が強化改造される分には受け入れるが、妹が聖母にされるのは我慢ならないとして、妹を連れて脱出して今は一神教に合流してますね、不良神父な自覚が有るから近々ガイア連合に一神教からの出向扱いで来る予定だとか」
「フリード・セルゼンですか、名を聞いたことはありますね、性格は悪いが腕が良いエクソシストだとか、彼も妹と共に一神教に行きましたか」
「無理矢理に連れ戻す……なんて事はしないで下さいね、対悪魔戦闘の知識で新人育成に力を貸してもらう予定なので」
「メシア教に居るのが危険だと判断して一神教に移ったのですから、仕方がない事ですね」
なんだろう、私達二人は向き合いながら笑顔で会話しているのにも関わらず、穏健派の護衛の方々が胃の辺りを押さえて苦しんでいるが、何かあったのだろうか?
「そちらの護衛の方々が何やら具合が悪いようなので、今回の話は此処らで終わりにしましょうか」
「そう……ですね、今日の所はこれで失礼します」
「なんだかんだで長い付き合いにはなりそうなので体調には気を付けて下さいね、貴女が倒れると穏健派の一部の馬鹿が暴走するかも知れないのでね」
「お気遣いどうも有難うございます」
そう言って頭を下げてから部屋から出たが、支部から出ていくまで見送らせてもらう
「あっ、一つ言い忘れてました」
玄関でそう口にする、これは本当、言おうとは思っては居たのだが、あまりにも巫山戯ている為に思考から排除してしまっていた事だ
「なんでしょうか?」
「メシア教穏健派の中にですね、ええ、一部の戯言なんでしょうけどね」
?と首を傾げる女とその護衛達
「よりにもよってガイア連合の事を、
真顔のまま殺気をぶち撒けながら言わせてもらう、メシア教ガイア派って本当になんなんだ、巫山戯ているにも限度って有るだろう、穏健派だろうと頭がイカれきった狂人なのは変わらないって事で良いのかぁ、不意に聞かされたら反射的にぶち殺したくなるような戯言なんだけどさぁ、本気で意味が分からないんだけど
「えっ……………………………………そんな人達が居るのですか?」
長い沈黙は本気で困惑してるって事か、護衛も硬直して困惑してるしね
「居るから言ってます、本当になんとかしてください、本当に迷惑なので」
「はい、私達でも調べさせてもらいます」
そう言ってから帰っていった、走ってはいないが、あの速度だともはや競歩だね、見えなくなるまでは見させてもらうが、相手が居ないから嫌悪感は隠す必要が無いから楽だ
「ウシジマニキに以前釘を刺されてましたが、穏健派とはいえメシア教と付き合うのは心底不愉快ですね、ですが、一応のトップの座に居る彼女を排除すれば残った馬鹿が確実に暴走するから手出しも出来ない、なんて面倒臭い」
本当に面倒臭い、そう吐き捨ててから私は支部長室に戻るのだった