【カオ転三次】終末が約束された世界で生き抜きたい   作:ディストピア

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破魔ネキの故郷は、兵庫県加西市東剣坂町の外れに存在する集落であって、古法華町や古法華村ではなかったりする


第43話

 

播但線の列車に乗ってのんびりと兵庫県北部に移動中、地図帳を開いて地形を確認しながら考えている事をメモしていく、まぁその片手間に聖域鉄杭を収納バッグから直接転移で地脈付近に飛ばして打ち込んでいるが

 

 

「加西市の……中富町付近、確か前世の22年辺りから大量の田畑を潰して整地して工場や倉庫を建てていた筈だけど、終末が訪れたら確実に生産数は落ちるし、工場自体は必要だとは思うけど、先に田畑の土地をこっちで大量購入して農業希望者の仕事にした方が良いね、まぁ20年近くは先の話だから今は構想すらしてないだろうけど」

 

確か……リスパックだったかな、植物由来のバイオマス食品容器の製造工場だった筈だけど、悪いけどこの世界では別の土地を買って欲しい、あの辺りの開発計画は県道24号から見える範囲の田畑を一部を残して軒並み潰してたからね、折角ある広い田畑は有効活用しないとね、この世界ではリスパックには可能な限り田畑を潰さない土地で工場を建ててほしい*1

 

 

「玉丘古墳近くの異界は完全に乗っ取っているけど近々調整したほうが良いかな、古代林から樹木の伐採だけでなく、可能なら田畑を作りたいし、向いてる異界が近場に在れば良いんだけど」

 

関西圏の農業神は確かお稲荷様(稲荷大神)だったかな、今度手土産片手に交渉しに行こうかな?

 

 

「可能なら田畑だけでなく牧畜用の異界も欲しいけど、農業異界なら農業神の分霊の力を借りればいいけど、牧畜異界となると……何の力を借りれば良いんだろ?」

 

場所に関しては適当な地霊系を従えて異界を構築した方が速いかな?

 

 

「まぁ優先すべきは農業異界の方だね、終末後の食料自給力は大事だしね、ただでさえ姫路城の結界が広いから守護する範囲が広いから、その影響で人口は減らないから食料はその分大量に必要に成るし」

 

大阪の方針もちょっと納得出来てしまう問題だ、姫路城を核とした超広域結界が姫路全域を覆う範囲なのは私にも予想外だったし、ソレを聖域鉄杭で更に補強してるから尚更強固になってるし、他の地域の四分の一程度にまでは悪魔の出現も抑えられてるし、少しやり過ぎたかな?

 

 

「紫ちゃん、駅弁の姫路城弁当もあなごめしも両方美味しいよ、ほらあ〜ん」

 

隣に座っていたリュールが弁当の差し出してきたので口を開けて受け入れて咀嚼する

 

 

「ん……確かに美味しいですね、普通の食材にしは……だけど」

 

 

「グルメ食材を食べ慣れちゃってるしね、でもこれはこれで美味しいよね」

 

「それは確かに、私もそろそろ弁当を開けようかな」

 

目的地に着くまではちょっとした小旅行気分を満喫しよう

 

 

今回兵庫県北部を目指しているのは但馬地域に強い影響力を持っている名家の元で会談を行うからだ、しかし、会うのは初めてではない、以前ジャックフロストに遭遇した依頼*2、それが但馬地域の香美町に居を構える正常に機能している地方名家、神里家からの依頼だったからだ

 

 

魔法剣術ともいうべき物を継承している一族*3、かつては氷紋剣とも呼ばれていたその魔法剣術はその名の通りに氷結属性なので、真冬の氷結耐性持ちの悪魔が跋扈する異界とは相性が悪く、それ故にガイア連合に依頼を出した過去がある

 

 

そのタイミングで異界に攫われた者*4の関係者の声を聞き、義憤に駆られた現当主の幼い妹*5が単身で異界に突入、悪魔に囲まれていた所を私が助けた過去がある*6、ジャックフロストに遭遇したのはその後だ

 

 

 

駅弁に舌鼓を打ちつつ播但線から山陰本線に乗り換えて豊岡市まで向かい、豊岡駅で降り、神里家が手配していた迎えの車に乗り、国道178号を通って香美町に向かい、大乗寺の近くに存在する神里家の屋敷に向かう

 

 

 

 

神里家の門を通り、敷地内に入ると出迎える為に出て来た一人の少女と再会する

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

「お久し振りです紫さん」

 

「神里綾華ちゃんだったよね、大きくなったね」

 

「はい、紫さんもお元気のようでなによりです、本日はガイア連合の姫路支部の支部長として来られたのですよね」

 

 

「そうですよ、ああ、紹介しますね、彼女は私のパートナーのリュールです」

 

「リュール様ですね、はじめまして、神里綾華と申します、宜しくお願いします」

 

そう言って頭を下げる

 

 

「リュールです、こちらこそ宜しく」

 

 

リュールも頭を下げ、少し言葉を交わし

 

 

「ではお二人共付いてきて下さい」

 

 

先導する綾華の後に付いて歩き、屋敷の奥に向かう、その際に

 

 

「良し、噂のガイア連合産の式神が女性って事はチャンスがありますね」

 

神里綾華がこんな事を呟いていたのは聞き逃した

 

 

 

2時間後

 

 

神里家配下の者たちが見守る中、神里家当主の神里綾人との会談が終わった

 

 

 

「我々神里家の者はガイア連合の、鏑木紫さんの配下となり、今まで通り兵庫県の北部の治安維持を務める事に加え、ガイア連合の者が身を休める事が出来る派出所として活動する」

 

「私は配下となった貴方方に戦力として私が作る式神達を派遣する、手始めにタンク役の重騎士・アーチャー・盗賊・ヒーラーの僧侶を各三体派遣します」

 

当主神里綾人の許可を取ってから転移の術式を起動し、式神工場から今回の会談のために製造していた式神達を転移で背後に呼び出す

 

 

「おお、なんと力強い霊力か」

「これ程の存在を作り出すとは……凄まじい」

「これがガイア連合の、鏑木紫殿の技術力か」

 

式神達を見て、神里家配下の者達が感嘆の声を漏らす

 

 

「彼、神里綾人が貴方達のマスターです、今後は彼の指示に従い活動するように」

 

「「「「了解です、マイスター」」」」

 

 

私は私で式神達に指示を出しておく

 

 

「式神の譲渡感謝いたします、それと、コレはお願いなのですが」

 

「なんでしょうか?」

 

予定に無い事なので首を傾げる

 

 

「どうか綾華を預かってほしいのです、海外の事を考えると今以上に悪魔は活発に活動するでしょう、今後の情勢を考えると我等が壊滅する可能性も高い、しかし、綾華がそちらに居るならば神里家の血は残せる、我等はこの地で生き、この地で死ぬ、その覚悟はありますが、綾華には広い世界を知ってほしいとも思っています、綾華が色々な意味で憧れている貴女の元でなら我等も安心ですし」

 

 

「成る程、預かる分には構いませんが、その分働いてもらいますよ」

 

「それは当然の事でしょう、綾華は政治面も学んでいるのでそういった分野でも力になるでしょう、なんなら愛人にして囲ってくださっても構いません、ガイア連合には女同士でも子を作れる技術が有るとも聞きますし」

 

 

「はい?」

 

思わぬ話に思わず呆けてしまう

 

 

「貴女にその気が有ればの話ですけどね、私としても知らぬ者に綾華が孕まされるぐらいならば、信用出来る貴女の方が我等としても嬉しいということです」

 

 

「彼女は美少女だとは思いますが、その辺は流石に確約出来ませんよ」

 

「分かっています、可能性が有るだけでも良い事です………………綾華自身の提案ですし」

 

最後に何かボソッと呟いていたが、考え事をしていたせいで聞き逃したな

 

 

「香美町にジュネスの誘致にシェルター建設や結界構築にガイア連合の力を借りられるのは有り難いことです」

 

「私が直接的に力を貸すには距離がありますから、派出所への支援として手は回しますね、播但線沿いに霊道の構築も計画してますし、聖域を刻んだ碑の提供とか、援助はしますよ」

 

「それは本当に助かります、ICBMの大量発射以降は悪魔の活動が本当に活発になりましたからね、姫路城を中心とした結界程でなくとも聖域化が出来るなら有り難いです」

 

 

 

その後も暫く会談を行った後終了、妹を押し付けられる予想外は有ったけど、他には問題は無いね

 

 

帰りも播但線で駅弁に舌鼓を打ちつつのんびり帰宅する、定期的に聖域鉄杭を転移で打ち込んでいくのも忘れない

 

 

 

「それにしても、愛人希望とかどうしようかな?」

 

 

「?霊能組織ってそんなものだって師匠達からも聞いてたんだけど」

 

「浮気カウントじゃないの?」

 

「そんなものだってあの世で教育されてたし、手当たり次第に手を出す色狂いにならなければ良いかな、私が一番長く一緒に居る事になるだろうし」

 

「そんなものですかね」

 

「それに、最近は刑部姫さんも狙ってるみたいだし*7

 

「ああ…………時々覗いてますね*8、混ざりたがっていたのか………あれ、最近描いてる同人誌の資料扱いだと思ってた*9

 

 

「その一面もあると思うけどね」

 

 

聖域鉄杭を打ち込みつつ、そんな雑談をしながら姫路へと帰還した

 

 

 

 

1週間後の早朝

 

 

「今日から支部でお世話になりますから仲良くして下さいね」

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

支部に行くと満面の笑みの神里綾華と遭遇した

 

 

 

一週間の間に高校の転校の手続きと引っ越しを済ませたようだ、お手伝いさんが一緒に暮らすらしい、凄い行動力だね

 

 

 

向けられてる好意が凄いんだけど、この感情ってLOVEなのかな?、ひょっとして助けた時に性癖捻じ曲げちゃった?*10

 

幼い少女の性癖を捻じ曲げた

 

 

今更ながらにそんな事実を突きつけられた私だった

 

 

責任取ったほうが良いのかな?

 

*1
作者が加西市経由で西脇市に行く時に見ている光景

検索すると出てくるストリートビューで見える範囲

工場と反対側の整地中の場所は元々は田畑だった場所です

*2
第16話

*3
実力者は狩られたが、秘伝書の類は一族の血に反応して開く隠し扉の先の地下室に収めていたから無事だった

秘伝書頼りに模索してそれなりに立て直した名家である

*4
ユキジョロウと遭遇した時に漂っていた血の匂いの主

*5
当時12歳、現在16歳で9月28日に17歳になる

*6
危機的状況に駆け付ける王子様風に颯爽と助けたので、見惚れられていたのを知らない

*7
刑部姫は気付かれている事に気付いてません

*8
刑部姫は気付かれている事に気付いてません

*9
同人誌を描いている事がバレている事を刑部姫は知りません

*10
漸く気付きました

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